コブライ・コオロの両人は、命からがら穴から抜け出すことができた。二人は怒りの歌を歌いながら、黄金を取り戻そうと玄真坊を追いかけて行く。
そのうちに二人は原野の中で眠りこけてしまった。すると、夢うつつに白衣の神人が現れ、豊玉別命であると名乗る。
豊玉別命は、二人が怒りに捕らわれ、また黄金を目当てに玄真坊を追いかけていることを咎め、諭す。
二人は悪人として生まれついているのだから、悪に徹するつもりだと答えるが、豊玉別命は、どんな悪人であっても悔い改めることで悪を消し去り、善に向かうことができるものだ、と諭す。
そしてミロク大神の世の到来、三五の大神の信仰、惟神の名号を二人に授け、善事を行うように、と教えて消え去った。
コブライとコオロは、泥棒をきっぱりやめて修験者となり、七千余国の霊場を巡礼しようと決めた。二人は宣伝歌を歌いながら、スガの港を指して歩いていく。