小国姫は如意宝珠の玉を持ってオールスチン、ワックス、三千彦と共に玉発見の報告に小国別の病床を訪れた。三千彦は病人に、娘たちがもうすぐ帰還することを予言した。
オールスチンと看護人に病床を任せ、小国姫、三千彦、ワックスは居間に戻ってきた。三千彦はワックスに改心を促し、小国姫も反省を迫ったが、ワックスはかえって、自分は玉の紛失にはかかわっておらず、発見者である自分こそデビス姫と結婚する権利があると強弁を始めた。
三千彦は怒って、ワックスがそういう心づもりであれば赦すことはできないと言い渡した。ワックスは自棄になって一目散に逃げ出した。小国姫は僕のエルに追跡を命じた。しかしエルは牛の尻にぶつかって人事不省になってしまった。
慌て者のエルは、小国別はすでに亡くなり、跡継ぎは家令の息子ワックスに決まったと根拠のないことを語りだした。城下の人々はこれを伝え聞いて、小国別お訃報に悲しみ、また跡継ぎの婚礼を祝い、辻辻に幟を立ててはやしまわった。
町はずれの方から宣伝歌の声が涼しく聞こえてきた。これは求道居士がデビス姫、ケリナ姫を連れて帰ってきたのであった。