蠑螈別は数多の神が自分の体に出入りするので、神様にお神酒を祀るのだと言って、朝から晩まで酒盛りをしていた。
お寅に酌をさせながら高姫を思ったり、奥の間に居る松姫をお酌に呼ばせようとしたりして、お寅と喧嘩になってしまう。
お寅は嫉妬のあまり、松彦を受け付けに待たせていることも忘れて蠑螈別を押さえつけ、徳利や盃はめちゃめちゃに砕けた。
魔我彦がやってきてお寅をたしなめるが、お寅は蠑螈別に思われてウラナイ教に入ってやったのに、その恩も忘れてほかの女に色目を使うと怒って、ますます蠑螈別を押さえつけ殴りつける。蠑螈別は助けてくれと叫ぶ。
文助がやってきて、教祖が呼び戻した末代日の王天の神の身魂という松彦が、受け付けでしびれを切らしていると注進する。お寅は蠑螈別を離し、捨て台詞を残して受付に帰って行く。
魔我彦はこんな醜態を松彦たちに見られてはたいへんと蠑螈別を奥へ引っ張って行って寝かせてしまった。お寅は松彦一行を導き、この場の荒れた様子を猫のせいにして魔我彦に片付けさせた。
お寅は、奥にいる松姫は上義姫の身魂であり、松彦と夫婦となって活動する因縁なのだという。松彦は迷惑な話だと居住まいを正している。万公は偽の神がかりをやって、自分は耕し大神だと自称する。
奥からは蠑螈別が、お寅をからかったために大変な目にあった、高姫がなつかしいとうわごとを言っているのが聞こえてきた。お寅は病気の信者に悪霊がかかって、教祖の声色でひとをだますのだとごまかしている。