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文献名1霊界物語 第74巻 天祥地瑞 丑の巻
文献名2前付よみ(新仮名遣い)
文献名3総説よみ(新仮名遣い)そうせつ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-06-01 12:42:49
あらすじ
本来、神皇国日本は、大宇宙の中心に永遠の神の護りによって、天津神祖の生み成した聖域なのである。

皇御国(すめらみくに)と言い、万世一系でここを統治する主権者をスメラミコトというのも、スの言霊の神徳によって出来上がった神国だからである。

大虚空中に、すみきり澄みきらいつつ、鳴り鳴りて鳴り止まぬスの生言霊は、神を生み、宇宙を生み、大地を生み、永遠の時を経てついに、スの神国である、我が葦原の瑞穂の国である中津国を生み成した。そして、大宇宙の主宰として日(ス)の本の国を生んだのである。

天照皇大神が生り出でまして、天上の主宰として任命され、全地上の上に皇大神の徳を発揮され、神人安住の聖域と成したのである。

著者は、天地諸神の活動の意義と神国日本の一大使命、また皇室が天神から出ていて尊厳無比である理由を解明するために、ここに言霊学の大筋を簡単に解説する。

声音の区別:七十五声音の活動の違いによって、声、音、半声半音の区別がある。

アオウエイは五大父声、大宇宙に鳴り鳴りて鳴りやまず、宇宙万有の活動力をつねに与えつづけている。

声:アオウエイ、ナノヌネニ、ハホフヘヒ、マモムメミ、ヤヨユエイ、ワオウヱヰ

音:カコクケキ、タトツテチ、ガゴグゲギ、ダドズデヂ、パポプペピ、ラロルレリ

半声半音:サソスセシ、ザゾズゼジ、バボブベビ

アカサタナハマヤワの九行四十五音は正清音

ラロルレリは濁音

ガゴクゲギ、ザゾズゼジ、ダドヅデヂ、バボブベビは重音

パポプペピは撥音

大宇宙の根源を為すスの言霊の略解:

外部を統べて北にはたらく。北東にはたらいて有の極となる。ス声の精となって東北にはたらくと、できないことは何もない。

東にはたらくと長く長く伸びきって、天球の中のすべて一切を写真に写すように現れる。さらに止まることなく、最奥の座を占めるに至る。

次に、東南にはたらくと数限りがなくなるまで埋め尽くし、南東にはたらくと八極を統べる。

南にはたらくとぴったりと中心に集まり、南西にはたらくと真中・真心とあらわれる。西南にはたらくと初めから終わりまでを一筋に貫く。

西にはたらくと、自由自在であり、しかも大宇宙の天球の内外をひたして保ち、支えとなっている。次に、西北にはたらいたときは、あらゆるところに存在している。

北西にはたらいたときは、幽玄の府となって、「有にして空」である。しかも、劫大約(おおつな)を統べ、天球中の一切を写し、安定させて統べている。さらに、霊魂球をひたし、「涵しの司」として現れ、上って大ス玉となり、出入りの息は限りなく澄み切って、呼吸とともにあわられて結の柱となり、大宇宙に満ち足り、永遠に存在して限りがない。

宇宙の一切は、スの言霊によってその太元を生み出されたものである。

ウ声の言霊の略解:

北にはたらくと離れてそむく。北東にはたらくと時が深まっていく。東北にはたらくと持ち含む。

東にはたらくと、現在世界の結びの柱となり。東南にはたらくと親しみ愛し嬉しみ、南東にはたらくと次々に産み出して魂が勇み立つ。

南にはたらくと結び合い、南西にはたらくと固有の真となり、真実がきわめて強く現れ、味の元素となる。西南にはたらくと待ち合って盛んな力となり、内部、中心に鎮まり、父母一に備わっている中柱となり、またうなり出て全世界を理解し、臼型を作ってスを容れ鎮まり、氏の元祖となる。

ア声の言霊の略解:

北にはたらくと隠れいる。夜となる。北東にはたらくとすべてのものが収まり帰る。東北にはたらくとあつい熱が備わる。

東にはたらくと光線の力と現れ、眼に見える。東南にはたらくと丸くなる。南東にはたらくと昼となり、大物主となり、世の中心となる。

南にはたらくと顕れ出る言霊となり、南西にはたらくと御中主となり、地球となり、西南にはたらくと根源のはじまりとなる。

西にはたらくと全体の形が丸くなる。西北のはたらきは一切ない。北西にはたらくとすべてのものを含み蔵す。

総じては、顕の形、近く見る言霊である。大御母、大仁慈、名の魂。スの本質であり、また心の塊である。スの方面に習い、低く居るときがある。幽の形にして、遠くまで達する言霊である。

オ声の言霊の略解:

北にはたらくと受け納める。北東にはたらくと次第にやって来て凝り固まる。また、引く力となる。東北に働くと青い空の色となって神権が強い。

東にはたらくと大気が凝って形を顕し、形の素となる。東南にはたらくと外面を護り、南東にはたらくと大気となって集まり圧力を発生させる。

南にはたらくと興し助ける言霊となる。南西にはたらくと大宇宙と大地を包む。西南にはたらくと立ち上る。

西にはたらくと大気が一体であるという心となり、親子が一体となって広く尊い。西北にははたらきがない。北西にはたらくと真愛を引き入れる言霊となる。

総じては、極みにある真空である。それは、今ある青空を現れさせ、億兆の分子を保ち、しかも分子の初めと終わりをすべて知っており、親の位置にあってふんだんに足り余る力を生じ、先天の気となり、心の関門となり、出入が自由でありながら拒絶して鳴り、擦れて火を生じる力となる言霊である。

エ声の言霊の略解:

北にはたらくと外面を開く。北東にはたらくと外に顕れて調い余る力となる。東北にはたらくと投げ打つ。

東にはたらくと自在に使う力となる。把手や柄などもこの働きである。東南にはたらくと焼点となり灯りとなる。

南にはたらくと内に集まる力となる。南西にはたらくと世に立ち居り、指すことができる力となる。西南にははたらかない。

西にはたらいて中心をつかねる。幽を顕に写し示す。西北にはたらくと、説いて分からせる言霊となる。北西にはたらくと解け、成り、消える。

総じて、真の固有であり、本末を糺し、引き付ける力となる。世を容れ、明らかに得る。絵、教令、指令、顕照。与える。得させる。教導の意義である。

イ声の言霊の略解:

北にはたらくと始めにして無為。北東にはたらくと、反射する力。東北にははたらかない。

東にはたらくとことごとく極まる。東南にはたらくと吹き行く熱となる。南東にはたらくと止まりとなり、五つ揃いとなる。

南にはたらくと成就の言霊となる。南西にはたらくと強く足り余り、西南にはたらくと吹き来る熱となる。

西にはたらくと強く思いあう力となる。西北にはたらくと小天球(あをくものそと)の証となる。北西にはたらくと、破れ動く力となる。

総じて、固い力となって基となり台となる。強く張り篭り、天の内面をつかさどる。勢いに添いつき、平等に動く言霊である。

天祥地瑞第一巻、第二巻の天神たちの六声音の言霊の中に、大宇宙・万有一切が産み出されたその原理を説明しようと、ス声と五大父声音のはたらきを示した。これをもって、この物語の大要を伝えようとした。
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年10月20日(旧09月2日) 口述場所水明閣 筆録者森良仁 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年1月5日 愛善世界社版 八幡書店版第13輯 159頁 修補版 校定版3頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm740002
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本文  本来神皇国日本は、大宇宙の中心に永遠無窮の神護を以て、天津神祖の神の生み成し給ひし聖域なれば、皇御国と称し奉り、万世一系に之を統御し給ふ主権者を、スメラミコトと申し奉るも、⦿の言霊の神徳に依りて、成り出で給ひし神国なればなり。大虚空中にスの水火のすみきり澄みきらひつつ鳴り鳴りて鳴り止まざるスの生言霊は、神を生み宇宙を生み大地を生み、永遠無窮に渉りて終にスの神国我葦原の瑞穂の国なる中津国を生り出で給ひ、大宇宙の主宰として日の本の国を生み給ひ、天照皇大神の生り出で給ひて、天上の主宰と任け給ひ、御皇孫永久に平らけく安らけく知召す本つ神国にして、現人神に在す万世一系の 天皇鎮まりませる日の本は言ふも更なり、全地の上に皇大神の洪徳を発揮し給ひ、神人安住の聖域と為し給ひしぞ畏けれ。
 言霊学上より見る日の本の日は、則ち⦿にして⦿の本の国なり。故に日の本は日の本なるの意義を知る可し。
 瑞月は茲に『霊界物語』の続巻天祥地瑞の著述に際し、聊か言霊学の大意を略解し、天地諸神の活動の意義と我神国日本の一大使命と、皇室の天神より出でで尊厳無比なる理由を解明し奉らむと欲し、重ねて『霊界物語』の続巻を著す事とはなりける。
 言霊学の見地よりすれば、七十五声音の活動各異なりて、声なるあり音なるあり、半声半音なるあり、今爰に声音の区別を明かにせむとす。
 アオウエイは天に位して父声なり。此の五大父声は大宇宙に鳴り鳴りて鳴り止まず、宇宙万有の活動力を不断に与へ給ひつつあり。吾人の耳には余りの大声にして入り難しと雖も、言霊学に通じたる聖者の耳には能く聴き得るものなり。則ち、

 ア オ ウ エ イ
 ナ ノ ヌ ネ ニ
 ハ ホ フ ヘ ヒ
 マ モ ム メ ミ
 ヤ ヨ ユ エ イ
 ワ ヲ ウ ヱ ヰ

は純然たる声にして、

 カ コ ク ケ キ
 タ ト ツ テ チ
 ガ ゴ グ ゲ ギ
 ダ ド ズ デ ヂ
 パ ポ プ ペ ピ
 ラ ロ ル レ リ

は音なり。而して、

 サ ソ ス セ シ
 ザ ゾ ズ ゼ ジ
 バ ボ ブ ベ ビ

は半声半音なり。又アカサタナハマヤワの九行四十五音は正清音にして、ラロルレリは濁音なり。ガゴグゲギ、ザゾズゼジ、ダドヅデヂ、バボブベビは重音にして、言霊の重なれるを言ふ。チチの父を重ぬればヂヂ(祖父)となり、ハハの母を重ぬればババ(祖母)となるが如し。パポプペピは撥音なり。
 大宇宙の根元を為すスの言霊を略解すれば、
スは外部を統べて北に活用き北東に活用きて有の極となり、⦿声の精と現じ東北に活用きて無所不為也。東に活用きて八咫に伸び極まり、天球中の一切を写真に写す如く現じ、更に滞り無く、結の座を占むる也。次に東南に活用きて数の限りを住み切り、南東に活用きて八極を統べて居り、南に活用きて正中心に集り、南西に活用きて真中真心を現じ、西南に活用きて本末を一徹に貫き西に活用きて自由自在也。而して大宇宙の至大天球の内外を涵し保ちて極乎たり。次に西北に活用きては無所不在也。次に北西に活用きて玄々の府となり、有にして空也。而して劫大約を統べ至大天球中の一切を写して安々の色ありて統べ居るなり。又霊魂球を涵し、涵しの司と現じ、上りては大⦿玉となり、出入の息限り無く澄みきり、呼吸と共に現れ結の柱となり、以て大宇宙に満ち足らひ常住不断なり。故に宇宙の一切は、スの言霊によりて其太元を生み出されたるものと知る可きなり。
 次にウ声の言霊に就て略解しおくべし。
ウ声は北に活用きて離れ背き、北東に活用きて更け行く。次に東北に活用きて持ち含み、東に活用きて現在世界の結柱となり、東南に活用きて純美麗み嬉み、南東に活用きて産み産み魂機張り、南に活用きて結び合ひ、南西に活用きて固有の真と成り真実金剛現れ味の元素となり、西南に活用きて待ち合ひ氤氳として行く気発機となり、内部に所を得又中心に鎮まり、父母一に備はる中柱となり、又は鋭敏鳴出で三世を了達し、臼を造りて⦿を容れ鎮り、氏の元祖となり出づる也。
 次にア声の言霊を略解すれば、
ア声は北に活用きて隠れ入るの義を現し、夜となり、北東に活用きて悉皆帰元り、東北に活用きて陽熱備はり、東に活用きて光線の力を顕し、眼に留まり、東南に活用きて圓象入眼也、南東に活用きて昼となり、大物主となり、世の中心となり、南に活用きて顕出づる言霊となり、南西に活用きて御中主となり、地球となり、西南に活用きて大本初頭と現じ、西に活用きて全体成就現在なり、西北の活用きは一切無なり、北西に活用きて一切含蔵なり。其外総じて顕の形にして近く見る言霊なり、大母公にして大仁慈となり、名の魂となり、⦿の本質にして心の塊なり。其方面を見、低く居る時あり、又幽の形にして遠く達する言霊なりと知るべきなり。
 次にオ声の言霊活用を略解すれば、
オ声は北に活用きて受け納め、北東に活用きて漸々来りて凝り、又引く力となり、東北に活用きて蒼天の色と現じ神権強く、東に活用きて大気凝りて形を顕し、形の素となり、東南に活用きて外面を守り及ぼし、南東に活用きて大気となり、大成し圧力を現じ、南に活用きて興し助くる言霊となり、南西に活用きて大宇宙及び大地を包み、西南に活用きて起り立ち登り、西に活用きて大気一如の心となり、親子一如となりて広く尊し。西北には活用無きなり、北西に活用きて真愛引力言霊となり、総じて極乎たる真空即ち現見の蒼天を現じ億兆の分子を保ち、又分子の始末を知悉し、親の位に在りて大に足り大に余る力を生じ、先天の気となり、心の関門となり、出入自由にして拒み鳴り、二数而水素力となる言霊なり。
 次にエ声の言霊を略解すれば、
北に活用きて外面を開き、北東に活用きて外に顕れ調ひ余る力なり、東北に活用きて投げ打ち、東に活用きて自在に使役為力と現ず、把手又は柄なども此の活用なり。東南に活用きて焼点となり灯となり、南に活用きて内に集る力となり、南西に活用きて世に立ち居り、指し令得る力となり、西南に活用せず、西に活用きて中心を採り束ね、幽を顕に写し示し、西北に活用きて説き分けの言霊と現じ、北西に活用きて解け、成り、消ゆる、言霊なり。総じてエの言霊は真の固有にして本末を糺し、引付ける力を現じ、世を容れ居り、明に得る也、又絵也、教令也、指令也、顕照也、与る也、教導の意義なりと知る可し。
 次にイの言霊を略解すれば、
北に活用きて始而無為の義なり。北東に活用きて反射力となり、東北に活用無し。東に活用きて既に極まり、東南に活用きて吹き行く熱となり、南東に活用きて止りとなり、五つ揃ひとなり、南に活用きて成就の言霊となり、南西に活用きて強く足り余り、西南に活用きて吹き来る熱となり、西に活用きて強く思ひ合ふ力となり、西北に活用きて小天球の証となり、北西に活用きて破れ動く力を現ずる也。総じて大金剛力にして基となり台となり、強く張り籠り天の内面を司り、勢ひに添ひ付き、同じく平等に動く言霊也と知る可し。
 天祥地瑞第一巻、第二巻の天神等の以上六声音の言霊に、大宇宙及び万有一切を産み出で給ひしその元理真相を表はさむとして、七十五声音の言霊の中にても最も基礎となるス声を始め、アオウエイ五大父声音の活用を示し、この物語の大要を知らしめむとするなり。

   昭和八年十月十九日 旧九月一日
            於天恩郷千歳庵 口述者識
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