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文献名1霊界物語 第19巻 如意宝珠 午の巻
文献名2第1篇 神慮洪遠
文献名3第4章 善か悪か〔649〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ滝(滝公)、板(板公) データ凡例 データ最終更新日2019-09-12 11:16:09
あらすじ悦子姫は、夏彦、常彦、加米彦、滝公、板公を連れて、使命を明かさずに世継王山麓の館を後にして神業に出立した。音彦と五十子姫も、別の使命を受けて何処ともなく出立して行った。
後には、紫姫、若彦(青彦)、お節、お玉、馬公、鹿公の面々が玉照姫を保育していた。いつしか秋の半ばになっていた。
ある真夜中、門の戸を叩く者があった。鹿公と馬公はその音に驚いて目を覚ました。激しく叩く音に、鹿公が誰何すると、男は江州竹生島から、紫姫を尋ねてやって来た者だ、と答えた。
鹿公は正体が分からない限り、夜に門は開けられない、と答えると、男は亀彦だと名乗った。そして、神素盞嗚大神の使いとしてやってきたのだ、と告げた。
鹿公、馬公は、若彦と紫姫に注進した。一同は急いで寝間を片付けると、門を開けた。すると亀彦は金色の冠、夜光の玉を身につけ、薄絹の白衣を着て威儀厳然としていた。亀彦は門内に入ると玉照姫の前に拍手再拝、神言を奏上して正座に着いた。
そして、神素盞嗚大神は若彦、紫姫が黒姫をたばかって玉照姫を迎え入れたことに対して非常なご不興を蒙っていることを告げると、大神の命として玉照姫を黒姫に渡すこと、若彦と紫姫は宣伝使の職を去ることを言い渡した。
紫姫は非を認め、謹んで大神の責めを受けたが、若彦は、玉照姫を迎え入れた手柄に対して責めを受けるのは納得がいかない、亀彦は偽物だろう、と霊縛を加えようとした。すると亀彦の背後から女神が現れて、その光が若彦を射ると、若彦はその場に倒れてしまった。
亀彦は、「泣いて馬謖を斬る」が大神と英子姫の心であると告げ、直日に見直し聞きなおして奇魂の覚りによってこの大望を遂行すれば、再び神業に参加することを得るであろう、と言い残すと、女神とともに忽然と姿を消した。
若彦はようやく自分の非を悟り、拍手を打って大神に感謝した。玉照姫はにこにこを笑い出した。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年05月06日(旧04月10日) 口述場所 筆録者藤津久子 校正日 校正場所
OBC rm1904
本文の文字数4872
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本文  瑞穂の国の真秀良場や  青垣山を繞らせる
 下津岩根と聞えたる  要害堅固の神策地
 小三災の饑病戦  大三災の風水火
 夢にも知らぬ世継王の  山の麓に現れませる
 玉照姫の御稜威  光は四方に照妙の
 衣を纏ひて経緯の  綾と錦の機を織る
 棚機姫と現はれし  紫姫に侍かれ
 月日を重ね年を越え  其名は四方に轟きぬ。
 悦子姫は、夏彦、常彦、加米彦、滝、板を伴ひ、我使命を明かさず、世継王山麓の住家を後にして、何処ともなく神業の為めに出発したり。音彦、五十子姫は別の使命を受け、是亦何処ともなく、行先を明かさず、惟神的に、世継王の住家を後にして出発せり。
 後には、紫姫、若彦、お節、お玉、馬公、鹿公の面々朝な夕なに、玉照姫の保育に全力を尽し居たりける。
 夏も何時しか暮れ果て、天高く、風清く、野には稲穂が黄金の波を打ち、佐保姫の錦織なす紅葉の、愈秋の半となりぬ。
 時しもあれ、真夜中に戸を叩く一人の男あり。馬公、鹿公は此音に驚き目を醒まし、
馬公『オイ鹿公、何だか表の戸を叩く音がするではないか、お前御苦労だが一つ調べて見て呉れないか』
『何、あれは秋の夜の紅葉を散らす凩の戸を叩く音だ。余程お前も神経過敏になつたものだな、そりや無理もない、五六七神政の生御霊玉照姫様の御保護の任に当つて居るのだから、雨の音、風の響にも注意を払ふのは当然だ。併し乍ら余り思ひ過ぎると神経病を起す様になつては詰らないから、何事も神様にお任せして、吾々は能ふ限りのベストを尽し、忠実に務めさへすれば宜いのだよ』
『そりやお前の云ふ通りだが、併し今の音は決して雨や風の音ではない、何か訪るる人が門にありさうだよ』
鹿公『峰の嵐か松風か、一つ違へば狐狸の悪戯か、尻尾を以て雨戸を叩き、吾々を脅威さうとするのだ。此間から幾度となく、ウラナイ教の間者がやつて来て、玉照姫様を奪ひ返さうとかかつて居るらしい、迂濶り夜中に戸でも開け様ものなら大変だ、英子姫様、悦子姫様に申訳がない、先づ此処は、見ざる、聞かざる、言はざるの三猿主義を取る方が安全第一だ。俺の鹿とお前の馬とでシカりとウマウマ守るのだナア』
 戸を叩く音益々烈しくなり来る。
『それでも益々烈しく叩くぢやないか、どうだ一つ紫姫様に伺つて見たら』
『それもさうだな、併し乍ら折角よくお寝みになつて居られるのだから、夜中にお目を醒まさせるのもお気の毒だ』
 表を叩く音益々烈しい。鹿公はムツとした様な声で、
『誰だい、人の寝しづまつた家を無闇に叩くものは』
『吾れは英子姫様の御命令によつて、江州竹生島よりはるばる単騎旅行でやつて来た者だ。紫姫は在宅か、若彦は居るか』
鹿公『紫姫様や若彦様の名を知つて居るからには、何でも何だらう、さう考へると容易に開ける事は出来ない。吾々は昼は寝ね夜は不寝番をつとめて居るのだ。夜の間は俺達の権限があるのだから誰が開けいと云つても、此鹿公の本守護神が開けと命令を下す迄は開けられぬのだ。マアマア暫く御苦労だが正体が分らぬから、自然に開ける迄待つて居たが宜からう。日光に照されて、モウモウした毛を体一面に現はすのだらう。吾々は夜分は目の見えぬ人間だから、平にお断り申す』
 外より、
『さう云ふ声は鹿公ぢやないか、今日参つたのは余の儀ではない。神素盞嗚大神様の御心により、英子姫様の大命を奉じて御直使として出張致した、三五教の宣伝使亀彦であるぞよ』
『何、亀彦さまか、ソンナラ開けぬ事は無いが若しや作り声ではあるまいかなア』
『何、作り声する必要があるか、紫姫以下一同に申し渡す仔細がある。一時も早く開けたが宜からうぞ』
『何だか亀彦さま、今日に限つて言葉つき迄厳粛に構へて御座る、何かこれに就ては善か悪か、吉か凶か、普通のお使ではあるまい、なア馬公、どうしたら宜からうなア』
『荘重な語気だな、今日は大神様の代理権を以て来て居るのだと見えて、いつもとは言霊の響きが何処とは無しに森厳だぞ』
『何、アンナ事を云つて洒落てるのだよ。大変な用向きがある様な語調で吾々を威喝しようと思つて居るのだ。何、心配する事はないさ、大山鳴動して鼠一匹位なものだ。アハヽヽヽ』
亀彦『早く開けぬか、何をぐづぐづ致して居るぞ』
鹿公『ヨオ高圧的に大袈裟に出やがつたな、これでは吾々両人にては一寸解決がつき難い、若彦の大将に一寸相談して見ようか』
馬公『それが宜からう』
と云ひ乍ら若彦の居間に立ち入り肩を揺つて、
『モシモシ若彦さまか、青彦さまか、どちらを云つて宜いのか知らぬが一寸起きて下さい。門口に大変な者が現はれました。サアサア早く起きたり起きたり』
『誰かと思へば馬公ぢやないか。夜の夜中に何を喧しう云ふのだい』
『イエイエ急な事件が突発しました。素盞嗚大神様の御心により英子姫様より御直使として、亀彦の宣伝使が見えました』
若彦『何、亀彦の宣伝使が見えたと、何と遅かつたな、もう英子姫様よりお褒めの言葉が下るか下るかと指折り数へて、紫姫を始め吾々一同は首を伸ばして待つて居たのだ。馬公喜べ屹度御褒美を頂戴するのだらう』
『それは有難い、ソンナラ開けませうか』
『一寸待つて呉れ、寝間を片付け、其処いらを掃除してそれから御這入りを願はないと、こう散けては御直使に対して御無礼だ。モシモシ紫姫さま、お玉さま、早く起きて下さい、英子姫様のお使として亀彦の宣伝使が只今見えました』
紫姫『ア、さうですか、そりや大変です、困つた事になりましたねエ』
『あれだけの吾々は苦心惨憺を重ね玉照姫様を三五教へお迎へ申したのだから、褒めて貰ふ事はあつてもお咎めを蒙る様な道理がない。御心配なさいますな、何程立派な神人ぢやと云つても、女は矢張り女だナア、そンな取越苦労はするものぢやありませぬよ』
『それでも何だか気掛りでなりませぬワ。何は兎もあれ、早く室内を片づけて這入つて貰ひませう』
と一同は夜着を片付け、綺麗に掃除をなし終り、
若彦『サア準備は出来た、馬公、鹿公、表を開けて亀彦さまを御案内申したがよからう』
 馬、鹿の両人は畏まりましたと表戸をサラリと開け、驚いたのは両人、亀彦の宣伝使は威儀儼然として金色の冠を頂き、夜光の宝玉四辺を照らし、薄き絹の袖長き白衣を着し、入口狭しと悠々と進み入り、二人に一揖し、つかつかと奥の間に進み、玉照姫の御前に端坐し、拍手再拝、神言を奏し終り正座に着きける。
 紫姫は手を突ひて、
『これはこれは亀彦の宣伝使様、否、英子姫様の御直使様、夜陰といひ遠方の処、ようこそ御入来下さいました。御用の趣仰せ聞けられ下さいませ』
 亀彦は威儀を正し、
『今日只今此館に参りしは余の儀では厶らぬ。此度其方紫姫を始め若彦の行為に就いて神素盞嗚大神様、以ての外の御不興、英子姫様に御神示あらせられたれば、亀彦ここに英子姫の命の直使としてわざわざ参りたり』
 紫姫、若彦はハツと両手をつき、
『これはこれは御直使様御苦労に存じます。御用の趣、速にお聞かせ下さいませ』
『其方事は神界経綸の玉照姫を天地の律法を忘却し、権謀術数の秘策を用ゐ、反間苦肉の策を以て目的を達したる事神意に叶はず、彼れ玉照姫の神は、一旦、ウラナイ教の黒姫に与ふべきものなり。一時も早く玉照姫様及びお玉を黒姫の手許に送り、汝等は此責任を負ひて宣伝使の職を去るべし、との厳命で御座る』
と厳かに云ひ渡したり。
 紫姫は顔を赤らめ、
『実に理義明白なる御直使のお言葉、妾不徳の致す処、今となつては最早弁解の辞も御座いませぬ。謹みてお受け致します』
『モシモシ紫姫さま、此若彦を差し置き、さうづけづけとものを仰有つては後の結びがつきませぬ。仮令権謀術数の策にもしろ五六七神政の貴の御宝、玉照姫の生御霊を三五教に迎へ奉りたる抜群の功名手柄、御賞詞こそ頂くべきに、却つて吾々の職を免じ、剰つさへ玉照姫様を黒姫に渡せとは大神様始め英子姫様の御言葉とも覚えませぬ。オイ、コラ亀彦、貴様は吾々の成功を嫉み、左様な事を申すのであらう。否、汝の本守護神より出でたる世迷ひ言ではあるまい、屹度副守護神の悪戯ならむ。只今若彦が神霊注射を行ひ、汝に憑依せる悪魔を現はし呉れむ』
と早くも両手を組みウンと一声霊縛を加へむとするや、亀彦の背後より煙の如く忽然として顕はれ給うた光華明彩六合を照徹する許りの女神顕はれ給ひ、若彦が面を射させ給ひぬ。紫姫、若彦は身体萎縮し其場に畏伏しワナワナと震ひ戦き、涙に畳を潤すに至りぬ。亀彦は顔色を和らげ、
『英雄涙を振つて馬稷を斬るとは神素盞嗚大神、英子姫様の御心事、さり乍ら汝よく直日に見直し聞き直し、奇魂の覚りによりて此大望を完全に遂行せば、再び神業に参加する事を得む』
と稍俯むき、同情の涙を流しつつ女神と共に、亀彦の姿は忽然として此場より消えにける。玉照姫の泣き給ふ声は此時より時々刻々に烈しくなり来たれり。
お玉『玉照姫様、どうぞ御機嫌を直して下さいませ。何かお気障りが御座いますか。幾重にも御詫致します』
と頭を畳にすり付け詫入る。
『紫姫さま、大変な事になりましたねエ。若彦はどう致したら宜しいのでせう』
『仕方がありませぬ、成功を急ぐの余り無理をやつたものですから、何程目的は手段を選ばずといつても、それは俗人の為すべき事、吾々宣伝使の分際として余り立派な行動をやつたとは云はれますまい。吾々両人を殊勲者として大神様より賞詞さるる様な事あらば、それこそ三五教の生命は茲に全く滅亡を告げ、ウラル教となつて了ひませう。アヽ大神様の御言葉には千に一つもあだは御座いませぬ。是よりは前非を悔い身魂を研いて本当の宣伝使にならなくちやなりませぬ。玉照姫様のあの御泣き声、御神慮に叶つて居ないのは当然です』
『エヽ仕方がありませぬなア』
 馬公は、(小声で)
『オイ鹿公、梟鳥の宵企み、夜食に外れて難かしい顔を致すぞよ。ドンナ良い事でも誠で致した事でなければ、毛筋の横巾程でも悪が混りたら、物事成就致さぬぞよ、と云ふ三五教の御神諭を知つて居るか』
『ウン、いつか聞いた様に思ふ。ナント神様といふものは七難かしい事を仰有るものだな。三千世界を自由になさる大神様が、ソンナ小さい事をゴテゴテ仰有る様では神政成就も覚束ないワイ。然し乍ら若彦さまや、吾々の師匠と仰ぎ主人と崇むる紫姫様迄が、御退職なさる以上は吾々とても同じ事だ。何とか考へないと馬鹿な目に遭はねばならぬぞ』
『モシモシ若彦さま、紫姫さま、御目出度う、お祝ひ致します』
 鹿公は慌てて馬公の口に手を当て、
『コラコラ馬公何を云ふのだ、些と失礼ぢやないか』
『馬公、よう云ふて下さつた。本当にコンナ目出度い事はありませぬワ。今日只今始めて臍下丹田の天の岩戸が開けました。これから本当の真如の日月が現はれませう。お互様にお目出度う存じます』
 若彦は拍手を打つて、
『大神様有難う御座います。愈私も心天の妖雲が晴れました』
と感謝の辞を涙と共に述べたて居る。
 玉照姫は何とも形容の出来ない美はしき顔色にて、御機嫌斜ならずニコニコと笑ひ始め給ひ、お玉は嬉し泣きに泣き入る。
 馬公、鹿公二人は互に顔を見合せ、
『ハテ合点がゆかぬ。こりやマアどうなり往くのであらうかな』
 紫姫、若彦は今後果して如何なる行動に出づるならむか。
(大正一一・五・六 旧四・一〇 藤津久子録)
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