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文献名1霊界物語 第41巻 舎身活躍 辰の巻
文献名2第4篇 神出鬼没よみ(新仮名遣い)しんしゅつきぼつ
文献名3第19章 当て飲み〔1123〕よみ(新仮名遣い)あてのみ
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ
右守のカールチンは、妻のテーナ姫と、マンモス、サモア姫、ユーフテスらの幹部連を引き連れて、茶室にて願望成就の前祝として酒を酌み交わしていた。

カールチンはよい機嫌に酔いつぶされて、テーナ姫やカールチン、マンモスを相手に管を巻いている。

そこへハルナの都から大黒主の信書がカールチンに届いた。信書には、イルナ国に派遣すべき軍隊二千騎は出せなくなったが、五百騎を遣わせるとあった。

カールチンは自分が酔いつぶれてしまっているので、代わりにユーフテスに大黒主の使者との謁見を命じたが、大黒主の使者はカルマタ国に急ぎの用があるとすでに出立してしまっていた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年11月12日(旧09月24日) 口述場所 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年6月15日 愛善世界社版268頁 八幡書店版第7輯 629頁 修補版 校定版281頁 普及版127頁 初版 ページ備考
OBC rm4119
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本文  イルナ川の清流の一部をとり込んだ泉水の中に瀟洒たる茶室が建つている。これは右守の館で、今朝は早朝よりカールチン、テーナ姫、マンモス、サモア姫、ユーフテスの幹部連、願望成就の前祝として盛に酒酌み交し浩然の気を養つてゐる。カールチンはテーナ姫、サモア姫に盛り潰され、王者気取りになつて豪然と腹の中の泥を人もなげに吹き立て出した。
 カールチンはまはらぬ舌を、顔を顰めて無理に使ひながら、
(酔泥口調)『オイ婆アさま……ではない、昔の別嬪のテーナ姫、此方の智略は偉いものだらう。まるで久延毘古神か思兼神の様な神智鬼策が臍下丹田から湧いて来るのだからのう、エーン、此神は足は歩かねども天ケ下の事は悉く知る神なり、奇魂千憑彦の命の再来とは此方の事だ、エーン。今に入那の国、テルマン国を併合して、大王国を建設し、テーナ姫でなくてテーナ妃と改名さしてやる。何と婆アさま、嬉しいだらうなア。エーン』
『あまり悲しいことも厶りませぬ。併し乍ら、さうなると私は却て悲しうなるかも知れませぬ。一層今の身の上の方が夫婦睦じく暮せますから、何程結構だか分りますまい。又大黒主の神様の真似をして糟糠の妻を無残におつ放り出し、ヤスダラ姫の様な美人を後釜に据ゑられちや、まるつきり鳶に揚豆腐を浚はれた様なものですからなア。旦那様は性が悪いから案じられてなりませぬわ』
『そりや何を吐すのだ。いやしくもバラモン教の道を奉ずる善一筋の此方、そんな没義道な事を致しては其方に済まぬじやないか。いや其方ばかりぢやない、此方の心も頓と済まないから、滅多にそんな事はないから安心をしたが宜からうぞ、エーン。折角酒がうまく廻つた所へ、そんな取越苦労を云つてくれると、サツパリ興が醒めて了ふぢやないか。エーン』
『それ聞いてチツトばかり安心を致しました。貴方に限つて、そんな事をなさる筈はありませぬわネー。初めて会うた時、あなたは何と仰有いました。よもや忘れては居られますまい』
『こりやこりや、何を云ふか。そんな事を喋るとユーフテスやマンモス、サモアが気を揉んで嫉妬をやき居るから、昔のローマンスはここらで、うまく切りとしたら如何だ。エーン』
『若い時の蜜の様な恋を時々思ひ出すのも、あまり気の悪いものじや厶りませぬぜ。人間の楽しみは若い時のローマンスを時々思ひ出す位愉快なものはありませぬ。それを忘れちや人生の趣味も何もあつたものぢやありませぬわ』
とテーナ姫も酒に酔ひ潰れた勢で、四辺構はず昔の恋を喋り立てようとする。
『何とまア、旦那様、奥様も面白い時があつたのですな。一遍聞かして下さいませな。私もセーリス姫と云ふ恋しい女が出来て居るのですから、研究のために聞かして貰へば大変都合が宜しいがな。あゝあ、二夫婦に一人鰥か、セーリス姫も気が利かないわい。ほんの一寸でいいから顔なつとつき出してくれると、ユーフテスの肩身も広くなるのだけれど、まだ公然の夫婦でないから仕方ない。先の楽しみとしようかな、エーン』
『こりやこりやユーフテス、エーンとは何ぢや。俺のお株を占領しやがつて、誰に断つて其エーンを盗んだか、エーン』
『別に盗んだのぢや厶いませぬ。あまり沢山に旦那様がエーンを落しなさるものですから、一寸私が拾つたので厶りますよ。一時も早くセーリス姫とエーンを結びたう厶りますわい、エーン』
『オホヽヽヽヽ、エーンエーンの掛合だなア。チツトはエーン慮したら如何だい。エーンと月日は待つがよいと云ふぢやありませぬか。エーンはテーナ』
『何と云つても、恋の情火にこがされて、胸に焔がエーンエーンと燃え立ちますわい。貴方たちは、さうして夫婦仲よく笑つたり、意茶ついたりして居ながら、まだ未婚者のユーフテスを気の毒なとも、可愛相なとも思はず、「お前のエーン談等は吾不関エーン」と云ふやうな態度でゐらつしやいますから、つい私もエーン世主義になりかけは………しませぬわい』
『何は兎もあれ、こんな目出度い事はないぢやありませぬか。マンモスは一日も早く成功の日を見たいもので厶りますなア』
『成功の日は已に見えてゐるぢやないか。現にセーラン王様が右守さまに位を譲つてやらうと仰有つたぢやないか。王者の言葉に決して二言はあるまい。これと云ふのもヤツパリ旦那様が器量の佳い賢明なお娘様をお持ちなさつたからだ。あゝあ、持つべきものは娘なりけりだ。ユーフテスも早くセーリス姫と結婚して美しい傾国の娘を生み、老後を楽しみたいものだわい、アーン』
『こりやこりやユーフテス、アーンなんて吐すとサツパリ貴様の縁談はアーンになつて了ふぞ、アーン』
ユーフテス『こりやマンモス、茶々を入れるのか、入れるなら入れて見い。俺にも了簡があるぞ』
『この国は茶々が名物だ。碾茶なつと煎茶なつと盛つてやらうか。チヤチヤ ヤートコセ、ママチートコセ、セーリス姫さまに、うまくちよろまかされて、終ひの果てには肱鉄砲、日頃の思ひも滅茶苦茶、蜥蜴の様な面をして、あんなシヤンに秋波を送るなんて、チヤンチヤラをかしい。しまひの果てにやチヤツチヤ、ムチヤに此縁談は揉み潰されて了ふぞ。そんな事は此マンモスの天眼通でチヤーンと分つて居るのだ、エーン』
サモア『オホヽヽヽヽ今日はまア、何とした面白い日でせう』
『おい、貴様達、今日は右守の祝宴だから、何なつと喋つたが宜いが、もう一二ケ月すると俺は刹帝利様だから、こんな気楽な事は出来ないぞ。其位の事は貴様も弁へて居るだらうな、エーン』
『そりや弁へて居ますとも、このユーフテスは。併し貴方だつて、あまり良くない事を考へてゐなさるのだから、何れどちらへなりと埒がつきませうかい、アーン』
『こりやこりや、善くない事とは何だ。チツと無礼ではないか、エーン』
『貴方は寡欲恬淡な、チツとも欲のないお方と云つたのですよ。凡て世の中は捉まへやうとすれば、捉へられぬものです。旦那様は万事にかけて抜け目なく、よくない方だから王様の方から昨日の様にあんな結構なことを仰有るので厶りますわい。これを思へば時節は待たねばならぬものですな。(都々逸)「時世時節の力と云へど、よくないお方が王となる」あゝヨイトセ ヨイトセぢや。おいマンモス、貴様も一つ前祝に歌はぬかい。大蛇の子のやうにグイグイ飲んでばかり居やがつて、何の態だ。チとコケコーでも唄つたら如何だい、アーン』
 マンモスは鹿爪らしく、
『飲む時には飲む、遊ぶ時には遊ぶ。然り而うして聊か以て唄ふべき時には唄ふのだ。俺も若い時や、千軍万馬の中を往来して来た英雄豪傑……ではない、其英雄豪傑の……伝記を読んで、チツとばかり感化力を養ふ……たと云ふチーチヤーさまだからな、エーン。貴様の如き燕雀輩の敢て窺知する所に非ずだ。(詩吟)「月は中空に皎々として輝き渡り、マンモスは悠々として酒杯に浸る。月影映す杯洗の中、絶世の美人吾傍に在り」とは如何だ、うまいだらう。俺の詩歌は而も特別誂へだからなア、エーン』
『貴様の詩歌はカイローカイローと紅葉林で四足の女房を呼ぶ先生の声によく似て居るわ。オツとそのカイローで思ひ出した、俺も早くセーチヤンと偕老同穴の契を結びたいものだ。貴様のやうなシヤツチもない詩歌を呻ると気分が悪うなつてくるわい。シカのシは死人の死だらうよ。もつと生命のある歌を歌つたら如何だい、アーン』
 マンモスは咳一つしながら、
『詩歌の詩の字は言扁に寺と云ふ字を書くぢやないか。死人の納まる所は寺だよ』
ユーフテス『ヘーン、うまいこと云ふ寺あ、墓々死いことをユーフテスぢやないか、マンモス奴』
 かく管を巻く処へスタスタとやつて来た一人の男、一通の手紙を差出し、
『旦那様、ハルナの都から急ぎの使が此手紙を持つて参りました』
と恭しく差出すを、カールチンは酔眼をカツと見開き、手紙を手早く受取り封を押切つて文面に目をそそぎ、
『エ、何、むつかしい文字が書いてあるぞ、何だかよく動く文面だなア。二筋にも三筋にも、素麺の行列のやうに文字が活躍してゐるわい。こりやヤツパリ大黒主様の御筆蹟と見える、活神様のお筆は違つたものだ。ようよう益々活動し出したぞ』
と目をちらつかせ手を震はせ、読まうとすれども如何しても読む事が出来ない。
『おい、テーナ姫、貴様一つ読んで呉れないか。非常に墨痕淋漓として竜の走するが如き活きた文字だから何処かへ逃げさうだ、エーン』
『ホヽヽヽヽ、どれ妾が読んで見ませう』
と手紙を受取り、
『エヽ……此度汝の願により騎馬の軍卒二千騎派遣致すべき所、隣国のセイナに暴動起り、これを急々鎮定すべく、アルマンをして之を率ゐしめ征討に向はせたれば、汝が請願に応じ難し。併し乍ら何時擾乱鎮定すとも量り難ければ、五百騎を急々汝が許に派遣すべければ、万事万端の用意あつて然るべし。右守の司カールチンへ、大黒主宣示……』
『よしよし、それで解つた。併しながら、隣国に騒動が起つて居るにも拘らず、五百騎を派遣下さるとは、よくもよくも吾々を信用して下さつたものだ、実に有難い、併しながら最早セーラン王の口から、あゝ言つたのだから、戦ひの必要もあるまい。併し何時悪智慧をかふ奴があつて変心されるかも知れない。其時の用意に五百騎の勇者があれば何事も都合よく行くと云ふもの、まア謹んでお受けをする事に致さうかなア。おい、ユーフテス、お前は大黒主様の使者に会つて宜しくお礼を申上げて呉れ。俺が直接にお目にかかるのが本意なれども、斯う気楽さうに酔ひ潰れた処を使者に見られたら大変だ。大黒主様の信用を落してはならないからなア』
と稍酔ひも醒め、少しく真面目になつて宣示した。
『委細承知致しました。使者に接見するのは、此ユーフテスを措いて、外に適当な人物は憚りながら厶いますまい。左様なれば、特命全権公使として接見仕らう。いや吾々一人では全権公使の貫目が足らぬ。マンモス、お供を致せ、アーン』
『エー、馬鹿にしやがるない。誰が貴様の下について行く奴があるかい。此マンモスは、これから出世をせにやならぬ体だ。使者に顔を見られ……マンモスはユーフテスの下役ぢや……と思はれちや、将来のため大変な不利益だから、利害の打算上から見て、まア止めて置かうかい、エーン』
 カールチンは、
『あゝ酔うた酔うた、こんなヨタンボで如何して使者に接見が出来ようか。大自在天大国彦命、守り給へ幸へ給へ、ゲーウツプ、ガラガラ ガラガラ。余り俄のお使で腹の虫奴が清潔法を始めやがつて、飲んだ酒までが逆流しだした。あゝ苦しい事だ。苦しい中にも楽しみありだ。あゝあ、ユーフテス、うまく使者に会うたら内兜を見透かされぬ様にユーフテスとやるのだよ、エーン』
『旦那様、左様ならば今日は貴方の代理として使者に接見して参ります。宜しう厶りますかな』
『よしよし、貴様に全権を委任するから、そこはうまくやつて来い』
『左様ならば、これより得意の外交的手腕を揮つて見せませう』
と云ひすててバタバタと表へ駆け出した。ユーフテスは他の四人の様に酔ひ潰れては居なかつた。セーリス姫の注意によつてカールチン夫婦の凡ての行動を視察するのが第一の目的だつたからである。ユーフテスは表へ出で態とにヒヨロリ ヒヨロリと千鳥足になりながら、
(酔ひどれ口調)『ハルナの国の大黒主の神様のお使はドヽヽヽ何処にケヽヽヽけつかるのだ。特命………全権公使の………俺はユーフテスさまだぞ。早く此処へ………俺の前へ出て来ぬか、アーン』
 門番のケールは此態を見て走り来り、
『もしもし、御家老様、ハルナの国のお使はあの手紙を渡したきり、これからカルマタ国へお使に行くと云つて「一寸お待ち下され」と云ふのも聞かずに馬に鞭韃ち一目散に帰つて了はれました。そんな足許で追掛けても駄目ですよ』
『ナヽヽヽ何だ、サツパリ後の祭で持ちも卸しも出来なくなつた。併し乍ら、これも何かの神様の御都合だらう』
と云ひながらヒヨロリ ヒヨロリと足許危ふく奥を目がけて帰り行く。
(大正一一・一一・一二 旧九・二四 北村隆光録)
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【霊界物語誕生百周年】
大正10年(1921年)10月18日に王仁三郎が霊界物語の著述を開始してから
令和3年(2021年)10月18日で百年目を迎えます。
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