蜈蚣姫は、友彦が攻めて来るという噂を黄竜姫に話し、自分に出陣を申し付けるようにと説得していた。黄竜姫は、もし友彦が攻めてきたとしても、あくまで言霊の力で言向け和すだけだと反対する。
あくまで抗戦を主張する蜈蚣姫に対し、黄竜姫は三五教の除名を申し渡した。そして蜈蚣姫を縛するようにと金州を呼んだ。
金州、銀州、鉄州の諌めによって、黄竜姫は蜈蚣姫の除名を解いた。そしてもし友彦が襲来するようなことがあれば、自分が陣頭に立ってあくまで抗戦するつもりだと胸の内を蜈蚣姫に明かした。
そこへ鶴公がやってきて、友彦襲来の噂の真偽を黄竜姫に問うた。蜈蚣姫は、その場にいる金州、銀州、鉄州が他ならぬその報告者だと明かした。鶴公は、三人はこの一ケ月城外に出たことがないのに、なぜネルソン山以西の動静を知っているのか、と三人を問い詰めた。
三人はとたんにしどろもどろになって、答えをはぐらかしている。黄竜姫と蜈蚣姫の前で問い詰められて、ついに三人は、友彦襲来の噂は、鶴公派を出陣させて、その間に清公と宇豆姫を結婚させてしまおうという計略の作り話であったことを白状した。
蜈蚣姫は清公を呼ぼうとするが、鉄州があくまで自分たちが、清公に身を固めてもらって城内を固めてもらおうと思った真心から出た計略だったと有り体に白状したことから、このことは不問となった。