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文献名1霊界物語 第45巻 舎身活躍 申の巻
文献名2第3篇 裏名異審判よみ(新仮名遣い)うらないしんぱん
文献名3第12章 喜苔歌〔1202〕よみ(新仮名遣い)きたいか
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-02-27 17:35:06
あらすじ
暴れ者の熊公に一万両を脅し取られようとしたウラナイ教の幹部たちであったが、五三公たちの仲裁で千両で手を打ち、追い返すことに成功した。

蠑螈別と魔我彦は別室にかくれて震えていたが、熊公が去るとヌッとこの場に現れた。お寅は二人にひとしきり文句を言う。万公は二人の言い訳を茶化して笑う。

お菊がこの場に現れた。お菊は男が暴れていることを松彦と松姫に報告したところ、二人は神様が五三公の口を借りてうまくさばいてくれるだろうから心配するなと諭したという。お菊はお千代と皆の無事を祈っていたところ、松彦が二人を差し招き、悪人は去ったからもう大丈夫だと言ったのでここにやってきたのだと話した。

お菊は蠑螈別と魔我彦のふがいなさを嘆いたが、今日のこの事件を見直して心を改めようと一同に歌い提案した。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年12月12日(旧10月24日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年9月12日 愛善世界社版199頁 八幡書店版第8輯 321頁 修補版 校定版209頁 普及版79頁 初版 ページ備考
OBC rm4512
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本文  小北の山の聖場は  月次祭も相済んで
 腰の曲つた魔我彦は  先頭一に登壇し
 澄ました顔で神徳の  話をベラベラ述べ終り
 意気揚々と下りゆく  後へ登つたお寅さま
 懸河の弁舌滔々と  矢玉の如くまくしたて
 蠑螈別の行を  神にまかして弁護なし
 信徒達の疑を  晴らさむものと村肝の
 心を尽し言霊の  車を甘く辷らして
 悠々壇を下りゆく  後に続いて乙女子の
 凛々しき姿壇上に  矗と立つを眺むれば
 思ひも寄らぬお千代さま  紅葉のやうな手をうつて
 神に祈りをかけまくも  畏き神の御恵の
 おろそかならぬ事の由  一応詳しく述べ終り
 蠑螈別や魔我彦や  お寅の行状悪くとも
 決して神の大道を  捨ててはならぬ神様と
 人とを別に立て別けて  信仰なされと円滑に
 生言霊を打出せば  数多の信者は手をうつて
 喝采場裡に降壇し  小さい姿をかくしけり
 此時信者の真中に  仁王の如く突つ立つて
 呶鳴りかけたる男あり  ウラナイ教の内幕を
 声を限りにまくしたて  曝露なさむと狂ひ立つ
 其声高く教祖殿  蠑螈別の耳に入り
 お寅も驚きかけ来り  猛り狂へる荒男
 ためつすかしつ手を曳いて  己が居間へと連れ帰り
 酒や肴を沢山に  前に並べて振舞へば
 男は忽ち目を細め  右手に額を打ちながら
 グイグイグイと飲み干しぬ  酔が廻つてそろそろと
 白浪言葉の巻舌で  これこれお寅此方を
 どなたと思うて居やがるか  音に名高き熊公だ
 貴様は俺を振りすてて  浮木の里に身をかくし
 性にも合はぬ侠客と  なつて賭場をば開帳し
 数多の乾児を引き具して  羽振りを利かして居やがつた
 白浪お寅であらうがな  余り馬鹿に致しよると
 貴様の内幕素破抜こか  俺は貴様に酌させる
 権利は十分具備してる  蠑螈別と手を曳いて
 こんな処に神様を  表に栄耀栄華をば
 尽して人の膏血を  絞つて居やがる曲津神
 サアこれからは熊公が  挺でも棒でも動かない
 何とかほどよい挨拶を  やつて呉れねば納まらぬ
 如何に如何にと詰めよれば  蠑螈別は仰天し
 慄ひ戦き居たりける  お寅は柳眉を逆立てて
 こりやこりや熊さま何を云ふ  お前のやうな酒泥棒
 誰が相手になるものか  放蕩無頼の男だと
 愛想尽かして逃げたのだ  男が女に捨てられて
 外聞悪いとも思はずに  ようのこのこと来られたなア
 サアサア早ういになされ  神のお道の邪魔になる
 早く早くと促せば  熊公は膝を立て直し
 一万両の金を出せ  それが嫌なら何時迄も
 此熊公の虫が癒えぬ  これ程立派な家立てて
 金の万両や五千両  ないとは決して云はさぬぞ
 早く渡すか さもなくば  俺の女房になるがよい
 お寅返答は如何にぞと  喚く折しも万公や
 五三公、アク、テク、タク五人  この物音に驚いて
 足音せわしくはせ来り  何れの方か知らねえが
 俺は此頃名を売つた  白浪男の五三公だ
 此場は俺に任せよと  白浪言葉を並べたて
 しやしやり出でたるをかしさよ  熊公は目玉を怒らして
 どこの奴かは知らねども  貴様の出て来る幕ぢやない
 早く此場を立ち去れと  ケンもホロロに撥ねつける
 此時アクは立ち上り  ハルナの都に名も高き
 大黒主に仕へたる  鬼春別の身内なる
 吾は片彦将軍ぞ  数万の軍勢引きつれて
 斎苑の館に打ち向ふ  それの途上に小北山
 神の御前に戦勝を  祈らむものと来て見れば
 俄に聞ゆる荒び声  汝二人が争ひの
 不都合な声と聞く上は  此儘容赦は相成らぬ
 梵天帝釈自在天  授けたまへる金縛り
 熊公の手足をふん縛り  吾が陣中に帰れよと
 タク、テク、万公に下知すれば  遉の熊公も恐縮し
 涙片手にわびぬれば  アクは五三公に打ち向ひ
 汝はこの頃売り出しの  侠客五三公親分か
 此場はお前に打ちまかす  もしも聞かない其時は
 直に報告致すべし  いざこれよりは神前に
 祈願に往かむと云ひながら  此場をたつて出でて往く
 後に五三公は澄まし顔  白浪言葉を並べ立て
 お寅婆さまの隠しもつ  小判千両取り出して
 手切れの金と熊公に  渡せば熊公頂いて
 実に有難き御仲裁  これだけお金があつたなら
 五年十年甘い酒  遊んで呑める有り難い
 長居は恐れと立ち上り  尻はし折つて坂道を
 一目散に帰り往く  後にお寅は吐息つき
 五三公さまのお蔭にて  危ない処を助かつた
 千両で済むなら安いもの  えらい御苦労かけました
 アク、テク、タクや万公も  気転の利いたお方ぢやな
 これこれ蠑螈別さまへ  熊公の野郎が去にました
 魔我彦さまは何うしてぞ  早く此場に現はれて
 祝の酒を改めて  お飲りなされ五三公さま
 万公の奴を初めとし  アク、タク、テクのお客さま
 面白をかしく飲みませう  大きな声で呼ばはれば
 次の一間に忍び入り  隠れ居たりし両人は
 ヌツと此場に現はれて  どことはなしに気の乗らぬ
 顔を晒して慄ひ居る  そのスタイルのをかしさよ。
お寅『これ蠑螈別さま、お前さまは本当に腑甲斐ない人だなア。お前の取り得といつたら、朝から晩までスウスウスウと留め度もなしに酒を呑んで夢中になるのが取り得だ。それだから夢の蠑螈別さまと人が云ふのだよ。熊公がやつて来てこのお寅を手籠にせうとして居るのに卑怯未練に長持の底に隠れて慄うて居るとは何の事ぢやいな、御神力さへ備はつて居れば、五三公さまのやうに立派に捌きがつくのだけれど、お前は気が利かないから、本当に馬鹿な目を見てしまつた。これ魔我彦、お前も仕様の無い事を云ふから、たうとう熊公に金を強請られて仕舞つた。一体どこへ往つとつたのだい』
魔我『ヘイ教祖様が長持の中にお入りなさつたものだから、私も副教祖の職権を重んじてお傍に喰付いて居ました』
お寅『何とまア、好い腰抜けが揃うたものだなア。蠑螈別さまは是非がないとしても、なぜお前はもつと確りしないのだ、そんな事で義理天上日の出の神が勤まりますか』
魔我『大広木正宗さまが天の岩戸隠れをなさるものだから、お脇立の私も、せなくてはならないと思うて、余り恐くも無いことも無いものぢやから、ほんの一寸の間岩戸隠れをして居つたのです』
万公『アハヽヽヽヽ』
テク、タク『ウフヽヽヽ。プププツプープー』
 お菊は此場に現はれて、
『これこれ申しお母さま  松姫さまのお館の
 お庭先をばブラついて  四方の景色を眺めつつ
 お千代サンと手を曳き遊ぶ中  不思議な音が聞え来る
 松姫さまは驚いて  何か変事が出来たのか
 私が往くのは安けれど  却て都合が悪からう
 御苦労なれど一走り  様子見て来て下されと
 云はれた故に門口に  帰つて佇み窺へば
 どこの男か知らねども  大きな声を張り上げて
 四辺に響く大喧嘩  これや耐らぬと引き返し
 松彦さまや松姫に  一伍一什申し上げ
 私の母を逸早く  助けてお呉れと手を合し
 たのめば二人ニコニコと  笑ひながらに神前に
 向つて祝詞を奏上し  決して心配するでない
 仁慈無限の神様が  忽ち其場に現はれて
 五三公さまの口を借り  旨くさばいて下さらう
 小供がいつては怪我をする  ここに居れよと仰有つた
 それ故私はおとなしく  お千代さまと手を引き家の外
 クルクル廻つて手を合せ  蠑螈別の教祖さま
 魔我彦さまや母上の  無事を守らせたまへよと
 涙と共に祈りました  暫くすると末代の
 日の王天の大神は  お菊さまお千代と手を上げて
 いとニコやかに指し招き  たまへば二人は喜んで
 松彦さまの御前に  進んで教を伺へば
 もはや安心大丈夫  悪者共はいんだ故
 これから帰つて来なされよ  松彦松姫両人が
 宜敷云つたと云つて呉れ  俺が往くのは易けれど
 蠑螈別や皆さまに  却て迷惑かけるだらう
 控へて居ると仰有つた  一体あれはお母さま
 どこのどいつで厶いませう  大きな声を出しよつて
 尊き神の聖場を  蹂躙したる憎らしさ
 私は腹が立ちまする  とは云ふもののウラナイの
 尊き神の御教に  照らして見れば怒られぬ
 ほんに口惜し焦れつたい  私が男であつたなら
 何程強いやつだとて  決して怖は取らないに
 魔我彦さまの荒男  其場に居ながら何の事
 愛想のつきた其お顔  それでも男と云へますか
 何時も偉そに口ばかり  立派な事を仰有るが
 まさかの時に屁古垂れて  其弱りよは何のざま
 神のお守りあるならば  如何なる曲の襲うとも
 決してひけは取るまいに  蠑螈別も魔我彦も
 メツキリ神徳落ちました  斯様な事でウラナイの
 教がどうして栄えませう  それを思へば小北山
 神の聖場の前途をば  案じ過ごして寝られない
 蠑螈別の教主さま  魔我彦さまにお母さま
 下らぬ喧嘩を打ち切つて  心の底から神様に
 誠をもつて仕へませ  何程教祖と云つたとて
 肝腎要の神徳を  落した上は仕様がない
 これから心を立て直し  誠一つのウラナイの
 神の教を謹んで  お守りなされ皆さまへ
 年歯も行かぬお菊めが  何を吐すと思はずに
 今日の珍事を切り上げに  根本的に改めて
 神の恵を世の中に  開かせたまへ惟神
 天地の神の御前に  謹みゐやまひ願ぎまつる
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも  山裂け海はあするとも
 真の神をよく信じ  神の心を理解して
 愛と善とを世に照らし  生きては此世の花となり
 死しては神の御柱と  なりて天国浄土をば
 開かせたまへ惟神  神に誓ひて此お菊
 一同に注意仕る  あゝ惟神々々
 御霊幸倍ましませよ』
(大正一一・一二・一二 旧一〇・二四 加藤明子録)
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