直会の宴で、マリヤス姫は立ち上がって歌った。自らの生い立ちを歌に明かし、悪人たちの動向を探りつつ、三五教のために立ち働いたこれまでの経緯を歌った。
続いて照代姫は、琉球にて代々三五教を奉じていた家の出であり、妹の八千代姫とともに照彦王に仕えていた身の上を歌に歌った。そして照彦王の命により、台湾島のために尽くす覚悟であることを歌った。
カールス王は真道彦命にこれまでの無理解と無礼を謝し、突如、罪滅ぼしのために宣伝使となって各地を放浪するために、真道彦に王位を継ぐようにと懇願した。
真道彦は驚き、互いの家系の使命を説いてカールス王を諌め、断固として王位に就く意思のないことを明かした。真道彦の清廉潔白なる精神に感じたカールス王は、真道彦を導師として、全島に王として範を示すことになった。
カールス王はヤーチン姫を正妃となし、マールエースを宰相となし、ホールサースを副宰相とするなどして国の要職の人々を定め、ここに台湾島は治まった。王は琉球の照彦王に感謝の使いを遣わした。照彦王はカールス王の誠意に感じて台湾島に渡り、泰安城に迎えられて歓迎を受けた。
ここに琉球と台湾は相提携して神業に奉仕することとなった。マールエースは八千代姫、ホールサースは照世姫を娶り、その子孫は永く繁栄し泰安城に仕えた。
カールス王とヤーチン姫の間に、八千彦、八千姫の一男一女が生まれた。照彦王と照子姫の間にも、照国彦、照国姫の一男一女が生まれた。真道彦の媒酌によって八千彦と照国姫、照国彦と八千姫を娶わせ、両家は親族関係を結ぶこととなった。
また、マリヤス姫はカールス王のいとこにあたるフエールスの妻となり、夫婦合わせて国王夫妻を助け、今まで混乱を重ねた台湾島を天国浄土となした功績が大いにあった。