我が国に伝わる古典は、すべて地球全体の国土(豊葦原瑞穂国)の有史以前の伝説や考量をもって編纂されたものである。また有史以後の事実をつづり合わせて作られたものもある。
古典の中にはさまざまな矛盾があるが、熟慮すればおのずから脈絡を見出すことができる。これに対してさまざまな解釈がなされてきたが、建国の根本義と民族の特性は、確固不動のものがある。
神示の霊界物語にあるように、地球上の各国家の建設は古来、優秀なる人種の首長たちが、各その首都において子孫や従属者の中から俊逸な者たちを選抜して遠征冒険隊を組織し、もって国土万物を開発・経営したのである。
その中からさまざまな民族が現れた。真の太古の神人族とその他の関係は、とうてい数種類の伝記では判然としない。この物語でさえも、その大要を表示することさえ困難である。そのためには千七百八十二冊を著さねばならず、とうてい不可能な事業である。
そのため、なるべく省略して大要のみを著し、少数の冊子にて明瞭に述べようと覚悟している次第である。ただ一巻の物語の中にも宇宙の真理や神の大意志、修身斉家の活きた教訓、過去の歴史や警句もあるため、一冊でも心読されることを希望する。
霊界物語は、東西両洋における古典や神話に漏れた点を補うべく神様の命のまにまに口述編纂したものである。