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文献名1霊界物語 第40巻 舎身活躍 卯の巻
文献名2第3篇 霊魂の遊行よみ(新仮名遣い)れいこんのゆうこう
文献名3第14章 空川〔1098〕よみ(新仮名遣い)からかわ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-12-02 10:52:32
あらすじ
レーブとカルは下の大道の惨劇を見て傍観するわけにもゆかず、お互いに宣伝歌を歌って、幾分かでもこの惨状を軽減するように努めようと心を定めた。

二人は眼下の惨状にある人々に向かって、心を改め行いを省み改めるよう呼びかける宣伝歌を歌った。すると自動車や馬車は駕籠に変じ、人々が駕籠をかついで往来するようになってしまった。

いつの間にか左右の道が高くなり、自分たちが通っていた神界道路は川底のようになってしまった。両側の道からは、相変わらず人々が往来する音が盛んに聞こえてくる。

カルとレーブはいつの間にかまた飢えと渇きを感じるようになった。もう五六年の歳月が過ぎたのであろうと話し合っていると、山の頂から二人に呼ばわる者たちがある。見れば、三五教の宣伝使のようであった。

二人は声のする方に向かって行くことを決めた。左右両側の高い大道の上には、数千頭の狼が走り抜けていく。思わず二人は川底の道に伏して、狼の群れが去っていくのを念じていた。どこからともなく、冷たい水が二人の頭上に落ちかかってきた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年11月03日(旧09月15日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年5月25日 愛善世界社版184頁 八幡書店版第7輯 485頁 修補版 校定版190頁 普及版86頁 初版 ページ備考
OBC rm4014
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本文  レーブとカルの両人は、両側の低き大道の惨劇を見て、傍観する訳にも行かず、心を定めて、
レーブ『オイ、カル、お前は現界の方に向つて宣伝歌を歌ひ、娑婆の惨状を幾分でも軽減するやうに努力せよ。俺は幽界の大道に向つて、此惨劇を軽減すべく宣伝歌を歌ふから、両方一度に手分けして自分の天職を全うしようではないか』
カル『それなら俺は左道に向つて宣伝歌を歌ふ事にしよう』
『ヨシ、さうきまらば両方一時に言霊戦を開始しよう』
と云ひながら両人左右に別れ、眼下の大道に行はれてゐる惨劇を見下ろしながら歌ひ始めた。
 レーブの歌、
『神が表に現はれて  善と悪とを立別ける
 此世を造りし神直日  心も広き大直日
 只何事も人の世は  直日に見直せ聞直せ
 身の過ちは宣り直す  尊き神の御教
 三五教やバラモンと  教の区劃は立ちぬれど
 其源を尋ぬれば  仁慈無限の五六七神
 誠の神は一柱  開き給ひし三界の
 喜怒哀楽の有様は  残らず神の御経綸
 仕組にもるるものはなし  バラモン教の神柱
 大黒主に仕へたる  ランチ将軍初めとし
 それに従ふ身魂たち  玉山峠の谷間で
 神素盞嗚大神の  御言畏み月の国
 曲津の神を言向けて  天国浄土を地の上に
 建設せむと進みゆく  黄金姫や清照の
 姫の命の前途をば  擁して戦挑みつつ
 其惨劇は何の事  短き浮世に永らへて
 永遠無窮の霊界の  苦悩の種を蒔くよりは
 一日も早く大神の  元つ教に省みて
 心の駒を立直し  互に睦び親しみて
 天地の中に生れたる  神の御子たる職責を
 完全に委曲に尽せかし  人は神の子神の宮
 仮令天地はかへるとも  現幽神の三界に
 さまよふ人は神の御子  神の宮居に違ない
 八十の曲津や醜神に  心の根城を占領され
 小さき欲にからまれて  貴重な命の取合ひを
 手柄顔して始むるは  道を知らぬも程がある
 現幽神の三界の  誠の道を悟りなば
 無慈悲極まる戦ひは  どうでも止めずにやおかれまい
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましまして
 仁慈無限の大神の  瑞の御霊のあれませる
 イソの館に立向ふ  醜神たちを言向けて
 誠の道に甦り  現幽神の三界の
 教になびかせ給へかし  黄金姫や清照の
 姫の司は云ふも更  ランチ将軍其外の
 百の強者悉く  神の御水火の言霊に
 救ひ助けて大神の  御子とあれます天職を
 完全に委曲に永久に  立てさせ給へ惟神
 神の御前に祈ぎまつる  一二三四五つ六つ
 七八つ九つ十百千  万の災悉く
 払はせ給へ天地の  尊き神の御教に
 科戸の風の百草を  吹き靡かせる其如く
 あしたの深霧夕暮の  深霧を朝風夕風の
 吹払ふ如悉く  心の汚れ身の曇り
 潮の八百路八潮路の  青海の原の底深く
 かかのみ給へ惟神  国治立大神の
 御前に畏み願ぎまつる』
 カルの歌、
『バラモン教の大教主  大黒主の開きます
 教に従ひ日に夜に  霊を洗ひ浄めむと
 尽せし功も荒風に  吹かれて散りし玉山の
 峠の麓の谷底に  落ちて現世を立退きし
 カルの司はわれなるぞ  吾は幸ひ大神の
 深き恵に抱かれて  今は嬉しき霊界の
 中にも尊き真秀良場や  天国浄土の旅の空
 神のまにまに進み行く  時しもあれや目の下に
 忽ち聞ゆる鬨の声  何者ならむと振返り
 眼下をキツト見わたせば  うつし世に住む人々が
 喜怒哀楽や愛悪欲  名利の鬼に捉はれて
 手ぶり足ぶりするさまは  二目と見られぬ惨状ぞ
 互に生血を搾り合ひ  或は互に肉をそぎ
 膏を搾りいがみ合ふ  地獄か修羅か畜生か
 比喩へ方なき娑婆世界  これが人世の行路かと
 思へば涙自ら  滝の如くに流れ来る
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましまして
 仮令肉体朽ちはてて  霊体ばかりの吾なれど
 之が見すてておかれうか  目下を通る人々よ
 カルの言葉をよつく聞け  死生禍福を超越し
 生なく死なき神さまの  御霊を受けし人々は
 現界ばかりが永久の  住処にあらず劫因の
 結果によりて天国に  生るるもあり幽界に
 おちて焦熱大地獄  無限の永苦を受くるあり
 心一つの持様ぞ  人は神の子神の宮
 かかる尊き御諭しを  聞きたる人は省みよ
 言心行の三大を  合一させて現世に
 命のつづく其限り  神の御子たる職責を
 尽して魂の行末は  天津御神の永久に
 住はせ給ふ花園に  常世の春を送るべく
 誠を励み現世の  青人草の魂に
 神の教の真諦を  完全に委曲に宣り伝ふ
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましまして
 現世の人ことごとく  欲の悪魔にひしがれて
 朝な夕なに地獄道  無限永苦の魁を
 根本的に改革し  神の御子と生れたる
 誠の道をおしなべて  守る真人となさしめよ
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましまして
 レーブやカルの願言を  完全に委曲に聞し召せ
 尊き神の御前に  畏み畏み願ぎまつる』
 二人はかく歌ひ了り、眼下をみれば、今まで目に映じたる惨劇は煙の如く消え、右道には三角の霊衣を被つた亡者連が三々五々杖を曳いて、力なげに北へ北へと進んで行く。何れも痩せ衰へ腰屈み、或は跛者の亡者も沢山交つてゐた。目を転じて左道を見下せば、今まで轟々と唸りを立てて走つてゐた自動車は忽ち窮屈な山駕籠と変じ、数多の男女が肩に棒を担ぎ、汗をタラタラ流しながらエチエチと往来してゐる。二人は物をも言はず、左道右道を互にキヨロキヨロと見まはしてゐた。いつの間にやら、左道右道はチクチクと高くなり、恰も自分の通つてゐる道の両側を垣の如くに塞いで了つた。今迄一番高い道だと思うてゐたる神界道路は水のない川の底を行くやうに見えて来た。そして両側の現界道路と幽界道路は自分の頭よりも二三間も高くもり上り、其上を人馬の往来する音盛に聞えて来るのであつた。
レーブ『オイ、カル公、天国忽ち化して川底となつて了つたぢやないか。そして俄に喉が渇いて来たやうだ。最前貰つた足魂の木の実の効能も最早消え失せたと見えるなア』
カル『最前の女神の言つたには、五六年が間は飢渇く事はないとの示しであつたが、最早五六年の歳月が暮れたのであらう。何事も現界と神界とは様子が違ふからなア、神界で三千年と言へば現界で云ふ五十六億七千万年の事だから、神界の一分間が娑婆の五六年に当るだらう』
 かく話す折しも何処ともなく、
『オーイ オーイ』
と二人の名を呼ぶ者がある。二人は声する方を見つめると、青々とした山の頂から三四人の男が此方に向つて手招きしながら呼ばはつて居た。
レーブ『オイ、カル公、あの山の上から俺達を呼んでゐるのは、如何やら三五教の宣伝使の様だぞ。あの連中もヤツパリ神界旅行をやつて、俺たちとは一足先に行つたのだらう。これ丈喉が渇き腹がすいて来ては、到底あんな高い山へは上る事は出来ない、だと云つてこんな狭い石だらけの空川の底にまごついて居つても約らぬぢやないか』
カル『何は兎もあれ、声する方に向つて突喊する事にしよう。倒れたら倒れた時の事だ』
 かく話す折しも、両方の土手の上をけたたましく砂ぼこりを立てて走りゆくものがある。よくよく見れば数千頭の狼の群であつた。二人の佇む両側の土手の上から力一杯口をあけて、ウーウー……と唸り立てる其凄じさ。二人は川底にガワと伏し、狼の一時も早く此場を立去れかしと念じつつあつた。どこともなしに冷やかな水、二人の頭上にボトボトと落ちかかつて来た。
(大正一一・一一・三 旧九・一五 松村真澄録)
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