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文献名1霊界物語 第26巻 海洋万里 丑の巻
文献名2第3篇 神都の秋よみ(新仮名遣い)しんとのあき
文献名3第10章 船歌〔775〕よみ(新仮名遣い)ふなうた
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-10-07 19:03:30
あらすじ
由良の港の川口から、新調の船に神輿を乗せて麻邇の宝珠を守護しながら、北風に真帆をはらませて聖地を指して上っていった。

宣伝使服を来た国依別は船の先にすっくと立ち、被面布を巻き上げて、声も涼しく伏し面白く宣伝歌を歌いだした。かつてバラモン教の宗彦として悪事を為した自分の過去を懺悔し、生き別れの父・松鷹彦と兄・天の真浦と出会って改心し、アルプス教を言向け和したことを歌った。

その後高姫・黒姫が玉を探しに生田の森の館にやって来たのをからかった挙句、高姫・黒姫・高山彦は国依別のからかいの神懸りを真に受けて、竹生島に行ってしまったことを面白く歌い、三人の怒りが穏やかにおさまることを願った。

言依別命をはじめ、船上の一同は国依別の滑稽な歌いまわしに腹を抱えて笑い転げた。

空には様々な色の雲が天を包み、芳香が四方に薫じた。微妙の音楽が聞こえ、一同は天女が中空から船を祝している気分に包まれた。長途の船路もまたたく間に帰り着く如くに感じた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年07月18日(旧閏05月24日) 口述場所 筆録者谷村真友 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年6月5日 愛善世界社版131頁 八幡書店版第5輯 190頁 修補版 校定版145頁 普及版47頁 初版 ページ備考
OBC rm2610
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本文  由良の港の川口より新調の御船に神輿を乗せ、麻邇の宝珠を守護しながら、音楽の音も勇ましく、北風に真帆を孕ませ、悠々として深き川瀬を聖地を指して上り行く。
 船の先にスツクと立上り、宣伝服を着したる国依別は、被面布を巻上げながら、声も涼しく節面白く歌ひ出した。其歌、
『三千世界の梅の花  一度に開く時津風
 天の八重雲掻き分けて  深く包みし天津日の
 影もやうやう冴え渡り  月の光も皎々と
 下界を照らす世となりぬ  此世を洗ふ瑞御霊
 神徳輝く厳御霊  経と緯との御経綸
 茲に揃うて北の空  由良の港に名も高き
 人子の司秋山彦の  神の命の御館
 奥の一間に安置して  玉を納めし柳筥
 神素盞嗚大神や  国武彦大神の
 御言畏み言依別の  瑞の命の神司
 八人乙女の五十子姫  梅子の姫のいと清く
 玉を守りて小波の  打ち寄せ来る川口を
 ゆらりゆらりと上り来る  科戸の風も爽かに
 吹き払ひたる塵芥  曲の身魂の影失せて
 尊き神世は近づきぬ  流れも清き由良の川
 神の恵に上り行く  あゝ惟神々々
 御霊幸はへましまして  尊き神の仕組みたる
 誠の花は匂ひ初め  空前絶後の神業に
 仕へ奉りし国依別の  神の命の宣伝使
 何に譬へむ術もなく  喜び勇み伝へ行く
 思へば遠き其昔  メソポタミヤの顕恩郷
 バラモン教に身を任せ  教司となりぬれど
 神素盞嗚大神が  高天原に上りまし
 天の岩戸は閉されて  世は常闇となりしより
 年端も行かぬ幼児の  親には別れ兄弟に
 生き別れたる悲しさに  奸け曲りし吾身魂
 曲の限りを尽しつつ  親を探ねて夫婦連
 自転倒島を遠近と  憂を三年の旅枕
 嶮しき山を乗り越えて  胸の動悸も宇都山の
 川辺に進む二人連  日頃探ぬる吾父に
 知らず識らずに廻り会ひ  武志の森の神司
 松鷹彦は吾父と  覚りし時の嬉しさよ
 それのみならず吾兄の  天の真浦にゆくりなく
 廻り会うたる嬉しさに  胸轟かす折もあれ
 妻の命は兄妹と  知らず識らずに暮したる
 吾身の罪の恐ろしさ  神に祈りて許々多久の
 罪や穢を払はむと  綾の聖地に参上り
 言依別の神司  貴の御前に立出でて
 尊き神の御教を  いと懇に教へられ
 罪赦されし其上に  実にも尊き三五の
 神の教の宣伝使  国依別と名を賜ひ
 玉治別や竜国別の  親しき友と諸共に
 尊き聖地を後にして  名さへ目出度き亀山の
 月宮殿に参詣で  月照る夜半の森の下
 玉治別にからかはれ  肝を冷せし愚さよ
 神の御稜威も高熊の  厳の岩窟に参拝し
 神徳更に蒙りて  堺峠を打渉り
 足に任せて法貴谷  道にさやれる小盗人
 わが言霊に言向けて  進み行く折千匹の
 聞くも恐ろし狼が  山路を渉る足音に
 木の葉茂れる青山に  姿を隠し進み行く
 玉治別の吾友に  湯谷ケ谷なる杢助が
 館に目出度く廻り会ひ  心も勇む宣伝使
 津田の湖水の水際に  袂を別ち六甲の
 峰を伝ひて鷹依の  姫の命の岩窟に
 一同漸く廻り会ひ  高姫さまや黒姫を
 救ひ出して鷹依の  姫の命を三五の
 誠の道に服はせ  それより進んで杢助が
 生田の森の神館  留守居の役を命ぜられ
 秋彦、駒彦諸共に  教を開く折柄に
 玉に心を奪られたる  日の出神と自称せる
 高姫さまを始めとし  高山彦や黒姫の
 神の司に夕間暮  来訪されて奥の間に
 秋彦諸共忍び居る  高姫、駒彦門口の
 戸を隔てたる押問答  婆さまの声や娘声
 言葉巧に操れば  高姫さまも一時は
 迷はされたる可笑しさよ  漸う表戸引開けて
 教司の駒彦と  暫時争ひ居たりしが
 奥の一間に煙草吸ふ  煙管の音に心付き
 高姫さまは忽ちに  襖押開け進み入る
 南無三宝と仰向けに  グレンと覆つて四足の
 憑依せし如装ひつ  憑依もせない大天狗
 再度山の鼻高と  早速の頓智が仇となり
 高姫さまや黒姫に  真の天狗と誤られ
 玉の在処を知らせよと  夢にも知らぬ国依別の
 命に向つて攻めかくる  遁るる由もなきままに
 嘘言でもよいかと言ひ乍ら  三つの玉の隠し場所
 近江の国は琵琶の湖  波に漂ふ竹生島
 社の下に三角の  石の蓋して隠し在り
 一時も早く片時も  急いで行かねば言依別の
 瑞の命の使等が  又も掘出す虞あり
 早く早くとせき立てて  三人共に竹生島
 同じ所に別々に  指図をすれば三人が
 宙を駆つて走り行く  国依別や秋彦は
 虎口を逃れた心地して  生田の森の館をば
 後に眺めてスタスタと  心の駒の逸るまに
 足に鞭打つ膝栗毛  山野を渉り川を越え
 夜を日に次で綾の里  錦の宮に来て見れば
 言依別や杢助の  神の司を始めとし
 聖地の役員一同は  由良の港に帰ります
 麻邇の宝珠を迎へむと  立出で給ふ真最中
 喜び勇み秋彦を  伴ひ此処に来て見れば
 思ひ掛けなき瑞御霊  神素盞嗚大御神
 厳の顔莞爾と  吾等を待たせ給ひけり
 あゝ惟神々々  恩頼の幸はひて
 今此船に身を委せ  聖地に帰る楽しさよ
 さはさりながら高姫や  高山彦や黒姫の
 三つの身魂は嘸やさぞ  案に相違の力抜け
 国依別の曲神に  尻の毛までも抜かれたと
 面をふくらし泡を吹き  随分怒つて居られませう
 三つの宝珠は手に入らず  五つの玉の神業は
 又もや人に勤められ  心のもめる事だらう
 どうせ聖地へ帰りなば  国依別は高姫に
 胸倉とられ一叱言  聞かして貰ふ事だらう
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましまして
 高姫さまの腹立ちを  なる事ならば穏かに
 和め給へよと三五の  道を守らす大御神
 玉照彦や玉照の  姫の命の御前に
 先を案じて国依別の  神の司が願ぎ奉る
 はや神徳を河守の  川辺に着いた嬉しさよ
 波にせかれて川中に  高姫ならぬいと高く
 腹立岩も漸うに  越えて嬉しき八雲川
 落ち合ふ水に颯々と  涼しき風も福知山
 嬉しき便りを白瀬川  波を蹴立てて上り行く
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましませよ』
と歌ひ終つた。
 言依別命を始め一同は此歌に吹出し腹を抱へて笑ひこけた。
 船は清流を八十綱もて索かるる如く、順風に真帆を膨らせスルリスルリと辷り行く。
 仰いで空を眺むれば天高く風澄み渡る秋の色、忽ち青、赤、白、黄、紫の雲満天を包み、得も言はれぬ芳香四辺に薫じ、微妙の音楽聞え、天人天女の中空に舞ひ狂ひて此船を祝しつつ送り給ふ如き爽快の気分に一同漂はされ、歓湧き興満ち、勇気凛々として流石長途の船路も瞬く間に聖地に帰り着く如く思はれた。
(大正一一・七・一八 旧閏五・二四 谷村真友録)
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