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文献名1霊界物語 第69巻 山河草木 申の巻
文献名2第3篇 神柱国礎
文献名3第13章 国別〔1758〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ国照別は、魂を磨き、真の神徳を治めるため、生まれ故郷の珍の国を出ていく。
共の浅公とともに、アリナ山を下り、最初の目的地、懸橋御殿を指して、歌を歌いながら進む。
霧は深く、太陽も沈み、やむを得ず山中にて一夜を明かすことになった。
主な人物 舞台 口述日1924(大正13)年01月24日(旧12月19日) 口述場所伊予 山口氏邸 筆録者松村真澄 校正日 校正場所
OBC rm6913
本文の文字数4512
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本文 国照別『われは淋しき冬の月  御空に高く打ふるひ
 中空遮る雲の戸の  開くよしなき悲しさに
 苦み悶ゆる折もあれ  忽ち吹き来る時津風
 十重に二十重に包みたる  雲吹き払ひ漸くに
 地上に降る道開く  草の片葉におく霜の
 冷たき宿を借り乍ら  都を後に下りゆく
 吾身の上ぞ頼もしき  遥に地上を見渡せば
 虎狼や獅子熊の  伊猛り狂ふ荒野原
 正しき人は醜神の  脚ににじられ踏まれつつ
 悲鳴をあげて泣き叫ぶ  曲れる人は揚々と
 春野に蝶の舞ふ如く  地上の悩みを他所にして
 歌舞音楽にひたりゐる  実にも矛盾の天地かな
 いよいよ神が現はれて  三千世界を引ならし
 草の片葉に至る迄  恵の露にしたしつつ
 救はむ時ぞ近づきぬ  あゝ惟神々々
 吾れは国照別司  此曇りたる国土を
 三五の月の御教に  照し清めて永久に
 国照別の御世となし  草木もめぐむ春乃姫
 月と花との兄妹が  神の賜ひし珍の国
 昔の神代に引戻し  憂に悩める人草を
 救ひ助けむ吾願ひ  達せむ為の鹿島立
 守らせ給へ惟神  神の御前に願ぎまつる
 吹き来る風は荒くとも  降り込む雨は強く共
 仮令地揺り雷の  頭上に轟く世あり共
 いかでか恐れむ敷島の  聖き国照別の魂
 如何なる権威も物欲も  左右し得べき力なし
 珍の御国は云ふも更  高砂島に国と云ふ
 国のことごと三五の  神の教とねぢ直し
 生ける真の神として  降り行くこそ勇ましき
 あゝ惟神々々  御霊の恩頼を願ぎ奉る』
と歌ひ乍ら、アリナ山の峠の頂上に着いた。国照別は東方の原野を遥に見おろし乍ら、
『あゝ珍の国も暫くこれで見ることが出来ないだらう。其代り今度帰つて来た時は、此広大なる荒野ケ原も金銀瑪瑙、瑠璃硨磲、玻璃などの七宝に飾られた地上天国に一変するだらう。雲深き城中を後に親兄弟家来を見すてて、鄙に下り、今又吾城下にも住む事を得ず、心からとは云ひ乍ら、生れ故郷を立去るは、どこともなく心淋しいやうだ。あゝ否々、そんな気の弱いことで、此神業が勤まらうか。珍の国の国司は元は三五の教を以て人草を教化するのが天職であつた。余り政治などに心を用ひなくても自然に治まつてゐたのだ。然し乍ら今日となつては国外よりいろいろの主義や思想や無用の学術が流れ込んで来て、古の如き簡易な信仰のみを以て国を治むる事は出来なくなつて了つた。然し乍らどうしても世の中は知識や学問の力では治まるものでない。先づ政の第一は徳を以てするより外にない。自分は其徳を養はむが為に、城中をぬけ出し、最も卑しき車夫の仲間に入り、下層社会の事情を探り、今又侠客となつて、市井の巷に出没し、吾霊魂をして金剛不壊の如意宝珠たらしめむと、焦れど藻掻けど如何にせむ、永い間嬢や坊にて育てられ、少しの荒き風にさへも悩まされるやうな弱い身体で、どうして衆生を安堵せしむることが出来ようか。何と云つても自分は珍の国の世子、清家生活も顕要の地位も少しも望まぬけれど、此先自分が此国に居らなくなつたならば、信仰の中心、尊敬の的、思想の真柱を失ふたも同然、容易に、如何なる賢者が現はれても、徳望者が現はれても、治むることは難かしいだらう。それを思へば、一時も早く魂を研き、真の神徳を身にうけて、再び此国に帰つて来なくてはならうまい。珍の国の広き原野が今吾視線を離れるに望んで、何となく、山河草木を始め吾国衆生が恋しくなつて来た。然し乍ら一旦決心した吾魂を翻すことは出来ぬ。あゝ惟神霊幸倍坐世。国治立大神様、何卒国照別が赤心を御受納下さいまして、珍の国は申すも更なり、高砂島の天地をして昔の神代の歓楽郷にねぢ直させて下さいませ。又両親を始め妹の春乃姫其他城中の老臣、及び友人の身の上に特別の御恩寵を垂れさせ給ひて、珍の国家を平安に隆昌に進ませ給ふ様偏に御願申上ます。珍の国に別るるに臨んで、国魂神様の御前に謹んで御礼を申上げます。あゝ惟神霊幸倍坐世』
と感慨無量の態で、太い息をついてゐる。浅公は珍の原野を見おろし乍ら、
『親分さま、何とマア珍の国も広いものですなア、そして何だか珍の国の山河草木が……浅公行くな行くな 元へ返やせ……と手招きするやうな気分が致しまして、之から先へ行くのが、何だかおつくうなやうな、嬉しくない様な気になりました。今親方の様子を見てゐると二つの目から涙がポロリポロリと落ちてゐましたよ。何程侠客の親分でも、人情に変りはないとみえますな』
国照『ウン、生れた国といふものは、何とはなしに恋しいものだ。言はば自分等を永らく育ててくれた真の母だからな。幼子が母の懐をはなれて、異郷の空に出るのだもの、俺だつて、チツトは感慨無量の涙にくれるのは当然だ。涙のない人間は鬼だ。俺も先づ鬼の境遇だけは免れたとみえるワイ。アツハヽヽヽヽ』
と俄に笑ひに紛らす。浅公も泣き声交りに『アツハヽヽヽヽ』と附合笑ひをする。
国照『浅公、之から先はつまりいへば、他国だ。神様の方からいへば、皆神の国で境界もなければ差別もないが、地上の人間共が、之迄は珍の国、之から先はテルの国だとか、カルの国だとかヒルだとかハルだとか、勝手に境界をつけ、互に権勢を争うてゐるのだから、其考へでゐないと、大変な失敗をするよ。自分の国内では侠客も羽振が利くが、様子も分らぬ他国では、そういふ訳にはゆかぬからのう』
浅『所で吠ぬ犬はないとかいひましてな』
国照『オイ浅、犬に喩るとは殺生ぢやないか、ハヽヽ。サアここを降つて、懸橋御殿といふのがあるさうだから、それへ参拝をして一夜の宿を借り、ゆつくり行くことにせう』
浅『ハイ、お伴致しませう、あーあ、之で故郷の空の暫く見納めかなア………
 去りかねて振り返り見ぬ珍の国
  妻さへ子さへなき身なれ共。

 何となく恋しくなりぬ珍の空
  今別れむとして涙こぼるる』

国照別『汝も又人の御子なれ世のあはれ
  よくも悟れり深く覚れり。

 足乳根の親のまします珍の空
  打ち仰ぎつつ別れ行く哉。

 国愛別親しき友は如何にして
  吾ゆく後に活動やせむ。

 吾友よ暫く待てよ国照別
  神と現はれ帰り来る迄。

 吾行くは御国をすつる為ならず
  真の神の国にせむ為。

 吾ゆくは親を苦むる為ならず
  大御心を慰めむ為。

 吾ゆくは国民すつる為ならず
  天国浄土に救はむが為』

と歌ひ了り、金剛杖を力に急坂を下りゆく。
国照別『神の恵のアリナ山  杖を力に下りゆく
 旭は照る共曇る共  月は盈つ共虧くる共
 仮令大地は沈むとも  誠一つの三五の
 神に任せし吾身魂  神と国とに真心を
 尽す吾身に幸あれと  朝夕祈る勇ましさ
 故国の空を後にして  踏みもならはぬ山阪を
 登りつ下りつ進み行く  国魂神の竜世姫
 守らせ給へ惟神  謹み敬まひ願ぎ奉る
 此世を造り給ひたる  国治立大御神
 世人を教へ諭しゆく  瑞の御霊の大御神
 此世の塵を打払ふ  科戸の風や雨となり
 雪ともなりて守ります  貴の力を頼りとし
 天にも地にも掛替の  なき垂乳根や妹を
 後に見すてて出でてゆく  涙の雨は袖に降り
 眼はかすむ今日の空  恵ませ給へ惟神
 神かけ念じ奉る』
と歌ひつつ、国照別は先に立ち、浅公は杖を力に足拍子を取り乍ら、九十九曲りの石だらけの道を後に従ひ行く。
浅公『ウントコドツコイ、アリナ山  噂に聞いたきつい阪
 いよいよ恋しい珍の国  涙と共に立わかれ
 ウントコドツコイ危ないぞ  石のゴラゴラする阪だ
 親方用心なさいませ  一時も早く此阪を
 無事に下つてウントコシヨ  懸橋御殿にまゐ詣で
 足の疲れを休めませう  鏡の池とて名の高い
 昔の神の霊跡が  今に残つてゐるといふ
 名所を見るのも今少時  あゝ惟神々々
 何卒無事に此阪を  親方さまと諸共に
 下らせ給へ惟神  御霊の恩頼を願ぎまつる
 旭もテルの国野原  向つておりゆく二人連れ
 若しも国人吾姿  眺めて空から天人が
 降つて来たかと怪しんで  いと珍らしき穀物
 八足の机におき並べ  迎へてくれれば嬉しいが
 ウントコドツコイ、アイタツタ  メツタに左様なうまい事
 あらうと思はぬボンの糞  雨露凌がしてドツコイシヨ
 くれてもそれで満足だ  もうしもうし親分よ
 俄に霧が深くなり  一間先は靄の海
 だんだん淋しうなつてくる  一足々々阪路を
 降る度毎根の国や  底の国へと行く様な
 淋しい気分になつて来た  あゝ惟神々々
 神様宜しく頼みます  後へは返さぬ男伊達
 仮令命はすつるとも  思ひ立つたる親分の
 気象はいつかな怯むまい  俺も此処迄お伴して
 卑怯未練に引返す  訳にはゆかぬ男の意気地
 斯うなりやホンに侠客も  ウントコドツコイ辛いもの
 旭は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 霧は山路を包むとも  大蛇の奴が行先に
 道を塞いで攻め来とも  弱きを扶け強きをば
 挫いて通る男伊達  それを兼たる宣伝使
 国照別の珍の御子  御供に仕へた浅州は
 決して決してひるまない  あゝ勇ましや勇ましや
 一足々々ウントコシヨ  勝利の都へ進み行く
 神は吾等と共にあり  親分も吾等と共にあり
 吾等を守るは神にまし  吾等を守るは親分だ
 又親分の身の上を  守る真の神様は
 国治立大御神  次に乾児の浅州は
 朝から晩迄テクテクと  御後に従ひ進み行く
 どこを当とも白雲の  山路を別る旅の空
 実に面白し勇ましし  あゝ惟神々々
 御霊幸はひましませよ  ウントコドツコイ ドツコイシヨ
 ドツコイ ドツコイ ドツコイシヨ』
とちぎれちぎれに山降りの歌を唄ひ乍ら、漸くにして稍平坦な緩勾配の阪道に着いた。霧は益々深くして咫尺を弁ぜず、太陽は西天にかくれしと見え、暗の帳はチクチクと二人を包んで来た。二人はやむを得ず、此処に一夜を明すこととなつた。あゝ惟神霊幸倍坐世。
(大正一三・一・二四 旧一二・一二・一九 伊予 於山口氏邸、松村真澄録)
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