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文献名1霊界物語 第57巻 真善美愛 申の巻
文献名2第3篇 天上天下よみ(新仮名遣い)てんじょうてんか
文献名3第18章 翼琴〔1468〕よみ(新仮名遣い)よくきん
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ
小国別は二人の姉妹が無事に戻ってきたことで力づき、時々刻々に元気を増して、もはや心配のいらない容態となってきた。また求道居士とヘルの負傷も比較的浅かったため、ケリナ姫の看護によって日に日に快方に向かった。

デビス姫は三千彦とともに離れの間に入って大神を念じ、館の無事を祈願した。その後むつまじくよもやまの話にふけった。デビス姫は翼琴を取り出し、心のたけを託して歌いはじめた。

その歌にははっきりと三千彦への恋心が歌いこまれていた。デビス姫の差し出す盃を飲み干した三千彦は、決心のほぞを固めて返し歌を歌った。そこには、デビス姫の親切は感謝に堪えないが、神の使命を帯びて神業に仕える途中なればせっかくながらお断りする、という意味が述べられていた。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年03月26日(旧02月10日) 口述場所皆生温泉 浜屋 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年5月24日 愛善世界社版230頁 八幡書店版第10輯 343頁 修補版 校定版238頁 普及版109頁 初版 ページ備考
OBC rm5718
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本文  小国別の重病は、二人の姉妹の無事に帰り来りしに力づきしものと見え、時々刻々に元気を増し、最早憂慮を要せざる容態となつて来た。小国姫初め家族一同の喜びは譬ふるに物なき程であつた。又求道居士、ヘルの負傷も比較的浅かりしため、ケリナ姫の注意周到なる看護によつて日に日に快方に向ひ、ケリナ姫に手を引かれ、裏の庭園を散歩し得る迄に到つた。
 扨てデビス姫は三千彦と共に離れの間に入つて、大神を念じ、館の無事を祈願し終り、睦じく四方八方の話に耽つた。デビスは久し振りにクラヴィコード(翼琴)を取り出し、三千彦の労を犒はむため、微妙なる声音を張り上げて指先巧にコードを弾じながら、心の丈を糸に托して述べ初めた。
デビス姫『久方の天津御国の皇神の  清き尊き麗しき
 外に例もあら尊  珍の御教を四方の国
 開かせ給ひて天地の  中に生とし生ける者
 蒼生は云ふも更  鳥獣や虫けらや
 草の片葉に至る迄  恵の露を与へむと
 国治立の大御神  豊国姫の大御神
 埴安彦や埴安姫の  珍の御言を畏みて
 神の都のエルサレム  黄金山下に現まして
 教を開き四方の国  島の八十島八十国を
 黄金世界に作り上げ  天国浄土を地の上に
 移さむものと瑞御霊  神素盞嗚の大神は
 厳の雄健び踏み健び  厳の嘖譲を起しつつ
 此世を乱す曲津神  八岐大蛇や醜狐
 曲鬼共を言向けて  仁慈無限の御心を
 普く天下に照らさむと  雪の晨や霜の宵
 嵐に髪を梳づり  雨に御身をば曝しつつ
 彼方此方と漂浪の  長き旅路を続けまし
 黄金山を初めとし  斎苑の館やコーカス山
 霊鷲山や万寿山  自転倒島の中心地
 四尾の峰に下りまし  種々雑多と御心を
 配らせ給ひ世の中の  遍く罪を清めむと
 千座の置戸を負ひ給ひ  心正しくいと清く
 優しき数多の神司  四方に使はし給ひつつ
 世人を救ふ宣伝使  中にも別けて三千彦の
 神の司の雄々しさよ  バラモン教の敵城に
 怯めず恐れず唯一人  神の教を力とし
 光輝き下りまし  妾等親子の悩みをば
 救はせ給ひし有難さ  仮令天地はかへるとも
 月落ち星は失するとも  大海原は涸るるとも
 此御恵はいつの世か  忘れまつらむ惟神
 神の御為め道の為め  賤しき吾身を奉り
 三千彦司と諸共に  八岐大蛇に魂を
 抜かれ給ひしバラモンの  教の柱大黒主の
 司の君に赤心を  捧げて救ひ奉り
 バラモン教や三五の  教の道の隔てをば
 隈なく取りて相共に  此世を造り給ひたる
 祖神様の御教に  力を合せ村肝の
 心を一つに結びつつ  曇りきつたる現世を
 ブラバーサの世界とし  天地の神の御前に
 功を立てて山海の  恵に酬い奉るべし
 神の教の霊幸はふ  道の司の三千彦さまよ
 妾が小さき胸の中  燃ゆる炎を瑞霊
 注がせ給ひて片時も  早く休ませ給へかし
 如何に世界は広くとも  吾背の君と打ち仰ぎ
 仕へまつらむ武士は  汝が身をおきて外になし
 さはさりながら三千彦司  汝は彦知にましませば
 打ち見る島の先々や  かき見る磯の隈々おちず
 若草の妻持たせらめ  吾こそは女にしあれば
 汝をおきては男子なし  汝の外には夫はなし
 綾垣の浮はやが下に蒸衾  さやぐが下に淡雪の
 若やる胸を素抱きて  白き腕取り交し
 たたきまながり真玉手玉手  いやさしまきてもも長に
 寝をしなせませ豊神酒きこしめせ  なつかしの君よ恋しき男子よ
 青山に日が隠くらば  烏羽玉の夜は出でなむ
 旭の笑み栄えまして  妾が厚き願ひをば
 完全に委曲にきこし召せ  神に誓ひて願ぎ奉る
 金勝要の大御神  イドムの神のおとりなし
 偏に幸を願ぎ奉る  アア惟神々々
 御霊幸倍ましませよ』
と歌ひ終り、クラヴィコードを傍に直し、顔を赤らめ乍ら、いと恥づかしげに三千彦に向つて玉の盃をさし出した。三千彦は聊か有難迷惑の体にて、胸を轟かせながら黙つて姫のさし出す盃を取り醍醐味を浪々と注がれて押し頂き、感謝と共にグツと飲み乾し、決心の臍を固めて声も涼しく返歌を歌ふ。
三千彦『仰げば高し久方の  天津空より下りまし
 天の下なる諸々を  救ひ守らす産土の
 神の館に永久に  鎮まり居ます瑞霊
 神素盞嗚の大神の  教の館を統べたまふ
 八島の主の御言もて  玉国別の師の君と
 真純の彦や伊太彦を  伴ひ目出度神館
 伏し拝みつつ旅枕  軽き身装の扮装に
 河鹿峠の急坂を  登りつ下りつ種々の
 難みに遇ひて漸くに  虎狼の吠猛る
 荒野を渉り四人連れ  ハルナの都に進まむと
 来る折しもバラモンの  醜の司に襲はれて
 師弟四人は散々に  行方も知れず分れけり
 吾師の君は今何処  教の友は如何にせしと
 心にかかる夏の空  山野は笑ひ新緑の
 芽を吹きいとど嬉しげに  風に梢を翻し
 舞踏を演じ勇ましく  笑ひ栄ゆれど三千彦の
 心の空は五月暗  青葉に姿隠しつつ
 鳴く時鳥も只ならず  八千八度の声涸れて
 尋ぬるよしも泣逆吃  淋しき旅を続けつつ
 青野ケ原をトボトボと  烈しき風に煽られて
 神の化身のスマートに  危ふき命を救けられ
 アンブラック川を打ち渡り  テルモン山の聖場に
 向つて進む折りもあれ  小国姫の御姿
 道の傍に廻り会ひ  請はるるままに神館
 深く忍びて三五の  教の道を宣べ伝へ
 これの館を包みたる  八重黒雲を科戸辺の
 神の御息に吹き払ひ  月日も空にテルモンの
 目出度き館となりにける  時しもあれや曲津神
 伊猛り狂ひて凄じく  此の館に仇をなし
 狂ひ廻るぞうたてけれ  身の不覚より三千彦は
 曲神共に捉へられ  情け容赦も荒縄に
 縛りつけられ免れむ  道も手段も荒川に
 投げ捨てられて玉の緒の  露の命を失ひつ
 神霊界の八衢に  彷徨ひ進む折もあれ
 神の恵の弥深く  猛犬スマート遣はして
 吾の霊魂を現世に  迎へ還させ給ひけり
 嗚呼惟神々々  神の恵の尊さよ
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 星は空より落つるとも  大海原は涸るるとも
 道に捧げし三千彦の  露の命を惜まむや
 館の難みを見るにつけ  見捨て兼ねてぞ三千彦が
 心の駒の進むまに  命を的にテルモンの
 深山の奥の岩窟に  人目を忍び尋ねより
 心も姿も麗しき  二人の姫を救ひ出し
 ようよう此処に帰りける  心にかかりし父君の
 病もおひおひ癒え給ひ  求道居士やヘル司
 二人の身魂も安らかに  元に復りて勇ましく
 ケリナの姫に導かれ  花咲き匂ふ神苑を
 心楽しげに逍遥し  恵の露を嬉しみて
 楽しむ身とはなりにけり  アア惟神々々
 神の恵の尊さよ  さはさりながらデビス姫
 汝が命の御心は  吾赤心に通へども
 吾は尊き大神の  一大使命を帯ぶる身よ
 其神業の半途にて  思ひも寄らぬ妻定め
 如何でか神の許さむや  此事許りは諦めて
 吾の負ひたる使命をば  果させ給へ惟神
 神に誓ひて汝が前に  誠を明し宣り奉る
 アア惟神々々  御霊幸倍ましませよ』
と歌ひ終り、デビス姫の御親切なる御志は、実に感謝に堪へないが、神の使命を帯び、吾師の君と共に神業に仕ふる中途なれば折角のお志なれどお断わり致すとの意味を、いと細やかに述べ終つたのである。アア此両人の恋愛関係は如何にして落着するであらうか。
(大正一二・三・二六 旧二・一〇 於皆生温泉浜屋 加藤明子録)
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