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文献名1霊界物語 第31巻 海洋万里 午の巻
文献名2前付よみ(新仮名遣い)
文献名3序歌よみ(新仮名遣い)じょか
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
湯ケ島温泉の湯元館に来たれと信者がこまごまと送ってくれた書状に感じ、松村真澄・佐賀伊佐男の二人の幹部に、一部の信者らを引き連れて、避暑旅行に出立した。

綾部から丹波、京都、近江を越えて、関が原から岐阜・名古屋へと抜けていく。浜松、静岡の各駅を通過し、沼津から伊豆に入っていく。

ようやく湯元館の安藤宅に着き、もてなしを受けた。瑞月は安全椅子によりかかって霊界物語を口述し、松村氏は筆録の筆をすべらせる。『海洋万里』午の巻をいよいよここに述べ写す。

『海洋万里』卯の巻は四日間、辰の巻は三日間、巳の巻は三日間、前後あわせて十日間であった。休養日を幸い、筆のすさびに記しておく。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年08月17日(旧06月25日) 口述場所湯ケ島温泉 筆録者口述著者 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年9月15日 愛善世界社版前付 1頁 八幡書店版第6輯 29頁 修補版 校定版前付 1頁 普及版前付 1頁 初版 ページ備考
OBC rm310001
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本文  綾部の聖地を後にして  (綾部)  吾家を伊豆の温泉場
 幽邃閑雅の山家村  (山家)  狩野の流れに臨みたる
 湯ケ島温泉湯本館  何に利く加和知らね共  (和知)
 一度は来たれと信徒が  送る玉章細胡麻と  (胡麻)
 見るも嬉しき吾思ひ  教主殿をば田ち出でて  (殿田)
 松村真澄、佐賀伊佐男  園ほか一部の伊豆信者  (園部)
 杉山当一林弥生  八木つく様な夏空を  (八木)
 静かに進む汽車の上  寿も長き亀岡の  (亀岡)
 瑞祥祝ふこの旅行  嵯峨しあてたる好避暑地  (嵯峨)
 言葉の花や教の園を  (花園)  二人の幹部と諸共に
 只一と条に勇み行く  (二条)
    ○
 丹波綾部に名も高き  出口の神の御教を  (丹波口)
 京都、大阪、東京の  (京都)  三大都市を始めとし
 山科里に至るまで  (山科)  皇大神の大道を
 津多へ拡むる神司  (大津)  堅き心は石山の  (石山)
 月照り渡る如く也
    ○
 青人草を津々がなく  (草津)  守りたまへと祈りつつ  (守山)
 山野を州々みて篠すすき  (野州)  露野が原も乗りこえて  (篠原)
 いつかは日の出の神の代に  近江の国や八幡宮  (近江八幡)
 厳の御前にぬかづきて  浦安土の心やすく  (安土)
 守り玉へと太能里登  宣る言霊は速川の  (能登川)
 水瀬の音と聞ゆ也
    ○
 稲穂は栄枝て黄金の  (稲枝)  波漂はす河の瀬や  (河瀬)
 国の御祖の永遠に  守り玉へる豊秋津
 根別の国の八百米は  高天原に天照らす  (米原)
 皇大神のみことのり  天の下なる人草の
 食ひて生くべきものなりと  その神勅をひるも夜も
 尊み眼も醒ケ井の  (醒ケ井)  神の恵みに近江路や
 御代長かれと祝ふなる  亀のよはひの亀岡に  (近江長岡)
 教の庭を開きつつ  打つ柏手の音も清く
 高天原と鳴り渡る  (柏原)  神と鬼との関ケ原  (関ケ原)
 恵の露も垂井駅  (垂井)
    ○
 世の大本は青垣の  (大垣)  山をば四方に廻らして
 神の鎮まる霊場と  数多の人々我一に
 先を争ひ木曽川や  (木曽川)  神の光に仰岐阜し  (岐阜)
 尾張に近き暗の世を  救ひ玉へと真心を
 一つに固めて本宮山  (尾張一ノ宮)  遠き山路も稲みなく
 いと沢々に寄り来る  (稲沢)  神の経綸ぞ畏けれ
    ○
 天の真奈井の枇杷の湖  (枇杷島)  竹生の島に顕れませる
 神の猛びを名古めつつ  (名古屋)  屋間登御魂の神人が
 熱き心を田向け行く  (熱田)  神徳大くいや高き  (大高)
 皇大神の生れまして  清き神府と定めてし  (大府)
 世の大元は爰婆刈  豊葦原の中国谷  (刈谷)
 安全地帯ぞ金城と  (安城)  尊み敬ひ許々太久の
 岡せし罪を悔い乍ら  御霊崎はへ坐しませと  (岡崎)
 赤き心のまめ人が  幸願ぎ奉り田のむ也  (幸田)
    ○
 蒲の乱れの郡集を  (蒲郡)  皇大神の御仁慈の
 清き油を濺がれて  (御油)  豊に渡る神の橋  (豊橋)
 二川三河の水清く  (二川)  小雲の川や玉水に
 身そぎ祓ひて神徳を  信徒たちが鷲津神  (鷲津)
 旧きを捨てず新しく  居所を定むる神の町  (新居町)
 心も勇みて弁天の  (弁天島)  女神の前に真心を
 つく島つりし音楽や  舞曲も清くさはやかに  (舞阪)
 御代の阪えむ瑞祥を  浜の松風音もなく  (浜松)
 世は平らけく天竜の  勢強く川登り  (天竜川)
 心の中に霊泉の  (中泉)  甘露は尽きず湧き出でて
 神代を祝ふぞ尊けれ
    ○
 袋井首に掛川の  (袋井・掛川)  貧しき人も神の道
 悟りて欲を堀ノ内  (堀ノ内)  誠の教を守りなば
 富貴も権威も金谷せぬ  (金谷)  神の御教を敷島の  (島田)
 大和心を田鶴ぬれば  薫り目出度き白梅の
 花藤答枝よ惟神  (藤枝)  醜の仇草焼鎌の  (焼津)
 敏がまや津留岐ぬき用て  (用宗)  宗打ち払ひ静々と
 風雨雷電岡しつつ  (静岡)  誠の道江一散に
 尻に帆かけて進み行く  (江尻)  あゝ惟神々々
 御霊幸倍ましませよ
    ○
 昔の元の大神が  現はれまして太元の
 救ひの道を興し津々  (興津)  由比所の深き蒲生の原  (由比・蒲原)
 開きて根本霊場を  岩秀の如く弥固く
 淵なす深き経綸を  (岩淵)  富士の御山のいや高く  (富士)
 立てて天地の神人が  生言霊の鳴り渡る
 五十鈴の川の川水に  (鈴川)  原ひ清めて朝露の  (原)
 干沼の池に照る津岐の  (沼津)  影も涼しく神の世を
 開き玉ふぞ尊けれ
    ○
 三月三日の桃の花  五月五日の桃実に
 比すべき霊界物語  故郷の土産と瑞月が  (桃郷)
 心も清く住の江ノ  浦安国の神宝と  (江ノ浦)
 語る出口野神の教  (口野)  天皇山に祭りたる  (天皇山)
 皇大神の御守りを  嬉しみ尊み神勅を
 北条南条畏みて  (北条・南条)  田舎男や京わらべ  (田京)
 遠き耳にも入り易く  解き明かしたる神の書
 迎への人の親切も  酒の泉の吉田郷  (吉田)
 車を止めて杉原家  殊更厚き待遇に
 三伏の暑を打忘れ  心も深き真清水の
 湯槽に浸り汗水を  流して西瓜の腹つづみ
 誠の信徒も大仁や  (大仁)  瓜生野の里も打過ぎて  (瓜生野)
 堅と横との五十鈴川  (横瀬)  言霊車瀬を速み
 国常立野大神が  (立野・大平)  平和の御世を松ケ瀬や  (松ケ瀬)
 青羽の根配りいや広く  (青羽根)  茂る稲田の富貴草
 出口の王仁の一行は  (出口)  早くも伊豆に月ケ瀬や  (月ケ瀬)
 天津御空の神門野  開け行くてふ玉の原  (門野原)
 天の八重雲掻き分けて  救ひの神も嵯峨沢の  (嵯峨沢)
 今日の旅行ぞ楽しけれ  木々に囀る蝉の声
 市なす山の片ほとり  (市山)  東西南北風清く  (西平)
 平和の里と湯ケ島の  (湯ケ島)  狩野の流れに浴み乍ら
 漸く安藤の宅につき  (安藤)  心よりなるもてなしに
 歓び勇み湯浴して  またもや例の物語
 口述如来の瑞月が  安全椅子によりかかり
 浄写菩薩の松村氏  腕に撚かけスラスラと
 『海洋万里』午の巻  いよいよ爰に述べ写す
 あゝ惟神霊幸倍坐世
 『海洋万里』卯の巻四日間、同辰の巻三日、同巳の巻三日、前後合せて十日間。述べつ写しつ、暑さに堪えし休養日を幸ひ、筆のすさびのいと永々と記しおく。
  大正十一年八月十七日  於湯ケ島温泉  口述著者
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