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文献名1霊界物語 第33巻 海洋万里 申の巻
文献名2第2篇 鶴亀躍動よみ(新仮名遣い)かくきやくどう
文献名3第6章 皮肉歌〔921〕よみ(新仮名遣い)ひにくか
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-08-07 15:48:23
あらすじ
続いて高姫が祝歌を歌い始めた。その歌は、国依別の若いころの極道ぶりを歌い、また三五教に改心してからのいたずらも明かしていた。

高姫自身はなぜ国依別が瑞霊大神の眼鏡にかなって水晶無垢の末子姫と結婚できたか合点がいかない、と正直に吐露しつつも、このように国依別の過去の行いを皆の前で明かすのも、これからは末子姫を妻として大事に仕えよ、という老婆心から苦い言霊をあえて進呈するのだと歌った。

そして高姫は、これ以降は国依別に対して一切万事、口を出さないと宣言し、三五教の御教えを守って夫婦の道を違えないようにと諫めの言葉で締め、天地の神々に祈りを捧げつつ歌い終わり、元の座に戻ってツンと座り込んだ。
主な人物 舞台ウヅの館 口述日1922(大正11)年08月26日(旧07月4日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年11月10日 愛善世界社版67頁 八幡書店版第6輯 279頁 修補版 校定版67頁 普及版28頁 初版 ページ備考
OBC rm3306
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本文  高姫は立上り、祝歌を歌ひ始めた。其歌、
『天の岩戸の初めより  女ならでは夜が明けぬ
 国と称へし神の国  女にかけては抜目なき
 国依別の神司  宗彦お勝の昔より
 凄い腕をば持つてゐた  此世の紊れた行方を
 自由自在に振りまはし  名を轟かし来りけり
 さはさり乍ら三五の  尊き神の御教に
 心の底より改心し  生れ赤児になりたれど
 未だ安心する所へ  私としては行きませぬ
 さはさり乍ら瑞御霊  神素盞嗚大神の
 清き尊き思召し  末子の姫の御心に
 叶へまつりし果報者  国依別の宣伝使
 玉かこつけに高姫を  瑞の御霊の現れませる
 竹生の島迄はるばると  遣はし玉ひし御神力
 誠に感じ奉る  あゝ惟神々々
 神に任せて高姫は  モウ此上は何事も
 此縁談に関しては  申上げぬと定めました
 コレコレ国依別さまえ  お前は元より気楽者
 からかひ上手の生れつき  これからチツトは村肝の
 心の駒を立直し  早く真面目になりなされ
 アルゼンチンの神館  神の柱と国の君
 重荷を負うたお前さま  どうぞ確乎しておくれ
 親子は一世夫婦二世  主従三世といふ掟
 お前の夫婦は二世三世  五世や六世ぢや御座るまい
 天地の規則にてらしなば  これ程違反な人はない
 さはさり乍ら惟神  瑞の御霊の贖ひに
 此世を造りし神直日  心も広き大直日
 只何事も人の罪  直日に見直し聞直し
 宣り直されて宗彦の  成れの果てなる宣伝使
 国依別は不思議にも  水晶無垢の御霊なる
 末子の姫と結婚し  高き位に上りつめ
 普く世人に臨むとは  どこで算用が違うたかと
 私は合点が行きませぬ  国依別の神さまよ
 憎いことをば高姫が  吐すと思うたら違ふぞえ
 モウ是からは謹んで  末子の姫を尊んで
 他の女に目をくれず  妻大明神と崇めたて
 大事に大事に仕へませ  またも持病が再発し
 手当たり次第に手を出して  姫の心を悩ますな
 これこれ末子のお姫さま  国依別と云ふ人は
 私が只今云うたよに  油断のならぬ色男
 朝な夕なの起伏しに  気を付けなされ婢女を
 側におくなら不器量な  おかめの様な女をば
 きつと侍らせおきなされ  中々油断がなりませぬ
 これ高姫が老婆心  お道を思ひ国思ひ
 お前を大事と思ふ故  日の出神の生宮が
 オツトドツコイコラ違うた、  日の出の勢ひ大空に
 輝き亘る増鏡  心に映つた誠をば
 鏡にかへて進ぜませう  あゝ惟神々々
 神素盞嗚大神の  貴の御前憚らず
 申上げたる高姫の  苦き言葉を神直日
 心も広き大直日  見直しませよ大神よ
 言依別の教主さま  捨子の姫の侍女さま
 松若彦の司さま  此高姫が云うたこと
 キツト忘れちやなりませぬ  正月言葉は誰も好く
 人の嫌がる言霊を  並べて云ふのも心より
 皆を大事と思ふゆゑ  不調法してからゴテゴテと
 意見したとて仕様がない  前つ前つに気をつける
 神が表に現はれて  善と悪とを立別ける
 日の出神は明かに  鏡の如く善悪を
 心の底より照りわたし  おさばきなさる神様よ
 一度に開く木の花の  今日の目出たき宴席に
 皆さまたちの喜ばぬ  苦い言霊御馳走に
 私は並べておきました  こんな粗末な品物と
 只一口にけなさずに  能く味うてたべてたべ
 苦い言葉は胃の薬  霊の薬になりますぞ
 クスリクスリと片隅に  笑うて御座る人がある
 お前は何がそれ程に  可笑しう御座るか石熊さま
 お前の名前は固けれど  心の中は反対に
 国依別の亜流だらう  同気同心相求め
 同病互に憐れむは  天地の道理と聞くからは
 今日は目出たい席ぢや故  余り咎めはしませぬが
 モウ是からは晴れの場で  こんな不都合があつたなら
 高姫承知をしませぬぞ  皆さま奇妙な顔付で
 穴があく程わしの顔  眺めて御座るが気が知れぬ
 あゝ豆鉄砲を鳩鳥が  くらつたやうなお顔付
 何を心配なされます  目出たく式も済みたれば
 皆さま互に打とけて  心の底をさらけ出し
 此高姫の云ふ通り  国依別の身の為に
 気をつけなさるが誠ぞえ  あゝ惟神々々
 余り永らく言霊を  使ふと皆さま欠伸して
 あゝゝゝゝゝゝ言ひなさる  ホンに醜いお顔付
 アフンと致して御座るのか  折角あいた其口が
 塞がらぬ様な顔をして  五百羅漢の陳列場
 さながら眺むる如くなり  あゝ惟神々々
 お気にいらないこと計り  ベンベンだらりと述べ立てて
 お気をもませて済みませぬ  此高姫は今日限り
 国依別の事につき  一切万事申さない
 国依別の神さまよ  どうぞ安心なさいませ
 是ぢやに依つて平常の  其行ひが肝腎ぢや
 まさかの時に人々の  前で恥をば晒されて
 赤い顔をばせにやならぬ  皆さまこれが好い鑑
 三五教の御教を  よつく守りて妹と背の
 夫婦の道を違へじと  慎み守るが宜しいぞ
 あゝ惟神々々  惟神ぢやと思やこそ
 私も今度の縁談を  神素盞嗚大神の
 言葉に免じて口つめる  天津神達八百万
 国津神達八百万  国魂神の竜世姫
 神命の御前に  高姫祈り奉る
 高姫祈り奉る』
と皮肉な歌を唄ひ、元の座にツーンとして、坐り込みける。
(大正一一・八・二六 旧七・四 松村真澄録)
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