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文献名1霊界物語 第56巻 真善美愛 未の巻
文献名2余白歌よみ(新仮名遣い)
文献名3余白歌よみ(新仮名遣い)よはくか
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-11-01 08:56:55
あらすじ
主な人物 舞台 口述日 口述場所 筆録者 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年5月3日 愛善世界社版 八幡書店版 修補版 校定版 普及版 初版 ページ備考
OBC rm568801
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本文の文字数2196
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本文   霊国の面影
天恩郷
万寿苑の松樹
絶頂に立てる銀杏の大木
風にゆすられて
自然の音楽を奏し
舞踏を演ず
タワタワと
鳥の七八羽
風の波路を
悠然として
漕ぎ渡り
春の初めの空を
あやなしてゐる〈序文(初)〉

一茎の芦にも涙滲み出る
    自然に憧憬する吾心〈総説(初)〉
大地をば再び踏まじと定めてし
    いたづきの身も神に蘇生す〈総説(初)〉
一茎の草にも神の宝体を
    観るぞ嬉しき大本の教〈総説(初)〉
一石の水に天使の音楽と
    舞踊を観たり神に在る吾〈総説(初)〉
病める時悲める時吾魂は
    根底の鬼声に慄ひをののく〈総説(初)〉
土のごと氷の如く冷やかな
    無宗教者のあはれ霊魂〈総説(初)〉
純一に生ける神さへ種々の
    相を顕はし玉ふ世の中〈総説(初)〉
月星も皆打ち消され暁の
    空に憤怒の太陽輝く〈総説(初)〉
太陽は憤るが如く憂愁に
    沈める身をば睨ませたまふ〈第1章(初)〉
憂愁に沈み果てたる吾魂を
    月の影のみひとり光らせる〈第1章(初)〉
闇黒な嚢のやうな天地と
    思ひ悩みぬ神忘れたる夕〈第1章(初)〉
闇黒の夜の戸張に包まれて
    鬼のささやき聞くぞ淋しき〈第3章(初)〉
鈴の音は虚空を歩み笙の音は
    地上を流れ極てなき国へ移り行く〈第3章(初)〉
行く水は光明を流し真白なる
    水泡と共にいづれへか行く〈第3章(初)〉
耳に聞きし神の御声を面のあたり
    目に見し今日の夕べ嬉しき〈第4章(初)〉
時分をば見出だしたる恐ろしき
    姿に胸の懺悔火盛かる〈第4章(初)〉
愚かさと弱きにをののくその外に
    吾を教ふる導師なきかな〈第4章(初)〉
人中で説法せよと攻めらるる
    その惨憺さ消へも入りたき〈第5章(初)〉
円相の光りに憧憬れ来るといふ
    人こそ吾が身の導師なりけり〈第5章(初)〉
吾が魂のあら浪風も和ぎ初めて
    妻子と共に神祭りしぬ〈第5章(初)〉
寂しさに悩みし吾も法悦の
    雨にうるほひて祖霊を拝む〈第5章(初)〉
産土の神に詣でて故郷の
    母にし会へば子供心地す〈第5章(初)〉
恋しがる汝に送りし文のまた
    帰り来ずとも恨みも得せず〈第5章(初)〉
君まさぬ淋しき夜半に只一人
    雌猫の背を撫でて眠りぬ〈第5章(初)〉
窓近く来鳴く鶯心あらば
    吾が恋ふ人に告げよくはしく〈第5章(初)〉
陽炎のもえ立つ野辺に一本の
    桜の老木春をうたへる〈第6章(初)〉
日々に二円の金を恵み玉ふ
    野原の夕陽棟にかがやく〈第8章(初)〉
終日の汗を搾りし代を以て
    買ひ求めたる米のうまさよ〈第8章(初)〉
汗しぼり働きて喰ふ麦の飯に
    妻子とともに舌鼓打つ〈第12章(初)〉

若き日を偲びて
米かひて父が帰るを待ちわびつ
    涙ながらに眠るいとし児〈第13章(初)〉
三銭の稲荷鮓をば嬉しげに
    寝床にて喰ふ吾が児いぢらし〈第13章(初)〉
森厳と神秘に富める三五教も
    詩的仏教も真髄等しき〈第14章(初)〉
全心を頭陀袋とし人々の
    言の葉貰ひ歩行くは文士〈第14章(初)〉
世の人の言葉を胸に貯へて
    まさかの時に使へ宣伝使〈第14章(初)〉
熱の無き鋭き焔の刃もて
    切り開きゆく大和魂〈第16章(初)〉
これは霜雪にやあるとよく見れば
    あしたの芝生剣かざせり〈第16章(初)〉
鼻垂男もの言ふ花に鼻毛抜かれ〈第17章(初)〉
百花壇造る男の鼻赤し〈第17章(初)〉
献労の腕はシコタマ飯を食ひ
亀城趾や万代不動の石たたみ
小説は謀叛人かと下女は由井
日にやけて光照殿の基礎工事
亀城趾に亀の甲型の石を積み
宣伝使採用されたと宣伝し
名物のツツジは汽車で久留米籠
天恩の郷にサツキも花咲かせ(サツキは光秀の母)〈第18章(初)〉
外山氏を弔ふ詩
      瑞月
アヽ君は君は
四月の三日
弥生の花の香も
見ずして見えぬ
神国に昇りましぬ
吾は常に君の
深き広き神愛を知る
君は情熱の人にてありき
海軍に奉仕して
少佐となり
君が敏腕を振ひし
海の昔は音も鳴く
水泡と消えし
現実界の果敢なさよ
アヽ去れど去れど去れど
君は大神の愛を悟りて
大本の基礎的神業なる
霊界物語筆者の
随一者として
重きを成したり
且つ又君は誠実に
大本歴史の編纂に
全力を傾注したり
其の偉功は
天地と共に
永遠に光輝を放つべし
君の生涯は
余りに多幸ならずと雖も
その内的生活は
現代の幸運者に比して
最も多幸なりき
その心底に
神国を築き
神の御楯となりて
奉仕の誠を完ふせり
偶々副守神のために
誤られて
稍脱線的
行動に出でし事ありしも
そは外部的情態にして
君が上天の妨げたらず
浄罪界の関門を潜りて
一日も早く
天界に復活されん事を
吾は信じて疑はない
君が霊肉脱離の
その瞬間に於て
朋友知己妻子等に
一点の執着なく
二三の同友に向つて
気息淹々たる裡より
吾は今
天国に往生せん
左様ならと
只一言を残して
神の御国に入りましぬ
アヽ何たる
荘厳さぞ
何たる快男児ぞ
君が平素
信仰に生き玉ひし
その光明と
武人としての面目とは
最後の一言に依りて
大宇宙に躍如たり
吾は斯かる壮烈なる
大丈夫を失ひて
哀悼に堪えず
終夜君が生時を偲びて泣けり
アヽ然れど君は
大神の天使に
導かれて霊国に
勇ましく昇り玉ひ
霊界に在りて
吾が大本の聖団を
益々円満ならしむべく
守り玉ふ
御用に仕へ玉ふことを信ず
アヽ健在なれよ君の精霊よ。
〈初版・再版 巻末の「附録」(八幡版余白歌には収録されていない)〉
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