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文献名1霊界物語 第35巻 海洋万里 戌の巻
文献名2第3篇 火の国都よみ(新仮名遣い)ひのくにみやこ
文献名3第23章 清交〔987〕よみ(新仮名遣い)せいこう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-10-02 12:25:02
あらすじ
火の国館の門前に、宣伝歌を歌いながらやってきたのは、玉治別であった。玉治別は、黒姫が探していた筑紫の島の高山彦は、別人であることを知っていたようであった。

火の国館の門番・軽公と受付の玉公は、玉治別宣伝使がやってきたと知り、歓迎してさっそく奥殿の愛子姫に合わせるべく、館の重鎮・津軽命に引き合わせた。津軽命は玉治別を導き、愛子姫も玉治別の訪問と聞いて支度を整えている。

玉治別と愛子姫は打ち解けて語り合った。愛子姫の夫・高国別は禊のために桂の滝に出かけており、留守をしていた。玉治別も、自転倒島に流れ着いた愛子姫の妹たちの活躍を、愛子姫に語って聞かせた。

玉治別は自分が孤児の身の上であったことを明かしつつ、火の国館にやってきた目的は、黒姫が主人の高国別を自分の夫の高山別と勘違いしているので、その騒動を収めて黒姫を高山別のいる聖地へ連れて帰るためだと告げた。

そこへ門番の玉公が、黒姫が共を引き連れて門前にやってきたと注進した。津軽命は黒姫を、愛子姫の居間に通すようにと命じた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年09月17日(旧07月26日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年12月25日 愛善世界社版270頁 八幡書店版第6輯 567頁 修補版 校定版285頁 普及版105頁 初版 ページ備考
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本文  火の国館の門前近く、宣伝歌を歌ひ乍ら入り来る一人の宣伝使は玉治別命なり。
『神が表に現はれて  善神邪神を立別ける
 恋に迷うた黒姫が  自転倒島の聖場に
 朝な夕なにまめやかに  仕へつとむるハズバンド
 高山彦の神司  筑紫の島に渡りしと
 心一つに思ひつめ  百の悩みに堪へ乍ら
 三五教の宣伝を  兼ねつつ来る浪の上
 筑紫ケ岳をふみ越えて  岩の根木の根よけ乍ら
 人跡稀なる谷の路  向日峠や屋方村
 後に眺めて荒井岳  二人の御供を伴ひて
 火の国一の急坂を  登りつ下りつ進み来る
 あゝ惟神々々  黒姫司が今ここに
 現はれ来ることあらば  さぞや驚き給ふべし
 吾背の君と只管に  思ひし高山彦神は
 真の夫に非ずして  思ひもよらぬ人の夫
 天照します大神の  御手の手巻にまかせたる
 五百津美須麻琉々々々々の  玉の精気にあれましし
 活津彦根の神司  高国別と聞くならば
 さすがに気丈の黒姫も  さぞや驚き玉ふらむ
 思へば思へばいぢらしい  一日も早く片時も
 黒姫さまの迷ひをば  晴らし助けて自転倒の
 神の集まる珍の島  綾の高天につれ帰り
 高山彦と諸共に  睦び親しみ皇神の
 誠の道に仕へまし  麻邇の宝珠の神業に
 清くも仕へさせ玉へ  あゝ惟神々々
 神素盞嗚大神の  御言を畏みフサの国
 ウブスナ山の山頂に  大宮柱太しりて
 そそり立ちたる斎苑館  聖地を後にはるばると
 エデンの河を船に乗り  フサの海原横断し
 筑紫の島の熊襲国  建日の港に上陸し
 黒姫さまを助けむと  ここ迄進み来りけり
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ』
と歌ひ乍ら、門前近く現はれける。
 門番の軽公は此宣伝歌に勇み立ち、威儀を正して門を開き、
『玉治別神の命の出でましと
  知るより心勇みけるかも。

 高山彦の神の命の後追うて
  黒姫司出でますと聞く。

 黒姫の御供の人が今二人
  力なくなく帰りましけり。

 高国別神の命の神司
  桂の滝に出でましにけり。

 玉治別神の命よ速かに
  鉄門をくぐり奥に入りませ。

 惟神神の恵の深くして
  今日は尊き神に会ふ哉。

 有難や玉治別の出でましに
  御空も清く晴れ渡りけり。

 大空の星にも擬ふ玉治別の
  神の身魂の美しき哉』

と口を極めて讃美し、歓迎してゐる。
『美しき火の国都の鉄門守る
  軽の君こそ雄々しき男の子よ。

 われこそは玉治別の神司
  館の君に会はまくぞ思ふ。

 高国別神の命は雄々しくも
  桂の滝に出でますと聞く。

 さり乍ら愛子の姫はおはすらむ
  われは代りて言問ひたくぞ思ふ』

 門番の軽公は、
『神館主の君はいまさねど
  愛子の姫に会はせまつらむ。

 玉治別神の命よわれは今
  君の御為に導きまつらむ』

 玉治別は、
『今こそは人の情の知られけり
  鉄門を守る人の言葉に。

 黒姫はやがては此処に来ますらむ
  易く通せよ鉄門守る人』

『黒姫を易く通さむ術なけど
  君のことばに詮術もなし。

 君ならで誰に開かむ此鉄門
  主の君の許しなくして』

 玉治別は、
『いざさらば珍の館へ進み申さむ
  心も足も軽公の恵に』

 かく応答し乍ら、いつの間にか玄関口につけり。軽公は受付の玉公に向ひ歌を詠む。
『玉公よ今より表の鉄門守れ
  わはこれより受付とならむ』

『いざさらば表に立ちていかめしく
  みことのままに鉄門守らむ』

と、つツと立つて元の門番をなすべく表に出て行く。
 この軽公は、津軽命といふ館の主の股肱と頼む宣伝使である。津軽命は玉治別命に向ひ又詠ふ。
『いざ早く奥の一間に通りませ
  愛子の姫は汝を待ちます』

『神館主の神はまさねども
  いろとの君にものや申さむ』

と、津軽命に導かれ、奥の間さして進み入る。愛子姫は玉治別命の入来と聞き、あわただしく衣紋をつくろひ髪をなで上げ、しづしづとして此方に向つて歩み来る。長き廊下に差かかる折、玉治別にパツタリ出会ひ、
『世の人を導き救ふ愛子姫
  汝迎へむと此処に来れり。

 汝が命これの館に来ますぞと
  きくより日々に待ちあぐみたるよ。

 うるはしき玉治別の神司
  高き御名こそ世に響きけり。

 あゝ清き神の姿を目のあたり
  拝み仰ぐ今日ぞ嬉しき』

 玉治別はこれに答へて、
『名は高き火の国都の神司
  汝はいろとにおはすか天晴れ。

 素盞嗚の神の尊の愛娘
  姫の命を慕ひ来にけり。

 うるはしき其御心の現はれて
  御姿さへも輝き玉へる。

 照りわたる天津御空の月の如
  清き御姿今拝むかな』

と詠ひ乍ら、愛子姫、津軽命に前後を守られ、一間の内に悠々として進み入る。奥の一間に三人は鼎座して、互に打とけ嬉しげに語り合ふ。
『玉治別の宣伝使様、ようマアはるばると訪ねて来て下さいました。夫高国別は折悪しく、今朝桂の滝へ御禊の為に、百日の心願をこめて参りました不在中で、誠に不都合なれども、ゆるゆる御休息の上、国々の御珍らしいお話を聞かせて下さいませ』
『ハイ有難う御座います』
と、愛子姫が妹の所在を一々物語り、且又其活動振を詳細に伝へけるに、愛子姫はえも云はれぬ愉快なる面色にて、
『玉治別さま、随分あなたも御苦労なさいましたなア。神様の為世人の為、どうぞ御壮健にて御神務にお仕へ下さいますやう祈ります』
『ハイ有難う御座います。私も不運な身の上、父母に捨てられ、ホンの独身者で御座いますが、三五教に帰順いたしましてより、国依別さまの妹を女房に貰ひうけ、今は夫婦が力を協せて、神様の御用を一心に致して居ります。イヤもう苦労といつても、神さまと道伴れの苦労で御座いますから、何処の国へ参りましても、真に愉快でたまりませぬ』
『あゝ左様で御座いますか。妾も何とかして妹の様に世界各国を巡教いたしたく存じまするが、何を云つても夫ある身の上、思ふやうには参りませぬ。身魂の因縁相応の御用より出来ないものと見えますなア』
『いかにも左様で御座いませう。時に三五教の黒姫さまは、高山彦といふ御主人が御座いますが、綾の聖地に於て、下らぬことから喧嘩をなされまして、高山彦さまは、筑紫の島へ行くと云ひ切つた儘、何処かへお隠れになりました。そこで黒姫さまが、高山彦さまは屹度筑紫島に御座ることと思召され、はるばると海山越えて此国へ来てゐられます。高国別さまの又の御名が高山彦さまと申すので、黒姫さまは吾夫とのみ思ひつめ、やがて此処へお越しになるでせうから、どうぞお願ひで御座います。奥へ御通し下さいまして、一応話をきいて上げて下さいませ。玉治別が御願ひで御座います』
『それは又妙な事で厶いますなア。黒姫さまの御主人の御名もヤツパリ高山彦さまで厶いましたかなア。其高山彦さまの御所在はお分りになつて居りますか』
『高山彦さまはアフリカへ御渡りかと思ひきや、依然として聖地に現はれ、神さまに朝夕お仕へをして居られます。私はそれを見るにつけ、黒姫さまの御心根が可哀相になり、神素盞嗚大神さまのまします斎苑の館へ一旦参りまして、更めてここへ渡り、黒姫さまに巡り会つて、知らして上げたいと思ひ、宣伝を兼ねお迎へ旁参りましたので御座います』
『それはマア御親切な事で御座います。黒姫さまがあなたの御心底をお聞きになられたら、さぞお喜びになることでせう』
『ハイ有難う、私の伺ひでは、このお館にて余り遠からぬ内、黒姫さまに御面会が出来るやうに存じます』
『妾も左様に心得ます。どうぞ早くお越し下さると宜しいがなア』
 かく話す折しも、門番の玉公はあわただしく入り来り、
『三五教の黒姫と云ふ婆アさまが、五人の荒男を連れて、表門へ現はれ、此門を開け……と言つて居りまする。如何致しませうかなア』
 津軽命は言下に、
『玉公御苦労だが、早く表門をひらき、黒姫さま一行を此処へ御案内申せ』
 玉公は不審な面持ちにて、
『へー、あんな悪い奴を沢山伴れた婆アでも、通して宜しいか。高山彦さまの女房だなんぞと言つてゐましたよ。モシもあんな婆アさまを引つぱり込まうものなら大変ですよ。第一愛子姫さまが御迷惑を遊ばすでせう』
『構はないから、早くお迎へ申して来い』
『ハイ』
と答へて門番は表をさして走り行く。
(大正一一・九・一七 旧七・二六 松村真澄録)
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