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文献名1霊界物語 第69巻 山河草木 申の巻
文献名2第2篇 愛国の至情よみ(新仮名遣い)あいこくのしじょう
文献名3第12章 悪原眠衆〔1757〕よみ(新仮名遣い)あしはらみんしゅう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグオリオン座(オレオン星座) データ凡例 データ最終更新日2018-05-02 13:59:39
あらすじ
松若彦の長男・松依別は、父親に恋人との仲を無理やり裂かれてやけになり、毎日遊郭通い。娘の常盤姫は出歩いてほとんど家に戻らない。

松若彦は子供たちの行状に、妻の捨子姫に小言を言っている。

そこへ家僕の新公が慌しく入って来て、プロ階級演説会で取締と群集が衝突した事件を報告する。:闘争は不思議な天女が現れて鎮静したが、その天女の顔が常盤姫そっくりであった。また、白馬も家のものに間違いない、と。

松若彦はそれを聞いて、娘がプロ運動に参加したことに怒り、帰って来ても家に一歩も入れないように新公に言いつける。

やがて、常盤姫が帰って来る。新公は、松若彦の言葉を伝えるが、常盤姫はそれを聞いて逆に喜び、「もう二度と家には戻らない」と言って出て行ってしまう。

常盤姫は、途中で兄の松依別とすれ違う。松依別は遊郭帰りで酔っていたが、兄妹は別れを交わす。

松依別は遊郭帰りの体で屋敷に入り、酔った勢いで父親の松若彦に悪態をつく。

松若彦はそれを見て肝をつぶし、倒れて腰を打って唸ってしまう。
主な人物 舞台松若彦の館 口述日1924(大正13)年01月23日(旧12月18日) 口述場所伊予 山口氏邸 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1927(昭和2)年10月26日 愛善世界社版168頁 八幡書店版第12輯 335頁 修補版 校定版176頁 普及版66頁 初版 ページ備考
OBC rm6912
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本文  松若彦は吾館の奥の間に捨子姫と共に、七むつかしい面をさらしてブツブツ小言を云ひ乍ら、愚痴つて居る。
『コレ捨子姫、お前の教育があまり放縦だから、悴の松依別は日日毎日変装して、悪原遊廓へ通ふなり、妹の常盤姫はお転婆になり、姫様の御用だとか云つて、家を外なる此頃の行状、之では清家の権威も保たれまい。チとしつかりして呉れぬと困るぢやないか。俺は政務が忙しいので子供の教育などにはかかつて居られない。子供の悪化するのは皆母親の教育が悪いからだ』
捨子『仰迄もなく、妾は充分の教育を施して居りますが、別に清家の悴、娘として恥しい様な育て方はして無いと考へて居ります』
 松若彦は声を尖らし、
『悪原遊廓へ夜な夜な通ふ様な育て方をしておいて、それでも其方は良いと申すのか。非常識にも程があるぞよ』
捨子『悴も年頃の身分、最早妻帯をさせねばならぬ年頃で厶いますのに、貴方が何時も家庭が何うだの、資格が何うだのと、古めかしい事を仰有りますので、悴も失恋の結果自棄気味になつてるので厶います。悴の愛してる女は、貴方も御存じの饂飩屋の娘お福と云ふ者、其福の神を貴方は地位が釣合はぬとか云つて、家来を廻し圧迫的に縁をお切りになつたぢやありませぬか。それ故悴は失恋の結果、如何なる事を仕出かすかと、心配で夜の目も寝られ無かつたので厶います。世間にある慣ひ、失恋の結果淵川へ身を投げて無理心中をしたり、鉄道往生、或は鉄砲腹、首吊りなど失恋者の最後は色々厶います。それ故悴は如何するであらうかと心配致し三五の大神様に祈願をして居ました所、悴も神直日大直日に見直し聞直しが出来たと見えて、いきりぬきに悪原遊廓に通ふ様になつたのでせう。失恋者の行くべき結果としては最善の方法を選んだものだと感心を致して居ります』
松若『コレ捨子、イヤ婆ア殿、お前そんなこと正気で云つてるのか。家名を毀損する悴、手討に致しても飽き足らぬ奴、それに其方は賛成と見えるな、怪しからぬぢやないか。吾家は正鹿山津見様の御時代より珍一国の代理権を任され、権門勢家として今日迄伝はつて来た立派な家筋だ。其家筋に汚点を印する者ならば、何程大切な悴でも許すことは出来ないではないか』
捨子『それは数十年前の道徳律で厶いませう。道徳も政治も宗教も人情風俗も日進月歩の世の中、さういふカビの生えた思想は、今日では通用致しますまい。貴方は一国の宰相であり乍ら、さういふ古い頭で、良く衆生が納得する事だと、何時も不思議がつて居るので厶いますワ。幸に悴なり娘が時代相応の魂に生れてくれたので、まだしもそれを老後の楽みと致しまして、不平でならぬ月日を送つて居ります』
と何と思つたか、捨子姫も今日は捨鉢気味となつて、怯めず臆せずやつて退けた。松若彦は数十年添うて来た柔順な女房が、こんな思ひ切つた事を云はうとは夢にも知らず、始めての事なので、若や狂気したのではあるまいかと案じ出し、先づ何よりも逆らはぬが第一だ、先づ少し許り熱の冷める迄、彼の云ふ様にしてやらうかと心を定め、猫撫で声を出して、背を撫で乍ら、
松若『コレ捨子姫殿、お前の云ふ通りだ。テモ扨も明敏な頭脳だな。お前はチト激して居る様だから、今日はモウ何も云はない。ゆつくりと奥へ行つて静かに休んだが良からう』
 捨子姫は松若彦の心を早くも読んで了つた。自分を逆上して居ると信じて居るのを幸ひ、日頃鬱積して居る自分の意見を全部此所で喋り立てて松若彦の決心を促さむと覚悟をきはめ、ワザと空とぼけて、
『ホヽヽヽ、あのマア御前様のむつかしいお顔わいの。妾は之から淵川へ身を投げて永のお別れを致しますから、どうぞ暇を下さいませ。暇をやらぬと仰有つても、妾が覚悟を定めた以上は舌を噛んでも死んで見せませう。マア死にたいワ、ホヽヽヽ。霊肉脱離の境を越え、一刻も早く天国に上り、清く楽しく第二の生活に入り度う厶います。アレアレ、エンゼル様が、黄金の扇を披いて妾に来れ来れと招いて居らつしやる。あゝ早く行き度いものだなア』
 松若彦は益々驚いて、……あゝ此奴ア丸気違ひだ。仕方が無い、先づ機嫌を損じ無い様にせなくちやなるまい……と、
『アイヤ捨子姫殿、其方の云ふ通り、此松若彦はどんな事でも聞いて上げるから、天国なんか行かぬやうにして呉れ。年が老つてから女房に先立たれちや、淋しいからなア』
捨子『妾の云ふ事を、ハイハイと云つて、一言も反かず聞いて下さいますか』
松若『ウン、何でも聞いてやらう。遠慮なしに云つて見たが良からう』
捨子『そんなら申上げます。先づ第一に大老職を返上し、どうぞ妾と一緒に民間に下つて、衆生の怨府を遁れて下さいませ。そして衆生に政権をお渡し下さいますれば、衆生はキツト国司家を中心として立派な政治が行はれるで厶いませう』
 松若彦は迷惑の体で面を顰めたが、エー併し乍ら逆らうて発動されちや堪らない。何でもいい、気違ひの云ふ事だから、ウンウンと云ふて置けば良い……とズルイ考へを起し、
松若『ウン、ヨシヨシ、何時でも返上する積りだ』
捨子『あゝ嬉しい事、流石は松若彦様、それでこそ妾の夫で厶いますワ。どうぞ御意の変らぬ内、大老職の辞表を認め、実印を捺して下さいませ。さうでなければ、妾は死んで天国へ参ります』
松若『チエ困つた気違ひだなア。先書いてやらねば治まらない。書いた所で出さなければ良いのだ』
と文机から料紙を取出し墨をすつて筆に墨し、大老の辞表をスラスラと書き認め、捨子姫の前で実印を押捺し、
松若『サア捨子姫、之で得心だらうなア』
捨子『ハイ得心で厶います。どうぞ其辞表を、妾に御渡し下さいませ』
松若『イヤイヤ斯うしておけば何時でも出せるのだ。若しお前に持たしておいて、そこらへ落とされては大変だから、先づ渡すこと丈は止めておかう』
捨子『それでは貴方は妾を詐つて居らつしやるのでせう。政権や顕職に恋々として居らつしやるのでせうがな』
 松若彦は癪にさへて、
『エ、やかましい、きまつた事だ。今日の地位は決して此松若彦が得たのでない。言はば祖先の名代も同じ事だ。軽々しく俺一了見では左様な事が出来るものか。御先祖様を地下から呼び起し、お許しを受けずばなるまい。其方には八岐の大蛇が魅入つて居るのであらう。汚らはしい、そちらへ行けツ』
と焼糞になつて呶鳴りつけた。捨子姫は……老人を余り腹立てさすのも気の毒だ、ここらで幕の切所だ……と従順に沈黙に入つて了つた。松若彦は杖をつき乍ら、憂さ晴らしの為庭先の花を見むとて、二足三足外へ出た所へ家僕の新公が慌しく帰り来り、
『御前様へ申上げます』
 松若彦は驚いて、
『ヤ、お前は新ぢやないか。其慌てた様子は何事ぞ。又プロ運動でもおつ始まつたのか』
 此親爺、プロ運動が気に懸かると見えて、二つ目にはプロ運動が突発したのではないかと尋ねるのが此頃の習慣となつて居た。
新公『仰の如く、たつた今、赤切公園に於て、プロ階級演説会が始まり、大変な取締と衆生との衝突で、血まぶれ騒ぎが勃発致しました』
松若『ナアニ、プロ階級演説会?、そして血まぶれ騒ぎ、其後は何うなつた』
と云ひ乍ら、驚いて庭の敷石の上にドスンと尻餅をつき……『アイタタツタ』と面顰めて居る。
新公『お蔭で、其騒も鎮静致しましたが、不思議な事には、エンゼルだと云つて、白馬に跨り、妙齢の美人が現はれ……松若彦も悪いが、衆生も悪い……テな事を歌ひましたら、不思議な者でげすな、ピタリと争闘が止まりました。然しながら其エンゼルの顔が当家のお嬢様にソツクリでした。お乗り遊ばした馬も、お邸のに寸分違はぬ白馬で厶ります。若しも、お嬢様も宅に居られず白馬も居ないとすれば、テツキリ常磐姫様に間違ひ厶いますまい』
松若『今朝から姫も居らず、馬も居ないから、あのお転婆娘どつかの公園に散歩に行つたと思つて居たが、プロ運動に加はり居つたか。そして衆生の前に松若彦が悪いなどと云へば、火の中へ薪に油をかけて飛込む様なものだ。益々プロ運動を熾烈ならしめ、国家の基礎を危くする事になる。新公、若しも姫が帰つて来ても松若彦が許さぬ限り、一歩も入れてはならぬぞ。あーあ、子が無くて心配する親は無いが、子の為に親は心配せねばならぬか』
新公『御前様、子が有る為に御心配になりますか。さうすればお金のある為、爵位のある為には一入御心配で厶いませうな』
松若『爵位が有る為、黄金が有る為の心配は心配にはならぬ。此老体もそれある為に息をして居るのだ。アツハヽヽヽ』
と冷やかに笑ひ乍ら、杖を力にエチエチと奥の間さして進み入る。
 新公は箒を手にし乍ら、独り呟いて居る。
『よい年をして執着心の深い老耄爺だな。国司様から貰つたお菓子も葡萄酒も、又沢山な政治家連や出入の者や乾児共から病気見舞だと云つて持つて来るサイダーにビール、林檎や菓子、一つも自分も喰はず人にも能う呉れやがらず、皆金にして郵便局に預け、金のたまるのを唯一の楽みとして居る欲惚け爺だから、サツパリ駄目だワイ。俺達にビールの一本も振舞つてよかりさうなものだのに、毎日日日車力に積んで売りにやりあがる。本当に吝な爺だ。それだから良うしたものだ、親辛労子楽、孫乞食と云つて、三代目になれば、此財産もスツカリ飛んで了ふのは今から見えて居る。松依別さまの此頃の悪原通ひと云つたら、本当に痛快だ。印形を盗み出しては銀行から金を出し、金銭を湯水の如くに使ひ、大尽遊びをやつて居らつしやるのに、欲に目が眩んで、何も知らずに居るとは可哀相なものだな。金を拵へて番する身魂と、金を使ふ身魂とがあると見えるワイ。アツハヽヽヽ』
と独り笑つて居る。其処へ馬に跨つて、悠々と帰つて来たのは盛装を凝らした常磐姫であつた。
新公『ヤ、お嬢さま、お帰りなさいませ。貴方はオレオン星座からお降りになつた、エンゼルの松代姫さまぢや厶りませぬかな』
常磐『ホヽヽヽ新さま、お前見て居たのかえ』
新公『ヘーヘー貴女のお芝居は此新公、目敏くも看破して居りましたが、然しながら衆生があれ丈不思議がつて居るのに、素破抜いちや面白うないと思つて、黙つて帰つて来ました。そして御前様に一寸話ました所、大変な御立腹で、……清家の娘がプロ運動の煽動をする様なことでは、此内へは入れられぬ、門前払を喰はせ……とそれはそれはえらい勢で厶いましたよ。マア一寸此門潜るのは見合はして頂きませう。御前様の代理権を持つて居りますから断じて入れませぬ』
常磐『ホヽヽヽ、大分面白うなつて来たね。さうすると父上は今日限り、お暇を下さるのだらうか。さうなれば、妾も願望成就だワ。そんなら、父上に、之つきり、お目にかかりませぬから、……随分御身を大切になさいませ……と云つたと伝へて呉れ、左様なら』
と駒の頭を立直し、出行かむとするを、新公は驚いて、
『あゝ、若し若しお嬢様、少時お待ち下さいませ。何程厳しく仰有つても、子の可愛ゆう無い親は厶いませぬ。貴方が御改心下さらば、キツトお許し下さいますから、御前様に伺つて来る迄、マアマア一寸御待ち下さいませ』
常磐『オイ新さま、折角解放された妾を、再び苦める様な事はして下さるな。父上の其伝言を聞く上は、妾も世界晴のしたやうな心持がして来た……左様なら、父上母上に宜しう云つてお呉れ』
と言ひ残し手綱かいくり、館の門前の階段を、『ハイハイ』と馬をいましめ乍ら降つて行く。其処へヅブ六に酔ふて、兄の松依別が懐手をし乍ら、三尺帯を尻のあたりに締め、自堕落な風をして、頬冠りを七分三分に被り、
『失恋したとて短気を出すな
  悪原廓に花が咲く……と。

 日々毎日悪原通ひ
  早く親爺に死んで欲しい……と。

 家の親爺は雪隠のそばの柿よ
  渋うて汚うて細こてくはれない……と』

と千鳥足になつて、階段を昇つて来ると、妹の馬とベタリ出会し、
松依『こんな狭い所を馬に乗りやがつて、ドヽ何奴だい。見た所、一寸渋皮の剥けたナイスと見えるが、一寸馬から下りて来い。握手の一つもやつてやらア。エー、ゲー、アツプー、エー苦しい苦しい。なんぼ苦しいても美人の顔見りや気分が悪くないものだ』
 常磐姫馬上より、
『あゝ見つともない、兄さまぢや厶いませぬか。妾は常磐姫で厶いますよ』
松依『時は今、親爺の亡ぶ間際哉……とか何とか仰有いましてね、……あゝ面白い面白い、これから帰んで、薬鑵頭のお小言を頂戴するのかな』
常磐『コレ兄さま、しつかりなさいませ。妹で厶いますよ』
松依『妹でも何でも構ふものか、……妹と背の中を隔つる吉野川……(唄)悪原通でいきりぬく』
 常磐姫は止むを得ず、馬からヒラリと飛下り松依別の背を叩き乍ら、
『兄さま、しつかりして下さいませ、妾は之から父の怒に触れ、家出を致します。貴方はどうぞ両親に心を直して、良く仕へて下さいませ。之が此世の別れにならうも知れませぬから……』
と流石気丈の常磐姫も、涙に湿つた声を絞つて居る。松依別は始めて妹と悟り、俄に気がついた様に、
『ヤア妹か、一体何処へ行くのだ』
常磐『ハイ、父に勘当されましたので、之から誰憚らず、プロ運動にでも出かける積りで厶いますワ』
松依『ナアニ、プロ運動? 結構々々、それも結構だが、悪原通ひも結構だらう。親爺の奴衆生の膏血を絞り、沢山の金を蓄て置きやがつたものだから、死ぬにも死ねず、行く所へも行けず苦んで居るから、チツと其金を浪費し、深い罪をチツトでも軽うしてやらうと思つて、今頻りに孝行運動の最中だ。お前も之からプロ運動をやり、親爺の内閣を倒し、チツと罪を取つてやれ。お前も之から親孝行を励むがよいぞ、左様なら……』
と又もや門をくぐり、
松依別『兄は悪原妹の奴は
  プロ運動で孝行する……と』

 新公は箒を持つた儘、庭園の隅つこから走つて来て、
『若様、御前様が大変な御立腹で厶います。どうぞ着物を着替へて、お這入り下さいませぬと、其ザマでお這入りになつては、大な雷が落ちます。すると吾々迄が迷惑致しますから、チツと低い声でものを仰有つて下さいませ』
松依『エツヘヽヽヽ、面白いな、胸がスイとする様な雷に一遍落ちて貰ひたいものだ。……地震雷火事親爺、親爺が恐くて大神楽が見られぬ……と、アーア碌でもない酒を無茶苦茶に、お里の女奴強ひるものだから、内へ帰つても未だ酒の気が残つてけつかる。あ然し愉快だ、……オイ親爺、妹を放り出して、どうする積りだ。妹を放り出すのなら、何故兄から放り出さぬのぢやい。よう放り出さぬのか、俺の方から放り出てやらうか』
とダミ声を振上げて呶鳴つて居る。松若彦は何だか妙な声が屋外に聞えるので、杖をついて現はれ来り、窓からソツと覗いて、松依別の姿に肝を潰し、『アツ』と云つた儘其場に倒れ、したたか腰を打つて、ウンウンと唸つて居る。館の中は上を下への大騒動、水よ薬よ医者よと、家令や家扶家従の面々が自動車や自用俥を飛ばして大活動を始め出した。松依別は懐手をし乍ら、ブラリブラリと又もや門口指して出て行く。
(大正一三・一・二三 旧一二・一二・一八 伊予 於山口氏邸、松村真澄録)
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