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文献名1霊界物語 第32巻 海洋万里 未の巻
文献名2第2篇 北の森林よみ(新仮名遣い)きたのしんりん
文献名3第14章 山上の祝〔905〕よみ(新仮名遣い)さんじょうのいわい
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-05-19 18:12:08
あらすじ
神代の昔、五六七の神と現れた瑞の御霊の月神が、大海原に漂う高砂島の秘密郷・ブラジル国のアマゾン河の大森林の中心に聖地を造った。これを兎の王に与えて千代の棲み処と定めた。

常世会議の武備撤回の制定後、翼をはがれた猛獣たちは常世の国からこの森林に襲い来て、兎のやからをしいたげ殺して餌となした。

この暴虐に種族も絶えなんとするとき、三五教の神司の鷹依姫や竜国別一行により、猛獣たちは言向け和された。また高姫一行、安彦一行が加わって、モールバンドやエルバンドの霊を清めて神の御使いとなした。

十二人の一行はアマゾン河の魔神たちに霊魂の行く末を明らかに諭し、救いの道を説いた。そして意気揚々と宣伝歌を歌いながら、山川渓谷を跋渉し、ようやく帽子ケ岳に止まっていた教主・言依別命と、国依別命の前に帰って来た。

互いにその無事を祝し、成功をほめ感謝の涙を流しつつ打ち解け、喜び勇んで帽子ケ岳の山頂に国魂神の神霊を祀り、感謝の祝詞を奏上した。あたりの木の実を集めて、ここに山上の大宴会が開かれた。

しかしながら、北の大森林に同じく高姫を探しに遣わされていた正純彦、カール、石熊、春公の一隊からのみ、消息がなかった。言依別命は国魂神を厚く念じ、一同神楽を奏して言霊歌を歌い、無事の祈願を込めた。

正純彦たち一行四人は大森林に迷い、高姫に会えなかったが、春彦とヨブが出会った石地蔵にたどり着き、石地蔵から高姫たちは神業を果たして凱旋したことを伝えられた。正純彦一行は三日遅れて帽子ケ岳山頂に到着した。

一行は十八人となり、屏風ケ岳山脈を下って長い原野を渡り、ブラジル峠を越えてウヅの都の末子姫の館に凱旋した。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年08月23日(旧07月01日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年10月15日 愛善世界社版158頁 八幡書店版第6輯 206頁 修補版 校定版165頁 普及版67頁 初版 ページ備考
OBC rm3214
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本文
 神代の昔高天にて  五六七の神と現はれし
 瑞の御霊の月神が  大海原に漂へる
 高砂島の秘密郷  ブラジル国に名も高き
 アマゾン河の南北に  聳り立ちたる大森林
 広袤千里の中心に  貴の聖地を形造り
 月の御霊の天降り  これの聖地を悉く
 兎の王に与へられ  千代の棲処と定めつつ
 月大神を朝夕に  心の限り伏し拝み
 斎き祀れる折柄に  常世会議の其砌
 武備撤回の制定に  翼はがれし猛獣は
 常世の国を後にして  ブラジル国に打渡り
 此森林に襲ひ来て  心正しき兎の族を
 虐げ殺して餌となし  日に日に募る暴虐に
 正しき兎は九分九厘  彼等が毒牙にかかりつつ
 種族も絶えむとする時に  綾の聖地を後にして
 現はれ来る三五の  神の司の鷹依姫や
 竜国別の一行が  目無し堅間の船に乗り
 大激流の氾濫し  伊猛り狂ふアマゾン河を
 溯りつつ南岸に  辿りてここに一行は
 兎の王に迎へられ  月の御神を祀りたる
 聖地にやうやう辿りつき  虎狼や獅子に熊
 大蛇禿鷲其外の  禽獣虫魚に至る迄
 神の恵の言霊に  言向け和し今は早
 時雨の森は天国の  春を楽む真最中
 鷹依姫の後を追ひ  はるばる探ね来りたる
 三五教の神司  高姫、常彦、春彦が
 神の伊吹に服従ひて  茲にいよいよ十二人
 アマゾン河に立出でて  天津御神の賜ひてし
 貴の言霊宣りつれば  モールバンドやエルバンド
 其他の怪獣悉く  神の恵に悦服し
 霊を清め天上に  雲を起して舞ひ上り
 尊き神の御使と  なりて風雨の調節に
 仕へ奉るぞ尊けれ  テーリスタンやカーリンス
 竜国別を始めとし  心の空も安彦や
 胸凪ぎ渡る宗彦が  清き心の秋山別の
 神の司と諸共に  教を固くまモリスの
 案内につれて屏風山  果てしも知らぬ山脈の
 空に秀でていと高き  帽子ケ岳の霊光を
 杖や力と頼みつつ  神の恵に抱かれて
 山河渡り谷を越え  嶮しき坂をよぢ登り
 ここに十二の生身魂  帽子ケ岳にをさまりて
 時雨の森の神軍に  光を与へ助けたる
 言依別の大教主  国依別の神司
 二人が前に辿りつき  宏大無辺の神恩を
 感謝しながらウヅの国  都を指して進み行く
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ。
 十二人の一行はアマゾン河の魔神を言向け和し、各自に霊魂の行末を明かに諭し、且つ救ひの道を開き、琉と球との霊光に照らされ、意気揚々として宣伝歌を歌ひながら、山川渓谷を跋渉し、やうやくにして、帽子ケ岳に止り、種々の神策を行ひ、神軍応援に従事しゐたる教主言依別命、国依別命の前に帰り来り互に其無事を祝し、成功をほめ、感謝の涙を流しつつ互に打解け、喜び勇んで帽子ケ岳の頂上に、国魂神の神霊を祀り、感謝の祝詞を奏上し、凱旋の祝を兼ね、あたりの木の実を採収し来りて各其美味をほめ、ここに山上の大宴会は開かれにける。
 然るに、時雨の森の北の森林に向ひたる正純彦、カール、石熊、春公の一隊は何の消息もなく、一日待てども二日待てども、帰り来るべき様子さへなかりける。
 ここに言依別命が国魂神を厚く念じ、一同神楽を奏し、言霊歌をうたひて、正純彦一行が、無事此処に帰り来るべき事を十二の身魂を合せて、熱心に祈願をこめつつありぬ。
 一行四人は大森林を右に左に駆巡り、高姫一行の在処を捜し求むれども、音に聞えし数百里の大森林、容易に発見すべくもあらず、殆ど絶望の淵に沈み、一行四人は双手を組んで、以前春彦、ヨブが暫し休息したる頭欠け石地蔵の傍に惟神的に引寄せられ、石地蔵より、高姫、鷹依姫以下十人、アマゾン河の魔神を言向け和し、今や帽子ケ岳に向つて凱旋の途中なることを詳細に解き諭され、喜び勇んで、帽子ケ岳さして、三日遅れた夕暮に漸く山上に辿りつき、言依別命以下の無事を祝し、ここに一行十八人となり、賑々しく屏風ケ岳の山脈を降りて長き原野をわたり、ブラジル峠を乗越え、暑熱の太陽に全身をさらしながら、漸くにしてウヅの都の末子姫が館に凱旋する事となりたり。
(大正一一・八・二三 旧七・一 松村真澄録)
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