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文献名1霊界物語 第79巻 天祥地瑞 午の巻
文献名2第2篇 竜宮風景よみ(新仮名遣い)りゅうぐうふうけい
文献名3第15章 宴遊会〔1996〕よみ(新仮名遣い)えんゆうかい
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ
大御祖の神夫婦は、息子の艶男が妻を伴って竜の島根から無事に帰ってきたことを喜び、多くの国津神を招いて祝賀の宴を開いた。山神彦・川神姫は、息子の帰還に喜びの歌を歌った。

祝宴は簡単に済まされ、おのおのは思い思いに河辺伝いに庭園を逍遥することになった。艶男は栗毛の駒にまたがり、燕子花は白馬にまたがり、川辺に咲き乱れた山吹の花をめでつつ、美しい水上山の景色を称え、二人の絆を確かめる歌を歌った。

すると、御祖の神に仕える重臣たち、岩ケ音、真砂、白砂、水音、瀬音の5人は二人のところへかけより、おのおの祝歌を歌った。

こうして宴席は閉じられ、日は西山に傾き黄昏があたりを包んだ。
主な人物 舞台 口述日1934(昭和9)年07月18日(旧06月7日) 口述場所関東別院南風閣 筆録者白石恵子 校正日 校正場所 初版発行日1934(昭和9)年10月25日 愛善世界社版 八幡書店版第14輯 242頁 修補版 校定版295頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm7915
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本文  大御祖の神夫婦は、艶男が妻まで率ゐて、竜の島根より恙なく帰り来りしを喜び、数多の国津神を呼び集へて、ここに祝賀の宴を開く事とはなりぬ。
 水上山の清所には八尋殿数多建てられ、国津神等はここに国の政治を、はつはつながら執り行ひ居たりき。
 御祖の神の四天王と仕へたる神に、真砂、白砂、岩ケ根、水音、瀬音の五柱あり、中に岩ケ根は総ての政治を総轄し、その権威御祖の神を圧するばかりけり。
 水上山の聖地は、麓を流るる大井川を広く取り込み、方一里に余る庭園なりける。
 茲に神々は艶男の御子の帰り来れるを喜びて、各自歌ひ舞ひ踊り狂ひ、木の実の酒に酔ひしれて、天地革新の気四方に漂ふ。
 山神彦は今日の喜びを祝すべく、花園をさまよひながら歌ふ。
『一度は死なまく思ひし老の身も
  蘇りたり艶男に会ひて

 艶男は帰れど妹の麗子は
  竜の島根にあるは悲しき

 待ちわびしその甲斐ありて嬉しくも
  今日はわが子の顔を見るかな

 水上山尾の上は晴れて天津日の
  輝き渡る今日ぞめでたき

 何もかもよみがへりたる心地して
  生きの生命の栄えを思ふ

 葭原の国のかたへの浦水の里に
  われは久しく年ふりにけり

 吾父のみあとを継ぎて八十年を
  国の司と過ぎにけるかも

 艶男の御子の帰りし今日よりは
  浦水の里も安く栄えむ

 地底より生れ出でたる心地して
  今日の宴にあひにけらしな

 妻も老いわれも老いたり今日よりは
  わが子を力に余世を送らむ』

 川神姫は歌ふ。
『例なき今日の喜びにあふ吾は
  三十年ばかり若返りにけり

 今日までは悩み苦しみ疲れはて
  吾身死なまくなりにけらしな

 広庭に藤波かをり山吹匂ふ
  紫色なすかきつばた咲く』

 先づ祝賀の式は簡単にすまされ、各自思ひ思ひに大井川の岸辺を伝ひて、庭園を逍遥する事となりぬ。
 艶男は粟毛の駒に跨り、燕子花は白馬に跨り、川の辺を逍遥しながら、咲き乱れたる山吹の花を愛でつつ歌ふ。
 艶男の歌。
『蛙なく大井の川の底清く
  黄金に映ゆる山吹の花

 大井川岸に匂へる山吹は
  川吹く風に水底にさゆれつ

 艶人と共に手折らむ蛙鳴く
  大井川辺の山吹の花

 雨蛙惜しみて鳴けど山吹の
  花はすげなく川風に散る』

 燕子花は歌ふ。
『山吹の花の盛りを眺めつつ
  大井の里はよしと思へり

 川水に蛙鳴くなりうべしこそ
  岸の山吹今盛りなり

 春深み大井の川の水ぬるみ
  ゆたにうつろふ水底の山吹』

 艶男は歌ふ。
『駒とめて暫し眺めむ大井川
  岸に匂へる盛りの山吹を

 山川の岩打つ水の瀬を速み
  浮きつ沈みつ山吹流るる

 わが庭を流るる川の汀辺に
  咲く山吹は清しかりけり

 川の辺の春の暮れこそあはれなれ
  わが妹に似し山吹萎れつ

 山吹は水底にさへも咲きて居り
  心して飲めわが乗る駿馬

 駒いさむ足の響きに山吹の
  花は果敢なく散らむとするも

 大井川霞ながれて八重に咲く
  水上山吹水に写れり

 駿馬に水飼ふ岸をふさぎつつ
  岸の山吹咲き乱れたり』

 二人は山吹の川辺を後に、藤波の花咲く方へと駒を進め、馬上より艶男はまた豊かに歌ふ。
『万世のかたみにせむとわが植ゑし
  藤波の花咲き出でにけり

 水上山麓に匂ふ藤波の
  花のすがたは汝に似しかも

 藤波の花の紫見つつ思ふ
  汝が色かも紫にして

 紫の色深ければ藤波の
  花はさながら燕子花に似たるも

 濡るる身は楽しかりけり春雨に
  色ます汝はかきつばたなる

 大井川の向つ岸辺に咲く藤も
  匂ひはわれを隔てざりけり』

 燕子花は足下に匂ふ燕子花の花を見て、しとやかに歌ふ。
『かきつばた匂へる庭に君と居て
  思ふは竜の島根なりけり

 かきつばた匂へる庭に藤波の
  花をし見れば春は深めり

 ここに来て思はぬ恥をかきつばた
  わが面の色赤らみにけり

 父母に清く仕へむかきつばた
  君の政治をあななひ奉りて

 山も川もいたく変れる此園に
  君と立ち居て栄えをおもふ

 わが駒は足掻きしてをり向つ岸に
  乱るる花を慕ふなるらむ

 大井川駒に渡りて向つ岸の
  花に酔はむも楽しからずや

 水ぬるむ春の大井の川の瀬を
  駒も勇みて渡るなるらむ』

 艶男は歌ふ。
『思はざる竜の島根に渡り行きて
  思はぬ汝を得たるわれ哉

 玉椿の八千代を契る恋仲を
  祝ぎて匂ふか紅椿花

 紅椿一枝手折りて床の辺に
  かざして一夜を寝ねむとぞ思ふ

 玉の肌に抱かるる身の楽しさを
  思へば春の心ただよふ』

 かかる所へ、岩ケ音、真砂、白砂、水音、瀬音の五柱は、駒をはやめて入り来り、岩ケ根は歌ふ。
『わが君の御姿木の間ゆ透し見て
  われも遊ぶと急ぎ来にけり

 二柱楽しき仲をさまたぐる
  われを許せよ礼なき吾を

 大井川速瀬渡りて今ここに
  駒をうたせる君ぞ勇まし

 われは今宴の神酒に酔ひつれど
  たしなみ心忘れざりけり

 岩ケ根をかみて流るる川水の
  しぶきは玉と散りて砕けつ

 兎にもあれ角にもあれや御館の
  雲霧はれて川水清し

 御館を深く包みしなげかひの
  雲は散りたり霧は晴れたり

 あな尊神の恵の幸深く
  永久に流るる清水真清水』

 艶男はこれに答へて、
『わが行きし竜の島根に比ぶれば
  此花園は清しかりけり

 竜神の細乙女に囲まれて
  われは思はぬ夢になやみし

 悩みてし心の雲霧はれわたり
  今は嬉しき水音を聞く

 国津神もろもろ伊寄り集ひ来て
  われを寿ぐ今日ぞ嬉しき』

 燕子花は歌ふ。
『わが駒は嘶きそめぬ波の上に
  そだちしわれに語らむとして

 百神の強き力に守られて
  われは御国に仕へむとぞ思ふ

 よしやよしわが玉の緒は亡するとも
  此神苑ははなれざるべし』

 真砂は歌ふ。
『水清く流るる大井の川波は
  底の真砂も見え透きにけり

 わが君に長く仕へて今日の日の
  祝ひの蓆にあふぞ嬉しき

 永久に流るる大井の川水は
  国津神等の生命なりけり

 艶男の君にまみえて嬉しけれど
  なほ恨めしき麗子の君よ

 天津日はうららに照れど姫御子の
  清しきかげを見ぬぞ淋しき

 さりながら天地一度に開けたる
  心いだきてわれよみがへる』

 白砂は歌ふ。
『如何ならむ神の経綸かしら砂の
  浦水の里に姫は来ませり

 燕子花姫の命のよそほひは
  水の鏡にうつりて清し

 紫の御衣まとひて駒の背に
  跨り給ふあはれ姫神よ

 百神は勇みつどひて今日の日を
  常世もがもと祈りけるかな』

 水音は歌ふ。
『大井川岩にくだくる水音は
  君が枕に響きこそすれ

 大殿の影をうつして川水は
  永久に流るる清しき里なり

 永久に浦水の里にましまして
  われらが幸を守らせ給へ

 川の辺に咲く山吹のかげ見れば
  春はいよいよ深みたるかも

 山吹の花は咲けども実らねば
  姫の為には手折らじと思ふ

 藤波の花散るあとにいや固き
  豆は実りて御子を生むなり

 まめやかな御子を生まして此里の
  永久の栄えを来させ給へ』

 燕子花はこれに答へて、
『水音の御言うべなり山吹の
  花は思はじ白藤めでつつ

 白藤の花も匂へり紫の
  藤も匂へりうましき川の辺

 かきつばた汀に咲けど何故か
  あそぶ蝶々なきが淋しき

 蝶々はわが背の君の朝宵に
  われをかばひていつくしみますも』

 水音は歌ふ。
『めでたかる君の言葉にあてられて
  われ言の葉もつきはてにけり

 春はまだ残れど君の言の葉に
  わが身体はあつくなりけり』

 瀬音は歌ふ。
『待ちわびし艶男の君は波の秀を
  踏みて嬉しく帰りましけり

 大井川水瀬の音を聞きながら
  もしや君かと待ちわびしはや

 水上の山に仕へて幾年を
  此川水に親しみしはや

 百千花咲き乱れたる広庭の
  春の眺めは華やかなりけり

 百千花咲ける神苑の花として
  君は川辺に光らせ給へる』

 斯く神々は、各自祝歌を歌ひ、今日のめでたき宴席は閉ぢられた。
 天津日は西山に傾き、黄昏の幕四辺を包み、夕烏の声高く遠く聞え来る。
(昭和九・七・一八 旧六・七 於関東別院南風閣 白石恵子謹録)
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