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文献名1霊界物語 第30巻 海洋万里 巳の巻
文献名2第1篇 高砂の松よみ(新仮名遣い)たかさごのまつ
文献名3第3章 清めの滝〔845〕よみ(新仮名遣い)きよめのたき
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-01-12 19:03:52
あらすじ
石熊は命を救われたことを感謝し、末子姫を捕らえようとしていたことへの懺悔と、三五教への改心を歌にして歌った。

末子姫はこれまでの経緯を歌に歌って返し、カールはそれを引き継いで、自分がバラモン教に入り込んでいたことと、末子姫の教示によって大蛇が解脱して石熊を救った有様を目撃した感慨を歌った。

石熊は一行に同道することになり、珍の都を指して進んで行く。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年08月14日(旧06月22日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年9月15日 愛善世界社版32頁 八幡書店版第5輯 584頁 修補版 校定版34頁 普及版13頁 初版 ページ備考
OBC rm3003
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本文の文字数2167
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本文  高照山に本拠を固めたるバラモン教の石熊は、末子姫、其他に感謝の意を表し、歌を以て所感を述べたり。その歌、
『常世の国に現れませる  常世神王自在天
 大国彦の樹てられし  バラモン教の神司
 深き恵も高砂の  宝の島に現はれて
 高照山を根拠とし  心も固き石熊が
 信心堅固に守りつつ  教の法を遵奉し
 服従ひ来る信徒に  何の容赦も荒行の
 火渡り剣の橋を越え  水底くぐり茨室
 赤裸にて飛び込ませ  釘の打ちたる足駄はき
 神より受けし肉体を  損ひ破りて血を出し
 神に対する贄と  思ひ詰めたる神司
 神の怒りを和げて  天国浄土に助けられ
 未来の苦をば逃れむと  迷ひ切つたるバラモンの
 誠の道に違へるを  今や漸く悟りけり
 あゝ惟神々々  仁慈無限の大神は
 青人草を始めとし  禽獣虫魚造らしし
 誠の親と三五の  神の教の末子姫
 宣らせ玉ひし言の葉を  聞くより吾等は村肝の
 心の空は冴えわたり  げにも尊き言霊の
 御稜威に魂をてらしつつ  大蛇の魔神に魅せられて
 動きもならぬ身体を  かばひ乍らも胸の内
 悔悟の言霊宣りつれば  忽ち開く胸の暗
 末子の姫の言霊に  流石の大蛇も感歎し
 熱き涙をこぼしつつ  吾を呑まむと狙ひたる
 心の駒を立直し  修羅の亡執忽ちに
 晴れて姿を水煙  心の垢もおち滝津
 速川の瀬に現れませる  瀬織津姫の幸はひて
 仇悉く消えにける  あゝ惟神々々
 御霊の幸を蒙ぶりて  心佞けし石熊も
 末子の姫の御恵に  救ひ出され今は早
 三五教の皇神の  光に深く照されぬ
 神が表に現はれて  善と悪とを立わける
 此世を造りし神直日  心も広き大直日
 只何事も人の世は  直日に見直せ聞直せ
 身の過は宣り直せ  誠一つの言霊に
 世人を救ふ三五の  神の教の尊とさよ
 仮令天地は変る共  神に誓ひし吾心
 いかで変らむ高砂の  国に鎮まる竜世姫
 国魂神の御前に  真心こめて只管に
 誓ひまつらむバラモンの  神に仕へし宣伝使
 高照山に築きたる  教館を今日よりは
 三五教に献り  此世を造り玉ひたる
 世の大本の皇神に  麻柱まつり世の為に
 力の限り身の限り  仕へまつらむ惟神
 神の御末の末子姫  曲も穢れも捨子姫
 罪もカールの御前に  罪科重き石熊が
 心を尽し祈ぎ奉る  あゝ惟神々々
 神の心に見直して  珍の都にこれよりは
 吾等を伴ひ給へかし  珍の館の人々に
 今迄与へし虐げの  罪を陳謝し奉り
 従僕となりて永久に  珍の都の門番に
 仕へまつりて赤誠を  現はしまつる吾心
 許させ給へ瑞御霊  厳の御霊の御前に
 謹み敬ひ願ぎ奉る  あゝ惟神々々
 御霊幸はひましませよ』
 捨子姫は又歌ひ出したり。其歌、
『天の河原を縦として  眺めし如き此瀑布
 瑞の御霊の珍の子と  現れ出でませる末子姫
 此世の泥を滌がむと  流れも清きエデン河
 身魂を清め足洗ひ  心の垢を捨子姫
 従僕の神を召連れて  汐の八百路の八汐路を
 秋津の姫の御守りに  漸う渡りテルの国
 ハラの港に上陸し  テルの国をば横断し
 テル山峠の山麓に  進み来りて月の宵
 芝生の上に横たはり  来し方行く末案じつつ
 眠りにつきし折柄に  俄に聞ゆる人の声
 何人なるかと目を醒まし  話の様子を伺へば
 バラモン教の神司  信徒共に五人連れ
 妾のいねし傍に  腰打かけて無駄話
 高照山の石熊が  神の言葉に従ひて
 顕恩郷より渡り来る  三五教の宣伝使
 末子の姫や捨子姫  ハラの港に上陸し
 テル山峠を乗越えて  珍の都に進み行く
 それの途中を待伏せて  二人の女神引つ捉へ
 高照山の館まで  連れ帰れよとの石熊の
 お指図なれど連日の  疲れに足も早痛み
 歩行も自由にならざれば  ここに一夜を明かさむと
 語り合ふこそ不思議なれ  吾等二人は耳さとく
 一伍一什を聞終り  静に上衣をぬぎ捨てて
 髪ふり乱し声を変へ  珍姿怪体現はせば
 さて恐ろしや幽霊が  現はれたりと吾れ先に
 雪崩を打つて逃て行く  カールとネロの両人は
 少しも騒がず吾々に  向つて言葉をかけて言ふ
 (これよりカール引継いで歌ふ)
 珍の都に現ませる  松若彦が神館
 教に習ふカールなり  二人の女神が今茲に
 現はれますとバラモンの  神の司や信徒が
 中に交はり吾れも亦  一味の中に加はりて
 様子を伺ひ助けむと  権謀術数皇神の
 心に合はぬか知らね共  二人を助けてやうやうに
 乾の滝に来て見れば  豈計らむや石熊の
 教司は滝の辺に  大蛇の魂に魅せられて
 石の如くに立ち給ふ  あゝ惟神々々
 神の冥罰忽ちに  現はれ来りて石熊の
 知死期の幕の下りしかと  心の中に喜びつ
 見棄ててゆかむと両人の  神の司に述べつれば
 末子の姫は首をふり  仁慈無限の大神の
 心の中を説き諭し  四海同胞博愛の
 御心持ちて天地の  神に叶ひし太祝詞
 宣らせ給へば此は如何に  悪虐無道の大蛇まで
 慈愛の言葉に感歎し  熱き涙を流しつつ
 さも凄まじき形相は  追つて優しく成り行きて
 解脱の滝に身を投じ  後白雲と消えて行く
 あゝ惟神々々  神の御稜威ぞ尊けれ
 神の御徳ぞ畏けれ』
 かく歌ひ終り、石熊の請ひを容れて、一行五人は、テル山峠を登り、珍の都を指して進み行く。
(大正一一・八・一四 旧六・二二 松村真澄録)
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