朝香比女の神は、忍ケ丘のもっとも高い場所に陣を作って悪魔征伐の大本営と定めた。
野槌比古を側において観戦場とし、一方、初頭比古(うぶがみひこ)、起立比古、立世比女、天晴比女の四柱の神々を、沼の大蛇の征伐に向かわせた。
このグロス沼に、グロノス、ゴロスの邪神は永遠の住処として天地をかく乱していたのである。
出陣した四柱の神々は、駿馬にまたがり、進軍歌を歌いながら勇気凛々として進んでいった。
すると、原野の真中に大きな老松が傘を開いたように枝を伸ばしていた。四柱の神々は、ここに休息を取り、作戦計画を練った。
そして、おのおの門出の歌を歌うと、駒の背にまたがり、再び出発して進んでいった。