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文献名1霊界物語 第32巻 海洋万里 未の巻
文献名2第2篇 北の森林
文献名3第7章 試金玉〔898〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ高姫は、常彦、春彦、ヨブとともにアマゾンの時雨の森の北の林に到着した。高姫は、この森林に居る鷹依姫一行を助け出そうと森の中を進んで行った。
すると前方より、えもいわれぬ美しさの女が一人現れ、一行に向かって近づいてきた。一行は、すわ妖怪変化かと警戒している。
女は高姫の前に来てお辞儀をした。女は高姫たちがここへくることを知っており、金剛不壊の如意宝珠、紫の玉、黄金の玉、麻邇の宝珠などは、自分の館に神政成就の宝として蓄えられているので献上しようと申し出た。
改心したはずの高姫は、この甘言を聞いてたちまち元の病が再発したごとくに目を丸くして顔を緊張させ、女の話に食いついてきた。世界に二つとない宝が本当にこんなところにあるのかと疑う高姫に対し、女は実地に来てみて調べればわかる、と答えた。
女は鷹依姫たちがどこに居るかも後で教えよう、と言うと、高姫たちを迎える準備をするからしばらく待つようにと言い残して去って行った。
高姫は女を見送って上機嫌で、常彦、春彦、ヨブに自分の神徳をひけらかし始めた。常彦は高姫に合わせて、宝珠が手に入る運びになったことを馬鹿喜びしている。
春彦は、女の耳がビリビリ動いていたことを告げて、高姫と常彦に女は妖怪変化ではないかと懸念を伝え、用心するようにと戒めた。高姫は春彦を叱りつけ、言い争いになってしまう。
春彦とヨブは高姫のもとを去ろうとするが、高姫は二人をあわてて引き留める。高姫の味方をしていた常彦にしても、高姫に同意しているようで実は皮肉っている口調が現れてきてしまっていた。
そこへ先ほどの女が美々しく盛装をこらし、二人の侍女を従えてやってきた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年08月22日(旧06月30日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所
OBC rm3207
本文の文字数5616
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本文  金剛不壊の如意宝珠  紫色の宝玉や
 黄金の玉を紛失し  心いらちて高姫が
 鷹依姫や黒姫は  言ふも更なり傍人に
 向つて怒り八当り  玉の在処を探らむと
 海洋万里を乗越えて  捜し廻れど影さへも
 なみの上をば徘徊ひつ  再び聖地に立帰り
 八尋の殿に黒姫と  麻邇の宝珠の玉しらべ
 これ又案に相違して  面を膨らせ泡をふき
 言依別の教主奴が  三つの宝や麻邇の玉
 盗み隠して聖地をば  後に見すてて高砂の
 島に渡りしものなりと  思ひつめたる一心の
 心猿意馬の狂ふまで  春彦、常彦伴ひて
 高砂島に打渡り  テルの島国振出しに
 鏡の池に立寄りて  架橋御殿に侵入し
 減らず口のみ並べ立て  皇大神の戒めを
 受けてやかたを飛び出し  アリナの山を乗越えて
 アルゼンチンの大野原  木の花姫の化身なる
 日の出姫に廻り会ひ  いよいよ茲に悔悟して
 荒野をわたり河を越え  夜を日についでアル港
 ここより船に身を任せ  ゼムの港に上陸し
 天祥山を乗越えて  チンの港に辿りつき
 鷹依姫の一行を  救はむものと真心の
 駒に鞭うち進み行く  アマゾン河に来て見れば
 半濁流は滔々と  目さへ届かぬ広河を
 勢猛く流れ居る  波のまにまにモールバンド
 怪しき頭を擡げつつ  吾物顔に荒び居る
 流石の高姫仰天し  アマゾン河の北岸に
 命からがら辿りつき  天津祝詞を奏上し
 宣伝歌をば歌ひつつ  森林深く進み入る
 遠き神代の物語  いよいよここに述べ立つる
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ。
 高姫は常彦、春彦、ヨブと共に漸くアマゾン河の大森林、時雨の森の北の林に安着せり。此処は東西殆ど三百里、南北四百里位の際限もなき大森林なり。
 高姫は此森林に鷹依姫の一行が迷ひ居るものと深く信じ、一日も早く救ひ出さむものと、鬱蒼たる樹木の間を右にくぐり左に抜け、草を分け、身を没する許りの笹原をくぐり、時々猛獣に脅かされ、毒蛇に追はれ、稍広き樹木稀なる原野に出ることを得たり。
 世界第一の大森林のこととて名も知れぬ大木、風を含んでごうごうと吼え猛り、見慣れぬ美はしき果物は所々に稔りつつあり。一行は樹木まばらなる此原野に酷熱の太陽の光を浴びながら物珍らしげに日光浴を恣にせり。
 此時前方より得も言はれぬ美はしき一人の女、悠々として高姫一行が前に進み来る訝かしさ。四人は顔を見合せて、妖怪変化の出現ならむと、腹帯を締め肝を据ゑて、女の近寄るを待ち居たる。
 女は声しとやかに高姫の前に来り、お辞儀しながら、少しく顔を赤らめ、
『エヽ一寸お尋ね致しますが、あなたは三五教の宣伝使、玉捜しの高姫様一行では御座いませぬか? 玉が御入用ならば金剛不壊の如意宝珠、紫色の玉、黄金の玉、麻邇の宝珠は、数限りなく妾の館に遠き神代の昔より、神政成就の宝として数多蓄へて御座いますれば、どうぞ、御検めの上御受け取り下さいますれば、実に有難き仕合せに存じ奉ります』
 一旦玉の執着をはなれたる高姫は、又もや此言葉を聞いて持病再発したるものの如く、目を丸くし、顔を妙に緊張させながら、
『エヽ何と仰せられます。金剛不壊の如意宝珠は世界に一つよりなきものと存じて居りますが、貴女の御宅にはそれ程沢山に御持ちで御座いますか。ソリヤ大方偽玉では御座いませぬか? 金剛不壊の如意宝珠と云へば世界に一つよりなき筈で御座いますが……』
と半信半疑の目を見張り、あわよくば此玉を得て帰らむとの野心にみたされながら、心欣々として尋ね返した。美人は打笑ひ、
『ホヽヽヽヽ、高姫様貴女は妾の申す事をお疑ひ遊ばすので御座いますか? 論より証拠、妾が宅へお出で下さいますれば、お分りになるでせう。如意の宝珠は只一個とのみ思召すのは、失礼な申分ながら、井中の蛙大海を知らざる譬も同様で御座います。マア一寸妾の宅までお出で下さいまして、お査べなさいませ』
『ナンと妙なことを仰せられます。さうして又昔から人の来たことのない此森林に貴女が住んで居られるとは合点が参らぬぢやありませぬか? 何神様かの化身では御座いますまいか? 人間の住むべき場所ぢや御座いますまい』
『ホヽヽヽヽ、此森林に人間が住めない道理がどこに御座いませう。現に三五教の宣伝使、鷹依姫さまの一行が御住居になつてゐるぢやありませぬか』
『アヽ其鷹依姫、竜国別一行の在処を捜すべく、それが第一の目的で御座います。玉などは最早断念して居ります。併し乍ら貴女のお宅に其尊い玉があつて、私に受取れとの事なれば、別に否みは致しませぬ。そんなら参りませう。どうぞ御宅まで案内して下さい』
『一寸待つて下さいませ。つい其処に妾の住家が御座いますれば、俄にお越し下さいますと余り散らかつて居りますので済みませぬ。どうぞ此処でゆるゆると休んでゐて下さい。其中に又お迎へに参ります。又鷹依姫様一行の在処を御探ねならば、妾が存じてゐますから、ゆつくりと妾が案内致します。此広い森を五年や十年当所もなく御探ねになつたつて、分る道理がありませぬから……』
『何から何まで御親切なる御言葉、神様のなさることは抜け目のないもので……あなたにお目にかかるも神様のお引合せです。
  ほのぼのと出て行けど心淋しく思ふなよ
      力になる人用意がしてあるぞよ
とお筆に出て居る。一分一厘神様の御言葉は違ひはありませぬワイ。これが違うたら神は此世に居らぬぞよと仰有るのだから、斯んな大丈夫なことは御座いませぬ。オホヽヽヽ』
『暫く御免蒙ります。後してお迎へに……』
と云ひながら、足早にあたりの森林に消ゆるが如く姿をかくしける。
 高姫は後見送つてニコニコ顔、
『コレ常さま、春さま、ヨブさまえ、神さまと云ふ方はエライ力で御座いませうがなア。此様な東西南北果てしもなき大森林の中で、あんな美しき女に出会ふとは夢にも思はなかつたでせう。私でさへもこんな事があらうとは思はなんだのですよ。ついては改心位結構なものは御座いますまい。自転倒島に居つた時に、金剛不壊の一つの玉に現をぬかし、此宝がなければ神政成就は出来ない、又高姫が之を使用せなくては、神政成就は駄目だと思ひつめて、いろいろと心を砕きましたが、神様は有難い。苦労艱難を十分にさせておいて、こんな所で思ひがけなく如意宝珠の玉を下さるとは、何と有難いことぢや御座いませぬか。それだから魂を研いて改心なされと申すのだよ。コレ常さま、春さま、ヨブさまよ、お前は結構なお神徳を頂いて万劫末代名の残る御用が出来ますぞえ。これも全く日の出神の……オツトドツコイ、モウ日の出神は云はぬ筈だつた……神さま、うつかりと申しました、どうぞお許し下さいませ……高姫についてお出でたればこそ、こんな御用が出来ますぞえ。何を云うても変性男子の御系統……オツトドツコイ、之も云ふ筈ぢやなかつたが余りの嬉しさに、ツイこぼれました。ホヽヽヽヽ』
常彦『其玉が沢山手に入るからは、何程日の出神の生宮と仰有らうが、変性男子の系統と申されようが、差支はないぢやありませぬか。正々堂々と玉を携へて帰り、さすがは日の出神の生宮ぢや、変性男子の系統のなさることは、マアざつとこの通りだ。皆さま、ヘン済みませぬナ……と云ふやうな顔して帰つた所で、誰が何と云ふ者が御座いませうか。神さまだつて、これ丈の御用をあそばした高姫様に、少々の過ち位あつたとて、御咎め遊ばす道理も御座いますまい。イヤもう結構な事が到来致しました。お供に出て来た私さへ、余り嬉して嬉しうて、手が舞ひ、足が踊りますワイ。アハヽヽヽオホヽヽヽ』
と何が嬉しいのやら、手を拍つて踊りまはる其可笑しさ。春彦は余りすぐれぬ顔付にて、
『モシモシ高姫さま、常彦さま、チツト御用心なされませや。あなたは又もや玉に執着心が出て来たやうな塩梅ですよ。今来た女は真の人間だと思うて居られますか。どうも私には腑におちぬ点が御座いますワ。能く能く見れば、あの娘の耳が時々ビリビリと動いたぢやありませぬか。人間の耳は不随意筋ですから、動く道理はありませぬ。獣に限つて随意筋が発達して、耳を手のやうに動かすものです。コリヤうつかりはして居られますまい』
高姫『人間の分際として、神さまの事が分るものですか。春さまは春さまらしうしてゐなさい……なア、ヨブさま、あなたどう思ひますか、あの御方を……』
ヨブ『左様ですなア。吾々にはちつとも見当が取れませぬ』
高姫『アヽさうだらう さうだらう、そこが正直な所だ。耳が動くの動かぬの、怪しいの怪しくないの、頭から疑つてかかつては神様の御仕組は分りませぬワイ。お前は余程悧巧な方だと思つたが、私の目はヤツパリ違ひませぬワイ、オホヽヽヽ』
春彦『そらさうかは知りませぬが、如何しても私には合点の虫が承認しませぬよ。よう考へて御覧なさい。こんな森林にあんな美しい女が住居して居る道理はないぢや御座いませぬか。そして又金剛不壊の如意宝珠の如き結構な宝が幾つもあつて、それを貰うてくれと云ふのが、それが第一理由が分らぬぢや御座いませぬか。又しても執着心を起して失敗なされましたら、今度は取返しが出来ませぬぞ。どうぞ胸に手を当ててトツクリと御思案なされませや』
高姫『コレ春さま、お前は年が若いから、何も知りさうな事がない。マア此高姫のすることを黙つて見て居なさい。年の効は豆の粉、豆の粉は黄ナ粉だ。浮世の波にさらはれて、千軍万馬の功を経た心の鏡の光明に映つた以上は、どうして間違ふ気遣ひが御座いませうかい。細工は流々仕上げを御覧じ、そんな分らぬ事を言ふと、たつた今アフンと致さねばなりませぬぞや。……コレ常彦、ヨブの両人さま、私の言ふことが違ひますかな』
ヨブ『違ふか違はぬか、そんなこと如何して分りませう』
高姫『お前もみかけによらぬ先の見えぬ御方ぢやなア。大概分りさうなものぢやないか。籔を見たら筍が生えて居る、池を見たら魚が住んで居る、果樹を見たら、コラ甘い果物がなつて居る位の事が分らねば、宣伝使になつて人を助けることは出来ませぬぞえ。お筆先には一を聞いて十を悟る身魂でないと、まさかの時の間に合はぬぞよと御示しになつてるぢやありませぬか』
ヨブ『さうだと云つて正直に告白してゐるのですよ。不可解の事を分つたとは申されませず、又断然分らぬとも云へぬぢやありませぬか。否定と肯定とのまん中に立つて御返事をしたので御座います。お気に障りましたら、真平御免下さいませ』
高姫『エヽ仕方のない御人足だな……コレコレ常彦、お前は余程悧巧さうな顔付だ。お前の考へは間違ひなからう、どう思ひますかなア』
常彦『誰が何と云つても、私は高姫さまの仰有ることを真と信じます。乍併あの娘の言つたことは実地に当らねば、愚鈍な私、確かな御返答は出来ませぬ』
高姫『扨も扨も困つた分らずや計り寄つたものだな。世界に此事を分ける者一人ありたら物事は立派に成就するものなれど、余り身魂が曇り切りて居るから、神も誠に骨が折れるぞよ……と大神様が仰有つた。思へば思へば大神様の御心がおいとしいわいのう……それはさうと、何故早くあの娘さまは出て来ないだらうか。余り広い座敷で御掃除に暇が要るのではなからうか』
春彦『高姫さまの天眼通で御覧になつたら、あの娘が何をしてゐる位は分らにやなりますまい』
高姫『千騎一騎の此場合、神政成就の御宝が手に入るか入らぬかと云ふ時に、そんな小理屈を言うておくれなや。さうだから大勢は入らぬ、大勢居ると邪魔が入りて物事は成就致さぬと御示しになつて居るぞえ』
春彦『そんなら私はこれからお暇申して帰りませうか』
高姫『肝腎の御用は一人ありたら勤まるのだから、勝手になさりませ』
ヨブ『今の御言葉によれば、一人ありたらよいとの事、そんなら私も春彦さまと一緒にお暇致しませうか、御邪魔をしては済みませぬからなア』
高姫『コレ気の早い、そら何を言はつしやるのだ。ヨブさまに帰つてくれとは申しませぬぞえ。春さまだとて、別に私が邪魔になると言つたのぢやない。神様の御言葉を参考の為に話して聞かした丈の事だよ。つまり誠のお道は大勢よりは一人の方が御用が出来よいものだと云ふ神様の御示しを話した丈ですから、今となつて、さう悪気をまはして貰つちや困りますワ。千騎一騎の此場合、如意宝珠の玉を何程欲に持つたとて、一人に三つ位より持てるものでない。そして四人居れば、三四十二の玉が手に入るぢやありませぬか。あゝ斯うなるとモ少しガラクタ人間でもよいから伴れて来るのだつたに、世の中は思ふやうに行かぬものだなア』
春彦『アハヽヽヽ、何とお口の達者な事、兎も角御手際拝見の上、お詫を致しませう』
 常彦は口を尖らし、
『コリヤ春彦、変性男子の御系統に、何と云ふ御無礼な事を申すか。日の出神の生宮ぢやぞよ』
春彦『ハイ恐れ入りました。乍併どうぞ不調法のないやうに、皆さま御願申します』
高姫『オホヽヽヽヽ、あのマア疑の深い事ワイのう』
 斯く話す折しも、以前の娘、美々しき盛装をこらし、二人の侍女を従へて、悠々と此方に向ひ進み来る。
(大正一一・八・二二 旧六・三〇 松村真澄録)
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