ヒルナ姫はビクトリヤ王の居間に進み入った。王は一心不乱にコーランをひもといている。ヒルナ姫は、城内の内紛を収めるために、左守家と右守家の婚姻を持ち出した。
王は、不仲な両家が婚姻を承諾するかを心配するが、姫は、すでに左守の息子と右守の妹は相愛の仲であり、両家ともこの婚姻に前向きであることを王に伝えた。
ヒルナ姫の提案と報告を聞いてビクトリヤ王は賛同し、王自ら左守を呼び出してこの件を進めることを約束した。
そこへ折よく左守が伺候し、ビクトリヤ王から直接婚姻の件を承り、承諾した。婚姻の準備についてはヒルナ姫が仲人の手配をすることとなり、左守は王と王妃に厚く礼を述べて我が家へ帰って行った。
ビクトリヤ王とヒルナ姫は、神前に向かって感謝の祝詞を奏上した。