玉能姫に逃げられた高姫一行は海岸にやってくるが、自分たちが乗ってきた舟もなくなっているのに気が付いた。
高姫は東助に当り散らし、玉能姫とぐるになって自分たちを計略にはめたのだろうと責め立てる。東助は覚えのない非難に怒るが、高姫はあくまでも東助を疑い、部下たちに東助を見張らせて自分は山の上に行ってしまった。
その間に東助は、高姫の部下たちに自分の弁解をして打ち解ける。また、東助は自分が淡路島の大金持ちということを明かして気を引く。
そうしているうちに、東助の持ち舟は波に流されて岸に戻ってきた。それを見た貫州は高姫に知らせに行くが、その間に東助と他の三人は舟に乗って島を出てしまった。
海岸から高姫と貫州が呼びかけても、東助は天罰が当たったのだと二人を助ける気はない。鶴公、清公、武公は東助の子分になってしまった。
高姫は今度は貫州に当り散らす。しかし貫州も日の出神のくせにまったく神力がないと高姫に非難の応酬をする。高姫は怒って黙って山上に上って行ってしまうが、貫州は境遇を悲観して、松の枝から首を吊ってしまった。
しかし足が枝に引っかかってうまくいかなかったのだが、物音に驚いた高姫は、貫州が首を吊って息絶えてしまったと思って嘆き、貫州に詫びを入れ始めた。
貫州は高姫の我を折ってやろうと思って、幽霊の振りをして高姫に改心の約束をさせる。しかし高姫は貫州の首が締まっていないことに気づくと、また元のように威張り出した。
貫州はまた首を吊ろうと思って適当な松の枝を探していてると、高姫は貫州の横面を張ってやめさせた。
二人が磯端に戻ってくると、玉能姫からの贈り物として、舟が一艘横付けになっていた。高姫は、玉能姫が竜神が玉を持っていったと言ったのは、玉が竜宮島に隠してあるに違いないと一人合点し、玉能姫や東助の後は追わず、舟に果物を積むと貫州と共に竜宮島を目指して西へと漕ぎ出した。