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文献名1霊界物語 入蒙記 山河草木 特別篇
文献名2第3篇 洮南より索倫へよみ(新仮名遣い)とうなんよりそーろんへ
文献名3第21章 索倫本営よみ(新仮名遣い)そーろんほんえい
著者出口王仁三郎
概要
備考2024/1/21出口王仁三郎全集第6巻を底本として校正(漢文以外)。
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-01-21 04:09:34
あらすじ
索倫山木局子は、一時ロシアが占領して採木の税金を取るために木局署という役所を構えていたところであった。今は黒竜江省の管轄となっている。

日出雄と盧占魁は、要害堅固で難攻不落のこの地点に仮本営を構えた。この地域は馬賊団がたくさん出没して支那人も入ることができない危険区域であるが、蒙古の馬賊の英雄である盧占魁と共に進んだことにより、容易に到達できたのである。

このたび盧占魁が、日の出の国の大救世主を奉戴して蒙古救援軍を起こす、というので、国民は上下を上げて歓喜し、すばらしい人気であった。蒙古の王、ラマおよび馬隊が次から次へと噂を聞いて集まってきた。
主な人物【セ】-【場】-【名】源日出雄、曼陀汗、、素尊汗(日出雄)、王文真(真澄別)、盧占魁、張彦三、侯成勲(岡崎)、劉仲元、張桂林(曼陀汗)、楊崇山、鄒秀明、大英子児、何全孝、包金山(貝勒)、李錫麟、王鐘元、王元祺、魏元慶、孫景堂、鄭秀峰、李阜麟、馮萬徳、陳占元、趙恩凱、張恵臣、崔玉祥、金維棟、王瓚璋、靳鵬吉、高鳴九、桑永剛、戦明武、張順、閏青山、馮殿文、馮佐臣、程玉山、王松林、王天海(日人)、王昌輝(日人)、王敬義(日人)、石大良(日人)、巴彦隆(蒙古王貝子)、闞朝爾、楊総参議(東三省)、張輔帥、東三省張副官 舞台 口述日1925(大正14)年08月 口述場所 筆録者 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年2月14日 愛善世界社版188頁 八幡書店版第14輯 617頁 修補版 校定版189頁 普及版 初版 ページ備考
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本文  索倫山木局子は一時露国が占領して採木の税金を取る為め木局署と云ふ役所を作り、多くの大鼻子がここに悠然と割拠したのである。此地点は黒竜江省と熱河と外蒙との連鎖点であり、露国が占領してから索倫山と命名されたのである。興安嶺山脈の支脈であつて、日本里程一百里四方の間を索倫地帯と称してゐる。その後蒙古馬賊の隊長が露兵を追払つて、ここに根拠を構へ、蒙古独立の準備をしてゐた。その後民国七年清朝復辟問題の起つた時、兵燹に罹つて家屋は殆んど滅亡したのである。今は黒竜江省の管轄となり、十数人の官吏や数十人の兵士が守つてゐる。行ゆくは人口増加と共に索倫県を置くと云ふ事である。曼陀汗は此辺の馬隊の大頭目として附近数千名の馬賊を率ゐて此処に根拠を固めてゐたが、其部下は今回の蒙古救援軍の為に、外蒙や特別区域の方へ手分けして準備のために出て行つて了ひ、僅かに数十名の部下が御大の身辺を守つてゐる。
 日出雄及び盧占魁が、要害堅固にして難攻不落と称へらるる此地点に仮本営を構へ悠々として軍の編成を図つたのも、地の利を選んだ為めである。洮南より西北の曠野は到る所に慓悍なる馬賊団が沢山に出没して、支那人でさへも這入る事の出来ない危険区域であるが、何と云つても蒙古の英雄馬賊の大巨頭を引連れて進んだのだから、危険至極なる馬賊は暗夜に太陽の出た如く歓迎の至誠を尽して従軍すると云ふ次第であるから、日出雄一行の索倫入りは極めて易々たるものであつた。
 此度日出の国の大救世主を盧が奉戴して蒙古救援軍を起すと云ふので、国民は上下を挙げて大に歓喜し、素晴らしい人気であつた。蒙古の王、喇嘛及び馬隊等が次から次へと噂を聞いて集り来り、部下を率ゐて参加するので、瞬く間に左の如き幹部の編成が出来上つた。

   内外蒙古独立救援軍
          (西北自治軍)
 太上将 達頼喇嘛  素尊汗(日出雄)
 上将  班善喇嘛  王文真(真澄別)
 同   総司令   盧占魁
 中将旅長      張彦三
 同 参謀      侯成勲(岡崎)
 同 旅長      劉仲元
 同 同       張桂林(曼陀汗)
 中将、副司令兼旅長 楊崇山
 少将 同      鄒秀明
 同  同      大英子児
 同  同      何全孝
 同  同      包金山(貝勒)

 尚司令部各部官は左の如し。

 軍法処長   李錫麟
 秘書     王鐘元
 繙訳官    王元祺
 副官     魏元慶
 営長     孫景堂
 同      鄭秀峰
 書記官    李阜麟
 連長     馮万徳
 秘書     陳占元
 連長     趙恩凱
 書記長    張恵臣
 排長     崔玉祥
 同      金維棟
 司務長    王瓚璋
 稽査長    靳鵬吉
 偵探     高鳴九
 連長     桑永剛
 同      戦明武
 副官     張順
 排長     閏青山
 連長     馮殿文
 営長     馮佐臣
 連長     程玉山
 連長     王松林
      盧占魁 謹呈
 民国十三年五月九日
  軍事顧問
  王天海(日人)  王昌輝(日人)
  王敬義(日人)  石大良(日人)
  巴彦隆(蒙古王貝子)

 軍事に関する往復文書の一二を左に紹介する。

(一)盧占魁より洮遼鎮守使闞朝爾に宛てたるもの

   敬寄遼源県
 洮遼鎮守使署呈
 闞鎮帥 鈎啓
      自索倫山謹爾 四月二十九日
鎮帥鈎鑒敬稟者占魁於月之九日率部下北来蒙鎮帥格外照払諸事分神莫名感激二十七日即到索倫山刻下随帯人員共五百余名一路厳守秩序秋毫不犯趙副官走後劉省三即派人到索報称己招募隊伍七八百名於月之二十二日起程北来約三五日即能到索惟蒙旗高爾蘇公会経親密派妥員来索面允所属十旗毎旗各出兵百名其槍機甚不完全占魁又与蒙古徳王商議允為於伊所属十旗毎旗出兵二百名槍馬斉備一侯人馬到斉編制妥協後即行作速西発槍馬均属斉惟子弾不甚充足又不易購買将来恐有接済不上実属一大難点万蒙
鎮帥愈允格外分神代為設法購買至於需款若干占魁自己担承並懇或興
大師交渉請為発給以済軍実将来大事有成皆出

鎮帥之玉成矣粛此謹稟敬請鉤安伏乞
垂鑒   慮占魁   謹稟四月二十九日

(二)盧占魁より楊総参議(東三省)に宛たるもの

   敬呈
 楊総参議 鉤啓
   白黒竜江索倫山謹粛 五月八日
総参議鉤鑒 違
範日久景仰弥深万具無函已将入手弁理情形報告諒邀
青鑒矣、刻下現有隊伍五百余名槍械馬匹完全整備正在防址訓練之初尚有一千余名大約五六日必到索倫惟此際槍械炮弾需用甚急即請選派妥員将械弾早日運輸来索以備応用占魁惟有仰頼
 鉤座設法維持期収完全効果以符下忱至於労涜清神之処銘諸心版永矣弗諼而巳再者曾選派隊伍五六十名前往熱地購買馬匹預備編隊之用以後隊伍到斉如何編制之処均請鼎力維持俾便進行嗣後如何弁理随時陸続報吾粛此敬請
公安並信
覆示為盻 慮占魁 頓上 五月八日

(三)盧占魁より吉林省張輔帥に宛たるもの

   吉林督軍署
呈張輔帥 鉤啓
      自江省拝緘
輔翁師長麾下遥違

英字時切葭思
竜門在望景仰何極近聞消息
栄膺吉督保障封疆長材得展下風欽佩鼎祝莫名遥為繻慕抃舞遠道預賀也占魁泰蒙
知遇感佩殊深北来兼句招募隊伍前已稟陳梗概事在創建頭緒紛如現已粗具規摸編成人数已有五六百之多其未到索者尚有一千余名大約一星期内必能到索嗣後招募竣事如何編制謹信我公指点略以便遵従並希多費金神鼎力設法維持一切将来編制就諸完成之処悉頼我公之賜也此後尚希不吝金玉遇事
教正以便遵寸為命是聴諒厚我者必不棄置也
粛此謹稟敬請
鉤安並叩
栄禧余維
斉照 虞占魁 謹粛 五月八日
敬再詢者占魁自前月初旬来索忽逾月余省城新聞均無従探息昨閲報載省中内有更変未知確否
再者 叙翁在京有無回奉確息主座対於叙帥之地位迄是否表決千里相隔諸多鬱悶統請不吝教言時示
南針以匡不達
   占魁 又及

(四)盧占魁より東三省張副官に宛てたるもの

  面呈
 張副官 慇啓
   以黒竜江索倫山 拝緘 五月八日
華宣仁兄閣下前函諒蒙
収閲勿庸瑣涜現在内部已竟略目下規模招募隊伍計有五六百之譜刻間正在編制訓練之際其未到人数尚有一千余名大約五六日内必克到索但人数斉備而軍械尤為要緊急待応用甚至刻不容緩以期早日完全成立万祈速為設法運送来索務祈面向総参議婉詞核愈速愈妙勿使弟遠道盻望心旌揺之諒愛我者心能体念弟之衷趣也再懇者前在奉垣呈報属員家眷接済一項早蒙金諾批示在案此次随弟北来人員恐請
兄台一併費神佑照前情亦理庶免此視之誚茲特随函附呈人員名単一紙均祈早日批示施行不勝感禱之至耑此特懇致請
公安 弟 慮占魁 拝啓 五月八日

(大正一四、八、筆録)
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