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文献名1霊界物語 第29巻 海洋万里 辰の巻
文献名2第2篇 石心放告よみ(新仮名遣い)せきしんほうこく
文献名3第10章 国治の国〔832〕よみ(新仮名遣い)くにはるのくに
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-12-27 17:58:49
あらすじ
皆が不思議そう自分の顔を眺めているのに気分を害し、憎まれ口を叩き出した。勝手に言依別命がここに玉を隠したと邪推し、独り悦にいって居丈高に演説をしている。

国玉依別は高姫の誤解を解こうと懸橋御殿の由来を説く。しかし高姫は、竜国別が黄金の玉を持って行ったということを聞くと、国玉依別が騙されたのだ、と言って馬鹿にする。これを聞いてさすがの国玉依別も、鷹依姫の方が高姫よりも幾倍も立派だったと言って抗弁する。

なおも憎まれ口を叩く高姫に対し、国玉依別は退去を願うが、逆に高姫は生き宮の自分が懸橋御殿に納まるから出て行けと罵る。国玉依別は、これ以上関わりあうのは自分たちの品性を落としてしまうと思い、高姫にしばらく逗留するようにと言い残して別館に去って行った。

国玉依別夫婦が退場したことで、高姫はますます口車に拍車がかかり、奉仕者たちに玉を出せと無理を言い出した。

奉仕者の一人・国は、高姫が大層な大義を掲げる割には、形のある玉に執着する点を指摘して、高姫をへこました。そして高姫の理屈のおかしさを指摘してやり合うと、いろは歌を滑稽に歌いながら高姫をやり込めた。

最後に、宝玉は自転倒島の冠島・沓島にあると告げると、ドスンと飛び上がって、神懸りから元に戻ったようになった。高姫は偽神懸りだと言ってつかつかと神殿に駆け寄った。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年08月12日(旧06月20日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年9月3日 愛善世界社版146頁 八幡書店版第5輯 518頁 修補版 校定版148頁 普及版67頁 初版 ページ備考
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本文  高姫は一同の不思議さうな顔をして高姫を見つめ居るに、何となく気分面白からず、又もやソロソロ憎まれ口を叩き出した。
高姫『あのマア折角言依別や国依別と腹を合せ、ウマウマとこんな御殿を造りて、三千世界のお宝を隠し、よもや高姫はこんな所迄、後追ひかけて来る筈はないと安心をして厶つたのに、梟鳥が夜食に外れたやうな、皆さまのあのむつかしい顔ワイの。ホヽヽヽヽ、……悪は一旦は思惑が立つやうなけれど、九分九厘まで行つた所でクレンと返してやるぞよと、変性男子のお筆先に出てゐませうがな。善は苦労が永くて分るのが遅いけれど、分りて来たら、万劫末代しほれぬ花が咲くぞよと、変性男子のお筆先に出て居りますぞえ。チツト四股を入れてお筆先をいただきなさい。何程われ程偉い者はない、甘く高姫を瞞してやつた、ここに納めておけば、堅城鉄壁と思うて居つても、神様は遠近、明暗、広狭の区別なく、一目に見すかして御座るから、到底悪の企みは長続きは致しませぬぞえ。素直に改心するのが、お主のお得策だ。サア、早く玉番さま、素直にお出しなされ。素直にさへすれば、どう云ふ深い罪科でも、大慈大悲の神様がお赦し下さいますぞや』
国玉依別『これはこれは存じもよらぬ迷惑で御座る。私はヒルの国テーナの里の酋長アール、アルナと云ふ夫婦者で御座いまして、祖先代々三五教の教を信じ、朝夕に神様のお給仕を致して居る者で御座いました。所が鏡の池に月照彦神さまが再び現はれ玉うて、玉を献じたき者は、一日も早く持来れよと御宣示あらせられると聞き、先祖代々より大切に保護致して居つた黄金の玉を献上せむと、鏡の池へ来て見れば、竜国別と云ふ審神者様や、テーリスタン、カーリンスと云ふお側付、それに又月照彦神様は勿体ない、お婆アさまの姿となり、現はれ玉うて、吾々夫婦に尊き名を賜はり、それより朝夕神のお道を宣伝致し、遂には信者の真心に依つて、かような立派な御殿迄出来上り、吾々は朝夕に真心をこめて神前にお仕へいたしてをる者で御座います。玉と申せば鏡の池の傍に積み重ねてあるもの許り、そして吾々の献つた黄金の玉は竜国別様がお持帰りになり、其代りに瑪瑙の玉を御神体とし、此御神殿に祀つて御座います。金剛不壊の如意宝珠とか麻邇の玉とかは、此処に祭つてをりませぬ。又私共は拝んだこともありませぬ。もし其玉をお捜しならば、外をお捜し下さい。ここには決して決して左様な玉は一個もありませぬ』
高姫『何、竜国別が黄金の玉を持つて帰つたとは、ソラ何時のこつて御座いますか。そして、テー、カー、の両人が従いて来て居りましたかなア。お前の目に婆アの生神と見えたのは、そりやキツと竜国別の母親で鷹依姫と云ふ身魂の大変に悪い婆ですよ。ヨウお前も騙されたものだなア。オツホヽヽヽ』
国玉依別『鰯の頭も信心からと申しまして、何程だまされても、神徳さへ立てば結構で御座います。私の様な者は一通や二通で神界へ入れて貰ふことは出来ませぬから、いろいろと神様が人の手をかり、口をかつて導いて下さつたのだと、朝夕神様に感謝いたしてをります。併し乍ら鷹依姫さまは悪人かは知りませぬが、こう申してはすみませぬが、お前さまに比ぶれば、幾層倍と知れぬ人格の高いお婆アさまでした。あの人ならば、私は月照彦神だと仰有つても誰一人疑ふ者はありませぬ。お前さまは何程日の出神の生宮だと自家広告をなさつても、私のやうな素人の目より見れば、如何しても金毛九尾の容物とより見えませぬ。すべて縁は合縁奇縁と申しまして、虫の好く方と虫の好かぬものと御座います。アハヽヽヽ』
と円滑な辞令を以て、高姫を罵倒して居る。
高姫『ヘン、あなたのお目は偉いものですな。悪魔は光明を忌み、悪人は善人を嫌ふとやら、世の中はようしたものだ。……お前嫌でも又好く人が、なけりや私の身が立たぬ、捨てる神があれば、拾ふ神もある。お気に入らねばモウ日の出神は居つてやりませぬぞえ』
国玉『ハイどうぞお願ひで御座います。一時も早く居つてやらぬ様になさつて下さいませ。御願致します』
高姫『ナニ、お前は変性男子の系統の此高姫を追ひ出さうと云ふのかい。此懸橋御殿は三五教の神様の物、三五教の大神様は国治立命様、変性男子と現はれて、世界の御守護を遊ばす、其系統の高姫を追ひ出さうとは、ソリヤ又、何と云ふ心得違だ。左様な量見では三五教の取次は許すことは出来ませぬ。今日限り系統の生宮が免職を言ひつけます。サアトツトと早く、三五教の神の館を、夫婦共立退いて下さい。これから高姫がここに居すわり、そして、立派に立派に日の出神の神力を現はし、三千世界の大立替大立直しを致しますぞ。訳の分らぬガラクタ役員が沢山居ると、足手纏ひになつて御神業がはかどりませぬ。誠の分りた者が、三人ありたら、神の仕組は立派に成就致すもので御座いますぞや』
国玉『誠の分つた方は、モウ三人揃ひましたか』
高姫『確に揃ひました』
国玉『其お方の御名は何と申しますか』
高姫『変性男子の系統が一人、日の出神の生宮が一人、三五教の神司高姫が一人、三位一体の世の元の大神の御用を致す、三人世の元、結構な結構な神柱さへあれば、ガラクタ神は一人も居なくても、宜しいわいな。ホヽヽヽヽ……余り盲聾の世の中で、神も骨が折れますワイ』
 国玉依別は高姫の勝手気儘な議論に愛想をつかし、こんな連中に掛り合つてゐては、却て馬鹿を見なくてはならない、又国、玉、竜、別、依などの幹部に対しても、信用を落す訳だと、玉竜姫を伴ひ、
国玉『高姫様、暫く失礼を致します。どうぞユルリと遊ばしませ。御思案が付きましたら、一時も早く御退場を御願致します。……常彦さま、春彦さま、あなたも大抵ぢや御座いますまいが、どうぞそこは宜しき様に御取計らひを願ひます』
と云ひ捨て、逃げる様にして、玉竜姫の手を取り、睦じげに別館に立つて行く。高姫は少しく目の上の瘤の様に迷惑がつてゐた夫婦が別館に姿をかくしたのに、ヤツと胸を撫でおろし、ソロソロ言霊の連発を始めかけた。
高姫『コレコレ懸橋御殿に御奉公致す皆さま達、是れから誠生粋の大和魂の因縁を説いて聞かしますから、私の云ふ事が分つたら、此館に隠してある金剛不壊の如意宝珠を始め、麻邇の宝の所在を綺麗サツパリと、素直に白状しなされや。……アレ御覧なさい、宮番夫婦は日の出神の御威勢に恐れて、別館へコソコソと逃げてゐたぢやありませぬか』
常彦『モシ高姫さま、自惚するにも程がありますよ。御夫婦の方々は貴女の御威勢に恐れて逃げられたのぢやありませぬ。余り脱線だらけの事を、ベラベラと際限もなく、お前さまがまくし立てるので、うるさがつて逃げて行かしやつたのですよ。慢心すると嫌はれて居つても、恐れて逃げられた様に見えますかいな。いかに善意に解する教だと云つても、高姫さまの善意は一寸趣が違ふ。……コレコレ皆様方、必ず気にさへて下さいますな、御存じの通の代物ですから……』
高姫『コレ常、ソラ何を言ふのだ。人民のゴテゴテ云ふ幕ぢやありませぬぞや。世界のことは隅から隅まで、イロハ四十八文字で解決のつく三五教の教ですよ。此高姫は、人民共の作つた学は知りませぬが、正真正銘の神直々の知慧が、無尽蔵に湧いてくるのだから、皆さま、心を清め身を謹んでお聞きなさい。
いゝゝ一番此世の中で尊い宝は誠と云ふ一つの大和魂ですよ。それさへあれば三千世界の物事はキタリキタリと何の躊躇もなく、成就致しますぞや』
国『いゝゝ一番尊いお宝が大和魂なら、なぜお前さまは無形の魂を尊重せずに、高砂島三界まで金剛不壊の如意宝珠を捜しに来たのだい。ヤツパリ形ある宝の方がお前さまにはお気に入ると見えますな』
高姫『ろゝゝ碌でもない理窟を云ふものでない。金剛不壊の如意宝珠は、神様の御宝、大和魂は人間の宝だよ。神と人とを一緒にしてはなりませぬぞえ』
国『ろゝゝ論より証拠、お前さまは何時も神人合一と云ふことを称へてゐるぢやありませぬか。神人合一は神さまと人と一緒になつた事ぢやありませぬか』
高姫『はゝゝはしたない人間の知慧を以て、神の申す事をゴテゴテと云ふものぢやありませぬワイ。花は桜木人は武士と云つて、潔うするものだ。女の腐つた様に何をツベコベと小理窟を云ひなさる。何とか、彼とか云つて、如意の宝珠を渡そまいとしても駄目ですよ』
国『はゝゝゝゝ腹がよれるワイ。これ丈脱線されては、安心して汽車に乗る事も出来ませぬワイ』
高姫『にゝゝ日本の神の道さへ歩いてをれば脱線する気遣ひはありませぬ。……走り行く汽車の足許眺むれば、ヤハリにほんの道を行くなり。……日本の道を大切に守り、外国の教をほかしさへすれば脱線所か一瀉千里の勢で希望の都へ達しますぞや。外国とは外れた国と書きませうがな。脱線は即ち外れるのだ。分つたかなア』
国『にゝゝ二本の道か四本の道か知らぬが、お前さまの仰有る事は、どうも四本足が云うとる様に聞えますぞや。四本足は所謂四つ足だ。ゴテゴテと六でない事を七むつかしく、八かましう、九ちから出任せにこきちらし、十りとめもなく、百千万遍喋り立てる、百舌鳥か雲雀の親方が此頃一匹高砂島へ飛んで来たと云ふ事だ。百舌鳥かと思へば小鳥を取つて食ふ目玉の鋭い鷹ぢやさうな。ワツハヽヽヽ』
高姫『ほゝゝ吐くな吐くな、深遠無量の神の御経綸がお前たちに分るものか。不言実行だ、ゴテゴテ云はずに、ホヽヽ宝玉を早く渡して、素直に改心なさるが第一の得策ぢやぞえ。お前はここの総取締ぢやないか。お前から改心せねば皆の者が助かりませぬぞや。一人さへ改心いたしたら外の者は皆一度に改心致す仕組だから、人間界の理窟はやめて、神の生宮の言ふ事に絶対服従しなさい。ゴテゴテと理窟の云ひたい間は、まだ御神徳が充実してゐないのだよ』
国『ほゝゝ放つといて下され、私には立派な国玉依別様と云ふお師匠さまが御座います。別にお前さまに下らぬ事を教へて貰ふ必要もなければ、仮令宝玉が有つたとしても、お前さまに渡す義務がありませぬ。オツホヽヽヽ』
高姫『へゝゝ屁理窟許り、能く垂れる男ぢやな。流石は国依別の仕込み丈あつて、偉いものだワイ』
国『へゝゝ臍が茶を沸かしますワイ。如何に私の名が国ぢやと云つて、見た事もない国依別さまとやらの仕込みぢやなどとは、能くも当推量したものだ。私の国は国依別さまの国ぢやありませぬぞ。此世の御先祖の国治立命様の国で御座いますワイナ。ヘン……ちつと済みませぬが、秀妻国と常世国と程国が違うのだから、余り人の事までクニ病んで下さいますな。余りクニクニ思うと寿命がちぢまりますぞえ。早くクニ替へをせにやならぬ事がないようにクニクニも気をつけておきますぞよ』
高姫『とゝゝとへうもない事を言ひなさるな。国治立命様の国ぢやなんて、慢心するにも程がある。慢心は大怪我の元ぢやぞえ』
国『とゝゝ途方途徹もない駄法螺を吹く、唐変木、トチ呆けの尻切蜻蛉の捉へ所のない、団子理窟を囀る、常世姫の身魂の性来を受けた罪人の身魂の宿つた肉の宮を日の出神の生宮ぢやなんて、とつけもない法螺を吹いてをると、今に化が現はれて、栃麺棒を振り、途方に暮て吠面かわかねばならぬことが出来致しますぞや。
ちゝゝちつと胸を手を当て考へて御覧。
りゝゝ理窟許り並べたつて、神徳のない者に誰が往生するものか。
ぬゝゝ糠に釘、豆腐に鎹だ。
るゝゝるるとして千万言を連らねても誰も聞き手がありませぬぞや。
をゝゝをどし文句を並べ立てて、我意を立通し、玉を吐き出さそうとしても、お前さま等の口車に乗る馬鹿はありませぬワイ』
高『わゝゝ吾よしの守護神奴、人の言霊を横取して、先言うと云ふ事があるものか。今言うたチリヌルヲ如何して呉れるのだ。訳が分らぬと云うても程があるぢやないか、此高姫が言うた後で力一杯、辻褄の合はぬ言訳を致すのならまだしもだが、人より先へ先へ行かうと致す、其我慢心が所謂四つ足根性ぢやぞえ。本当に性来の悪い男だなア』
国『わゝゝ悪かろが善かろが自由の権、放つといて下され。
かゝゝ構立にはして下さるなや。
よヽヽ善からうが悪かろが、誠の神様が裁いて下さるぞや。
たゝゝ高姫の干渉する問題ぢやありませぬぞ。
れゝゝ礼儀も作法も知らずに
そゝゝそそつかしい、人の館へ這入つて来て、挨拶も碌に致さず
つゝゝ月照彦神様に戒めをくひ乍ら
ねゝゝねぢけ曲つた魂は何時までも直らず
なゝゝ何も分らぬ癖に、三千世界の事はどんな事でも知つてをるとか、知つて居らぬとか、駄法螺を吹き、
らゝゝ乱脈振と云つたら、到底御話しのしかけが出来ませぬ。
むゝゝ六かしい面をして、人が聞いても
うゝゝウンザリする様な、身勝手な事許り並べ立て
ゐゝゝ意地の悪い事許りまくし立て
のゝゝ野天狗、野狐、野狸の囀る様な脱線理窟を喋々と弁じ
おゝゝ恐ろしい執着心を極端に発揮し
くゝゝ国さまに向つて玉の所在を知らせと何程云つても、駄目ですよ。そんな馬鹿な事は
やゝゝ止めておきませうかい。八岐の大蛇の金毛九尾の狐の霊の憑つた、どこやらのお方には、仮令天地がかへる共、此玉許りは渡す事は罷りなりませぬワイ。
まゝゝ誠一つの心の持様で、手に入らぬ玉も手に入る事があり、罷り誠をふみ外せば、目の前にある玉でも握れぬやうな事が出てくるし、
けゝゝ毛筋の横巾でも、此国さまの御機嫌を損ねたら、立派な玉を上げたいと思うても、中途でひつこめて了ひますぞ。
ふゝゝふくれ面して威張つてをる間は、高姫さまも駄目ですよ。
こゝゝ是丈道理を解き聞かしても分らぬやうな御方なら、トツトと帰つて下され。
えゝゝ枝の神や末の神の分際として、此御殿に納まつてをる御神宝を、持帰らうとは身の程知らずと云ふものだ。
てゝゝテンから物にならぬ企みをするより
あゝゝアツサリと思ひ切つて
さゝゝサツサと帰つて下さい。
きゝゝ気分が悪なつて来た。アハヽヽヽ、イヒヽヽヽ、ウフヽヽヽ、エヘヽヽヽ、オホヽヽヽ』
と体を面白くゆすつて、キヨくつて見せる。
高姫『ゆゝゝ言はしておけばベラベラと際限もなく、こけ徳利のよに、口から出任せに、泥水を吐く醜魂だな。
めゝゝ盲の垣覗きと云ふ事はお前の事だ。盲万人目明一人の世の中だから、日の出神の様な目明は又と二人、三千世界にないのだから、無理はないけれど、盲なら盲らしうして居なさい。盲蛇におぢずと云うて、恐い事知らぬ奴になつたら、仕方のないものだ。お前さまの様な盲に、手引せられる盲信者こそ気の毒なものだ。今の取次盲聾許り、其又盲が暗雲で、世界の盲の手を引いて、盲めつぽに地獄の暗へおちて行く……と神様のお筆に出てをりますぞえ。チツとしつかり目を醒ましなさい。
みゝゝ見えもせぬ節穴の様な団栗目をキヨロつかしても、足許の溝が分りますまいがな。
しゝゝしぶといどうくづの身魂程、改心さしてやりたいと思うて大慈大悲の神様が御心配をなさる、其お心根がおいとしいわいの、勿体ないわいの。オンオンオン』
国『ゑゝゝゑらう御心配遊ばして下さいますな。併し乍ら、泣くの丈は止めて下さいませ。
ひゝゝ日の出神の生宮ともあらうものが、余り見つともよくありませぬぞ。
もゝゝ諸々の邪念を去つて、今日限り此館に納めてある、結構な御神宝に対する執着心を綺麗サツパリと脱却なさいませ。
せゝゝ雪隠で饅頭食うたよな顔をして、人の苦労で得をとり、自分が発見したやうな顔して聖地へ帰り、威張りちらさうと思うても駄目ですよ。
すゝゝ澄み渡る月照彦神の申す事、能く耳へ入れて、高砂島を一日も早く立去り、自転倒島の中心地、冠島沓島に麻邇の宝玉隠しあれば、其方は、鷹依姫、竜国別等と共に其玉を掘出し、錦の宮に持帰り、言依別命の留守番を神妙に致すがよからう。ウンウンウン』
 ドスンと飛び上り……
『あゝ何だか随分、喧しう囀つた様ですなア。皆さま、私はどんな事を云ひましたな。覚えて居つて下さいますやらうねエ』
高姫『コレ、国さまとやら、人を盲にしなさるのか。本当の神様か神様でないか、世界一の此審神者が見届けたら間違ひありませぬぞえ。そんな嘘の神懸をして、国依別が生田の森で私を騙さうとしたやうな、古い手は食ひませぬぞえ。ホヽヽヽヽ、若し誰が何と云つても是から家探しして、玉の所在を捜すのだ。……サア常、春、ここが千騎一騎の性念場だ』
と云ひ乍ら、つかつかと神殿目がけて走せ上りけり。
(大正一一・八・一二 旧六・二〇 松村真澄録)
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