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文献名1霊界物語 第51巻 真善美愛 寅の巻
文献名2第4篇 夢狸野狸よみ(新仮名遣い)むりやり
文献名3第21章 夢物語〔1336〕よみ(新仮名遣い)ゆめものがたり
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-09-20 18:39:55
あらすじ
四人が座っていた椅子は、いつの間にか膨張して角を生やし、毛が生え、牛のような動物になってしまった。怪獣は声をそろえて笑い出した。そして四人を背中に乗せ、廊下をドスドスと駆け出し、広場に出た。

初稚姫も同じ怪獣にまたがり、四人を呼ばわりながら追いかけてくる。怪獣は空の上高く上ったり下りたりするようになり、四人は振り落とされないよう背中にくらいついていた。

ケースは、飛び下りなければどこまで連れて行かれるかわからないと、他の三人に思い切って飛び下りようと呼び掛けた。四人がいっせいに飛び降りたとみるや、元のところにテーブルの脚をつかまえて汗をかいて気張っているだけであった。

初稚姫は以前のまま椅子に腰かけてニタニタと笑っている。四人が奇怪な夢について話し合っていると、丸いテーブルが狸のような顔をだし、毛を生やしてドアの外へ這って行った。

初稚姫はみるみるうちにいやらしい鬼女となって、耳まで裂けた口を開き、牛のような舌を出して四人に向かって噛みつきにきた。四人は肝をつぶして駆けだした。

向こうから初花姫が七人の美女を連れてやってきた。四人はあせってそこまで逃げようとしたが、同じところに足をバタバタとやっている。後ろから初稚姫の妖怪が暑い火のような息を吹きかける。初花姫たちも怪しい化け物に変わって噛みつきに来た。

たちまち家は前後左右に回転した。見れば傍に泉水がある。四人は勾玉型の泉水に身をおどらせて飛び込んだ。四人の体は沈んで行き、水のない岩窟についた。四人は悲鳴を上げて助けを呼んだ。どこともなしに桃の花びらが四人の顔に落ちかかった。

よくよく見れば、四人は浮木の森の火の見やぐらの傍にある勾玉型の泉水のかたわらで、桃の木の根元に阿呆のような顔をして眠っていたのである。東の空は茜さしはじめ、古狸が一匹、頭に桃の花びらを付着させながら這っている。

ガリヤは神に油断の慢心の罪の赦しを乞うた。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年01月27日(旧12月11日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年12月29日 愛善世界社版293頁 八幡書店版第9輯 372頁 修補版 校定版300頁 普及版136頁 初版 ページ備考
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本文  四人の坐つて居つた椅子は、何時の間にやら膨張して角を生やし、次で毛が生え、牛の如き動物と化し、四人共其背に跨つて居た。
ガリヤ『ヤア此椅子、化けやがつたな。ヤ此奴は牛とも馬とも分らぬ奴だ。オイ三人、確りせないと揺り落されるぞ。カアアアンナナガラララアアアさつぱり駄目だ。こりや怪物、ぢつと致さぬか』
 怪獣は四匹とも声をそろへて、空砲のやうな調子で、
『ホホホホホ、ホホホホホ』
と笑ひ出した。それから一生懸命四人を背中に乗せ、廊下をドスドスドスと威喝させ広場に駆け出した。初稚姫も同じく怪獣に跨り、
『オーイ オーイ』
と呼ばはりながら追つかけ来る。怪獣は益々狂ひ出し、初めは一二間の所を上下してゐたが、終ひには人間が燕のやうに見える所まで上り、空の上で前後左右に荒れ狂ふ。四人は背中にくらひつき、
『エエ怪物奴、落すなら落して見よ。貴様に噛ぶりついて離れはせぬぞ。オイ、徳、初、ケース、確り掴まへて居よ。落ちるのなら此奴と一緒だ。あれ見よ、初稚姫様も空中に跳ね上つて居られるではないか。天馬空を行くと云ふ事があるが、これは馬でなくて牛だ、これ畜生、もうよい加減に往生致さぬか』
『こりや、唐変木、俺は天の魔だ。椅子になつて化けて居れば、腰を掛けやがつて、もう了簡せぬのだ。マダマダマダ空に上つて、そこで貴様を揺り落してやるのだ。楽しんで居れ。ウホホホホ、ウフフフフ』
と五匹の牛は一斉に笑ふ。初稚姫は怪獣の尻を鞭をもつて打ち叩き、空中を滑走するやうに浮木の森をさして下り行く。四人は益々高く、雲を押し分けて怪獣に跨り上り行く。
ケース『オイ、ガリヤ、初公、徳公、もうやけだ、飛び下りようぢやないか。何処まで行くか分りやしないぞ。サア一イ二ウ三ツだ』
 三人は、
『ようし、一イ二ウ三ツ』
 ぽいと飛んだ……と思へば元の所にテーブルの脚をつかまいて、汗をズクズクにかいて気張つて居た。
『ホホホ皆さま、机の脚を握つて何をしていらつしやいますの』
 四人は初めて気がつき、ポカンとして恨めし気にテーブルを眺めて居る。さうして椅子は依然として四脚あいてゐる。初稚姫は以前の儘椅子に腰打ちかけニタニタ笑つてゐる。
ガリヤ『イヤどうも怖ろしい夢を見たものだ、殆ど天上する所だつた。やつぱり此処は化物屋敷だな』
ケース『如何にも合点の往かぬ魔窟だ。初稚姫様、貴女は如何で厶いましたか、私達は天上まで上げられ、地上に顛落したと思へば、幻覚を感じて居ました』
初『イヤもう話にならぬわい、徳、貴様は随分怖さうな顔をして居つたな』
徳『生れてからこれだけ肝を潰した事はないわ。ヤツパリ狸の奴、魅みやがつたと見えるな。こりやうつかりしては居られないぞ。もし初稚姫さま、こんな怖ろしい所によう貴女は居ますな』
『ホホホ、義理天上さまが見えて居ますから、魔法を使ひ遊ばして貴方等を天上にお上げ遊ばしたのでせうよ。時々怪物が出ますので、妾も些とも安心がなりませぬの』
徳『さうですな、実に奇怪千万な事です』
 斯く話して居ると、円いテーブルがヌツと狸のやうな顔を出し、みるみる中に荒い毛を生やし、長い足をノタノタとドアの外へ這うて行く。
初『ヤア益々もつて奇怪千万、はて、訝かしやなア』
と芝居がかりになる。初稚姫は、みるみる中に厭らしき鬼女と変じ、耳まで裂けた口を無雑作に開き、牛のやうな舌を出し四人に向つて噛みつきに来る。四人は肝を潰し、一生懸命に駆け出すと、向ふより初花姫が七人の美女を連れてやつて来る。何でも彼処まで行かねばならぬと焦慮れど藻掻けど追付かず、四人は同じ処に足をバタバタとやつて居る。初稚姫の妖怪は後より熱い火のやうな息を吹きかくる。
『アアアアツアツアツ』
と云ひながら、一足にても逃れむと藻掻いて居る。初花姫他七人の美女は又もや怪しき化物と変じ噛みつきに来る。四人は声を限りに呼べど叫べど、少しも声は人の耳に達しなかつた。
 忽ち家は前後左右に廻転し、上になつたり下になつたり、自分の身体が転回したり、苦しくて息もつげなかつた。見れば傍に蒼味だつた泉水がある。四人は一イ二ウ三ツで曲玉型の泉水に身を躍らせて飛び込んだ。石をなげ込んだ如く、四人の身体はズボ ズボ ズボと幾百間ともなき深き底に陥り、漸くにして岩窟についた。此処へ来ると蒼味立つた水はもはやなくなつてゐた。四人は一生懸命に悲鳴を上げて、
『オーイ助けて呉れい助けて呉れい』
と喚き立てて居る。どこともなしに桃の花の二片三片、四人の顔に落ちかかるのであつた。
 よくよく見れば、四人は浮木の森の火の見櫓の傍にある曲玉型の泉水の傍に咲満ちて居る桃の木の根下に、阿呆のやうな顔をして眠つて居たのである。東の空は漸く茜さし、古狸が茶色の尾を垂らして唯一匹、頭に桃の花片を附着させながら、ノソリ ノソリと這うてゐる。四人一度に、
『アア畜生、誑しやがつたな』
 浮木の森の烏が、阿呆々々と四人を見下して鳴いて居る声が、呆け顔を嘲つて居るやうに聞えて来た。
ガリヤ『アア惟神霊幸倍坐世、油断と慢心の罪、何卒許させたまへ』
 ケース、初、徳、
『アアしようもない、第五十一巻の瑞月霊界物語、狸に誑された奇妙奇天烈な八畳敷の大風呂敷に読者を包んだ夢物語は、安閑坊喜楽の嘘八百万の大神の神示』
(大正一二・一・二七 旧一一・一二・一一 加藤明子録)
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