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文献名1霊界物語 第75巻 天祥地瑞 寅の巻
文献名2第1篇 玉野神業よみ(新仮名遣い)たまのしんぎょう
文献名3第5章 山上の祝辞〔1899〕よみ(新仮名遣い)さんじょうのしゅくじ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-04-09 10:24:36
あらすじ
神々たちは、国土が膨れ上がり、玉野丘が高く膨れ上がって玉藻山となり、玉野湖もたちまち干上がってしまった光景を目撃して、山上の玉野宮居に立って大神の徳を感謝しつつ、それぞれこれまでに見た国土造りの光景を歌に歌って祝った。

最後に、宇礼志穂の神が、玉野森につないで来た馬たちはどうしただろうか、と行方を案じる歌を歌った。

すると、馬たちは丘の盛り上がりにつれて、玉藻山の七合目あたりに持ち上げられていたが、山の斜面を縦一列に駆け上って来て、新しい神国を祝するかのように嘶いた。

宇礼志穂の神は、この瑞祥を喜ぶ歌を歌った。
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年11月03日(旧09月16日) 口述場所水明閣 筆録者白石恵子 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年2月3日 愛善世界社版 八幡書店版第13輯 311頁 修補版 校定版84頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm7505
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本文  顕津男の神、玉野比女の神を始め、百の神等は生言霊の功によりて、真鶴の国の広き国原豊けく膨れ上り、玉野湖水の底ひまで水乾きて、土地はいよいよ高く空に伸びたち、横に拡ごり膨れ膨れて果しなき光景を目撃しながら、喜びのあまり玉野宮居の聖所に立たせ給ひて、各自主の大神の洪徳を感謝しつつ、よろこびの御歌詠ませ給ふ。
 顕津男の神の御歌。

『久方の天津高宮ゆ天降ります
  神の功に国土うまれたり

 はしけやしこの国原を眺むれば
  目路の限りは湯気立ちのぼる

 もやもやと湯気立ち昇り国原は
  かわき固まり栄えむとするも

 わが立ちし玉野の丘の聖所
  膨れあがりて高根となりぬる

 高照の山の高きに比ぶべき
  玉藻の山の稚々しもよ

 山稚く地柔かにありながら
  常磐の松はみどりいやます

 白梅の花のかをりの芳しさは
  主の大神の御旨なるかも

 真鶴の千歳の栄えを寿ぐか
  九皐に鳴く鶴の音清しも

 紫微の宮立ち出で吾は方々の
  宮に侍りて細し国土生みぬ

 つぎつぎにわが言霊は清まりて
  うまし神国は生れたりける

 国魂の神生む神業慎みて
  われは来つるもこれの聖所に

 宮柱太しきたてて永遠に
  鎮まりいます主の宮居はも

 幾万劫の末の神世のかためぞと
  われ雄健びの禊せしはや

 振魂の禊伊吹の禊まで
  我は委曲に行ひしはや

 雄詰の禊の神業に玉野丘の
  霊は笑みて山となりぬる

 鳥船の禊畏み玉泉に
  わが言霊を甦らせり

 玉泉万丈の滝と落ちたぎつ
  四方に響かふ言霊さやけし

 言霊の天照り助け幸へる
  国土となりけり稚き真鶴は

 地稚き真鶴の国は言霊の
  伊吹と禊にひろごりにける

 有難し尊し天之峰火夫の
  神の功に国土造りをへぬ

 久方の天津高宮の主の神は
  天降りまして我を救ひませり

 瑞御霊如何に言霊清くとも
  いかでなるべき此国原は

 主の神の清き御稜威を蒙りて
  我は正しく国土を生めりき

 真言厳の神は正しく厳御霊
  天之道立神におはせしか

 厳と瑞の言霊の水火合はざれば
  この美国は生り出でざるべし

 久方の天之道立神の功
  隈なく悟りし今日ぞ嬉しき

 千万里駒に跨り玉野森に
  進みて永久の国土を生みしよ

 真鶴の国は𪫧怜に生れましぬ
  いざ国魂の神よ出でませ』

 真言厳の神は御歌詠ませ給ふ。

『久方の天津高宮の主の神の
  神言のままにわれは天降りつ

 瑞御霊国土生みの神業助けよと
  神言かしこみ吾は来つるも

 紫微天界開けし昔ゆかくの如
  目出度き例はわれ聞かざりき

 千代八千代万代までも栄えかし
  常磐樹しげる真鶴の国は

 瑞御霊来まさむ先に主の神の
  神言のままに待ち居たるかも

 目路はるか遠の国原見渡せば
  瑞光輝き紫雲たなびくも

 紫の雲のとばりを押し分けて
  天津日の神かがやき給ひぬ

 昼月のかげはさやかに大空に
  かかりて今日の喜び寿ぎませり

 天地も揺り動きつつ真鶴の
  国土は常磐に固められける

 アオウエイの生言霊の生みませる
  伊吹の風の音の強しも

 サソスセシ生言霊の御稜威より
  恵の雨は降りしきりたり

 パポプペピ生言霊は雷と
  なりて天地に響き渡れり

 雷の厳の雄健び雄詰に
  四方の醜雲散り失せにける

 東より西に閃めく稲妻の
  いとはやばやと国土は生れし

 見の限り葭と葦との茂りたる
  国土は忽ち稲田となれかし

 八束穂の稲種普く蒔き足らはして
  神のいのちを永久につながむ

 樛の木のいやつぎつぎに国土生みの
  神業を仕へて神国を守らせむ』

 玉野比女の神は御歌詠ませ給ふ。

『久方の主の大神の神言もて
  われ玉野森に気永く仕へし

 朝夕に生言霊は宣りつれど
  かかる例はあらざりにけり

 二柱天津高宮ゆ降りまし
  厳と瑞とに国土は生れけり

 厳御霊瑞の御霊の水火合せ
  生ませる国土の清しくもあるか

 今日よりは真心の限りを主の神に
  捧げまつりて国土造らむかも

 水清き玉の泉に朝夕を
  禊のわざに仕へ来しはや

 朝夕に洗へど濯げどわが魂の
  時じく曇るを恥づかしく思ふ

 一日だも禊のわざをつとめずば
  ただちに曇る霊魂なりけり

 時じくの香具の木の実の主の霊ゆ
  生れし吾もにごるをりをり

 大神の生言霊に生り出でし
  天津祝詞の功たふとし

 大前に朝な夕なを太祝詞
  白せば清しわが玉の緒は

 幾年もこの神国に生き生きて
  はてなき神業に仕へまつらむ

 足引の山はあちこちに生れ出でぬ
  地を固むる神の経綸に

 あらがねの地は総てのものの生命
  永久に生ませる御手代なるも

 見渡せば紫の雲たなびきて
  神世の栄えを彩りにけり』

 生代比女の神は御歌詠ませ給ふ。

『真鶴の山に生れてわれは今
  これの聖所に岐美と立つかも

 惟神俄に恋しくなりしより
  瑞の御霊に水火合せけり

 水火と水火合せて御子を孕めども
  怪しき心はつゆだに持たず

 一柱御子生れませしあかつきは
  真鶴山に一人住むべし

 国中比古神の神業を朝夕に
  助けまつりて神国を開かむ』

 近見男の神は御歌詠ませ給ふ。

『顕津男の神の御尾前近く仕へ
  この喜びにあひにけらしな

 南の国を知らせとのたまひし
  瑞の御霊の言葉かしこし

 真鶴の国生り出でし今日よりは
  御子を助けて永久に仕へむ

 玉野比女の心つくしの功績を
  今目のあたり見るぞかしこき

 生代比女の御腹にいます貴御子の
  国魂神とならすたふとさ

 真鶴山玉藻の山の神社に
  天かけりつつ仕へまつらむ

 天翔り地駆りつつ真鶴の
  国土の栄えを永久に守らな

 天界は愛善の国土よろこびに
  満てる神国と漸く悟りぬ

 曇りたるわが魂線は愛善の
  国の光をおぼろげに見し

 おぼろげにわが見し紫微の天界は
  いよいよ明くきよく見えたり』

 圓屋比古の神は御歌詠ませ給ふ。

『玉野湖の百のなやみを乗り越えて
  瑞の御霊は国土生ましませり

 一時は如何になるかと危ぶみし
  心づかひも夢となりける

 かくのごと深き経綸のあらむとは
  圓屋比古われさとらざりける

 高地秀の峰とひとしき高山の
  尾の上に立ちて見る国土さやけし

 玉藻山千条の滝のしろじろと
  落ちたぎちつつ言霊響くも

 玉藻山滝の水音響かひて
  曲神たちは眼醒まさむ

 五日目に風は吹けかし十日目に
  めぐみの雨は降れかし神国に

 雨も風も神国の栄ゆる基ぞと
  思へば尊し科戸辺水分の神』

 宇礼志穂の神は御歌詠ませ給ふ。

『久方の雲井に高く聳えたる
  玉藻の山は紫微の宮はも

 玉藻山尾の上に建ちし大宮は
  紫微の宮居に等しかるらむ

 主の神の天降りますなる大宮は
  雲井の上にそそりたつかも

 玉野丘は次第々々に高まりて
  今は雲井の上に立たせり

 目の下に湧き立つ八重雲いとほして
  下界に天津日かげはさせり

 玉藻山尾の上に仰ぐ月かげは
  一入さやけく思はるるかな

 吾駒はいかがなしけむ森の外の
  並木に永久に繋ぎ置きしを

 言霊の水火に生れます白駒の
  行方思ひて安からぬかも』

 かく歌ひ給ふ折もあれ、玉野森の外廊遠く繋ぎ置きたる駒は、玉藻山の膨脹とともに大地膨れあがり、山の七合目あたりに清く嘶き居たりしが、宇礼志穂の神の生言霊に感じけむ、蹄の音もかつかつと、山の傾斜面を真白に染めて、単縦陣をつくり、神々の前に駆けのぼり来つ、新しき神国を祝する如く、声もさはやかに嘶きける。
 宇礼志穂の神は再び御歌詠ませ給ふ。

『めづらしもわが言霊の澄みぬるか
  言下に駒はあらはれにけり

 駿馬の嘶き清し新しき
  国土の生れを寿げるにや

 主の神の七十五声のみいきより
  生れし駒ぞたふとかりける』

(昭和八・一一・三 旧九・一六 於水明閣 白石恵子謹録)
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