イルナ城の奥の間には、黄金姫、清照姫、ヤスダラ姫、セーリス姫の四人が火鉢を囲みながら神話にふけり、やがて話題はカールチンの身の上に移った。
黄金姫と清照姫は、カールチンは本当に改心したわけではないだろうから、用心しなければならないと警戒している。
ヤスダラ姫はイルナの城に暗闘が絶えないことを嘆いた。黄金姫は、これもセーラン王の治世が開けるために通らなければならない道であろうと諭した。そして右守も同じ神様の分霊であり、善導しなければならないと自ら戒めた。
そこへセーラン王は竜雲他を引き連れて現れ、黄金姫たちに挨拶し感謝の意を述べた。一同はそれぞれ述懐の歌を歌った。
にわかに玄関口が騒がしくなり、レーブが視察に出た。すると右守をはじめユーフテス、マンモス、その他十数人が地面に坐して酒を飲み、歌ったり刀を引き抜いて空を切ったり駆けまわったりしている。
レーブはこのありさまを王に復命した。王は、やがて目が覚めるまでそのままにしておくのがよかろうと答えた。一同はそれぞれの寝室に入って夜を明かした。