文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3万民和楽の神策よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考「昭和」昭和九年八月号所収「万人が心から喜ぶ政治」三とほぼ同じ
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ページ230
目次メモ
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本文
現今の為政者には、皇道のコの字も判つてゐない。だからその云ふこと為すことことごとくが国家の不利益となり、国運の進展を害し、国民をしてますます困窮のドン底へ陥れて、何もかも行き詰り、メチヤメチヤになつて行くばかりである。
為政者ばかりではない、世の指導的地位にある者の頭の中は、ほとんんど欧米の唯物的思想で満され、金銀を以て本とするその国家経綸策に心酔してゐる。だから皇道も帝道も同じくらゐにしか考ヘてゐない。その証拠には「日本帝国」と公然称し、かつそれを怪しむ者が無いではないか。
帝道国とは立憲君主国のことである。日本は万世一系天立君主立憲国である。即ち皇道の国、皇国、皇御国である。畏れ多くも、我が天津日継天皇陛下は天立君主現人神にあらせられる。外国に見るが如ぎ帝王と同一視するが如きことあらむか、不敬もはなはだしいものである。
皇国は世界に日本一国のみで、帝国と混同する事は絶対に許されない。即ち皇国の皇は「スベル」とも「スメ」とも訓む。故に主、師、親の三徳を惟神に具有し玉ひ、地球上を知食す大君を、皇御門と申し上げ、皇御孫命と申し上げ、日本神国は道義的に世界を統治すべき天賦の大使命を有するが故に皇御国と称へまつるのである。
要するに世界の宗教も教育も政治も経済も、すべて皇道によりて統一され、清められ、生命を与ヘられ、進展して行くのである。即ち地獄的世界の惨状を救ひ、大和楽世界を建設するの道は、皇道より他には絶対に無いのである。これは、畏くも天武天皇が「邦家之経緯、王化之鴻基」と詔らせ給ひし、皇典古事記の序文に明示されてあることで、一言半句の私見もさしはさんでない。しかし欧米心酔者には中々理解出来ぬであらうが、神の分霊たる大和魂を持つ日本人なれば必ず諒解出来るはずのものである。
この皇道による救済策の第一歩は、現代の金銀為本の国家経綸策を根本より改め、御稜威を本とする国家経綸を行ふことである。即ち皇道経済を先づ運用すべきであるが、現代の為政者らには到底出来さうもなく、具体的に示せば狂人に正宗の名刀を持たすやうな結果になるから、今しばらく、その運用の具体的方策については述べないことにする。
私はいたづらに大言壮語するものでもなく、独断の放言でも無い。私には皇道経済による現社会の救済具体案が完全に出来上つて居り、既にその試験的工作は終つてゐるのである。前にも述べた如く、皇道経済によれば、富士山を崩して太平洋を埋めるやうな事をしなくとも、富士山も太平洋もそのままにしておいて──言葉を換へて云へば、上層階級も下層階級も、北海道の人も台湾の人も、インテリもルンぺンも皆一様に喜んで、一人も不足を云ふ者はなく、恵良々々に歓ぎ賑はひ、永遠に栄え行く大神策である。しかも明日からでも直ちに実行出来得る国家の大経綸策なのである。