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文献名1霊界物語 第42巻 舎身活躍 巳の巻
文献名2第3篇 意変心外
文献名3第12章 心の色々〔1137〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじカールチン館の奥の間では、ハルマン、サマリー姫、カールチンがひそびそ話にふけっている。ハルマン、サマリー姫はカールチンのこの頃の挙動を心配してそれとなく注意を促した。
二人はカールチンがこの頃考えを変えて、ヤスダラ姫をひいきするのでカールチンに考えを問うた。カールチンは、セーラン王の妃はあくまでサマリー姫だと明言した。
そして、ヤスダラ姫は自分の女房になるのだ、セーラン王が自分に位を譲ることを約束したのだと二人に明し、自分は将来の刹帝利だと威張り散らした。
そこへ青い顔をしてユーフテスがやってきて、二人の美人が自分を責めると意味のわからないことを口走り、カールチンに城内は妖怪変化の巣窟になってしまったとまくしたてた。
カールチンはユーフテスの報告を一笑に付し、自分の天眼力にかかれば妖怪などすぐさま退治してやると気を吐いた。
サマリー姫も、これ以上カールチンを刺激しないように静かに退場した。ハルマンとユーフテスも帰ると、カールチンはまた身なりを整え、裏門からこっそり一人で城内を指して進んで行った。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年11月16日(旧09月28日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所
OBC rm4212
本文の文字数4916
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本文  カールチンの奥の間にはハルマン、サマリー姫と主人の三人が鼎坐となりて、ヒソビソ話に夜の明くるのも知らず、耽つてゐる。
『旦那さま、貴方はお昼前から、館をソツとお立出でになり、お帰りが夜になつてもないので、若しや御城内で、お酒でもおすごし遊ばし、クダを巻いて皆の者を、いつものやうに困らせて厶るのではあるまいかと心配でならず、ソツと城内を窺うて見た所が、門番の話にも、今日は右守さまのお姿は見なかつたと言ひ、女中共に聞いて見ても、お越しがないと言つて居ましたので、そこら中を捜しまはつて居りました所、入那川の水面に怪しい音がするので、ハテ不思議と立止まり様子を考へてゐると、大きな狐がノソノソと橋を渡つて北の方へ行く。此奴ア変だと水面を眺めてると、パツと浮上つた黒い影、命カラガラ飛込んで救ひ上げ、よくよく見れば旦那様、取止めもないことを仰有つて、本当に此ハルマンも如何なる事かと気を揉みました。奥様の御不在中に、若しもの事があつたら、此ハルマンは申訳がありませぬからなア、マアマア結構で厶いました』
『お父さま、此頃はお母アさまの不在中ですから、何卒どつこへも行かずに内に居つて下さい。心配でなりませぬ。もし御登城遊ばすなら、何時ものやうに二三人の家来を伴れて行つて下さい。苟くも右守司の職掌でありながら、一人歩きをなさるとは、余り軽々しいではありませぬか』
『ナアニ、一人歩くのにも、之には言ふに云はれぬ秘密があるのだ。俺の神謀鬼策は女童の知る所でない。マア俺のする様に任しておいたが宜からうぞ』
『日中ならばソリヤお一人でも宜しからうが、今夜の様な事があつては大変ですから、何卒日の暮れない内に之からお帰り遊ばす様に願ひます。若い男が恋女の後を追ふ様に、夜分にコソコソと一人歩きするのは、何卒心得て下さいませ。姫さまも大変に御心配遊ばしますから……』
『イヤ実の所は、お前の知つてる通り、女房が出陣をしたのだから、先づ第一に大自在天様に御祈願を凝らし、御先祖の墓へも参り、女房の武勇を発揮するやう祈つて居つたのだ。そした所が、御先祖様の石塔の後から、テーナ姫の顔其儘の怪物が現はれ、恨めしの冷飯の……と吐きやがつて、怪体な手付を致し、終焉の果にや、毬のやうな目を剥きよつた。そこへ又一人の化物がやつて来て、傘のやうな目玉を剥きよつたものだから、流石の俺も一寸おつたまげて、わが家を指して逃帰る途中、誤つて入那川へ陥没したのだ。そこを貴様が折よく通つて助けてくれたのだ、マア有難い、御礼を申さねばなるまい。併しながら、エー……ン、彼奴の命は如何なつたか知らぬてな』
『彼奴の命も此奴の命もあつたものですか。貴方は大変に、ヤスダラ ヤスダラと仰有いましたが、ヤスダラ姫に対し、何かお考へがあるのですか』
『何、別に之といふ考へもあるのぢやない、彼奴の生死に就いて、少しばかり気にかかつてならないのだ』
『私もヤスダラ姫さまの事が気に係つてならないのですよ。噂に聞けば、テルマン国からお帰りになつたといふ事、若しや王様と御夫婦にでもなられようものなら、私は如何しようかと、そればかりが心配でなりませぬワ』
『コリヤ娘、そんな心配は少しも要らない。お前はどこまでもセーラン王の妃だ。俺がキツと保証して添はしてやるから安心せい。併しながら、若しも俺の女房が、今度の戦ひで命を奪られるやうな事があつたら、お前何と思ふか』
『それは申すまでもなく、悲しう厶います。お父さまも矢張り悲しいでせう』
『そりや俺だつて、悲しい……のは当り前だ。併しながらウーン……』
『お父さま、其後を言つて下さい。如何なさると仰有るのですか』
『マア刹那心を楽しむのだな。其時や其時の又風が吹くだらうから』
『モシ姫さま、御心配なさいますな、旦那さまの心の中には、行先の事までチヤンと成案があるのですから……それはそれは抜目のない旦那さまですから、流石は貴女のお父さまだけあつて、よく注意の行届いたものです。ヤスダラ山の春風が吹いて、此お館は軈て百花爛漫、天国の花園と変るかも知れませぬ』
『お父さま、貴方は此頃、大変にヤスダラ姫さまを御贔屓遊ばすさうですが、ヨモヤ、セーラン王様の御妃になさる御考へぢやありますまいな。さうなりや、私はどうしたら良いのですか』
『すべて人間は、何事も十分といふ事はいかぬものだ。恋を得むと欲すれば位を捨てなくてはならず、位を得むと欲すれば恋そのものを放擲せなくてはならぬ。両方良いのは頬被りと○○だけだ。それさへお前に合点が行けば、お前の恋は永遠に継続させてやるが、どうだ、此間からお前に相談しようと思うてゐたが、丁度今日は好い機会だから聞いて見るのだ』
『妙なことを仰有います。私はイルナの国では最高級のセーラン王の妃、又国内第一の立派な夫に恋してゐるのです。それをどちらか捨てねばならぬとは、ヤツパリさうすると、貴方は王様を退隠させ、自分が年来の野心を遂げるといふ、面白からぬ御考へでせう』
『イヤ、俺の方から無理に迫るのぢやない。今までは武力に訴へてでも目的を達しようと思つてゐたのだが、お前の知つてゐる通り、大黒主様の応援軍迄お断り申し、部下の武士迄残らず遠征の途に上らせた位だから、何事も円満解決のつく見込が十分立つてゐるのだ。王様の口から仰有つたのだから、お前が何程頑張つた所で、王様の御決心は動かす事は出来まい。さうだから、位をすてて恋を選めといつたのだ。お前の夫が刹帝利になるのも、親がなるのも、お前としては別に差支がないぢやないか。チツとは親の養育の恩も考へて呉れたらどうだ』
『オホヽヽヽ、何とマア虫のよいお考へですこと。あの王様に限つて、そんなこと仰有る筈がありませぬワ。そりや貴方の独合点でせう。さうでなくは、城内の悪者共にチヨロまかされ、油断をさされて厶るのでせう。あゝ困つた事をなさいましたなア。あゝ併しながら、これで安心しました。貴方に軍隊を抱へさしておくと、勢に任せて脱線をなさるから気が気でありませなんだ。これで王様、一安心なさりませう。キツと貴方は翼剥がれた鳥のやうなものだから、叛逆人として入那の牢獄にブチ込まれるにきまつてゐます。それは私が気の毒でなりませぬ。併しながら海山の養育の恩に酬ゆる為、命に代へてでも貴方を助ける様に王様へ願ひますから、どうぞ之からは、悪い考へを出さないやうにして下さい。そしてヤスダラ姫様に、どうぞ接近しないやうに心得て下さい。頼みますから………』
『実の所は、何もかもブチあけて言ふが、ヤスダラ姫は最早俺の女房だ。いろいろと悪魔が邪魔をしやがつて、恋の妨害を致しよる、お前がゴテゴテいふのも、決してお前の本心からではあるまい。副守の奴、お前の口を借つて、俺の金剛心を鈍らさうとかかつて居るだらう。モウ斯うなつては俺も命がけだ。誰が何と云つても、梃子でも棒でも動くやうなチヨロい決心ぢやないから、モウ下らぬ意見は止めてくれ。ハルマン、貴様も俺が出世をすれば一緒について昇るのだから、邪魔を致しては後日の為にならないぞ、よいか。賢明な主人の本心がチツとは分つたか』
『ハイ、分つたでもなし、分らぬでもありませぬ。併しながら、国家の為に自重せなくてはならない大切な御身の上、今後は私がどこへお出でになるにも、お供を致しますから、どうぞお一人で館を出ないやうに願ひます』
『エヽ小ざかしし、ツベコベと主人の行動に就て干渉するのか。今日限りグヅグヅぬかすと、暇を遣はすから、トツトと出て行け。サマリー姫、其方も、俺のする事に喙を入れるのならば、最早了簡は致さぬぞ。何だ偉さうに、夫に嫌はれて、のめのめと親の内へ逃帰り、世話になつてゐながら、何時までも親に対し、主人気取りで居るとは何の事だ。いゝ加減に慢心しておくがよからうぞ。最早俺は入那の国の刹帝利だ。国中に於て俺に一口でも逆らふ者があつたら、忽ち追放だから、さう思へ。エーン』
 斯かる所へ慌しくやつて来たのは例のユーフテスであつた。三人はユーフテスの落着かぬ姿を見て、稍怪しみながら、ハルマンは膝を立て直し、
『ヤア其方はユーフテス殿、いつもに変る今日の御様子、何か城内に変つたことが起つたのぢやありませぬか』
と言葉せはしく問ひかける。ユーフテスは真青な顔をしながら、
『城内には大変な事が突発しましたぞ。グヅグヅしてゐると、何時目玉が飛出るか、尾が下るか知れませぬ、気をつけなさいませ。旦那様も御注意をなさらぬと、馬鹿を見られちやお気の毒だと思つて御注進に参りました。私は大変にやられて来ました。前車の覆へるは後車の戒め、私のやうな失敗を旦那様にさしちや申訳がないと思ひ、忠義の心抑へ難く取る物も取敢ず、痛い足を引摺つて参つたので厶います』
『テンと貴方のお言葉は要領を得ぬぢやありませぬか。その頬べたは如何なさいました。紫色に腫れ上つてるぢやありませぬか』
『天下無双の美人が両ホウから私の両ホホを、可愛さ余つて憎らしいと云つて、抓りよつたのです。ズイ分痛い同情に預かつて来ました。モシ旦那様、何卒ここ四五日は登城なさらぬやうに心得て下さい。又頬ベタを抓られちや堪りませぬからなア』
『美人に頬を抓られたのを、お自慢で俺に見せに来たのだろ。随分気分がよかつたらうのう』
『ハイ、宜かつたり、悪かつたり、嬉しかつたり、怖かつたり、つまり喜怒哀楽愛憎欲の七情が遺憾なく発露致しました。立派なセーリス姫だと思へば、其奴が大きな白狐になつてノソノソと歩き出す。一人は本当のセーリス姫だと思へば、其奴が又目がつり上り口が尖り、忽ち狐の御面相になつて了ふ。イヤもう入那の城内は、此頃はサーパリ妖怪変化窟となつて了ひました。何とかして本当のセーリス姫を発見しなくてはなりませぬ。旦那様も今お出でになつたら、キツと私の二の舞をやつて馬鹿を見せられるに違ひありませぬ。さうだから四五日は御見合せを願ひたいと言つてるのですよ』
『アハヽヽヽ面白い面白い、狐でも狸でも何でも構はぬ。そこを看破するのが天眼通力だ。貴様は恋の為に眼がくらんでゐるから、そんな目に遇ふのだ。そこは流石のカールチンさまだ。城内の妖怪を残らず看破して、至治泰平の天国を築き上げるのが此方の役だから、先づ黙つて俺の御手際を見てゐるがよからう。ハルマン、貴様も今が思案のし時だ。ここで改心致し、主人の自由行動を妨げないといふ誓ひを立てるなら、従前の通り、家来に使つてやらう。オイ、娘、貴様もその通りだ。今日の場合、神力無双、旭日昇天の御威勢高き俺に向つて、ツベコベ横槍を入れると、親子の縁も今日限りだ。どうだ、分つたか、エーン』
 ハルマンはヤツと胸を撫で下し、兎も角も放り出されちや大変と、ワザとに嬉しさうな顔をして、
『ハイ有難う厶いました。今後は決して何も申しませぬ。絶対服従を誓ひますから、どうぞ末永く可愛がつて使つて下さいませ』
『ウン、ヨシヨシ、それさへ慎まば、俺だつて貴様に暇をやりたいことはないのだ』
ハルマン『時にユーフテスさま、実際そんな不思議が城内に突発してるのか、チツと合点が行かぬぢやないか』
『ウン、本当に不可思議千万だ』
サマリー『それなら、カールチン殿、暫く妾は沈黙して、時の移るを待つであらう、さらば』
と言ひ棄て、裾をゾロリゾロリと引摺りながら、奥の間指して進み入る。ハルマンも、ユーフテスも続いて、自分の家路へ指して一先づ立帰る事となつた。カールチンは、
『ヤレヤレ邪魔物が払はれた』
と打喜び、化粧室に入つて、いろいろと顔の整理を終り、美はしき衣服を身に纒ひ、裏門よりニコニコとして、城内指して又もや進み行くのであつた。
(大正一一・一一・一六 旧九・二八 松村真澄録)
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