魔窟ケ原の岩屋で、高姫、黒姫、高山彦は、青彦らの首尾を待っていた。そこへ様子伺いに行っていた梅公は、辰公、鳶公を従えて息せき切って戻ってきた。
梅公の様子を見て、門番をしていた寅若は、不首尾を悟ってあざ笑う。
青彦らの戻りが遅いので、高姫は心配するが、黒姫は自分が信任した青彦たちをかばう。黒姫は夫の高山彦に同意を求めようとするが、高山彦も青彦たちに対して懐疑的なため、黒姫と喧嘩になり、高姫にたしなめられる。
そこへ、寅若に連れられて梅公たちが入ってきた。黒姫は首尾を尋ねるが、梅公たちははぐらかしてはっきり答えない。高姫が、青彦たちは三五教へ返ったのだろう、と問うと、ようやく梅公はその事実を認めた。
それを聞くと高姫はさっさとフサの国へ帰ろうと、鳥船指して由良の港へ走って出て行ってしまった。
高山彦は、このままでは高姫に合わせる顔がないと、世継王山に単身乗り込んで、玉照姫を奪おうと駆け出した。黒姫も高山彦の後に続いた。