スワの湖の男島と女島は、神に仕える諸神が金銀の蛇・ムカデとなって三寒三熱限りない苦痛を嘗めて世を救うという、諸善竜神の修行場であった。清公に入り込んだ蛇は、玉依姫の分霊・玉永姫の化身であった。
アイルやテーナやチャンキーを女島に投げて苦しい修行をさせ、水晶の身魂に磨き上げた。モンキーはひとり善悪の判断に迷ったが、亀によって導かれ、心の闇を照らされた。
モンキーは神船に乗って進み、遠浅の湖岸に向かって来た。金砂の磯端に着くと、モンキーは飛び降りた。美しい湖面の光景を眺めながら進んで行くと、突然後ろから、虎の両手がモンキーの肩を掴んだ。モンキーは引かれて林の中に導かれ、瑠璃のごとき岩石の元に穿たれた岩窟に導き入れられた。
モンキーはいかなることが出来しても、理智を捨ててただ神に任すべく決心を固めていた。ただ自然に引かれるままに進んで行った。
モンキーは光り輝く洞穴の中をきりきり舞いしながら進んで行く。何時の間にはモンキーは、美しい宝玉で飾られた宝座の上に端座していた。洞穴内の遥か向こうから、五つの玉の光が目も眩むばかりに照らしてきた。
モンキーは思わず目を閉じたが、玉の光る方を眺めてみると、紫の玉には初稚姫、赤い玉には玉能姫、青い玉には玉治別、白い玉には久助、黄色い玉にはお民の顔が映っていた。モンキーはたちまち精神が宙に浮き上がる如く感じ、その場に倒れてしまった。