バラモン教の教主として高砂島の高照山山麓に勢力を誇っていた石熊は、乾の滝で大蛇に魅入られていたところを末子姫に助けられ、三五教に改心した。巽の池の魔神を言向け和そうとして失敗し、三五教のカールに助けられ、ウヅの館を守っていた。
このたびの言依別命出張とアマゾン河の魔神退治にあたり、石熊もカールを伴って出陣していたが、凱旋するとウヅの神館には神素盞嗚大神がご光臨されていた。石熊は歓喜の年に堪えず、祝歌を歌い舞った。
バラモン教の司として様々な画策をなしていた過去、末子姫に助けられ、巽の池で試にあってカールに助けられ、自分の配下のバラモン教徒たちをウヅの館に導いたこと、アマゾン河の魔神退治の経緯と、大神ご来臨の喜びと感謝を歌うと、自席に戻った。
今度はカールが面白く踊りながら歌った。松若彦の命によってバラモン教に潜入し、石熊の部下となって仕えていたこと、高砂島に着いた末子姫と捨子姫をウヅの都に案内し、その途上で石熊を助けて三五教に加えた経緯を歌った。
そして、巽の池で魔神退治に失敗し、両足が動けなくなった石熊をわざと嘲って治した有様を、こっけいを交えながら歌い披露した。そしてこれによって石熊の本当の笑顔を見て、心を合わせるようになった経緯を明かした。
言依別命にしたがって石熊たちとともにアマゾン河にお供し、ウヅの都に凱旋すると、神素盞嗚大神のご光臨を知り、その嬉しさと感謝を表した。カールの滑稽を織り交ぜた歌は宴席をどっと湧かした。