サマリー姫は、カールチンたちが夜が更けても帰ってこないので、サモア姫、ハルマンその他を引き連れてイルナ城にやってきた。東雲の空のもと、カールチンたちが霜柱の立つ庭の上にのびているのを見つけた。
揺り起こされたカールチンたちは揺り起こされて不審の念に打たれている。そこへ竜雲、レーブ、カル、テームスがやってきて、セーラン王が奥で待っていることを伝えた。
王の前に出たカールチン、ユーフテス、マンモスの三人は、どのような沙汰があるかと震えていた。セーラン王は三人に右守館で百日間の閉門を命じた。そして清照姫、セーリス姫、サモア姫には、百日の間三人の世話をするように申し付けた。
異議を唱える清照姫に対し、セーラン王は、権謀術数で三人をだました報いだと理由を告げた。しかしカールチンは、王位簒奪を企んだ自分の罪を閉門で許してくれた王の慈悲に感謝を述べ、清照姫ら三人の女性の付添は必要ないと断った。
一同はそれぞれ述懐の歌を歌った。
ヤスダラ姫は神の教えに照らされてセーラン王を恋い慕う心を転じ、宣伝使になることを誓った。そして黄金姫の一行と共にハルナの都に進むことになった。
セーラン王は今まで忌み嫌っていたサマリー姫を深く愛し、夫婦ともにイルナの城に三五の教えを布き、国家百年の基礎を固めることとなった。
カールチンは改心し、元の右守に任じられた。テーナ姫の凱旋を待って夫婦睦まじく王に仕えた。セーリス姫は王の媒酌によってユーフテスの妻となり、サモア姫もマンモスの妻となってイルナ城に仕え、子孫繁栄した。
黄金姫と清照姫は、ヤスダラ姫およびハルマンと共にハルナ城に向かった。レーブ、カル、テームス、竜雲は別に一隊を組織して各地に三五教を宣伝しながらハルナの都を指して進んだ。リーダーは王の忠実な臣下となって側近く使えることになった。