紫微天界は、太陽の光が現在の地球の7倍あり、月もまた同じだけの明るさがあるが、妖邪の気が鬱積する遠方の地は、地球のように夜がある。
だから、顕津男の神が紫微天界をくまなくまわり、明るく清める必要があるのである。
顕津男の神のサソスセシの言霊によって清められた河は、清美河という名を与えられた。
夜明けとともに一行は起き、歌を交し合う。多々久美の神は、ふたたび言霊によって雲霧を払えば、その神徳にみな感嘆の歌を歌った。
近見男の神は自ら先導を申し出、自ら名前を遠見男の神と改めた。
その日の夕暮れ、一行は真鶴山のふもとにたどり着いた。