休息中も高姫は言葉を和らげて、常彦・春彦が船中で言依別一行から聞いたという玉のありかを聞き出そうとする。
常彦ははぐらかしながら、高姫のころころ変わる態度を皮肉っている。高姫はしきりにお世辞を言うが、常彦は、玉のありかを漏らしたら、高姫は手のひらを返して自分たちを見捨てるだろうからと警戒する。
常彦は高姫をからかった挙句、春彦と二人で走って逃げてしまった。高姫はそれを追いかけて転倒してしまう。高姫が血を流して倒れているところに四五人の男たちが通りかかり、高姫を気の毒がってお土で手当てをしてくれた。
高姫は、日の出神の生き宮を助けた功徳を与えてあげたのだから感謝しろ、と男たちに言う。男たちは高姫の傲慢にあきれ、早く玉を供えに行こうと言う。
高姫は玉と聞いて、男たちの一人に金を払って情報を得る。男たちは、アリナの滝の鏡の池に玉を供えに行く途中だった。高姫は、常彦が言っていた玉のありかはてっきりここだと思い定め、一目散にアリナの滝へ駆け出した。
木陰で休んでいた常彦と春彦はそれを見て、後を追いかけていく。