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文献名1霊界物語 第58巻 真善美愛 酉の巻
文献名2第3篇 千波万波よみ(新仮名遣い)せんぱばんぱ
文献名3第11章 欵乃〔1486〕よみ(新仮名遣い)ふなうた
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ
ようやく東の波間から明りが差してきた。玉国別は舷頭に立ち、東の空に向かって拍手し天津祝詞を奏上し、航路の無事を祈願した。三千彦そのほか一同は、玉国別にならって東方を拝した。

一行はそれぞれ滑稽を織り交ぜながら述懐の歌を披露した。デビス姫は舷頭に立ち、小声に神の威徳を讃える宣伝歌を歌い始めた。

船頭のイールは櫓を操りながら航海の無事を祈る舟歌を歌いながら進んで行く。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年03月29日(旧02月13日) 口述場所皆生温泉 浜屋 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年6月15日 愛善世界社版136頁 八幡書店版第10輯 419頁 修補版 校定版146頁 普及版53頁 初版 ページ備考
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本文  漸くにして月は西の波間に沈み、星は次第々々に隠れ、東の波間よりはカツと明りがさして来た。雲か波か、天か海か、区別のつかぬ遥かの空は次第々々に茜さし、湖上を渡る百鳥の声は数千人の楽隊の一時に楽を奏する如く頭上一面に聞えて来た。白、青、黒、緑、黄色、赤等の色々の羽を翻して前後左右に飛び交ふ水鳥の影は実に壮観であつた。
 玉国別は舷頭に立ち現はれ、東の空に向つて拍手し天津祝詞を奏上し、航路の無事を祈願した。続いて三千彦其外一同は玉国別に傚つて東方を拝した。輪廓のハツキリした巨大な太陽は湖水の中から覗き初めた。夏の朝の海上は又一入爽快なものである。

玉国別『雲か波か天と地とを結びたる
  帳を分けて浮かぶ日の神。

 今日も亦これの海路の幸くあれと
  心も清く祈りけるかな。

 百鳥は波の上をば辷りつつ
  吾乗る船を守るべらなり』

三千彦『テルモンの峰の頂上ほのぼのと
  波に浮びて明くなり行く』

真純彦『何一つ眼に入らぬ湖原も
  テルモンの山の姿のみ見ゆ。

 テルモンの山打仰ぎ思ふかな
  ケリナの姫は如何に在すかと』

伊太彦『又しても姫の事のみ気にかかる
  教司の心怪しき』

真純彦『いたいけな女を思ふ誠心は
  男子の中の男子なるぞや』

伊太彦『何事も女ならでは夜が明けぬ
  世の諺を真に受けし君。

 女のみ此世にゴラゴラ居るならば
  如何で栄えむ天地の間』

三千彦『益良夫が思ひつめたる真心は
  通はざらめや女心に』

伊太彦『よくもまア惚けたものだ三千彦の
  目鼻の位置も何時か変りぬ』

デビス姫『益良夫の中に交りて只一人
  胸を痛めつ御後に従ふ。

 男子のみ如何に力が在すとても
  女の目には敵し難けむ。

 只一目瞳を清く射照らせば
  春の氷の一たまりなし』

真純彦『猛烈な二人の恋にせめられて
  吾は言葉もつまりけるかな。

 呆れ果て物さへ云へぬ船の上
  潮三千彦の思ひやらるる』

ヤッコス『皆様は暢気な事を言ひ交はし
  笑はせ玉ふ身こそ羨めし。

 朝夕に心の鬼に怖ぢ乍ら
  悪を行ふ身こそ悲しき。

 一日も心安けく送りたる
  時ぞ無かりし賊の身の上。

 さり乍ら神の教を聞きしより
  心安けくなりにけるかな』

ハール『吾も亦心の鬼は何処へやら
  逃げ失せたりし心地こそすれ。

 悪き事なす程馬鹿が世にあろか
  寝ても覚めても心おぢおぢ。

 今となり誠の道の味はひを
  覚りけるかな神の恵に』

サボール『世の人に懶怠漢よサボールと
  譏られ月日を送りたる曲。

 曲神も心の空に月照りて
  吾身も広く安くなりける』

メート『恐ろしきメートの旅をなすのかと
  思ふ間もなく救はれにける。

 冥土行き神に救はれ之からは
  誠の道にメートル上げむ』

ダル『手も足も痩衰へてダルの吾
  蟹や貝にて露命つなぎつ。

 久振りうましきパンを与へられ
  蘇生りけり餓鬼の吾々』

玉国別『天地の神の恵みは海の原
  広けき波の底ひ知られず。

 いざさらば心の駒を立直し
  進みて行かむ神の御国へ』

 デビス姫は舷頭に立ち湖面の風景を眺め小声になつて歌ひ初めた。
デビス姫『久方の天津御空を
 打仰ぎ大海原を
 打眺めよくよく見れば
 天地の神の功業は
 目のあたり現はれましぬ
 あな尊あな畏しや
 あなさやけ天津日影は
 海原を照らして昇り
 御光を天地四方に
 配らせつ百の人草
 草や木の片葉の露に
 至る迄宿らせ玉ふ
 大稜威四海の波は
 穏かに治まりまして
 常磐木の松の緑は
 すくすくと生立ち茂り
 春来れば百花千花
 咲き匂ひ神の御国は
 眼のあたり開け進みて
 勇ましや波漕ぐ船の
 すくすくと彼方の岸に
 渡らひの神の使の
 宣伝使真幸くあれと
 宣り奉る朝日は照るとも
 曇るとも月は盈つとも
 虧くるとも星は空より
 落つるとも誠一つの
 三五の教の道は
 世を救ふテルモン山の
 神館小国別の
 父の前母の御側を
 相離れ千里の海を
 乗り越えて万里の旅に
 出でて行く吾は女の
 身なれども男子の中の
 男子なる玉国別の
 神司心の空も
 真純彦喜び胸に
 三千彦の吾背の君に
 従ひて曲の征途に
 上り行く吾身の上ぞ
 楽しけれ此世を造り
 玉ひたる国治立の
 大御神豊国主の
 神柱神素盞嗚の
 瑞御霊斎苑の館や
 コーカスの珍の聖地に
 現れまして天ケ下なる
 諸々を救ひ助けて
 神の世の無限の歓喜を
 与へむと聖き心を
 配りまし百の司を
 任け玉ひ魔神の猛ぶ
 葦原の島の八十島
 八十の国弥永久に
 治めむと仁慈の心を
 現はして励み玉ふぞ
 畏けれ励み給ふぞ
 畏けれ
 ああ惟神々々
 御霊幸はひましませよ
 ああ惟神々々
 御霊の恩頼を願ぎまつる』
 船頭のイールは櫓を操り乍ら声も涼しく歌ひ初めた。
イール『北見の浜を立出でて  南をさして進み行く
 吹き来る風はそよそよと  汗ににじんだ顔洗ふ
 極楽浄土か天国か  波は平に安らかに
 船底静に鼓拍つ  波から出でて波に入る
 月日の影も清らかに  夜と昼との隔てなく
 光りを投げる湖の面  雲の空行く此船は
 天の川原を打渡る  目無堅間の神の船
 鳥は中空に嬉しげに  チンチンチユンチユン啼き亘る
 波はドンドン鼓拍つ  天の川原に船泛べ
 棚織姫が漕ぎ渡る  ここは竜宮の波の上
 乙姫さまも嘸や嘸  空を仰いで行く船を
 笑を湛へて見て厶らう  千尋の海を渡り行く
 天津御空か中空か  月日も星も下に照る
 月は波間に輝き玉ひ  海の底には星の影
 天の川原が横はる  空漕ぎ渡る玉の船
 如何に荒波猛るとも  神の守りの此船は
 厳の御霊の救ひ舟  瑞の御霊の守り舟
 千里の波を打渡り  心やすやすキヨ港
 水は紫野は青く  花咲き匂ふ国へ行く』
 声もなだらかに海に慣れたる調子で歌ひ乍ら櫓を操り進み行く。
(大正一二・三・二九 旧二・一三 於皆生温泉浜屋 北村隆光録)
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