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文献名1霊界物語 第48巻 舎身活躍 亥の巻
文献名2第2篇 幽冥摸索よみ(新仮名遣い)ゆうめいもさく
文献名3第8章 亡者苦雑〔1262〕よみ(新仮名遣い)もさくさ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-05-23 16:04:29
あらすじ
精霊が肉体を脱離して精霊界の関所に来たとき、その初めの間の容貌は、現界にいたとき同様である。このときはまだ外分の状態にあり、内分が開いていないゆえである。

しばらくしてその面貌、言語などはおいおい転化して、ついにまったく以前の姿と相違する。精霊が現界にあったとき、その心の内分においてもっとも主となっていた愛すなわち情動の如何に相応するからである。

死してまだ時を経ない精霊は、その面貌や音声にて知己・兄弟・親・親族たるを一目で認識することができるが、時を経るにしたがって互いに相知ることができないまでに変化するものである。

霊界にあっては、わが有するところの愛と相反した面貌を装うことはできない。その思想・意志・情動のままが表に現れる。霊界にある者は内分の度の如何によって円満となり善美となる。最高第一の天国および霊国の天人の面貌や姿の美しさは、いかなる画伯が技術を尽くしても万分の一も描き出すことはできない。

ランチ将軍、片彦将軍、ガリヤ、ケースたちは関所の門口で赤面の守衛に取り調べを受けた。片彦は守衛にいちいち生前の悪事を突き付けられて汗をかいている。予審が済んだ片彦は館の中に拘引され、本審を待つことになった。

次にランチが取り調べを受けた。番卒は、片彦に比べればまだ罪が軽く、正直なところも見られると判じたが、取り調べ中に偽善の罪を造ったことによって、地獄行きに決まってしまった。二人の副官もその利己心から地獄行きと判じられて引き立てられた。

赤の守衛が休息する間、お民は白の守衛の側に進み寄って話しかけた。白の守衛はお民が悪をなしながらも正直なところから、中有界で修業をすれば天国に行けるだろうと答えた。そしてランチ将軍やお民たちが、不思議にもまだ生死簿に生命が残っていると語った。

そこへ蠑螈別とエキスがやってきた。そしてはるか向こうからお寅婆さんが近づいてくる。蠑螈別はここが冥途だと気付かず、お民としばらく押し問答になる。白の守衛は、蠑螈別の酔いが覚めるまで休息するから、自分の代わりにしばらく帳面の番をしてくれとお民に依頼した。

お民は白の守衛の霊に充たされて門番をつとめることになった。そこへお寅がやってきた。これは、お寅婆さん本人が改心したために遁走した副守護神が、お寅の容貌をそのまま備えてここに迷ってきたのである。

お寅の副守は蠑螈別を見つけると、ゆすり起こして鼻をねじ上げた。そして蠑螈別が九千両の金をエキスたちに上げてしまったと聞くと、今度はエキスに詰め寄って鼻をねじりあげた。

すると番をしていたお民がお寅の罪状を読み上げて、予審の取り調べを始めた。お寅の副守護神は、お民を認めるとののしり、狼のような声をあげてお民にむしゃぶりついた。

お寅とお民は取っ組み合ってもみあっている。そこへ蠑螈別とエキスが割って入って仲裁しようとするが、蠑螈別もやけくそになって殴る蹴る、皆誰彼なしにわめきたてる。

この声を聞きつけて赤と白の守衛がこの場に現れた。赤は大きな鉄棒を振り上げて一喝した。この声に驚いて、お民、お寅、蠑螈別、エキスたちは散り散りバラバラに逃げ去ってしまった。赤と白の守衛は、皆の命が尽きていないので、娑婆に追い返したのであった。

ただ、お寅の副守護神だけはどうしても捕えて地獄に落とさなければならないため、番卒を派遣して捕縛させることになった。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年01月13日(旧11月27日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年10月25日 愛善世界社版103頁 八幡書店版第8輯 625頁 修補版 校定版107頁 普及版52頁 初版 ページ備考
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本文  精霊が肉体を脱離して、精霊界の関所に来つた時、其初の間の容貌は、彼が尚現界に居た時同様の面貌を有し、其音声や動作及背の長短など少しも違はない。此時は尚外分の情態に居つて、其内分が未だ開くるに暇なき故である。稍あつて其面貌、言語などは追々と転化して、遂には全く以前の姿と相異するに至る。何故斯かる変化があるかと云ふなれば、彼精霊が現界に在つた時、其心の内分に於て、最も主となりたる愛即ち情動の如何によつて、其面貌は転化し、其情動に相応するが故である。蓋し彼の精霊は尚其肉体中に在つた時、此愛即ち情動を以て唯一の生命としてゐたからである。又人間の精霊の面貌は其肉体の面貌と決して同一のものではない。肉体の面貌は父母より遺伝さるる所なるを以て、何となく両親の面貌や声調に似て居る所あれども、精霊の面貌は愛の情動の如何に依つて定まる故に、其面貌は情動の証像といつても可いのである。
 精霊が肉体を脱離した後、即ち現界人の見て死と云ふ関門を越えた時、精霊が現ずる所の面貌其ものは即ち愛の情動の証像である。此時は既に外分は除き去られて内分のみ現はれ出づる時である。併し死して未だ時を経ざる精霊に於ては、其面貌や音声にて、知己たり兄弟たり親たり親族たるを一目にて認識し得れども、時を経るに従つて互に相知り能はざる迄に変化するものである。
 愛善の情動を有するものは其面貌美はしく且何処ともなく気品あり、光明に輝けども、悪しき情動に居るものの面貌は実に醜穢にして一見して妖怪ならむかと疑はるるばかりである。凡て人間の精霊は其自性上より見れば、情動其ものに外ならない。そして此面貌は情動なるものが外面に現はれたものである。斯の如く面貌の転化するのは、霊界に在つては吾に非ざる所の悪しき情動を詐り装ふ事を得ない。従つてわが有する所の愛と相反したる面貌を装ふ事も得ないのである。霊界に在る精霊は、皆其思想の儘に現出し、其意思のままを面に現はし、又身体の各部に現はるべき情態に居るが故に、一切の精霊の面貌は、要するに其情動の形態であり又証像である。故に現界に於て互に相知り合うた者は、精霊界に於て之を知るを得るのである。但高天原と根底の国に於ては最早斯の如き事はない。故に其知己なりしや、兄弟なりしや、親子なりしやを自ら知る事は甚だ難いのである、否絶無と云つても可い位である。
 精霊は死後漸次に其面貌及音声の変化を来すと雖も、偽善者の精霊の面貌は他よりも遅れて変化するものである。彼等の内分即ち心は常に善き情動を模する事に慣れて居るからである。故に之等の精霊は久しく本来の醜悪を暴露せないものである。されど其虚偽の鍍金は次第に逐うて取除かれ、又自ら剥げるが故に、その所成の内分は其情動本来の形態に従つて変容せなくては止まないのである。かくなつた時には偽善者は其本値を暴露され、醜陋を極め、実に悲惨なものである。又偽善者は現界に在つても神の如く天人の如く、智者真人を装ひ、霊界の事を極めて詳細に言説する様であれども、其内分には只々自然界のみ是認して、実際に神格を認めず、従つて高天原の状態や或は神の御教などを否定してゐるものである。故に之を霊界にては偽善者として取扱はれるのである。これに反し、情動益々内的にして、高天原に順適する事益々大ならば、其面貌は実に美を極めたものである。何故ならば、彼等は実に天界の愛其ものを以て吾心となし吾容貌となすが故である。又其情動外的にして、真理を覚らず、神を愛せず且聖言を信ぜざる者は所謂高天原の情態に反くが故に、其面貌は暗く醜く、現界に在りし時よりも益々劣つて陋劣醜悪になるものである。大本神諭に……神代になれば顔容の綺麗な者よりも心の綺麗な者が、神の目には立派に見えるぞよ、何程美しき顔をして居りても、偉さうに致して居りても、神の前に参りたら忽ち相好が変るぞよ、身魂相応の肉体が授けてあるぞよ云々……と示されたるは、即ち精霊に対する戒めであつて、霊界に於ける精霊の情態に対して適確な御教示と云ふべきである。故に霊界に在る者は、其内分の度の如何に依つて、円満となり善美となり、外分に向ふに従つて欠損し行くものである。故に最高第一の天国及霊国の天人の面貌や姿の美しさは、如何なる画伯があつて其技術を尽し、霊筆を揮ふとも、其美貌や光明なり活気凛々たる姿の万分の一をも描き出す事は出来ない。されども最下層の天国霊国に在る者は、最も熟練せる有名なる画伯が丹精をこらし、其技神に入り妙に達した時初めて、多少其面貌を描き得て、其真相の一部を現はし得る位なものである。
 ランチ将軍、片彦将軍、ガリヤ、ケースの両副官は関所の門口にて赤面の守衛に一々身許調べを執り行はれた。先づ第一に調べられたのは到着順として片彦将軍であつた。片彦将軍は生前より最も頑強にして偽善強く、且バラモン教の宣伝使を兼ねながら、其内分に於て少しも神を認めず、只現代の宗教家の如く、神を利己の為の手段とするに過ぎなかつた。而して数多の人間を、一方には天界地獄の道を説いて、愚昧な者を或は喜ばせ或は驚かせ、自分の善徳者にして且賢者なる事、又神の代表者なる事を思惟せしめ、一方には武力を以て其言説を信ぜざる者は、或は打殺し、或は苦め、漸くにして其威信を保ち、無理槍に秩序を維持してゐたのである。それ故死後直に面貌転化すべき精霊界に来りながら、容易に其転化を来さなかつた。
『其方は何年何月何日、何れの所に於て、何々の処女を姦淫致したであらうがな。そして又何年何月何日何時何十分、何処に於て人の妻女を私かに姦し、其女を誑かし、沢山の金をむしつたであらうがな』
と掌を指す如く指示されて、流石の片彦も返答につまり、
『ハイ』
と言つたきり、俯いて了つた。
『間違はないか、間違があるなら、あると申せ』
『ハイ、余り永い事になりますので、スツカリ忘れて居りましたが、さう承はりますと間違は厶いませぬ』
『姦淫に関する事は之ばかりか、まだ外にあるであらう、一々有体に申上げツ』
『ハイ、余り件数が多いので俄に返答に困ります』
『其方が言はずとも、此帳簿にスツカリつけてある。コレ此通り、随分厚いものだらう、第一号より第九百九十五号まで、姦淫に関する事件ばかりだ。一々読み聞かさうか』
『ハイ、決して嘘とは申しませぬ、読んで頂きましては実に苦しう厶います。どうぞ御省略を願ひます』
『馬鹿を申せ、自分が勝手な事を致しておいて、此処で大勢の前に曝されるのが辛いと云つて、省略せよとは、以ての外の奴だ、片彦、顔をあげて見よ、此通り汝の審判に就いて、諸天人が縦覧に来てゐるぞ』
『ハイ、是非には及びませぬ、何卒御規則通り願ひます』
 赤は一々大声を発して、第九百九十五号まで一言も洩らさず読み上げた。其詳細なること実に驚くばかりで、片彦が記憶を去つてゐた事を数多、場所刻限相手方の年齢及び自分の女に対して云つた事、又女が答へた事、其他手足の動かし方までテツキリと読み上げられ、暗がりの恥を明るみにさらされ、頭を抱へて冷汗をタラタラと流し、真赤な顔して慄うてゐる。
『これに間違はないか、間違がなければ爪印を致せ』
『ハイ』
と云ひながら、怖る怖る其帳面に「拙者の生前の行状、此記録に寸分相違御座なく候、片彦将軍」と記し、拇印を捺した。
『ウン、之でよし、それから其方は生前に於て詐欺を致したであらう。又チヨイチヨイ窃盗も致したであらう。強盗も致したであらう。賄賂も取つたらうがなア。それから殺人傷人は申すに及ばず、神の道を誹り、人を誹謗し、他人の事業を妨害し、体主霊従の有丈を尽したであらう。サア一々自白を致せ』
『ハイ、モウ何卒こらへて下さいませ。余りで厶います』
『馬鹿を申せ、一分一厘間違のない様に取調べるのが、八衢の関所だ。何程手間がいつても、左様な簡略な事が出来ようか』
『何とマア細かしい事まで御存じで厶いますな。仰せの通り悪といふ悪は残らず、大なり小なり皆普遍的にやつて参りました。併しながら此お関所は吾々の悪事ばかりを摘発なさつて、善は少しもお認めにならないのですか。随分私も悪い事も致しましたが、又此悪事を償ふ丈の善事をやつて来た積で厶います』
『其方は饑餓凍餒の民を助けた事もある。又水中に陥り溺死せむとする人間も少しばかりは助けて居る。荒野を開き耕作を奨め、米麦の収入を社会に殖やし、公益を計つた事もある。併しながら此善はすべて汝の声名を遠近に現はさむ為の善にして、所謂自利心より出でたるものである。自愛の為の善は凡て偽善である。最初から悪人を標榜して悪を働いた人間に比すれば、却て其方の心と行ひは、それより以上悪きものである。汝は生前に於て愛の為の愛を励み、善の為に善を行ひ、信の為の真を尽した事は、只の一回もない。徹頭徹尾一生の間、悪事ばかりを致して来たぞよツ。之に対して弁解の辞あるか』
と呶鳴りつけた。
『左様に厳しく仰せられましては、現界の人間は此関所で及第する者は一人もないぢやありませぬか。神様は何事も至仁至愛の徳を以て、許々太久の罪穢を神直日大直日に見直し聞直して下さると聞きましたが、私よりもモツトモツト悪い人間は、現界には沢山居りまする。現に此ランチ将軍だつて、拙者を高殿の上から、計略を以て谷川へ投込んだ悪人で厶います。大黒主の大棟梁だつて、最前私をお調べになつた諸々の条件以上の悪事が厶います。一体それは何うなるので厶いますか』
『左様な事を申して、人の事迄斯様な所で暴露せむと致す其想念が所謂大悪だ。益々以て許す事罷ならぬ。汝聊かにても良心があれば、仮令大黒主、ランチ将軍に悪事ありとも、汝は長上の身の上を思ひ、凡ての悪事を吾身一身に引受けるといふ忠義の心がないか。益々以て極重悪人奴、高天原の全権を掌握し給ふ厳の御霊、瑞の御霊の大神の御教を極力誹謗し、尚も進んで畏くも瑞の御霊の現はれ給ふ地上の高天原斎苑の館へ攻めよせ、仮の宮を毀ち、大神を亡ぼさむと迄考へたであらう。否現に数多の軍勢を引率れて河鹿峠まで進み、治国別の言霊に打ち砕かれて遁走し、卑怯未練にも浮木ケ原に陣営を構へ、陣中の規則を破り、若き女に目尻を下げ、涎を垂らかし、肝腎の軍職を忘れむと致したであらうがなア』
『ハイ、それは現に此処に居りまするランチ将軍の方が余程キツウ厶いました』
『又、他人の事を誹謗致すか、不届至極の曲者奴、これより先づ予審が済みたによつて、其方は本調べに着手する。部下の番卒共、片彦を館の中へ拘引めされ』
『オウ』
と答へて四五人の番卒は片彦を引立てて、館の中に伴れて行く。
『サア是からランチの番だ。其方は姦淫に関する罪の件数も、片彦に比しては随分多い様だ。併しながら其方は詐欺窃盗強盗及誹謗等の罪は、感心な事には少しも厶らぬ。併しながら、主命とは云ひながら、斎苑の館に進軍せむと致した其罪は問はねばならぬ。それよりも最近に於て犯した、片彦を計略にかけて之なる両人と共に物見櫓より谷川に投げ込み恋の仇を亡ぼさむと致した此罪は容易でない。併しながら悪人が悪人を虐待致したのだから、之は相見互と云つてもいい位なものだ。併し其心の罪は問はなくてはならぬ。何うぢや、間違はなからうがなア』
『ハイ、決して間違は厶いませぬ、ヤ、もう恐れ入りました』
『其方はハルナの都の大黒主を善人と思ひ、或は神の代表者として尊敬致すか。但しは神素盞嗚尊を悪神と信じ、極力排斥せむと思つたか、其返答を聞かう』
『ハイ、素盞嗚尊を悪神だと思へばこそ勢込んで征伐に向ひました。そして又大黒主様は此世の救主否霊界までも救ひ下さる大神様と信じたればこそ、今日まで忠実に仕へて参りました』
『成程、比較的正直な奴だ、さうなくては叶はぬ。併し一つ尋ねるが、汝の恋の仇たる片彦将軍を許さむとすれば、其方が上官の責任を以て代りに地獄へ落ちねばならぬ。汝は精霊界に十年許り修業を致し、其上第三天国へ進ましてやりたいのだ、又進むべき素質はある。併しながら部下の片彦を救ふ真心あれば、片彦と位置を変じ、彼を精霊界に上げてやらねばならぬ、其方の意見を承はりたい』
『これは六かしい問題で厶いますなア、早速に返答は申上げかねます』
『これ程分り切つた問題が、それ程六ケしいか。矢張其方はまだ偽善者の境域を脱し得ないとみえる。なぜ片彦の罪によつて御処分下され、拙者は拙者の生前の善悪に準じて御処分下されと、なぜ申さぬか。其方の心は今某の申した通りであらうがな。チヤンと其方の面体に文字によつて現はれてゐるぞ。其方は精霊界へ許すべき所なりしが、只今再び心に罪を作つたによつて、ヤツパリ地獄行だ。番卒共、伊吹戸主のお館へ引立てツ』
『ハイ、モウ改心を致します、同じ地獄へ行くのなれば、二人行つても一人行つても同じ事で厶います、何卒片彦を助けてやつて下さいませ、私が身代りになります』
『馬鹿を申せ、俄の改心は間に合はぬぞよ。其方の改心は怖さ故の改心だから、到底情状酌量の余地がない。サ早く番卒共、引立てられよ』
 番卒は又もやランチを館へ引立てて行く。
『サア是からガリヤ、ケースの番だ。其方はバラモン教の大神を信じ、随分熱心に教をやつて来たものだ。そして若い時から比較的善もなさなんだが悪もなさなかつた。只惜しい事には主人に諛ひ、身の出世を致さむとして、片彦将軍を川中へ投落し、生命を奪はむとした、此罪は中々軽くない、併しながら彼等も悪人である、片彦が斯くなるは、自業自得、天運の尽きたる者なれば、之に対しては罪とすべきものではないが、その心はヤツパリ善いとは言はれぬ、地獄へ行く価値は充分にある。併しながらランチ将軍の命令で致したのだから、幾分か罪は軽い傾きがある。どうぢや、地獄へ之から即決によつて落してやらう、有難く思へ』
 二人は口を揃へて、
『ハイ、どうぞ許して下さいませ。天国へやつて貰ふのは到底其資格は厶りませぬが、せめて精霊界に置いて下さいませ。其間に心を改めて善に立ち帰ります。どうぞ少時の御猶予を願ひます』
『然らば今天国の門を開くによつて一寸覗いて見よ、天国がよければ天国へやつてやろ、併し其方は最高天国へ行く事は出来ない、最下層の天国だ』
ガリヤ『ハイ、有難う厶います』
ケース『思ひもよらぬ御恩情を蒙りまして有難う厶います。死んでも忘れは致しませぬ、此高恩は……』
『アハヽヽヽヽ、其方は死んでゐるのを知らぬのか』
『何時死んだか、テンと記憶が厶いませぬ。浮木の森から十里許り来た所に、此お関所があつて、天国地獄行の審判をなさる様に考へてをります』
『さうだろ、そりや其筈だ。人間は仮令肉体は腐朽するとも其情動と想念は儼然として永続するものだ。霊界は想念の世界だ、而して情動の変化によつて善悪正邪の分るる所だ』
『ハイ、御教訓有難う厶います』
『サア、此岩の門を開くによつて、其方は直様に第三天国に進み行け、グヅグヅ致して居ると、天国の門がしまるぞ』
と云ひながら、パツと岩の戸を開いた。二人は矢の様に門内に進み入り、顔をあげて向方を見れば、何ものも見えず、烈しき光明に照され、目は眩み、胸はつまる如くに苦しく、頭はガンガンと痛み出し、手足は力脱け、恐怖心に駆られて、一歩も進む能はず、矢庭に踵を返し、再び八衢に転げ出た。
『どうだ、天国は結構だらう』
ガリヤ『ヤもう、天国の様な恐ろしい所は厶いませぬ、あの様な苦しい所なれば、最早行きたくはありませぬ』
『ハヽヽヽヽ、汝の善徳未だ足らざる故、神徳に浴する丈の神力が備はつてゐないのだ。何程某が同情心を持つて、天国に助けてやらむとすれども、其方の内分が塞がつて悪に充ちてゐるから、如何とも助けやうがないわい。それだから常平生から神を信じ、神を理解し、善の徳を積んでおかねば、まさかの時になつて、こんな目に遇ふのだ。ヤツパリ雪隠虫は糞臭の中が極楽だ。汝は中有界におく訳にもゆかず、止むを得ないから、地獄界へおとしてやらう、地獄界の方が汝の身魂に相応してゐるから、結局楽なかも知れぬ』
『イエ滅相な、天国も叶ひませぬが、地獄は尚更叶ひませぬ、どうぞ何時までも中有界において下さいませ、ここが一番マシで厶います、なア、ケース、お前も天国には往生しただらう』
『モシ、どうぞ、私も中有界において下さいませ。そして身魂に神徳がつみましたら、どうぞ天国へやつて下さいますやうに御願ひ致します』
『其方は、ランチ将軍の副官とまでなつたでないか、生死を共にすると誓言致したであらう』
ガリヤ『ハイ、私は副官で厶いましたが、片彦将軍の後任者に任命してやらうと仰有いましたので、余り嬉しさに、あゝこんな明君に仕へるならば、仮令どこまでもお供をしたいと思ひましたので、つひ申しました。併しながら、まだ実印は捺したのでも厶いませぬし、誓約書を出したのでも厶いませぬ、又将軍の辞令も頂戴致して居りませぬから、言はば立消え同様で厶います』
『其方はガーター勲章を頂戴する事になつてゐたであらうがな』
『ハイ、其話も厶いましたが、これもまだ未遂行で厶います』
『ケース、其方は久米彦将軍の後任者にして貰ふ約束であつたであらう。そして同じく勲章を頂く事になつて居つたであらう。それに間違はないか』
『ハイ、仰せの通りで厶います、併しながらガリヤの申した通り、私も亦未遂で厶いますから、霊界へ来てまで、ランチ将軍さまのお供を致す義務は厶いますまい』
『汝両人は利己一片の代物だ。仮令三日でも主人と仰いだならば主人に間違はなかろ。其主人が地獄に落ちて艱難辛苦を致すのを、蚤にかまれた程にも感ぜず、自分のみ助からうと致す、其水臭いズルイ、ド性念、中々以て容易な代物でない。其方もヤツパリ地獄行だ、ランチ将軍と共に吊釣地獄へ行つて、無限の苦みを受けるがよからう』
『それは余り胴欲で厶います。何卒今回に限り大目に見て下さいませ』
ガリヤ『ランチ将軍様、片彦将軍様は実にお気の毒でたまりませぬ、私も何処までもお供を致したいが山々で厶います、併し最早地獄へ墜ちられた両将軍、吾々が参りました所で何のお助けにもなりませぬから、どうぞ私を中有界にお救ひ下さいませ。御願ひ申します』
『番卒共、此等の両人をお館へ引立てよ』
『アイ』
と答へて、又四五の番卒は両人を無理無体に門内深く引立てて行く。
『アーア、大変な悪い奴が来やがつて、随分骨の折れた事だ。ここに一人女が居るが、マア休息してゆつくりして査べることにしよう、白殿、拙者が休息の間、ここに代つて、此帳面を守つてゐて下さい』
といひすてて、暫く姿を隠した。
 お民はツカツカと白の側に馴々しく進み寄り、
『モシお役人様、ここはヤツパリ霊界の八衢の関所で厶いますか。何だか最前からウトリウトリと致して居りましたが、ランチ将軍さまや、其他の三人のお方は、何処へ行かれました』
『彼等四人は今や白洲に於て審判の最中です。私の考へではどうやら地獄落と見えます』
『それはマア気の毒な事で厶いますなア、何とか助けて上げる法は厶いますまいか』
『到底冥土の法律を曲げるわけには行きませぬ。彼等は生前より地獄に籍をおいてゐるのですから、仮令天国へ何程吾々が上げてやらうと思つても、智慧証覚が開けてゐないから、仮令天国へ送つてやつても、苦しくなつて帰つて来ますよ。ヤハリ地獄代物です、それだから人は平素からの心掛と行ひが肝腎ですよ』
『私は随分悪い事をして来ましたが、ヤツパリ地獄へ行かねばなりますまいかなア』
 白は帳面を繰りながら、
『お前さまはお民さまと言つたね』
『ハイ、左様で厶います』
『お前さまには蠑螈別と云ふ情夫がありますなア』
 お民はパツと顔を赤らめながら細い声で、
『ハイ、お恥かしう厶います』
『お前さまは、あの蠑螈別と一生添ふ積ですか』
『ハイ、先方さまさへ捨てて下さらねば、初めての男で厶いますから、どこまでも従つて参る積りで厶います』
『モシ、蠑螈別が中途にお前さまを捨てて、外の女を拵へたら、其時は何うする考へですか』
『サア、其時になつてみないと分りませぬ、又蠑螈別さまの方から厭になつて捨てられるか、或は私の方から蠑螈別さまに愛想をつかして捨てて逃出しますか、其点は自分にも分つて居りませぬ』
『成程、そこは正直な所だ、併しながら、蠑螈別に暇を貰ふか、或はお前さまの方から暇をくれた其後は、独身生活をやる考へですか、但は二度目の夫を持ちますか』
『理想の夫があれば、キツト持ちます、それでなくては狐独生活は苦しう厶いますからなア、折角人間に生れて来て、人間の交はりも出来ずに一生を了るやうな不幸な事は厶いませぬから………』
『成程、イヤ感心だ、其心が所謂無垢だ、随分お寅婆アさまに気を揉ましたり、魔我彦に恋の焔を燃やさしたりして来ましたねえ、チヤンとここの帳面についてゐますよ』
『ハイ何分天稟の美貌に生れたものですから、一人の女に二人の男、本当に迷惑致しましたよ。私の方から惚れさしたのぢやありませぬ。蠑螈別さまだつて魔我彦さまだつて、勝手に先方の方から秋波を送られたのです。そして私は蠑螈別さまの方が余程理想的だと思つて心をよせたのです。お寅さまが怒るのはチツト無理解でせう、お寅さまは六十の尻を作つて、元より愛のない虚偽的の恋に翻弄され、自ら修羅をもやして、私を大変にお憎み遊ばすのですが、私はお寅さまの方が無理だと思ひますワ、どうでせう、私もヤツパリ地獄行の資格は具備して居るでせうか』
『サア、私でもハツキリ分りませぬが、どうせ現界の人間は、悪のない者は一人もありませぬ、微罪を取上げて居らうものなら、サツパリ天国の団体が成立しませぬから、可成くは中有界において修業をさせ、一人でも多く天国へ上げたいといふ冥府の方針ですから、先づあなたは早速に天国へは行けずとも、中有界で修業の結果、早晩天国へ行けるでせう。併しながら、不思議なる事には、ランチ将軍始め、お前さままでが、まだ生死簿には生命が残つてゐる。斯様な所へまだ来る時でないが、五人が五人共不思議な事だ、コリヤ何か、霊界の思召のある事でせう』
『又現界へ帰られませうかなア』
『何とも分りませぬな』
と話して居る所へ、ブラリブラリとやつて来たのは蠑螈別とエキスの両人であつた。遥向ふの方から、お寅婆アさまが白髪を振り乱し、
『オーイ オーイ』
と嗄声を張り上げながらやつて来る。蠑螈別はお民の姿を見て、驚いたやうな声で、
『お前はお民ぢやないか、どこへ行つてゐたのだ、エヽー、俺に酒を呑まして置きやがつて、片彦将軍に細目をつかひ、馬鹿にしたぢやないか。それからこんな処まで、蠑螈別を馬鹿にして、片彦将軍と駆落をして逃げて来よつたのだなア』
『ソラ何を言はんすのだい、蠑螈別さま、妾は浮木の森の陣営に於て、お前さまの脱線振をどれ程気遣ひに思つたか知れないよ。それだから片彦将軍に取入つて、お前さまの身の上を保護しようと思へばこそ、嫌で嫌でならぬ男をうまくあしらつてゐたのよ。私の心も知らずに余りだワ、ホンに憎らしい男だワ。冥土の八衢まで、女の尻を追つかけ来り、男らしくもない………サヽ早く帰りなさい、私もまだ生死簿には、ここへ来るのは早いと出て居るさうだ』
『コリヤお民、其方は気が違うたのか、ここを何処と心得て居る、浮木の森の少し隣村ぢやないか。貴様は最早冥土気分になつてゐるのか。余り片彦将軍に現を吐すものだから、精神までがトボケたのだろ。何だ、こんな所まで来て、気の多い、俺が知らぬかと思うて、色の白い男と何を云つてゐた。サヽ有体に申さぬと、此蠑螈別、タダではおかぬぞ』
と、まだ酒の酔の醒めぬ縺れた舌を無理にふりまはして、駄々をこねかけた。
『コレ蠑螈別さま、確りなさい、ここは冥土ですよ、此色の白いお方は伊吹戸主の神様の門を守衛なさるお役人様で、お前さま等の罪をお調べなさるお役だよ』
『オイ白、ナヽ何だ、俺の女房を誘拐しやがつて、こんな所まで伴れて来よつて、俺が酒に酔うてるかと思つて、冥土だの関所だのと威かしたつて、駄目だぞ。サ、どんなことを約束を致した、キツパリと申せ』
『蠑螈別さま、確りしなさい、此処は冥府の関所ですよ、余り大きな声でグヅグヅ仰有ると、今に赤さまが見えたら、大変に叱られますよ』
『ナヽ何だ、赤さまが見えたら叱られるツ………貴様白い顔してゐて、女にズルイ赤さまだろ。蛙は口からと云つて、吾と吾手に白状をしたでねえか、エヽーン、糞面白くもねえ、そんな事ぬかすと、バラモン軍のランチ将軍殿に告発を致さうか。なア エキス、本当に馬鹿にしてるぢやねえか』
白『大分に酒がまはつてゐると見える、マ暫く酔が醒るまで、氷室へでも押込んでおかうかな』
『モシモシ白さま、そればかりはどうぞ赦してやつて下さいませ、決して乱暴はさせませぬから………酔が醒めましたら、トツクリと言ひきかしますから………』
『それなら、お民さま、お前此帳面の番をしてゐて下さい、拙者は暫く奥で、蠑螈別の酔が醒めるまで休息して来るから………モシも他の精霊がやつて来たら、此取つ手をグツと押して下さい、さうすりや、スグに出て参りますから………』
と云ひすて、門内に走り入つた。お民は守衛の代理権を暫く執行する事となつた。お民以上の善徳の者及智慧証覚のある者の来る時は到底勤まらないが、自分以下の者に対しては訊問するだけの能力が備はつて来るのも亦不思議である。お民はスツカリ白の守衛の霊に充され、何時の間にやら自分が女たる事を忘れ、自分が白の気取りで守衛を忠実に勤める事になつた。
 そこへスタスタやつて来たのは、小北山に居つたお寅婆アさまである。之はお寅婆アさまの副守護神が本人の改心によつて遁走し、お寅の容貌を其儘備へて此処へ迷うて来たのである。改心したお寅は其面貌と言ひ、肉付といひ、生々してゐるが、此処へやつて来たお寅は嫉妬と憤怒の真最中に、神の光に照らされて追ひ出された精霊が、八衢界を彼方此方と踏み迷ひ、艱難苦労して、やつと此処まで出て来たのであるから、随分厭らしい形相であつた。お寅はお民のそこに居るのには少しも気がつかず、蠑螈別とエキスがグタグタになつて倒れてゐるのを打眺め、蠑螈別を無理にゆすり起した。蠑螈別は物に魘はれたやうな声を出して漸く起ち上り、大地に胡坐をかき、
『アヽお民に会うた夢を見てゐたのに、誰だい、俺を揺り起しやがつて………』
と云ひながら目を開いた。さうするとお寅は、化物のやうな顔をして、蠑螈別をグツと睨み、
『コレ、蠑螈別さま、お前さまは九千両の金をソツと盗み出し、私が目をまかしたのを幸として、金剛杖で頭を二つも叩き、お民の女と一緒に小北山を逐電し、此お寅を馬鹿にしたぢやないか。サヽかうなる上は最早百年目だ、鼻を捻ぢて上げようか』
と云ひながら、グツと力に任して、少し左に曲つた鼻を捻ぢあげた。
『アイタヽヽヽヽ、コラお寅、ホンナに乱暴な事をすない、又しても又しても鼻を捻ぢやがつて、エヽーン、いい年して、いい加減にたしなまぬか。こんな大道の中央で、意茶つき喧嘩をして居ると、誰が見てをるか知らせぬぞ』
『コリヤ蠑螈別、九千両の金を早く返せ、そしてお民の女を何処へやつたのだ』
『九千両の金は、今ここに居るエキスやコー、ワク、エム等のバラモン教の番卒にくれてやつたのだ。そしてお民は今ここに居つた筈だが………俺はモウお前は厭になつた。お民の奴、片彦将軍と駆落したり、又こんな所へ来て色の白い男と意茶ついてやがるのだ。モウ女は厭になつた。俺の趣味はヤツパリ酒だ。アーア、色男に生れると辛いものだなア』
『ナニツ、お民を思ひ切つたと、ソリヤまだしも偉い、よう目が醒めた。併しこのお寅は、そんな事云つても思ひ切るこた出来よまい。そして其九千両の金を、ここにゐるエキス其他の奴にやつたと言ふのだな、お民にやつたよりはマシだ。こら、エキス、其金此方へ返せ、お寅の金だ。蠑螈別が此婆アの目を忍んで持逃した大金だ。サツサと素直に返さぬと、貴様も鼻をねぢようか』
『どこの婆アさまか知らぬが、俺は蠑螈別さまから貰つたのだ。そして其金は軍用金としてランチ将軍様に提出したのだから、返してほしけりや、浮木の森の陣営に行つて直接返して貰ふがよからう…………』
『エヽ、ツベコベと何を言ふのだ。又鼻を捻ぢるぞ』
と云ひながら、エキスの鼻をグツと捻ぢる。
『アイタヽヽヽヽ、許せ許せ息が切れるわい、あゝ死ぬ死ぬ死ぬ』
『アハヽヽ、痛いか、苦しいか、之も自業自得だ、三途川の鬼婆だぞ』
お民『コリヤ コリヤ、其方はお寅の副守護神でないか、逐一其方の罪状を読み上げるから、聞いたがよからう』
『ナーニ、此お寅はこんな所へ来て、罪を数へられるやうな悪い事はせぬワ、現に此処に居るエキスが、私の金を取りやがつたのだ。なぜ之を査べぬのか』
『蠑螈別が其方の金を取つたのでないか』
『蠑螈別は取つたにした所で、私の最愛の男だ、お寅の物は蠑螈別の物、蠑螈別の物は即ちお寅の物だ、それをうまくチヨロまかして、まき上げた此エキスこそ大悪人だ』
と云ひながら、フと顔を上ぐればお民であつた。お寅はお民を見るよりクワツと怒り、
『コリヤお民、貴様こそ大悪人だ、蠑螈別をくはへて金を盗ませ、こんな所まで連れて来よつたぢやないか。サ、いい所で会うた、生首を引抜いてやらう、サア覚悟致せ』
と狼のやうな声ふりあげてお民に武者ぶりつく。お民は一生懸命にお寅と組んず組まれつ、もみ合うてゐる。蠑螈別、エキスはヒヨロヒヨロしながら立ち上り、
『マアマア待つた、待たんせ、コリヤどうぢや』
と二人の中に割つて入り、顔を引つ掻かれたり、抓られたり、蠑螈別も焼糞になつて撲る、蹴る、誰彼なしに金切声をふり上げ、犬の咬み合のやうに喚き立ててゐる。此声を聞きつけて赤、白の守衛は宙を飛んで此場に現はれ来り、赤は大きな鉄棒を振上げ、
『コラツ』
と一喝した。此声に驚いて、お民も、お寅も、蠑螈別、エキスも命カラガラ散り散りバラバラに何処ともなく逃去つて了つた。
『ハヽヽヽヽ、娑婆亡者奴、たうとう逃げよつた。彼奴アまだ此処へ来る奴ぢやないから、少時木蔭にたたずんで考へてゐたが、随分面白いことをやりよつたものだ、アハヽヽヽヽ』
白『本当に面白いものですなア、あゝして娑婆へ追ひ返せば、何れ改心をして、又来るでせう』
『あのお寅と云ふ奴、彼奴ア現界で已に改心してゐるのだが、二重人格者で、副守の方がやつて来よつたのだ。彼奴だけは何うしても番卒を派遣して引捉へ、地獄へ落さねばなるまい』
『然らば番卒に命じ、捕縛させませう』
(大正一二・一・一三 旧一一・一一・二七 松村真澄録)
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