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文献名1霊界物語 第30巻 海洋万里 巳の巻
文献名2後付よみ(新仮名遣い)
文献名3天津祝詞解よみ(新仮名遣い)あまつのりとかい
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-06-09 11:17:40
あらすじ
【高天原】は全大宇宙。

【神つまります】陰陽二元が実相充実した上にも充実すること。

【神魯岐神魯美】陰陽二系を司る神。

【命もちて】言霊によりて。

【皇御祖】皇は統べる。澄む、住むも同一語源から来る。御は体の借字、祖は祖神を表す。

【神伊邪那岐命】神は、醸すなどと道義であり、宇宙万有を醸造したまう神伊邪那岐命に冠した形容語である。神伊邪那岐命は火系(陽系)の御祖神で、宇宙におけるあらゆる活動の根源を司り、大修祓・大整理はこの神のご分担に属する。地の世界(顕の幽界)において神伊邪那岐命のお仕事を分掌するのが国常立尊である。神諭の世の大立替というのは、大修祓の決行のことである。宇宙に起こることは地球にも起こり、地球に起こることは宇宙にも起こるというように、不離の関係になっている。同様に、大修祓は国、群、郷、村、身、家にも起こる。

【筑紫の日向】筑紫は尽くしであり、究極、完全無欠である。数で言うと九である。日向はヒムカシであり、光明があまねく照らすという意味である。

【橘の小戸】こでも地名ではなく、タチは縦、ハナは先頭、すなわち先頭の縦行であるアオウエイの五大父音を表す。小戸は音であり、言霊である。宇宙は五大父音の言霊の働きによって修理固成ができたということである。

【阿波岐原】全大宇宙間のこと。アは天地、ハは開く、ギは大中心、ハラは広い所。

【御禊祓】身体の大修祓のこと。

【祓戸の大神達】瀬織津比売、速秋津比売、伊吹戸主、速佐須良比売の四神である。大修祓執行に際しては、八百万の神々はこの四方面に分かれて活動し、諸々の枉事罪穢を祓い清め給う。宇宙全体、地球全体四方面に修祓が起こり、神諭の雨の神、岩の神、風の神、地震の神の大活動となる。

【天の斑駒】フは力、チは霊、コは体、マは全き。

【耳振立て聞食せ】活動を開始し給への意味。

【大意】

宇宙天地万有一切の大修祓は、霊系の御祖神のご分担に属する。現在『地の世界』においてなされている国祖の大洗濯も、宇宙全体としては神伊邪那岐命の御仕事である。

幾千万年も蓄積した罪穢があるので非常な荒療治が必要だが、これが済めば、後は小洗濯を刻々と行えばよいので、大体においては嬉し嬉しの善一つの世になるのである。つまり神伊邪那岐命の御禊祓は必要なものなのである。

この修祓は、宇宙根本の大原動力である霊体二系の言霊によってなされるのである。天地の間には根本の五大父音が鳴り渡っているが、罪穢が発生したなら、言霊でそれを訂正・除去していかなければならない。

人は宇宙経綸の重大任務を帯びた存在であるので、先頭第一に言霊を磨き、正しい言霊を駆使すれば、天地もこれに呼応して宇宙の大修祓も決行されるのである。

その際に我々の肉体は、小・神伊邪那岐命の御活用を司ることになる。かくして一切の罪穢は払い清められる。かかる際に御活動いただく八百万の神様たちよ、何卒しっかり御活動願います、というのが天津祝詞の大意である。

何人もまずこれを日夕奏上して一身一家の修祓を完全にし、そして一大事の場合には天下を祓い清める覚悟がなくてはならない。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年08月14日(旧06月22日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年9月15日 愛善世界社版285頁 八幡書店版第5輯 677頁 修補版 校定版302頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm309902
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本文  高天原に神留坐す、神魯岐神魯美の命以て、皇御祖神伊邪那岐命、筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に、御禊祓ひ給ふ時に生坐せる祓戸の大神達、諸々の枉事罪穢を払ひ賜へ清め賜へと申す事の由を、天津神国津神八百万の神達共に、天の斑駒の耳振立て聞食せと恐み恐みも申す。
△高天原 全大宇宙。詳細は『大祓祝詞解』を見よ。
△神つまります 陰陽二元が実相充実した上にも充実すること。
△神魯岐神魯美 陰陽二系を司る神々。
△命もちて 言霊によりての義。爰までは略ぼ大祓祝詞解中に説明して置くつもりだから詳しくは述べない。
△皇御祖 皇は統る也。澄む、住む等皆同一語源から出づ。水や空気が澄むといふのは、混入して居た物体の間に統一が出来、安らかに鎮定する事である。人がこの世に住むといふのも矢張同一意義で大主宰者の統治の下に安住する義である。若しそれが現在の世界の状態の様に理想の大主宰者を失つて居ると、世は乱麻の如く乱れ、人の心は濁り、人民は流浪に立つて四散する、所謂住むに住まれぬ事に成る。御(ミ)は体の借字、祖は祖神である。
△神伊邪那岐命 神(カム)は酒を醸むのカムなどと同義を有し、宇宙万有を醸造し玉ふ伊邪那岐命様に冠したる形容的敬語である。伊邪那岐命様は、火系(陽系)の御祖神で、宇宙に於けるあらゆる活動の根源を司り、大修祓大整理は常に此神の御分担に属するのである。地の世界(顕の幽界)に於て伊邪那岐命の御仕事を分掌し賜ふのが詰り国常立尊で、神諭の所謂世の大立替といふのは大修祓決行の事なのである。宇宙間に起る事は地球の内にも起り、地球の内に起る事は宇宙全体にも影響を及ぼす、両々関聯不離の仕掛になつて居る。更に進んで小伊邪那岐命の御禊祓は一国一郡にも起り、一郷一村にも起り、一身一家にも起る。表面の字義に拘泥して伊邪那岐命様が九州の橘小戸の阿波岐原といふ所で、御禊を行はれ、そして祓戸四柱の大神達をお生みに成つたなどと解釈すると、更に要領を得ない。一層詳しき事は大祓祝詞に出て居るから是非参照されたい。
△筑紫の日向 古事記岐神禊祓の段と同一筆法である。『是以伊邪那岐大神詔。吾者到於伊那志許米志許米岐穢国而在祁理。故吾者為御身之禊而。到坐筑紫日向之橘小門之阿波岐原而禊祓也。故於投棄御杖所成神名。衝立船戸神。………』云々とある是也。『古事記』が表面の字義の解釈で分らぬと同様、この祝詞も亦分らない。筑紫は尽しである、究極である。完全無欠、円満具足である。数で言へば九である。筑紫が九州に分れて居るのもそれが為である。無論筑紫とか九州とか云ふ地名が先きに起つたのでなく、地名は、後で附けられたので、本来は筑紫も日向も天地創造の際からの語である、地球の修理固成が出来ぬ以前から成立して居る言霊である。日向は光明遍照の義で(ヒムカシ)と同一語源である。
△橘の小戸 これも地名ではない。タチは縦の義、ハナは先頭の義、即ち先頭の縦行たるアイウエオの五大父音を指す。小戸は音である、言霊である。宇宙間は最初五大父音の言霊の働きによりて修理固成が出来たのである。
△阿波岐原 全大宇宙間の事をいふ。一音づつ解すれば、アは天地、ハは開く、ギは大中心、ハラは広き所、海原の原などと同じ。
△御禊祓 身体の大修祓の事。
△祓戸の大神達 祓戸四柱神、即ち瀬織津比売、速秋津比売、気吹戸主、速佐須良比売の四神である。凡て大修祓執行に際しては八百万の神々は常に此四方面に分れて活動を開始し、諸々の枉事罪穢を払ひ清め給ふので、天津神たると国津神たるとを問はず、又宇宙全体たると、地球全体たると、又一郷一村一身一家たるとを論ぜずして、四方面の修祓が起るのである。地球の大修祓、世の大立替が開始さるる時には、神諭の所謂雨の神、岩の神、風の神、地震の神の大活動となる。
△天の斑駒 一音づつ解すればフは力、チは霊、コは体、マは全きの意。
△耳振立て聞食せ 活動を開始し玉への意。単に耳で聞くといふよりは遥に深遠な意義が籠れる句で、きくは弁口がきく、鼻がきく、手がきく、眼がきく、幅がきく、融通がきくなどのきくと同じく活用発揮の意味である。
大意 宇宙天地万有一切の大修祓は、霊系の御祖神の御分担に属する。現在『地の世界』に於て執行されつつある国祖の神の大掃除大洗濯も詰まり宇宙全体としては伊邪那岐命の御仕事である。幾千万年来山積した罪穢があるので、今度『地の世界』では非常な荒療治が必要であるが、これが済んだ暁には刻々小掃除小洗濯を行へば宜しいので、大体に於ては嬉し嬉しの善一ツの世の中に成るのである。即ち伊邪那岐命の御禊祓は何時の世如何なる場合にも必要あるものである。これがなければ後の大立直し、大建設は到底出来ない訳である。
 さて此修祓は何によりて執行さるるかと云ふに、外でもない宇宙根本の大原動力なる霊体二系の言霊である。天地の間(即ち阿波岐原)は至善至美、光明遍照、根本の五大言霊(アイウエオ)が鳴り亘つて居るが、いざ罪穢が発生したと成ると、言霊でそれを訂正除去して行かねばならぬ。人は宇宙経綸の重大任務を帯びたるものであるから、先頭第一に身霊を磨き、そして正しき言霊を駆使すれば、天地も之に呼応し、宇宙の大修祓も決行される。其際にありて吾々五尺の肉体は小伊邪那岐命の御活用となるのである。雨を呼べば土砂降りの大雨が降り、地震を呼べば振天動地の大地震が揺り始まる。これが即ち『御禊祓給ふ時に生坐せる祓戸の大神達』である。かくして一切の枉事罪穢は払ひ清めらるる事になるが、かかる際に活動すべき責務を帯びたるは、八百万の天津神、国津神達でこれ以上の晴れの仕事はない。何卒確り御活動を願ひますといふのが、大要の意義である。何人も日夕之を奏上して先づ一身一家の修祓を完全にし、そして一大事の場合には、天下を祓清むるの覚悟がなくてはならぬのであります。
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