文献名1大本史料集成 2 >第2部 昭和期の運動
文献名2第2章 昭和神聖運動 >第5節 総本部日記よみ(新仮名遣い)
文献名3総本部日記 昭和10年よみ(新仮名遣い)
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概要昭和神聖会総本部の日誌
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データ最終更新日2016-11-25 04:06:54
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■昭和十年■
●一月一日
新春初頭に当り一層の奮励努力を期す、統管は天恩郷にて迎春さる。
新調の神聖会大旗を総本部事務所の庭に長竿高く掲揚す。全世界白露ファッショ党駐日全権パルイコフ氏、シベリア自治団副団長駐日全権ポロチコフ氏、佐藤信勝氏同道一行五名亀岡へ統管を訪ねるべく今夜東京出発。
細田東洋男氏茨城県下遊説の為め発す。
年賀来訪者多数あり。
●一月二日
午前十一時横浜出帆の近江丸にて宇城氏一行十名南洋ポナぺに向け出発、永井、山下両女史代表にて横浜まで見送る。出口副統管明三日亀岡出発、島根鳥取に到り一旦亀岡に帰り京都の用務を了へて帰京の旨来電。
●一月三日
兵庫県加古支部発会式挙行。神聖運動に関する心得につき本日付全国に通達(特号)を発せらる。
嘱託講師諏訪部匡民氏岡静〔山の誤りか〕へ出発五日より広島県下遊説の予定。
午後十時東京駅発列車にて下位春吉氏、深町霊陽氏亀岡統管部へ向ふ。
午後一時昭和青年会及昭和坤生会東京聯合会は明治神宮参拝をなす。
広瀬義邦氏昭青本部並神聖会を代表して参拝に加はる、尚右終つて紫雲郷別院にて新年会を開催す。
長野春祥氏-東北地方本部長-来京。
●一月四日
統管四国地方発会式臨席の為め本日亀岡統管部を出発され神戸乗船高知に向はる、下位氏外随員、大国氏、深町氏、北出氏。
兵庫県明石支部発会式挙行。
長野春祥氏用件を終へて仙台に帰る、上海矢島超二氏来訪。
●一月五日
広島県福山支部発会式挙行。
午前十時過ぎ統管より左記電報来る。
「海路平穏高知に来る各位益々緊張奮励せよ、王仁」
右に対し左記答電を発す。
「寸暇なき御活躍に感激、御期待に副ふべく奮励努力致します、一同」
茨城県西茨城支部発会式講演会に陸軍少将三浦真氏を依頼すべく広瀬氏訪問快諾を得。
茨城県高橋守氏来訪。
皇道宣揚展に活動中の日向良広氏来訪。
●一月六日
統管高知市に於ける高知支部発会式に臨席さる、講師下位、深町両氏。
午前九時五分上野発三浦真少将、土井靖都氏茨城県結城支部発会式に向ふ。
広島県御調支部、京都市左京支部発会式挙行。
滞在中の日向良広氏宇都宮皇道展に出発、葦原万象氏亀岡より帰来。
●一月七日
統管高知県窪川町にて開催の高岡支部発会式に臨席以下同前。
午前八時四十分上野発貴志中将、菅谷氏栃木県那須支部発会式に向ふ。
静岡県引佐支部、宮城県登米支部発会式挙行。
午前十時十分東京駅着、前駐満全権大使菱刈大将凱旋につき広瀬氏代表出迎へす。昭青坤生代表者はホームに、部隊は駅前にて歓迎す。
愛善陸稲の件につき甲信本部竹内太郎氏来訪。
名古屋本部松本忠男氏支部発会式講師として海軍将校依頼の為来訪──十六日愛知県瀬戸市、十七日三重県伊賀阿山、十八日岐阜県広見。
広瀬氏海軍省軍事普及部を講師依頼の件にて訪問、帰途日本青年館建国祭本部を訪問昭和神聖会(昭青坤生を含む)の参加につき打ち合す。
出口明徳氏亀岡より帰来。
井上留五郎氏本日山梨県上野原町を初めとして甲信本部管下を月末まで遊説の予定。
貴志中将栃木県より帰来。
●一月八日
統管徳島県池田町に於ける三好支部発会式に臨席。
岡山県後月支部、奈良県吉野支部、岩手県西磐井支部発会式挙行。
広瀬氏講師依頼手続の為海軍省軍事普及部を訪問。
午後三時廿五分着富士号にて出口副統管亀岡より帰来。
米倉範治氏、山田雲峰氏、只佐雄一郎氏来訪。
●一月九日
統管徳島県富岡に於ける那賀支部発会式に臨席、広島県世羅支部及び甲奴支部発会式挙行、江口宏氏満洲国公使館訪問蔵式毅氏一行訪日日程を貰ひ受く、紫雲郷別院及び東京本部へ歓迎手配をなす。
午後広瀬義邦氏、名古屋松本忠男氏同道海軍省を訪問、柴田善治郎中佐出張承諾あり。
東京府下三多摩地方へ神聖運動並に愛善陸稲宣伝の為め旧蝋中旬より出張活動せる山田、清水両氏帰来各地とも好成績の旨詳細報告あり。
菅谷氏福島県へ、葦原氏新潟県へ夫々遊説の為出発。
長野県竹内太郎、長谷川正人父子、三氏愛善陸稲の件にて来訪。
木村毎夕社長、太田一郎氏、土井氏、田口氏、角田氏、薄田氏、清水氏、岡本氏来訪。
岡部氏亀岡より帰来。
●一月十日
統管臨席の下に徳島市に於て徳島支部発会式挙行さる。
岡山県浅口支部、広島県双三支部、京都市右京支部発会式挙行。
午前七時十分東京駅着列車にて満洲国民政部大臣蔵式毅氏及び随員奉天警務庁長三谷清氏一行着京、出口副統管を初め昭青坤生両会員多数駅頭に出迎ふ、江口宏氏大船駅へ出迎へ東京迄同乗して敬意を表す。
午前九時明治神宮に於て挙行せられたる国民振興国民祈願祭(主催、中堅建設同盟、金融合理化同盟、愛国商品券期成同盟、後援、東京市)に広瀬氏参列。
愛善陸稲部米沢出張所主任原丑之助氏打合せの為来訪。
奥谷宮照氏亀岡より帰来。
高川宅次氏副統管の代理として統管の指示を受くべく四国琴平町へ急行。
三重県津市白井虎雄氏来訪。
●一月十一日
統管香川県琴平町に於ける中多度支部発会式に臨席。
広島県比婆支部、奈良県磯城支部発会式挙行。
副統管全世界白露ファッショ党駐日全権パルイコフ氏の招待により往訪。
原丑之助氏愛善陸稲に関する打ち合はせを終へて米沢へ帰郷。
岡本霊祥氏「日本」の国号を世界に使用せしむる請願書に関して山田雲峰氏を訪問。
細田東洋男氏茨城県下の遊説より一旦帰来。
●一月十二日
統管臨席の下に高松市に於て高松支部発会式挙行。
奈良県生駒支部発会式挙行。
広瀬氏三月十日陸軍記念日の件に関して陸軍省を、又講演の件に関して海軍省を訪問。
江口氏、広瀬氏夫々警視庁を訪問。
広瀬氏講演の件につき三浦少将訪問。
紫雲郷別院月次祭に副統管及来朝中の三谷奉天警務庁長参拝、祭典後副統管の訓話並に三谷氏の講演あり。
四国へ出張したる高川氏帰京、副統管に復命す。
多田理助氏他六名来訪。
●一月十三日
統管臨席の下に丸亀市に於て丸亀支部発会式挙行さる、外に尼崎(兵庫県)和気(岡山県)西茨城(茨城県)邑久(岡山県)七支部発会式を挙ぐ。
三浦真少将及び細田東洋男氏茨城県岩間町に於て挙行の西茨城支部発会式に講演の為出発。
亀岡より高木鉄男氏秋田出張の途次立寄り一泊。
来訪者、清水国治氏、棟尾松治氏外福建省中華人二名、出口副統管午前十一時亀岡へ出発。細田東洋男氏茨城県より帰来。
●一月十四日
統管臨席の下に新居支部(愛媛)発会式挙行、講師下位、深町両氏、以下同様、外に東山支部(京都)発会式挙行。
昨日上京在泊せし高木鉄男氏秋田へ出発。
細田東洋男氏、埼玉県本庄五十嵐恒雄氏と同道講演の件につき堀少将訪問、海軍省人事局第二課より昭和青年会につき照会ありたるに対し回答書発送す。
来訪者鈴木延吉氏。
●一月十五日
統管臨席の下に今治支部(愛媛)発会式挙行、外に英田(岡山)天王寺(大阪)神崎(滋賀)柴田(宮城)刈田(宮城)五支部発会式挙行。
佐藤海軍中将二日間の予定にて宮城県下、柴田、刈田、宮城三支部発会式講演会講師として出張。
広瀬氏海軍省に軍事普及部委員長野田少将を訪問。
昭和水稲栽培法創始者藤本芳太郎氏来訪、話を聴く。
●一月十六日
統管臨席の下に別府支部(大分)発会式挙行、外に勝田(岡山)泉北(大阪)蒲生(滋賀)宮城(宮城)四支部発会式挙行。
人類愛善新聞一月下旬号発禁となりし為直に改訂版印刷に着手す。
細田東洋男氏茨城県下遊説の為出張、旧蝋より鳥取県下に於ける救農請願運動の件に閲し出張中の細田正治氏帰来。
昭青本部黒田高守氏亀岡より帰来。
●一月十七日
統管臨席の下に延岡支部(宮崎)発会式挙行、外に苫田(岡山)深安(広島)東区(大阪)野洲(滋賀)西加茂(愛知)五支部発会式挙行。
人類愛善新聞一月下旬号改訂版出来。
佐藤海軍中将宮城県下の講演を終へて帰京。
広瀬氏木剣強健法創始者山田雲峰氏を訪問、高木鉄男氏秋田より帰京、夜行列車にて亀岡へ出発。
井岡綸一郎氏旧蝋下旬より愛善陸稲宣伝の為鳥取島根両県下へ出張中の処好成績を挙げて帰来。
速志英春氏亀岡、綾部両地を十六ミリ活動写真に撮影の為出発。
●一月十八日
統管臨席の下に宮崎支部(宮崎)発会式挙行。
外に津山(岡山)港区(大阪)栗太(滋賀)可児(岐阜)富士(静岡)上伊部(長野)六支部発会式挙行。
海軍省軍事普及部柴田中佐三日間の予定を以て岐阜県可児支部、三重県三重支部。愛知県瀬戸、東春日井両支部発会式講演会講師として出発。
広瀬氏三浦少将訪問後南洋林業株式会社専務井出清治氏を訪問、南洋ボルネオ行の件につき懇談。
井岡氏愛善陸稲の件にて松岡俊三代議士訪問。
●一月十九日
満月、皆既蝕なり。
統管臨席の下に鹿児島支部発会式挙行、外に印南(兵庫)浪速(大阪)三重(三重)上道(岡山)那珂西部(茨城)五支部発会式挙行。
三浦少将講師として東京本部講師鈴木氏と同道、茨城県那珂西部支部発会式講演会へ出張。
広瀬氏市内京橋区大辻辰夫氏方座談会へ出張。
●一月二十日
統管臨席の下に八代支部(熊本)発会式挙行、外に赤穂(兵庫)真庭(岡山)堺竜神(大阪)高島(滋賀)阿山(三重)渥美(愛知)那珂東部(茨城)高座(神奈川)東春日井(愛知)瀬戸(愛知)芳賀(栃木)十一支部発会式挙行。
副統管亀岡より早朝帰京、直に土井靖都氏、清水国治氏同伴、神奈川県高座支部発会式臨席の為出張。
佐藤海軍中将栃木県芳賀支部発会式講演会講師として東京本部真柄氏同道出張。
井岡綸一郎氏愛善陸稲に関し松山常次郎代議士訪問。
小牧留男少年新に本日より奉仕。
来訪者今里勝男氏、河田弘氏。
●一月廿一日
統管臨席の下に久留米支部(福岡)発会式挙行、外に阿哲(岡山)広島(広島)西区(大阪)三支部発会式挙行。
海軍省柴田中佐名古屋地方本部管下講演を終へて帰京。
井岡綸一郎氏愛善陸稲宣伝の為長野県下へ出張。
江口氏三谷清氏訪問。
満洲国民政部大臣一行廿三日退京後の日程を関係各地へ発送、会員の送迎方を通達す。
来訪者相坂運吉氏、今里勝男氏、三浦葦彦氏。
●一月廿二日
統管臨席の下に佐賀支部発会式挙行、外に上房(岡山)多紀(兵庫)北区(大阪)滋賀(滋賀)津山(岡山)五支部発会式挙行。
鳥取県救農請願書(笠井祥利氏外八千八十五名第一回分)貴衆両院に提出ありたる旨細田正治氏より報告あり。
雑誌「転換時代」二月号に統管の貞操国防に関する意見掲載せり。
●一月廿三日
統管臨席の下に佐世保支部発会式挙行、外に東成(大阪)遠敷堺(福井)三支部発会式挙行。
過日来滞京中の満洲国民政部大臣蔵式毅氏及奉天省警務庁長三谷清氏一行燕号特急列車にて出発、在京昭青、昭坤会員多数歓送、神聖会を代表して広瀬氏駅頭で、江口氏は沼津駅迄同乗見送りをなす。
細田正治氏山陰地方へ出張。
来訪者葛生能久氏、小幡虎太郎氏、清水生太郎氏、山田王介氏、武田純一氏、土井篤子氏外婦人一名、五十嵐恒雄氏。
●一月廿四日
統管臨席の下に長崎支部発会式挙行、外に都窪(岡山)出石(兵庫)倉敷(岡山)三支部発会式挙行。
出口副統管終日外出、広瀬氏陸軍省新聞班及海軍省軍事普及部訪問。
●一月廿五日
統管臨席の下に藤津支部発会式挙行、外に養父(兵庫)和歌山二支部発会式挙行。
長井、都築、平島、青柳、大川、片野、関谷、浜口八氏同道来訪、副統管と神聖運動につき懇談、来訪者李海天氏、角田清彦氏。
●一月廿六日
統管臨席の下に福岡支部発会式挙行、外に吉備(岡山)佐伯(広島)二支部発会式挙行。
細田東洋男氏は茨城県下より又菅谷英世氏は福島県下より夫々遊説を了へて帰来。
広瀬氏海軍省訪問、同氏は夜東京本部に於ける座談会に講師として出張。
来訪者、山田王介氏、酒井照月氏、救国学生同盟松村正義氏、同橋本清隆氏、愛国恤兵会茂手木一氏。
●一月廿七日
統管臨席の下に飯塚支部及直方支部発会式挙行、外に赤磐(岡山)北桑(京都)足柄(神奈川)周智(静岡)東茨城(茨城)五支部発会式挙行。
細田東洋男氏は足柄支部発会式に、又菅谷英世氏は海軍省大石海軍中佐及東京本部真柄氏と共に東茨城支部発会式に出張。
午前零時廿分人類愛善新聞二月上旬号発禁の通知来る。
来訪者三須六郎氏、只左雄一郎氏、竹内照子氏。
●一月廿八日
統管臨席の下に八幡支部発会式挙行。
江口氏人類愛善新聞二月上旬号発禁問題に関し後藤内務大臣訪問、更に検閲課訪問、夕刻に至り二面記事中十八ケ所を削除し改訂版を発行す。
細田東洋男氏亀岡へ出発。
統管が頭山満翁、野間清治氏及山田一夫氏と共に連署しての「ニッポン」国号確立に関する請願は本日議会に書類を提出手続を了した。
愛善陸稲宣伝の為め井岡綸一郎氏目下長野県に活動中、其の他左記諸氏を愛善陸稲指導員に嘱託し福音を宣伝しつゝあり。
原丑三助氏、渋谷助五郎氏、剣重芳次氏、斎藤清氏、相原藤一郎氏、安藤今朝次氏、渋谷晏正氏、渡辺春次氏、野崎清光氏、渡辺誠治氏、近藤保氏。
来訪者伊藤靖氏、只左雄一郎氏、三好彰記氏、土井静枝氏、星野精光氏。
●一月廿九日
統管臨席の下に中津支部(大分)発会式挙行、外に駿東支部(静岡)発会式挙行。
葦原万象氏新潟県下遊説より帰来。
来訪者青木若治氏、高見範雄氏、大谷敬祐氏、長田春光氏、角田清彦氏。
●一月卅日
統管臨席の下に小倉支部(福岡)発会式挙行。
外に庵原支部(静岡)発会式挙行。
広瀬義邦氏陸軍省新聞班並に山田雲峰氏を歴訪。
副統管夜行列車にて亀岡へ。
●一月卅一日
統管臨席の下に門司支部(福岡)発会式挙行。
広瀬義邦氏陸軍省新聞班を訪問。
二十六日挙行の予定なりし吉備支部(岡山)佐伯支部(広島)並に二十七日の赤磐支部(岡山)発会式は延期したる旨通知あり。
広瀬義邦氏亀岡へ。
●二月一日
統管臨席の下に長門支部(山口)発会式挙行、外に賀茂支部(静岡)発会式挙行。
萩原敏明氏夜行列車にて下位氏夫人を案内して亀岡へ。
●二月二日
来訪者雨宮要平氏。
葦原万象氏亀岡へ。
●二月三日
積雪四寸、稀有のことなり。
昭和神聖会一覧表出来、各地方本部へ頒布の手続きす。
奥谷宮照氏亀岡へ。
●二月四日
来訪者高木暉雄氏。
●二月五日
丹羽野直久氏故海軍少佐藤井斉氏の慰霊祭に参列の為靖国神社へ。
●二月六日
来訪者石川茂氏。
●二月七日
萩原敏明氏、江口宏氏亀岡より帰来。
●二月八日
嘱託講師諏訪部匡民氏四国遊説の途に上る、黒田高守氏亀岡へ出発、山田王介氏来訪。
●二月九日
帰京中の下位春吉氏は統管一行に加はるゝ為亀岡へ急行。統管一行は夕刻新築の亀岡統管部事務所透明殿を出発和歌山県に向はる、随員下位氏、深町氏、北出氏、速志弥生氏、細田東洋男氏亀岡より帰来。
●二月十日
統管臨席の下に東牟婁支部(和歌山)発会式挙行、外に猿島(茨城)温泉(愛媛)二支部発会式挙行。
細田東洋男氏茨城県下遊説の為出張。
広瀬氏綾部より帰来。
満洲派遣部隊午後六時東京駅出発を稲生氏代表にて見送る。奉天黒川実氏来訪。
●二月十一日
紀元節なり、神武天皇が二千五百九十五年前青垣山四方を繞らす大和平原に『六合一宇』の皇道精神を宣揚し給ひし当時を回顧し、飜って現下皇国内外情勢に想到する時、本会の重大使命を今更の如く痛感すると共に勇躍を禁じ能はざるものあり。
統管臨席の下に南牟婁支部(三重)発会式挙行、外に阿山(三重、一月二十日の予定延期)周桑二支部発会式挙行。
建国祭に丹羽野氏総本部代表として参加、外に昭和青年会員昭和坤生会員約三百名参加す。
細田正治氏亀岡より帰来。
来訪者、茂手木一氏、鵜飼美生氏、山田王介氏、安住幸好氏。
●二月十二日
統管臨席の下に新宮支部(和歌山)発会式挙行。
日出麿師、伊藤永春氏帯同上京せらる。明十三日愛国恤兵会総裁朝香宮奉戴式に参列の為なり。
本会発行愛善陸稲作法好評にて忽ち第一版売切れとなり訂正第二版出来、納本す。
海軍軍縮予備会議帝国代表山本五十六中将入京歓迎の為菅谷、稲生両氏東京駅へ、外に在京昭青坤生両会員代表駅頭に出迎ふ。
細田東洋男氏茨城県より帰来。
●二月十三日
統管一行和歌山県新宮より田辺へ、三豊支部(香川)発会式挙行。
山本五十六中将の英京ロンドン発信本会御礼状到着。
副統管亀岡より帰来。
来訪者、角田清彦氏、神奈川県本部内海、橋本両氏、星野精光氏、名古屋杉本忠男氏、美座時中氏。
京都日日新聞(二月六日)本会に関する記事を掲載せり。
●二月十四日
統管臨席の下に有田支部(和歌山)発会式挙行、外に香川支部(香川)発会式挙行。
細田東洋男氏茨城県へ出張。
奥谷宮照氏亀岡より帰来。
来訪者、斎藤篤氏、田中省三氏、小幡虎太郎氏、杉本幸氏、救国学生同盟橋本、宮岡、杉村三氏、茂手木一氏、山形県森村金三郎氏、山田王介氏、清水太郎氏。
●二月十五日
統管臨席の下に津名支部(兵庫)発会式挙行前に小豆支部(香川)発会式挙行。
日出麿師伊藤永春氏を随伴退京綾部へ。
副統管御田村氏宅訪問、菅谷英世氏山形県下遊説の為出発。
土屋弥広氏上京来訪。
広瀬氏愛国恤兵財団助成金に香川伯爵及雨宮理事を訪問、国華日奉仕の件につき挨拶をなす。
本日附を以て山田王介氏、清水広方氏愛善陸稲指導員を嘱託せらる。
松田文相祝電に関し文部次官より各府県知事宛通牒を発せられたる旨地方より情報あり。
来訪者、酒井吉也氏、角田清彦氏、曽根朝記氏、謝竜潤氏、江川弥太郎氏、飯盛喜一氏、関俊二氏。
●二月十六日
統管臨席の下に三原支部(兵庫)発会式挙行。
大国以都雄氏上京、当分滞在の予定、速志英春氏総本部の実況を十六ミリ活動に撮影す。文相祝電問題に関し地方より頻々情報あり、祝電許容の証拠書類を保管書類の中より取出す。
来訪者、田口清吉氏、木村瑞枝氏、土井靖都氏、五十嵐恒雄氏、清水定広氏、只佐聖一郎氏、山田王介氏、清水広万民。
●二月十七日
統管臨臨の下に奈良支部発会式挙行、外に大川支部(香川)北相馬支部(茨城)発会式挙行。
副統管は統管一行と打合せの為め奈良へ急行。
山梨、長野両県下発会式三月上旬統管臨席の下に挙行の予定なりしが統管部の都合にて延期の旨入電。
文相祝電問題に関しては「徹底的に進め」と奈良出張中の副統管より夜電報来る。
三浦少将北相馬支部(茨城)発会式に参列講演の為出張、東京本部鈴木氏同行、茨城県下遊説中の細田東洋男氏同発会式に参列、講演を終へて帰来。文相祝電問題の証拠文書菊沢前秘書課長自筆捺印の文相祝電原文を写真に撮影す。
本会嘱託講師諏訪部匡民氏より香川県仏生山町公会堂に於ける神聖会講演に於て美濃部博士の天皇機関説を排撃したるに警官より中止を命ぜられ引続き検束留置せられたる旨通信あり。
●二月十八日
統管臨席の下に犬上支部(滋賀)発会式挙行、外に板野支部(徳島)発会式挙行。
文相祝電問題に関し広瀬、江口両氏文部省に三辺次官を訪問、証拠書類の写真を提示して真相を説明し取消通牒発送方交渉す。
夕刊東京民報(二月十七日発行)第一面に「昭和神聖会とは?大本教と国家主義団の結合、恐る可き実行力」なる題目の下に好意的記事掲載せり。錦旗国民軍(二月十五日発行新日本国民同盟機関紙)第一面に「大本教、昭和神聖会との関係」なる小見出の下に国家改造上奏請願運動の背景には昭和神聖会並に皇道大本が存在し総指揮を執れるのみならず莫大なる資金を提供しつつありとの昨年末来のデマを否定し事実を報道せる記事あり。
来訪者、斎藤氏、葛原省三氏。
●二月十九日
統管臨常の下に湖北支部(滋賀)発会式挙行、外に勝浦支部(徳島)発会式挙行。
文相祝電問題に関し電話にて三辺文部次官より「菊沢前秘書課長に訊ねし処許可せしことを失念し居たること判明せり、取消通牒を発する意志なし」と回答し来る。
文相祝電問題対策を大国以都雄氏を中心に協議すると共に副統管に急拠上京方打電す。「全国学校に迄府県より通牒せし模様、影響甚大なり、取消方是非要求せよ」と副統管より夜半来電。
樺太に地方本部設置することに決定。
愛善陸稲指導員山田王介、清水広方両氏甲府方面へ宣伝の為出張。
黒田高守氏亀岡より帰来。
文相祝電原文写真百枚焼増。
統管日程(自二月十九日至同月廿五日)印刷発送。
東京警備司令部より廿二日遺骨東京駅来着の旨通知来る。
来訪者、土井靖都氏、小島高踏氏、佐土原夫人。
●二月二十日
統管鳥取県東伯郡由良に於ける統管歌碑除幕式に参列。
下位春吉氏京都市に於て二回講演、深町霊陽氏上京。
副統管今朝帰来。
文相祝電問題に関し広瀬、江口両氏再び文部省に三辺次官を訪問、折衝を重ねたるも遺憾乍ら誠意ある回答に接せぎりしを以て事件の真相を天下に発表し公正なる批判を世に問ふと共に文部当局の非違を飽く迄糾弾することに決し、声明書文案を起草。
細田東洋男氏講演依頼の為堀少将を訪問。
来訪者、土屋得蔵氏、田中省三氏、河原義和氏。
昭和神聖会手旗三千本註文。
●二月二十一日
統管島根県地恩郷に於ける統管歌碑除幕式に参列。
江口氏熱海に静養中の内田副統管を訪問、文相祝電問題につき委曲報告をなす。
諏訪部匡民氏の香川県に於ける検束事件につき「日本」新聞は十九日及二十一日の二回に亘り関係記事掲載せり。
来訪者、角田清彦氏、曽根朝起氏、大崎十三雄氏、上野藤之助氏、町田茂兵衛氏。
●二月二十二日
統管臨席の下に美濃〔益田の誤〕支部(島根)発会式挙行、外に香美支部(高知)発会式挙行。
●二月二十三日
統管臨席の下に都濃支部(山口)発会式挙行、外に高岡郡第二支部(高知)発会式挙行。
●二月二十四日
統管臨席の下に呉支部(広島)発会式挙行、外に岩美支部発会式挙行。
文相祝電問題に関する声明書を松田文相宛配達証明附にて送附す、午前七時四谷局及赤坂局へ声明書総計二千六百通持参発送す、声明書の外に昭和神聖会地方本部及支部、遊説員、昭和青年会、主会、聯合会、支部、指導員、特派へは別に特号通達を同封発送す。
「日本」新聞に文相祝電に関する本会声明書を扱ひたる記事掲載あり。
副統管鄭旭氏と外出。
来訪者、稲生甲子太郎氏、北条由幸氏、竹内照子氏。
●二月廿五日
統管亀岡へ、日の出支部発会式(島根)挙行、大阪時事新報他六社に対して過日掲載の文相偽電問題記事取消方要求の書面を発す、地方本部へ通達。第十二号及文相秘書課長自筆祝電原稿写真一枚宛発送、警視庁及四谷警察署より文相祝電問題に関する声明書発送先照会し来る、電報通信社及聯合通信社より全国へ文相祝電問題に関する通信発送、金沢北国夕刊新聞社土井三郎氏より長距離電話にて祝電問題につき打合せあり。
江口氏議会出席、軽重にて代議士の間に文相祝電問題に関し種々噂ありし由。
過日来滞在中の大国以都雄氏亀岡へ出発、下位、探町両氏帰京。石井六郎氏を通じて上野松坂屋に於て四月上旬開催の満洲国博覧会(朝日新聞社主催)に出品方依頼し来る、来訪者、只佐雄一郎氏、竹内てる子氏、二宮純一氏。
●二月廿六日
意宇支部(島根)発会式挙行。
成瀬言彦氏静岡県遊説より打合せの為帰来、石渡利雄氏亀岡より帰来、広瀬氏東京憲兵隊訪問。来訪者、大日本皇国会総務主事栗山勇二氏、笹川多門氏、神谷光太郎氏、東京本部鈴木氏。
●二月廿七日
統管一行朝八時三十分新橋駅着多数会員の出迎を受け東京本部に休憩、午后一時本所公会堂に於ける光東支部発会式に臨席、発会式に於て美濃部機関説に関する声明書朗読発表、副統管も発会式に臨席、陸軍省パンフレット千二百部を亀岡昭和青年会本部事務局へ発送、井岡綸一郎氏岡山、和歌山両県下の愛善陸稲宣伝を終へて帰来、土屋弥広氏亀岡より帰来、来訪者塩崎正夫氏、光東支部平島己之助氏、外五名発会式終了御礼の為来訪。
●二月廿八日
統管臨席の下に千葉支部(千葉市)千葉郡支部(千葉郡)香取支部(千葉県)の合同発会式挙行、外に南高来支部(長崎)発会式挙行。
通達十三号及美濃部機関説に関する声明書印刷出来、夜業にて発送す、広瀬氏海軍省訪問。
来訪者、三木亮孝氏。
●三月一日
統管昨夜紫雲郷別院宿泊、午後副統管同道横浜関東別院に赴き同夜宿泊、北高来支部(長崎)発会式挙行。
通達十三号及美濃部機関説に関する声明書を内部関係へ発送、文相祝電問題記事掲載の北国夕刊及北国新聞を金沢北陸本部より送附し来る、美濃部機関説糾弾大演説会を市内三ケ所に於て開催のことに決定、広瀬氏憲兵司令部及警視庁訪問、葦原万象氏遊説より帰来、同氏は人類愛善新聞及神聖編輯の責任者に任命せらる。
●三月二日
統管横浜関東別院より亀岡へ。副統管横浜に於て統管を見送りて帰来。
安濃支部(島根)発会式挙行。
文相祝電問題に関する声明書の追加申込続々来る、農林大臣秘書官より電話にて農相祝辞に関し照会あり、井岡綸一郎氏茨城県古河在へ愛善陸稲宣伝の為出張。
山梨県下へ愛善陸稲宣伝の為に出張中の山田王介氏来訪、明日より神奈川県下宣伝につき打合せを行ふ。
江藤源九郎代議士の美濃部達吉不敬事件告発状全文をパンフレットに印刷各方面へ配布の事に決定。
来訪者、諏訪部匡民氏、山田雲峰氏、辻勝英氏、富沢効氏。
●三月三日
副統管午後江口氏帯同安藤中将、大井哲一氏訪問後亀岡へ出発、志田支部(宮城)及塩谷支部(栃木)発会式挙行。
細田正治氏奔走の結果演説会弁士として衆議員陸軍少将江藤源九郎氏、愛国法曹聯盟理事弁護士林逸郎氏、国士舘教授蓑田胸喜氏及諏訪部匡民氏の出演承諾を受く。
副統管より午後土井関東主会長、木村東京聯合会長、高川、市毛両次長、及田口東京本部長召集の上機関説糾弾演説会開催につき協議あり。
佐藤中将及細田東洋男氏栃木県塩谷支部発会式臨席並に講演の為出発、東京本部より真柄、戸田両氏同行、広瀬氏内田副統管及葛生能久氏訪問、井岡氏茨城県下より帰来。
美濃部達吉不敬事件告発状パンフレット印刷出来。
来訪者、土屋弥広氏、戸高朝太郎氏、五十嵐恒雄氏、高見範雄氏、辻勝英氏、佐々木専治氏、曽根朝起氏、木村東京毎夕社長。
●三月四日
江口氏、荒木大将、本庄大将、真崎教育総監訪問、広瀬氏内田副統管訪問。
松山隆一氏人類愛善新聞社より赴任。
昭和神聖会内規を創立当初予定せし地方本部十ケ所を除く其の後の新設地方本部へ発送。
井岡氏愛善陸稲米沢出張所へ打合せの為出発。
来訪者、辻勝英氏、土屋弥広氏、橋本光太郎氏。
●三月五日
大原支部(島根)発会式挙行。
大日本経国聯盟本部主催「美濃部博士の憲法論に就いて」批判懇談会に細田正治氏、細田東洋男、葦原万象氏出席。美濃部博士告発文五十部を当日の出席者に頒布。
通達第十四号及書信を地方本部、支部及遊説員宛発信。
江口氏真崎大将訪問後議会出席、松山氏演説会立看板及ビラの件につき警視庁訪問、黒田高守氏亀岡へ。
来訪者、東尾吉雄氏、木島完之氏、松田氏、辻勝英氏、戸高朝太郎氏、衛藤荒鬼氏。
●三月六日
統管朝亀岡出発、神戸港より吉野丸に便乗台湾へ聖戦の途に上らる、随員下位、深町、大国、北出、内崎氏、外に五十麿氏夫妻。
副統管は統管一行を神戸に見送り直ち上京総本部へ帰来。地方よりの照会に対して「美濃部問題に関する限り他の団体と提携して積極的に活動せよ」と指令す。
江口氏市電気局庶務課長訪問。
佐藤海軍中将島根県下数支部発会式参列並に講演の為出発途中亀岡、綾部へ下車参拝。
来訪者、辻勝英氏、光東支部員十一名。
●三月七日
阿蘇郡北部支部(熊本県)発会式挙行。
副統管一条公爵訪問、江口氏山崎農相訪問、細田東洋男氏埼玉県下へ出張、井岡氏米沢より帰来、成見滝之進氏演説会速記の為亀岡より上京、富沢効氏より東京市各区在郷軍人分会長へ「美濃部博士告発状全文」卅五部寄贈、広瀬氏海軍省訪問、萄池男より美濃部問題につき挨拶状到着。
来訪者、富田永三氏、山田雲峰氏、松本幸氏、田口清吉氏、真柄氏、鈴木氏、片野氏、愛国恤兵会茂手木一氏、戸高朝太郎氏、高見範雄氏。
●三月八日
鹿本(熊本県)、能義(島根県)二支部発会式挙行。午後六時より東京市青山会館に於て本会主催「美濃部達吉、天皇機関説糾弾大演説会」開催、蓋し該問題に関する演説会として全国的先端を切りしもの、入場者約八百名、弁士は葦原万象氏、諏訪部匡民氏、江藤源九郎氏(衆議院議員海軍少将)蓑田胸喜氏(国士館教授)の四氏緊急動議あり左の決議をなす「美濃部達吉等の天皇機関説は皇位の神聖国体の尊厳を冒濱する悖逆不逞の思想なり日本精神、輝く処断じて天皇機関説の存在を許さず宜しく当局は皇道の大義に基き断乎たる措置に出で国民思想の帰趨を明示すべし。右決議す。昭和十年三月八日天皇機関説撲滅市民有志大会」、林逸郎氏より演説会宛左記電報到着朗読す「国体擁護聯合会より派遣せられて広島国民大会に出席、講演の約に背き申訳なし、願ふ処は唯学匪等撃滅のみ、来聴者諸君に奮起を望む旨御伝声を乞ふ」
広島市に於ける美濃部問題国民大会に対し左記激励電報を発信、「大権干犯国体悖逆思想殲滅の為め奮起を望む」
文部省三辺次官より文相祝電問題に関し副統管に面談し度旨通知し来り副統管江口宏氏を帯同して文部省訪問、同次官及富田秘書課長と膝を交へて懇談の結果該問題に関する訂正通牒文案を示し之を印刷に附して明日より開催の全国学務部長会議に発表し尚説明を加ふる故諒とせられ度き旨の挨拶あり、茲に文相祝電問題も円満解決を見るに到る。午後五時半日比谷東洋軒に於て頭山満翁発起、出口副統管及江口氏出席協議の結果「機関説撲滅同盟」生る。
新潟本部長長田春光氏上京来泊、米倉嘉兵衛氏、石井六郎氏来訪、上野松坂屋に於て四月開催の大満洲展覧会に人類愛善会の名義にて出品の件につき協議。
●三月九日
統管午后一時台湾基隆着草山に到り宿泊。
松江支部(島根県)葦北支部(熊本県)発会式挙行。
午前十時青山会館に於ける市民有志大会訪問委員江口氏、田口氏他八名、総本部に集合の上三班に分れて夫々首相初め関係大官を訪問決議を提出す、青山会館別館に於て開催の国体擁護聯合会総会に広瀬氏、細田正治氏出席。
午后六時より東京市本所公会堂に於て本会主催の「美濃部達吉天皇機関説糾弾大演説会」開催、弁士は葦原氏、諏訪部氏、池田宏氏(帝国新報社長)蓑田氏、江藤氏なり、入場者千五百、満員の盛況、緊急動議に基き左の決議をなす。
「美濃部達吉等の天皇機関説は皇位の神聖、国体の尊厳を冒濱する国体悖逆国憲紊乱の思想にして、大日本皇国には断じて其の存在を許す可からず、宜しく政府当局は皇道の本義に基き断乎たる措置に出づると共に進んで国体の精髄を闡明し国民思想の帰趨を明示すべし、右決議す、昭和十年三月九日天皇機関説撲滅市民有志大会」
三日十日
簸川(※)(島根)支部発会式挙行。
成瀬言彦氏静岡県下遊説より帰来、米沢愛善陸稲出張所主任原丑之助氏打合せの為来訪、陸軍記念日につき東京昭青、坤生会両員と合同靖国神社参拝。
●三月十一日
日の出支部(島根県)球磨支部(熊本県)発会式挙行、午後六時より芝区青年団会館に於て「機関説糾弾大演説会」(第三回)を開催、弁士は葦原万象氏、諏訪部匡民氏、成瀬言彦氏、江藤源九郎氏、林逸郎氏、入場者超満員の盛況、決議を行ひ、首相外各関係当局へ発送、細田東洋男氏千葉県下より帰来。
●三月十二日
統管臨席の下に台北市に於て台湾地方本部並に台北支部発会式挙行、外に意宇支部(島根県)人吉支部(熊本県)発会式挙行。
副統管亀岡へ、広瀬氏黒竜会葛生能久氏訪問。
●三月十三日
統管台湾草山より台南へ、副統管愛媛県大洲町へ。
飯石支部(島根県)発会式挙行。文相祝電問題円満解決報告書を各関係方面へ発送、同時に通達第十五号発送。
細田東洋男氏千葉県へ、成瀬言彦氏静岡県へ夫々出張。
●三月十四日
統管臨席の下に台南支部(台湾)発会式挙行、外に大原支部(島根県)発会式挙行。
岡部善教氏亀岡へ、帰還傷病兵出迎への為め奥谷氏代表にて東京駅へ。
全京都愛国聯合会主催京都市三条青年会館に於ける「美濃部博士機関説議会主権論粉砕近畿国民大会」宛激励電報を発信。
海軍省軍事普及部より十八日埼玉県本圧、廿一日より三日間三重県下へ講演官として柴田中佐派遣の旨通知し来る。
●三月十五日
統管臨席の下に高雄支部(台湾)発会式挙行、外に海南支部(和歌山県)発会式挙行。
葦原万象氏「神聖」の件にて警視庁検閲課へ出頭、東京毎夕新聞社小山安暉氏航空兵として入営の為めチチハルへ出発につき挨拶に来訪。
機関説に対する各団体の声明書数日来頻々到達す。
東北地方本部管下日下時化雄氏愛善陸稲指導員に本日を以て嘱託せらる。
●三月十六日
統管台湾嘉義神社参拝、副統管喜多支部(愛媛県)発会式に臨席。
三浦少将福島県三春へ講演の為出張、赤坂三会堂に於ける「機関説撲滅有志大会準備相談会」に江口、広瀬両氏出席。過日来島根県下へ講演の為出張中の佐藤海軍中将帰来、今期陸軍異動にて栄転の新見東京憲兵隊長並に持永朝鮮憲兵司令官に祝電を発す、過日来滞京中の成見滝之進氏亀岡へ出発。
鳥取(鳥取県)喜多(愛媛県)大阪住吉(大阪市)紀州那賀(和歌山県)四支部発会式挙行。
●三月十七日
統管臨席の下に嘉義支部(台湾)副統管臨席の下に宇和島支部発会式を夫々挙行、外に西蒲原(新潟県)宍粟(兵庫県)田村(福島県)新治(茨城県)四支部発会式挙行。
佐藤海軍中将及細田東洋男氏茨城県土浦へ講演の為出張。
市内浅草公会堂に於ける愛国社主催機関説排撃演説会宛激励電報発信。
貴志中将新潟県下支部発会式並に講演会参列の為出発。
●三月十八日
統管嘉義より台中へ、南蒲原(新潟県)児玉(埼玉県)新潟(新潟市)三島(新潟県)八頭(鳥取県)五支部発会式挙行。
海軍省軍事普及部柴田中佐及土井靖都民埼玉県本庄へ講演の為出張、松山氏陸軍省新聞班訪問、市内下谷公会堂に於ける愛国社主催「美濃部機関説撃滅演説会」及四谷区役所楼上に於ける新日本国民同盟主催「非常時日本国民に訴へる憂国大演説会」に宛夫々激励電報発信、細田東洋男氏神奈川県下へ出張。
●三月十九日
統管臨席の下に台中支部、副統管臨席の下に久万支部(愛媛県)発会式を夫々挙行、外に上浮穴(愛媛県)北蒲原(新潟県)二支部発会式挙行。
上野精養軒に於て開催の機関説撲滅有志大会に江口、萩原、細田東、広瀬諸氏出席。
伊藤周治氏亀岡及綾部へ映画の件につき出張。
●三月二十日
統管臨席の下に彰化支部(台湾)発会式挙行、外に伊予郡(愛媛県)気高(鳥取県)二支部発会式挙行。
江口、広瀬両氏は機関説撲滅有志大会訪問委員として他の愛国団体委員と共に各関係当局へ訪問の上決議文を手交。
貴志中将新潟県下出張先より帰来、広瀬氏海軍省訪問、海軍省柴田中佐講演の為三重県下へ出張。
●三月廿一日
副統管四国遊説を終へて亀岡へ帰着。
岩船(新潟県)玉造(宮城県)兵庫(兵庫県)神戸東(兵庫県)美方(兵庫県)度会(三重県)東伯(鳥取県)七支部発会式挙行。午後六時より東京本部主催にて神田区帝国教育会楼上に於て美濃部機関説糾弾演説会を開催、入場者は降雪に不拘満員の盛況、弁士は葦原万象氏、江藤源九郎少将、林逸郎弁護士、市内青山会館に於ける「機関説糾弾緊急大会」へ激励電報発信。
●三月廿二日
知多支部(愛知県)発会式挙行。
佐藤海軍中将講演の為宮城県下へ出張。
昭和神聖会静岡本部大日本生産党及黒竜会静岡支部主催機関説撲滅県民大会へ講師として林逸郎弁護士、三武錠夫氏及細田正治氏出張、菅谷英世氏一ケ月余に亘る山形県下遊説を終へて帰来、副統管亀岡より、細田東洋男氏神奈川県より夫々帰来、静岡県民大会へ激励電報発信、全国陸軍将校へ人類愛善新聞三月中旬号寄贈。
●三月廿三日
中河内支部(大阪府)発会式挙行。
内田良平氏講述「国憲変革の天皇機関説」パンフレット二百部黒竜会より恵贈あり、井岡氏熊本県下愛善陸稲宣伝より帰来。
●三月廿四日
統管臨席の下に花蓮港支部(台湾)発会式挙行、外に佐用(兵庫県)上閉伊(岩手県)二支部発会式挙行。
岡部善教氏亀岡より帰来、細田東洋男氏神奈川県下へ出張、江口氏文部省訪問。
●三月廿五日
秋田県南秋田郡天王村の大火に対し村長宛見舞電報発信。
千葉県下へ愛善陸稲宣伝の為め伊東周治氏、山田王介氏及清水広方氏同道出発、来る廿七日国際聯盟脱退記念日当日の全国的行事につき新聞情報を各新聞社へ発す。
松山氏陸軍省訪問、江口氏北海道長官訪問。
●三月廿六日
統管臨席の下に基隆支部(台湾)発会式挙行。
廿五日附通達第十七号を発送。
江口氏北海道長官秘書課長訪問、葦原万象氏亀岡へ、広瀬氏海軍省訪問、菅谷氏千葉県より帰来。
●三月廿七日
和賀第一支部(岩手県)美方支部(兵庫県)発会式挙行。
国際聯盟脱退記念日、国威宣揚祈願の為め東京昭和神聖会員、昭和青年会員及昭和坤生会員合同にて明治神宮参拝、副統管神前にて聯盟脱退に関する詔書捧読、後神苑内にて訓示あり。
奥谷宮照氏亀岡へ、菅谷、細田両氏国際聯盟脱退記念講演会に講師として茨城県北相馬支部へ出張、稲生貴氏郷里へ。横須賀に於ける昭和神聖会横須賀支部主催機関説撲滅演説会出演の為め江藤源九郎少将、林逸郎弁護士及細田正治氏出張、江口氏報知新聞社社会部長訪問。
●三月廿八日
胆沢支部(岩手県)発会式挙行。
第七師団長以下凱旋につき松山氏代表にて歓迎、細田東洋男氏亀岡へ、細田正治氏茨城県土浦町へ出張。
●三月廿九日
副統管亀岡へ、江口氏井田磐楠氏訪問、総本部主催にて市内荏原区平塚小学校に於て機関説撲滅演説会開催、講師国本鮮明氏、林逸郎弁護士、江藤源九郎少将、佐藤海軍中将、宮城県下講演を終へて帰来、内田副統管関西より帰京につき広瀬氏代表にて出迎ふ。
●三月卅日
北牟婁(三重県)仁多(島根県)二支部発会式挙行。
昭和神聖会発行林逸郎氏著パンフレット「天皇機関説の撃滅」印刷出来、松山氏内務省へ出頭、林氏著パンフレット出版届の手続を了す。
●三月卅一日
統管約一ヶ月に亘る台湾の遊説を終へ亀岡に帰着。
比企支部発会式挙行。
佐藤海軍中将及菅谷氏埼玉県松山町へ講演の為出張、林逸郎氏静岡県島田町に於ける昭和青年会島田支部主催機関説撲滅演説会の講師として出張。
●四月一日
井岡綸一郎氏亀岡へ、江口氏満洲国皇帝陛下奉迎の件につき警視庁訪問、上野松坂屋に於て東京朝日新聞社主催の大満洲国展覧会に人類愛善会の出品あり、招待を受け岡部氏外数名参観、永井あさを氏亀岡へ出張。
●四月二日
土居氏亀岡へ。
●四月三日
行方支部(茨城県)発会式挙行、佐藤海軍中将講演出張先より帰来、萩原氏亀岡へ。
●四月四日
広瀬氏、安藤中将訪問、林逸郎氏、広瀬氏神田正治氏同道、茨城県土浦町、機関説撃滅演説会に出張、菅谷氏亀岡へ。
●四月五日
広瀬氏綾部へ、細田正治氏林逸郎氏を案内して綾部へ、小塚原回向院に於ける水戸烈士追悼会に丹羽野氏参列、小高氏綾部へ。
●四月六日
上杉慎吉(※)博士慰霊祭に松山氏参列。
●四月七日
通達第十八号発信。
●四月八日
黒田氏亀岡へ。
●四月九日
対支国民同志会首唱者原稔氏葬儀に松山氏参列。
●四月十日、十一日
記事なし。
●四月十二日
広瀬氏、永井氏、上滝氏亀岡より帰来、南洋特派宮崎正氏帰来、藤本広太郎氏外二名パラオ島より同道し来る。
●四月十三日
芝区青松寺に於ける血盟団事件関係者田倉利之氏五七忌日追悼会に広瀬氏参列、松山氏満洲国皇帝陛下奉送の件に関し警視庁訪問、林逸郎氏著「天皇機関説撃滅」一万部売切れ更に一万部増刷す、江口氏文部省に出頭。
●四月十四日
反国体学説第二声明関係各方面へ発信、黒竜会より内田良平氏講述「反国体思想を根絶して明治神宮の御神意を安じ奉れ」のパンフレット多数寄贈し来る。
新潟地方本部長長田春光氏召電により上京。
●四月十五日
満洲国皇帝陛下御離京につき会員多数沿道警視庁附近に於て奉送。
下位春吉氏滋賀県下へ講演の為め出張、亀岡より名越忠明氏来訪、葦原万象氏亀岡へ、江口氏文部省訪問。
●四月十六日
細田東洋男氏亀岡より帰来、宮崎南洋特派亀岡へ、長田新潟本部長任地へ。
●四月十七日
江口氏文部省訪問、九州各都市に於て約十五ヶ所機関説撃滅演説会開催につき講師として林逸郎氏出発。
●四月十八日
諏訪部、細田正治、細田東洋男、菅谷、広瀬五氏司法当局訪問。
●四月十九日
副統管亀岡より帰来。
広瀬、細田正治両氏司法当局訪問、東京駅に遺骨帰還の為稲生氏代表にて出迎へをなす。
深町霊陽氏亀岡へ。副統管、御田村竜吉氏、下位春吉氏、米倉嘉兵衛氏、原真平氏、速志英春氏同道、玉川附近映画関係建築物視察の為め出張警視庁検閲課へ細田正治氏出頭、林逸郎氏著「天皇機関説撃滅」の中三個所次版増刷より削除するやう命令を受く。
●四月廿一日
東葛支部(千葉県)発会式挙行。愛善陸稲指導員安藤今朝次氏二月中旬以来三ヶ月余に亘り四国各地の
宣伝に輝かしき成績を挙げて帰来、報告後直に郷里山形県に帰宅。
三浦陸軍少将及菅谷氏千葉県東葛支部発会式参列並に講演の為め出張、台湾の震災に対し中川台湾総督、台中州知事、新竹州知事、本会台湾地方本部、及高橋喜又氏宛夫々見舞電報を発信す。
●四月廿二日
台湾震災に対し台北市尹、基隆市尹宛夫々見舞電報追加発信、台湾地方本部へ震災に対する慰問及救恤に閲し電報を以て指令を発す。
黒田高守氏上京、中川台湾総督より震災見舞に対する感謝電報到着、台南中山勇次郎氏より震災に関し長文電報々告来る。
皇道講座に関する通牒を各地方本部に発信、台湾地方本部より震災見舞に対する謝電到着、細田正治氏パンフレットの件に関し警視庁訪問、江藤源九郎代議士九州に於ける機関説撃滅演説会を終へて帰来。
●四月廿三日
築地本願寺に於ける満洲事変戦歿者追悼大法会(蒙古活仏親修)に細田東洋男氏参列、夜帝国ホテルに開催の十六ミリトーキー試写会に副統管、下位氏、深町民、原氏出席。亀岡より貴地支部発会式三日とも統管御出でにならぬと、飛電来る、直に此の旨東京地方本部に通知す。
台南中山勇次郎氏より第二回震災報告電報来る、萩原氏大阪へ、江口勢太氏来訪、渋谷助五郎氏と佐賀県下愛善陸稲実地指導につき打合せをなす。外務省調査部第一課より人類愛善新聞及神聖を毎号寄贈方依頼し来る。
●四月廿四日
下毛支部(大分県)発会式挙行。在郷軍人会発行「大日本帝国憲法の解釈に関する見解」を松山氏陸軍省に出頭の上貰ひ受く。
愛善陸稲指導員渋谷助五郎氏佐賀県下へ陸稲宣伝の為め出張、江口氏内務省及文部省訪問、田口東京地方本部長、東京西南支部宮田多慶寿氏、東京城東支部関谷繁蔵氏、東京城西支部佐藤登氏同道来訪、統管の支部発会式臨席中止につき打合せをなす。
統管北海道行中止につき副統管代理にて出張せよと亀岡より電令来る。細田東洋男氏亀岡へ出発。
●四月廿五日
宇佐支部(大分県)発会式挙行。
傷病兵帰還につき出迎への為松山氏、稲生氏東京駅へ、山田王介氏東京府下西多摩郡地方に於ける愛善陸稲宣伝を終へて帰来、江口氏内務省図書検閲課訪問、菅谷氏丹羽野氏九段軍人会館に於ける「国難克服大講演会」に参聴。
岡本霊祥氏亀岡を経て新舞鶴丹州時報社へ出張。
●四月廿六日
築上支部(福岡県)発会式挙行。
過日来宿泊中の広富潤哉氏任地樺太へ出発、在京会員多数靖国神社臨時大祭に参拝、副統管、下位氏、広瀬氏参加す。岡部善教氏愛住町々会に出席。
●四月廿七日
午後七時副統管臨席の下に東都城南支部発会式挙行、下位、深町両氏講演、広瀬氏貴志中将訪問、亀岡より総本部へ転任したる成見滝之進氏着任。
●四月廿八日
午後二時副統管臨席の下に東京西南支部発会式挙行下位、深町両氏講演、外に有馬支部(兵庫県)発会式挙行。
奥谷宮照氏亀岡より帰来、丹羽野氏三浦少将訪問。
●四月廿九日
岡山支部(岡山市)御津支部(岡山県)糸島支部(福岡県)発会式挙行。
在京会員多員早朝宮城二重橋前広場に於て皇居を奉拝天長節を拝賀す、副統管以下総本部多数参加。
総本部に副統管、御田村氏、下位氏、深町民外数名会合、原真平氏原作皇道映画台本の研究あり。過日来内田副統管病気につき副統管、米倉嘉兵衛氏を帯同して見舞はる。
北海道に於ける北海地方本部及数支部の発会式に参列並に講演会講師として副統管、下位、深町民ら多数見送りの裡に上野駅出発、北海道より昨日迎へに来たる大谷敬祐氏及佐々木政雄氏同車案内。
立憲養正金講演会に広瀬氏参聴す。
●四月三十日
菅谷英世氏亀岡へ、丹羽野、奥谷両氏九段軍人会館に於ける日本精神宜化幼年隊講演会に参聴。
●五月一日
副統管臨席の下に北海地方本部並に札幌支部発会式挙行。
外務省調査部第一課より統管の著書中国家革新に関するもの寄贈方申出あり、愛国法曹聯盟理事林逸郎氏は本会嘱託講師として九州各都市に於て十五回岡山市に於て一回機関説撲滅演説会の遊説を終へて帰京、愛善陸稲指導員渋谷助五郎氏佐賀県下に於ける宣伝指導を終へて帰来。
●五月二日
成見滝之進氏は国分周平氏同道、新聞「日本」に若宮卯之助氏訪問、葦原万象氏亀岡より帰来、林逸郎氏京都府下福知山網野に於ける機関説撲滅演説会及鳥取市に於ける同地方国民大会に講師として出席の為出発、原真平氏より皇道映画の脚本到着。
●五月三日
副統管臨席の下に旭川支部(北海道)発会式挙行、皇道講座及パンフレット「天皇機関説撃滅」に関する通牒を各地方本部へ、パンフレットに関する通牒のみを各支部へ夫々発信、「天気晴朗、入場二五〇〇、盛会を以て発会を終る旭川支部」と入電、丹羽野氏、渋谷氏同道愛善陸稲の件に関し柏木義光氏訪問。
●五月四日
副統管臨席の下に小樽支部(北海道)発会式挙行、渋谷助五郎氏山梨県吉田へ愛善陸稲指導の為出張。
●五月五日
竹野支部(京都府)発会式挙行、統管夫人の製作品を国展工芸部へ会員某氏出品した処入選したる旨の記事東京毎夕新聞に掲載あり、渋谷氏出張先より帰来、黒田高守氏亀岡へ、井岡綸一郎氏愛善陸稲宣伝の為石川、富山、新潟、山形、福島の各県下を歴訪して帰来。
●五月六日
副統管臨席の下に帯広支部(北海道)発会式挙行、林逸郎氏出張先より帰来、台湾再度の震災に対し中川台湾総督、新竹州知事及台湾地方本部宛見舞電報発信、稲生氏海軍省訪問の上海軍記念日絵画及ポスターを貰ひ受く。来訪者、日本政治経済調査所大屋定夫氏、新潟地方本部長長田春光氏、新潟支部長紫竹清司氏。
●五月七日
台湾新竹州知事より「御懇電を拝謝す、新竹州知事」と電報到着、海軍省より「日本海海戦の実蹟と軍縮問題」及「東郷元帥の偉業」多数寄贈を受く、江口宏氏、長田春光氏及紫竹清司氏同道文部省訪問、松山氏昭和青年会国防部依頼の用件にて内務省及特許局訪問。来訪者、大日本古神道実行団総帥山本豊彦氏、日本政治経済調査所渡辺春夫氏。
●五月八日
丹羽野氏玉川畔映画研究所建築着手の為め修祓式に参列、総本部庭内の赤土山に愛善陸稲試作所を設け播種を行ふ。
●五月九日
副統管臨席の下に函館支部(北海道)発会式挙行。
●五月十日
細田正治氏パンフレット「天皇機関説撃滅」の件にて内務省検閲課へ出頭、丹羽野氏諏訪部匡民氏宅訪問、青山斎場に於いて挙行せられたる美座時中氏母堂告別式に丹羽野氏代表にて参列。来訪者、岩崎徳五郎氏、国風会副会長江藤哲二氏、国体擁護聯合会浜地陸生氏、弁護士田代三郎氏。
●五月十一日
副統管臨席の下に酒田、西田川両支部(山形県)同時に発会式挙行、林逸郎氏静岡県焼津町に於ける機関説撲減演説会に弁士として出張、来訪者、名古屋桜井信太郎氏。
●五月十二日
副統管臨席の下に鶴岡支部(山形県)発会式挙行、外に遠敷支部(福井県)発会式挙行、丹羽野氏貴志中将訪問。
●五月十三日
出口副統管、下位参謀長、深町参謀、大谷敬祐氏一行、北海道及山形県下の本支部発会式を終つて早朝上野駅に帰着、東京会員多数駅頭に出迎ふ、出口副統管、下位氏深町氏原氏御田村氏広瀬氏速志氏会合、皇道映画脚本につき研究、江口宏氏松浦祥明氏皇道宣揚展用画面につき内務省訪問、出口副統管外五氏同道して十七ミリ半トーキー試写観覧、出口副統管夜行列車にて亀岡へ出発、大谷敬祐氏随行す。来訪者、東牟婁支部長大谷育生民、国風副会長江藤哲二氏、外数氏。
●五月十四日
細田正治氏「天皇機関説撃滅」改訂第二十一版出来につき内務省に出頭の上出版届をなす。来訪者、鈴木和尉智氏外数氏。
●五月十五日
日本青年館に於ける上杉慎吉博士慰霊祭に成見、松山両氏参列。来訪者、原真平氏外数氏。
●五月十六日
玉川畔映画研究所に鎮座祭執行につき広瀬氏参列、松本楼に於ける時局懇談会に広瀬、細田両氏出席、井岡氏浦和埼玉県庁及同県玉井村の県農事試験場を訪問。
●五月十七日
菅谷氏新潟市に於ける皇道講座に講師として出張、細田東洋男氏名古屋市に於ける皇道講座を終へて帰来、直に新潟市へ講師として出張。
●五月十八日
出口副統管亀岡より帰来、日本青年館に於ける楠公六百記念祭に広瀬氏参列、赤坂三会堂に於ける菊池男爵慰労激励会に広瀬、細田両氏出席、静岡市及新潟市に於て皇道講座本日より開講、林逸郎氏金沢市外四ヶ所に於ける反国体学説撃滅演説会に講師として出発、山田王介氏及金氏府下に於ける愛善陸稲宣伝を終へて報告の為来訪。来訪者、木村東京毎夕新聞社長、三上継男氏外数氏。
●五月十九日
出口副統管臨席の下に東京城北支部発会式挙行、外に川辺支部(兵庫県)発会式挙行、出口副統管、御田村氏、萩原氏、木村毎夕社長会合の上重要協議あり、出口副統管、下位氏、深町氏同道亀岡へ出発、原真平氏亀岡へ。来訪者、青木航空兵大尉外数氏。
●五月二十日
南九州本部管下に於て皇道講座本日より開講、松山氏国風会訪問。来訪者、飯田豊実氏、日本政治経済研究所大屋定夫及外数氏。
●五月二十一日
日比谷市政会館に於ける日清戦役並に遼東還附四十周年慰霊祭に東京会員多数参列、総本部より広瀬、奥谷、成見三氏参列。
●五月廿二日
葦原万象氏亀岡より帰来、成見滝之進氏亀岡へ、人類愛善新聞社移転す(東京毎夕新聞社と同一建築物内)
●五月廿三日
出口副統管亀岡より帰来、細田東洋男氏及菅谷英世氏新潟市に於ける皇道講座を終へて帰来、井岡氏亀岡へ。
●五月廿四日
市内日本橋三越本店向角に廿五日より向ふ廿日間開催の皇道宣揚展覧会(東京地方本部主催)へ出口副統管下見に出向、夕刻細田、広瀬両氏案内にて日本新聞社三武錠夫氏、今夕新聞社宅野田夫氏、東京日日新聞社重信常雄氏、愛国新聞社鈴木格氏、帝国新聞社三宅正夫氏、皇道宣揚展参観広瀬氏亀岡及綾部へ。来訪者、防空飛行大会高山照英氏外数名。
●五月廿五日
加西支部(兵庫県)発会式挙行。来訪者、国風会長江藤哲二氏、愛善陸稲部米沢出張所主任原丑之助氏外数名。
●五月廿六日
遠賀支部(福岡県)神崎支部(兵庫県)発会式夫々挙行、副統管皇道宣揚展へ、細田東洋男氏亀岡へ、成見氏亀岡より帰来。
●五月廿七日
宗像支部(福岡県)発会式挙行、出口副統管午後内田副統管を訪問、小高美乃留氏亀岡へ。来訪者、茨城県成島武八氏外数氏。
●五月廿八日
糟屋支部(福岡県)及鈴鹿支部(三重県)発会式挙行、副統管夜平松氏の会合に出席。来訪者、北国夕刊新聞社土井三郎氏外数氏。
●五月廿九日
筑紫支部(福岡県)発会式挙行、出口副統管臨席の下に下位氏、深町氏、米倉範治氏、中山勇次郎氏、速志氏会合、映画部に関する協議あり、広瀬氏亀岡より帰来、大井一哲氏著「建国由来と皇道政治」多数寄贈を受く。来訪者、茨城県徳田乙四郎氏外数氏。
●五月卅日
総本部係員松山陸一氏、映画部玉川研究所係員に転任、夜十時東京駅発列車にて下位参謀長南島地方本部発会式参列の為出張、深町民同車亀岡へ、山口明徳氏亀岡へ、大場良典氏上京。
●五月卅一日
夜東京地方本部関係者会合あり、松岡晴祥氏亀岡へ、小高美乃留氏上京。来訪者、恤兵会茂手木一氏外数氏。
●六月一日
通達第二十号本日附を以て各地方本部へ発信、昭和神聖会映画部を新設し部長に原真平氏、同次長に中山勇次郎氏任命せらる。
市内世田谷区六六〇番地に映画部玉川研究所を設け午後三時より開所式並に鎮座祭執行、出口副統管を初め関係者市内在住会員多数参列盛大に式典を終る。
木村毎夕社長亀岡へ。
●六月二日
広瀬氏、大井一哲氏訪問、渡嘉敷氏亀岡より帰来、河津雄氏亀岡へ、林逸郎氏反国体学説演説会講師として京都府下へ出張。
●六月三日
南島地方本部発会式挙行、夜市内各支部長会議総本部階上に開催、出口副統管より訓話あり、大場良典氏亀岡へ。来訪者、井上留五郎氏外数氏。
●六月四日
出口副統管は江口宏氏及細田正治氏を帯同東洋軒に於けるエチオピア問題懇談会発企人として出席、岡部善教氏亀岡へ。来訪者、三浦少将、和歌山県堤清彦氏外数氏。
●六月五日
出口副統管亀岡へ、江口氏及成見氏小笠原長生子爵訪問。
●六月六日
喜界島支部(鹿児島県)発会式挙行。
新刊「神聖篇」につき細田正治氏内務省検閲課訪問。
統管部深町霊陽氏及総本部丹羽野直久氏同道映画部の用件を帯びて各地方本部歴訪の為出発。
●六月七日
午後九時七分品川駅出発北支派遣兵を在京会員多数歓送、総本部広瀬、奥谷、小牧氏見送る、細田正治氏内務省検閲課を訪問、警視庁の命に依り四谷署より新刊「皇道宣揚神聖篇」(昭和青年会発行)の「反国体学説撃滅」(三八五頁-四四八頁)全文六十四頁の削除を命ぜらる、広瀬、細田両氏外務省に調査部好富事務官を訪問、海外に於ける活動状況につき会談、河津雄氏亀岡より帰来。
●六月八日
大島支部(鹿児島県)発会式挙行、午後二時廿五分東京駅に傷病兵帰還、在京会員出迎総本部より広瀬、奥谷両氏参加、文字清美氏明日南洋サイパン島へ帰任の為挨拶に来訪。来訪者、日本記者会前田礼治氏外数氏。
●六月九日
文字清美氏横浜港より出帆につき広瀬氏埠頭迄見送る。
井岡綸一郎氏亀岡より帰来。
●六月十日
徳之島支部(鹿児島県)発会式挙行。
出口副統管亀岡より帰来、細田、成見両氏内務省検閲課長訪問。
通達第廿二号を各地方本部へ発信。
●六月十一日
人類愛善新聞社発送部は神宮外苑の旧位置より日本橋区小舟町一丁目五ノ一へ移転す、長さ十間の会旗掲揚竿を門内に樹立。
来訪者、満洲金井佐次氏、同末吉岡次郎氏夫妻数氏。夜大阪ビル内レーンポウグリルに於ける桜花倶楽部主催の北支那に関する座談会に副統管、広瀬氏、細田氏、奥谷氏、成見氏等出席。京都附近ロケーションの為、映画部より速志英春氏外二名亀岡へ出発。
●六月十二日
出口副統管に奥谷氏帯同皇道大本紫雲郷別院月次祭に参拝、岡部善教氏亀岡より帰来。
●六月十三日
出口副統管内田顧問の病気を見舞はる、東京地方本部主催の日本橋区三越向角に於ける皇道宣揚展覧会は本日を以て二十日間の会期終了、出口副統管最終日の皇道展へ出向、海軍間題懇談会主催水交社二階に於ける外務省東亜局第一課長守島伍郎氏のシャムに関する座談会に広瀬、菅谷、成見の三氏出席、細田東洋男氏亀岡より帰来。来訪者、善隣協会笹目恒雄氏、清水国治氏外数名。
●六月十四日
出口副統管トーキー録音テストの為玉川研究所へ、随行細田東洋男氏、夜総本部階上に於て河津雄氏夫妻送別会を総本部員及人類愛善新聞社員合同にて開催、林逸郎氏松江市に於ける地方国民大会(神聖会島根本部主催)及兵庫県豊岡町講演会の講師として出張、機関誌「神聖」の編輯人及び印刷人を葦原万象氏に変更届出をなす。来訪者、宗教劇団暁志座主宰林幹人氏、柳田毅三氏外数名。
●六月十五日
沖洲支部(鹿児島県沖永良部島)発会式挙行、出口副統管は江口氏を帯同田実氏の病気を見舞はる、広瀬氏陸軍省へ講師の件につき訪問、大阪ビル内に於ける蘭領インド独立の機運に関する木崎克氏の座談会に広瀬、細田東洋男、細田正治、成見の諸氏出席。来訪者、ボロチコフ氏、日本政治経済調査所伊藤操弌氏。
●六月十六日
新治支部(茨城県)神戸西支部(兵庫県)発会式挙行、出口副統管、諏訪部匡民氏と同乗兵庫県へ支部発会式参列の為出張、茨城県新治支部発会式に講師として細田東洋男氏及菅谷英世氏出張、副統管の代理にて広瀬氏病臥中の国分義一氏を見舞ふ。
●六月十七日
沖縄支部(沖縄県那覇)発会式挙行、大阪ビルに於ける海軍問題懇談会主催の南洋間題座談会に広瀬、細田両氏出席、講師梅崎海軍中佐。来訪者、安田銀行益田伝氏外数名。
●六月十八日
一志支部(三重県)発会式挙行、神田正治氏亀岡を経て郷里へ、林逸郎氏松江市及豊岡町の講演を終りて帰京、細田東洋男氏樺太講演の件に関し佐藤海軍中将訪問。来訪者、恤兵会茂手木一氏、台湾張錫綸氏外数名。
●六月十九日
中山勇次郎氏亀岡より帰来。来訪者、国民精神作興金主幹鎌田武輔氏外数名。
●六月二十日
河津雄氏夫妻亀岡へ赴任の為出発、多数見送りあり、神本泰昭氏亀岡より上京、広瀬氏星野大佐を訪問。来訪者、パルイコフ氏外数名。
●六月廿一日
出口副統管亀岡より帰来、上滝澄夫氏京阪地方へ出張、細田東洋男氏及奥谷氏中山峰太郎氏を訪問、夜総本部応接間に於て北支問題座談会開催、講師陸軍省新聞班真方歩兵大尉。来訪者、皇道会豊田規短平氏外数名。
●六月廿二日
丹羽野氏映画用件にて各地方本部歴訪中の処大場氏と交代して帰来、下位春吉氏鹿児島県奄美大島出張中の処帰来、久し振りにて降雨を見た総本部邸内愛善陸稲試作所に補植を行ふ、芦原万象氏横須賀支部主催皇道講座に講師として出張、広瀬氏陸軍省訪問。来訪者、木村可能氏外数名。
●六月廿三日
出口副統管臨席の下に東京中央支部発会式挙行、式後講演会開催、講師菅谷英世氏及林逸郎氏、丹羽野直久氏東京毎夕新聞社に転任、成見氏木崎克氏を訪問、奥羽地方本部より青森県下各市区郡全部に支部設置完了につき統管に感謝の旨打電し来る。来訪者、桜花倶楽部三武錠史氏数名。
●六月廿四日
九段軍人会館に於て東京毎夕新聞社の読者招待会あり、稲生、小巻両氏出席、大場良典氏出張先より帰来、細田東洋男氏亀岡へ。来訪者、下位春吉氏外数名。
●六月廿五日
東京地方本部は麹町区一丁目より総本部邸内別棟に移転し来る。細田正治氏帰郷中の処帰来、黒田高守氏亀岡へ転任。来訪者、桑島信三氏外数名。
●六月廿六日
奥谷氏亀岡へ、午後二時二十五分東京駅着列車にて事変関係傷病兵帰還在京会員多数出迎、広瀬氏海軍省及東京憲兵隊本部訪問、葦原氏横須賀より帰来。来訪者、東亜研究会理事林好郎氏外数名。
●六月廿七日
来年度に於ける愛善陸稲宣伝計画につき協議、工業倶楽部に於ける国際トーキー会社の十七ミリ半トーキー試写会に出口副統管、下位氏外関係者数名出席、映画「皇軍と少女」撮影の為平松夫妻亀岡より上京、成見氏亀岡へ、午前六時五十五分東京駅着列車にて北支派遣部隊帰還につき在京会員多数歓迎す。来訪者、木村毎夕社長、満洲金井佐次氏外十数名。
●六月廿八日
玉川山水閣に於て出口副統管臨席の下に六十余名を招待して映画「皇軍と少女」の一場面撮影、神本氏亀岡へ、太田太三郎氏上京宿泊。来訪者、江藤氏外数名。
●六月廿九日
出口副統管玉川研究所へ、北九州中国及近畿地方に水害あり、各地へ見舞電報並に見舞状発信、愛善陸稲米沢出張所主任原丑之助氏召電により打合せの為上京、出口副統管亀岡へ。来訪者、岡田和厚氏外数名。
●六月三十日
亀岡より「綾部、亀岡無事」、京阪地方に慰問使を派遣したと来電、菅谷英世氏北海道各地講演の為出発。来訪者、佐藤美知氏外数名。
●七月一日
大阪南支部(大阪市)発会式挙行、神聖七月号四千部増刷、「新興基督教」七月号に「昭和神聖会の主張」と題する記事掲載せり、稲生氏宮城を活動写真に撮影する件につき丸内警察署へ出頭、日本国民軍統管府より「国家改造計画大綱」の寄贈を受く。来訪者数氏。
●七月二日
大阪旭支部(大阪市)岩内支部(北海道)発会式挙行、九州本部へ水害見舞を発信。
●七月三日
留萌支部(北海道)発会式挙行、午後二時廿五分東京駅に事変関係傷病兵帰還、会員多数出迎、広瀬氏丸内署へ出頭。来訪者、川端福一氏外数名。
●七月四日
大阪東成支部(大阪市)発会式挙行、出口副統管亀岡より帰京、大阪ビル内内外商事株式会社試写室に於て入荷したる外国映画「印度の虎狩」及「聖地奪還」の試写を税関吏立会の下にて行ふ、当方より出口副統管、下位氏、深町氏、原氏他二名参観、創立一周年記念功労章図案決定し証文す、深町氏映画の件にて奥羽地方本部へ出張。来訪者、長尾氏外数名。
●七月五日
大阪西成支部(大阪市)稚内支部(北海道)発会式挙行、葦原氏亀岡へ、タイプライター一台購入。来訪者、温泉企業株式会社犬塚恭三氏、九州大沢晴豊氏外十数名。
●七月六日
大阪此花支部(大阪市)名寄支部(北海道)発会式挙行、三都市聯合防空演習今明日間実施せらる、奥谷氏亀岡より帰京。来訪者、経政春秋河原義和氏外数氏。
●七月七日
南河内支部(大阪府)網走支部(北海道)発会式挙行、成見氏亀岡より帰来。来訪者、小林梅太郎氏外数氏。
●七月八日
根室支部(北海道)発会式挙行、頭山満翁大井大将外多数名士の発起に係る国体明徴達成有志大会主催の明治神宮祈願参拝挙行せられ本会之に合流し出口副統管以下在京会員二百名会服着用隊伍整々参拝、速志英春氏此の記念すべき光景を十六ミリ活動に撮影す、夜総本部に於て海軍省梅崎中佐を囲みて南洋問題に関する座談会開催。
●七月九日
大阪大正支部(大阪市)釧路支部(北海道)発会式挙行、本日より毎朝七時明治神宮に国体明散祈願の為め廿一日間連続して東京市内七支部交代にて参拝することに決す、第一日参拝者出口副統管以下五十三名午後二時より上野精養軒に於て「国体明徴達成有志大会」開催せられ出口副統管を初め総本部員、会員多数出席、午後三時三十五分東京駅着列車にて中村震太郎少佐遺骨到着、会員多数出迎。来訪者、賀島政長氏外数氏。
●七月十日
大阪西淀川支部(大阪市)発会式挙行、明治神宮祈願参拝、第二日出口副統管以下三十六名参拝、午後二時青山斎場に於て故中村震太郎少佐慰霊祭参謀本部主催にて挙行、出口副統管以下多数会員参列。来訪者、セブンスデー・アドヴエンチスト日本聯合伝道部会エフ・アール・ミフード氏、東京衛生病院支配人パーキンス氏及外国婦人二名外数氏。
●七月十一日
明治神宮祈願参拝第三日、参拝者出口副統管以下三十六名午後一時より赤坂三会堂に於て内田良平氏主催神兵隊関係物故者六氏の慰霊祭挙行、斎主広瀬氏外祭員全部会員にて祭典奉仕、出口副統管参列祭文を朗読、夕刻強震を感ず、静岡地方相当被害ある模様、静岡地方本部へ見舞電報を発信。来訪者、竹山義雄氏外数氏。
●七月十二日
静内支部(北海道)発会式挙行、明治神宮祈願参拝第四日、参拝者出口副統管以下六十九名、国体明徴北海道国民大会へ宛激励電報打電、静岡地方震災見舞の為速志英春氏を派遣、午後一時より総本部に於て塩田盛道氏を囲みフリーメーソンに関する座談会を開催、下位春吉氏滋賀県下へ講演の為出張、太田豊実氏樺太講演を終へて帰来、直に亀岡へ。来訪者、政教社皆川氏、木島完之氏外数氏。
●七月十三日
伊達支部(北海道)発会式挙行、明治神宮祈願参拝第五日、参拝者出口副統管以下六十九名、速志英春氏静岡より帰来、震災状況を報告、愛国運動の陣営に十年間奮闘多大の功績を挙げた「日本」新聞は本日限り休刊となる、葦原氏亀岡より帰来、出口副統管亀岡へ。来訪者、日本新聞社三武錠史氏外十数氏。
●七月十四日
大阪淀川支部(大阪市)室蘭支部(北海道)武庫郡支部(兵庫県)明石郡支部(兵庫県)御所浦支部(熊本県)発会式挙行、明治神宮祈願参拝第六日、参拝者百名、総本部より岡部、山下両氏参加、広瀬氏佐藤中将邸及内田副統管訪問。
●七月十五日
鹿足支部(島根県)宇土支部(熊本県)発会式挙行、明治神宮祈願参拝第七日、参拝者八十七名、総本部奥谷、成見両氏参拝、深水静氏上京、細田正治氏、佐藤登氏同道亀岡へ、南洋ポナぺ島に於て半歳余に亘りて開墾事業に目醍しき活動を続けて来た宇城照耀氏同島青年ジョニー兄弟を同伴横浜丸にて横浜へ到着の為広瀬、上滝両氏埠頭造出迎ふ。来訪者、大阪豊田瑞穂氏、川井貫太郎氏外数名。
●七月十六日
豊能支部(大阪府)発会式挙行、明治神宮祈願参拝第八日、参拝者八十七名、総本部広瀬氏参拝、奥谷氏南洋青年ジョニー兄弟を案内して宮城遙拝、明治神宮、靖国神社参拝其他市内見学をなす。来訪者、宇城照耀氏外数名。
●七月十七日
邑智支部(島根県)発会式挙行、明治神宮祈願参拝第九日、参拝者六十六名、総本部岡部氏参拝、広瀬氏深水静氏を案内して海軍省及陸軍省を、江口氏は同氏を外務省を訪問紹介す、細田正治氏亀岡より帰来。来訪者、諏訪部匡民氏外数名。
●七月十八日
泉南支部(大阪府)発会式挙行、明治神宮祈願参拝、第十日、参拝者五十五名、総本部奥谷、稲生両氏、午前五時東京駅着列車にて事変関係者遺骨満洲より帰還につき会員多数出迎、午後二時二十五分東京駅着列車にて傷病兵帰還、会員多数出迎、出口副統管亀岡より帰来、広瀬氏南洋問題につき石田徹氏訪問。来訪者、千葉県穴倉弘修氏外数名。
●七月十九日
明治神宮祈願参拝第十一日、参拝者七十三名、総本部広瀬氏参拝、日比谷公会堂に於ける山岡鉄舟氏五十年忌に出口副統管出席、副統管昨夜来横浜に滞在中の統管訪問。来訪者、有賀阿馬土氏外数名。
●七月二十日
明治神宮祈願参拝第十二日、参拝者七十名、出口副統管、岡部氏参拝、出口副統管、内田副統管を訪問、引き続き下位春吉氏宅訪問、出口副統管、米倉嘉平衛氏木村毎夕社長等と会談、神聖八月号印刷出来。来訪者、前田礼治氏外数名。
●七月廿一日
明治神宮祈願参拝第十三日、参拝者百名、副統管、奥谷氏参拝、出口副統管一条公爵訪問、佐藤海軍中将樺太全島に廿数回の講演を終へて帰京、芦原万象氏埼玉県本庄町に於ける会員総会に出席即日帰来、明廿二日は本会創立一周年記念日に相当するを以て挨拶を兼ね第一年度活動概況報告の書状を会員外に発信。来訪者、大阪猪原良愛氏外数名。
●七月廿二日
本日は正に創立一周年記念日なり、会員宛挨拶状発信、午後一時より九段軍人会館に於て東京城東支部及東京大東支部合同にて発会式挙行、出口副統管臨席、引続き創立一周年記念時局大講演会開催、講師下位春吉氏、深町霊陽氏、林逸郎氏入場者千名数ふる盛会なり、講演会場を一時市民有志大会に変更、機関説撃滅に関する決議をなし関係各大臣其他要路へ手交することゝせり、明治神宮祈願参拝第十四日、参拝者七十八名、出口副統管、奥谷氏参拝、本日を以て本会則及内規改正せられ、重なる役職員の発表あり、静岡本部、熊本支部、北海本部田方支部より創立一周年記念日を祝する旨の電報到来、統管横浜より上京速志氏宅に宿泊、出口副統管、中山勇次郎氏映画の件につき統管訪問。来訪者、中村友彦氏外数名。
●七月廿三日
明治神宮祈願、第十五日、参拝者八十五名、出口副統管、広瀬氏参拝、統管午後紫雲郷別院に於て一般会員に面会、夜宿泊、出口副統管、広瀬氏統管を訪問、神聖八月号本日各地へ発送。来訪者、茨城県根本佐市氏、奉天田実大次郎氏及夫人家族其他多数。
●七月廿四日
明治神宮祈願参拝第十六日、参拝者六十六名、出口副統管、広瀬氏、上滝氏参拝、葦原万象氏和歌山県下三支部発会式に講師として出張の為亀岡へ、統管午前中紫雲郷別院に於て会員一般に面会、午後埼玉県浦和市志賀和多利氏訪問同夜一泊、統管明日当総本部へ帰来につき邸内草取掃除をなす、御田村夫人、上倉夫人明日の準備の為手伝をなす。来訪者、所沢宝井常吉氏、横須賀竹本朝太郎氏外数名。
●七月廿五日
明治神宮祈願参拝第十七日、参拝者六十五名、出口副統管、広瀬氏、永井氏参拝、統管浦和より途中岩田氏宅立寄り、東京毎夕新聞社を名誉社長となられてより二年振にて最初の訪問をせらる、それより総本部に帰来宿泊、夜出口副統管、細田正治氏有志者十名と会談、統管に面会の為来訪者多数あり、一周年記念功労章見本出来、決定の上作製方註文す。
●七月廿六日
海南支部(和歌山県)発会式挙行、明治神宮祈願参拝第十八日、参拝者九十一名、出口副統管、奥谷氏参拝、統管午前中総本部に滞在、午後内田副統管を訪問後映画部玉川研究所へ向はれ同夜宿泊、出口副統管は統管に随行して内田副統管を訪問後玉川研究所へ、本日附を以て次の通り決定、統管部は亀岡町天恩郷及横浜に、総本部は東京四谷愛住町七六番地に置かる、従つて従来の総本部事務所は解消す、昭和坤生会東京聯合会幹事穴山よね氏逝去につき稲生氏代表にて会葬。来訪者、李海天氏、万朝報社三宅健寿氏外数名。
●七月廿七日
海草支部(和歌山県)発会式挙行、明治神宮祈願参拝第十九日、参拝者七十九名、出口副統管、広瀬氏参拝、統管玉川研究所を午後出発途中速志氏宅に立寄り横浜統管部へ、午後七時より新作「皇軍と少女」の試写を観覧せらる、出口副統管随行して横浜へ、試写会には東京、横浜より会員関係者出席、統管午後十時三分横浜駅発亀岡へ、青年懇談会に細田正治氏出席、細田東洋男氏亀岡より帰来。来訪者、三宅健寿氏外数名。
●七月二十八日
日高第二支部(和歌山県)発会式挙行、明治神宮祈願参拝第二十日、参拝者出口副統管以下九十四名。来訪者、佐藤登氏外数名。
●七月二十九日
明治神宮祈願参拝第二十一日満願日、参拝者出口副統管以下二百拾八名、第一日より毎日平均参拝者七十九名強、引続き紫雲郷別院に於て満願感謝報告祭執行、出口副統管総本部、東京本部、市内各支部代表者初め多数参列、総本部に於て映画に関する会議開催、台北市台湾駐在内地記者協会より左記電報到着「世界の現況に鑑み台湾に鎮守府を設け帝国南方生命線の確保に邁進せられむことを御高配を乞ふ」。出口副統管亀岡へ、来訪者、江藤氏外十数氏。
●七月卅日
明治天皇祭日につき明治神宮へ会員二百三十名団体参拝を行ふ、中山、広瀬両氏映画の件につき下位氏訪問。来訪者、帝教会白井政一氏外数氏。
●七月卅一日
東尾吉雄氏亀岡より上京、広瀬氏台湾駐在内地記者協会より受信したる電報に関し海軍省訪問、中山、広瀬両氏同道映画の件につき下位氏訪問、菅谷英世氏北海道の講演を終へて帰来。来訪者、五十嵐恒雄氏外多数。
●八月一日
青松寺に於ける黒竜金主催の白逾恒氏慰霊祭に細田東洋男氏出席、東尾吉雄氏亀岡へ、来訪者、伊藤忠秀氏外数氏。
●八月二日
林逸郎氏樺太全島講演の為出発、葦原万象氏亀岡より帰来。
●八月三日
創立一周年記念功労章一万個出来、事変関係患者帰還につき東京駅へ会員多数出迎、総本部より奥谷氏出向。来訪者、新潟地方本部次長富樫善次郎氏外数氏、大場良典氏亀岡へ。
●八月四日
東京府立川町に於て北多摩支部発会式挙行、講師として陸軍少将江藤源九郎氏及葦原万象氏臨席、映画部児玉知二氏大阪へ。来訪者、作家村雨退二郎氏他数氏。
●八月五日
細田台介氏亀岡へ、来訪者、台湾野田安樹氏、青年懇談会神庭仲之助氏外数氏。
●八月六日
広瀬氏海軍省に関根大佐、柴田中佐を訪問、成見滝之進氏亀岡へ、映画フイルム「皇軍と少女」及「印度の虎狩」亀岡統管部へ託送。来訪者、山田虎太郎氏、北多摩支部相坂運吉氏夫妻外数氏。
●八月七日
創立一周年記念功労章下附内申書整理に部員一同大童なり、映画「印度の虎狩」の英文台本邦文飜訳下位氏の手により完成、生誕祭参拝の為下位、深町、中山夫妻、広瀬、速志諸氏亀岡へ、国体明徴達成聯盟世話人会に細田正治氏出席。
●八月八日
上滝澄夫氏亀岡へ、来訪者、東北本部長長野春祥氏外数氏。
●八月九日
細田東洋男氏亀岡へ、東京憲兵隊より朝鮮憲兵司令部附に栄転の美座少佐午前十時半東京駅出発につき代表として稲生貴氏見送る。来訪者、小松崎幸一氏、佐久川嘉英氏、文芸家村雨退二郎氏外数氏。
●八月十日
菅谷英世氏亀岡へ、統管誕生祭当日につき神前に献饌祝意を表す。
●八月十一日
大暴風雨京阪地方を襲ひ被害甚大の旨号外出づ、京都本部、大阪本部、西宮支部、武庫郡支部へ夫々見舞電報発信。
●八月十二日
軍務局長永田少将、相沢中佐に殺害せられし旨情報あり、直に亀岡へ打電す。来訪者、大日本国防少年少女義金雷順一氏外数氏。
●八月十三日
大阪ビル内レーンボウ、グリルに於ける憲法学説に対する懇談会に細田正治氏出席、速志英春氏亀岡より帰来。
●八月十四日
葦原万象氏亀岡へ、菅谷英世氏亀岡より帰来。来訪者、中里義雄氏外数氏。
●八月十五日
事変関係傷病兵午後二時廿五分東京駅に帰還会員多数出迎、総本部より代表として奥谷稲生両氏出向、林逸郎氏樺太全島に於ける講演を終りて帰来、成見淹之進氏亀岡より帰来。
●八月十六日
中山勇次郎氏亀岡より帰来、岡本霊祥氏亀岡へ。
●八月十七日
細田正治氏は桜花倶楽部三武錠夫氏、及文芸家村雨退二郎氏を案内して亀岡及綾部へ、探町、中山、富沢、原諸氏映画の件に関して会合。
●八月十八日
細田東洋男氏亀岡より帰来、来訪者、原真平氏、南洋振興日報支局長中島氏。
●八月十九日
広瀬氏綾部より帰来、来訪者、中外日報社真溪涙骨氏外数氏。
●八月二十日
葦原万象氏亀岡より帰来、葦原氏及細田東洋男氏は青森、花巻、仙台に於ける皇道講座講師として出張、速志美春氏亀岡へ。
●八月二十一日
岡本霊祥氏亀岡より帰来、広瀬氏東京憲兵隊訪問新見隊長の病気見舞をなす、岡本霊祥氏亀岡より帰来、江口宏氏天津に於ける愛善日語学校の件につき外務省訪問。来訪者、建国会三島助治氏、井岡綸一郎氏、亀岡より山梨県下を経て帰来。
●八月二十二日
山口利隆氏綾部より上京、広瀬氏と同道して海軍省訪問。来訪者、鄭旭氏丹州時報宮津支局長木村耕成氏外数氏。
●八月二十三日
山口利隆氏、広瀬氏、及江口氏同道陸軍省訪問、後山口広瀬両氏参謀本部に支那課長喜多大佐訪問、何でも山口氏近く北支特派として出発につき挨拶の為なり、細田、三武、村雨三氏亀岡より帰来、山口利隆氏亀岡を経て綾部へ、奥羽地方本部へ水害見舞電報発信。陸軍省新聞班発行パンフレット「北支事件及宗哲元軍不法事件に就て」多数貰ひ受く。
●八月二十四日
広瀬氏亀岡へ。
●八月二十五日
成瀬言彦氏亀岡より上京、広瀬氏亀岡より帰来、奥谷宮照氏亀岡へ。
●八月二十六日
中山、広瀬両氏同道映画関係用件にて下位氏訪問。
●八月二十七日
大場良典氏亀岡より上京、上滝澄夫氏亀岡へ、目黒雅叙園に於けるジョンストン博士歓迎会に広瀬氏出席、井岡綸一郎氏農林省訪問。
●八月二十八日
井岡氏農林技師山崎昇二郎氏を愛善陸稲に関して訪問、広瀬大場両氏陸軍省訪問、新聞班所有の映画フイルム「躍進三十年」及「日本」其他借用、夜総本部に於て試写、速志英春氏亀岡より帰来、安藤久三氏夫妻南洋ポナぺ島へ帰任の為上京、来訪者、日本政治経済調査所伊藤操氏外数氏。
●八月廿九日
出口副統管亀岡より帰来、大場良典氏陸軍省訪問借用のフイルムを返還す。
●八月三十日
井岡倫一郎氏愛善陸稲に関して鴻巣農林省試験場へ出張。来訪者、木村東京毎夕社長外十数名。
●八月三十一日
紫波支部(岩手県)発会式挙行、宇城照耀氏及志田十三氏亀岡より上京、滞京中の成瀬言彦氏亀岡へ。来訪者、樺太宮内菩助氏、山田虎太郎氏外十数名。
●九月一日
黒沢尻支部(岩手県)発会式挙行、情報部関係者会合打合をなす。来訪者、東京毎夕新聞社細田瑞穂氏外数名。
●九月二日
映画部玉川研究所の用件に関し深町、中山、原三氏総本部に於て会談、世界紅卍字会北平紅卍字医院々長方崇良氏、同会員李正院氏及同高福麟氏来訪副統管と懇談をなす、総本部奉仕中の山下智加子氏一時郷里へ。来訪者、国本鮮明氏外数名。
●九月三日
茨城県米川氏は本年好成績を挙げたる愛善陸稲栽培者数名の喜びと感謝とを報告の為各自栽培の立株を持ちて来訪、過日来滞京中の安藤久三氏夫妻横浜より乗船南洋ポナぺ島へ出発。来訪者、国分義一氏、米倉範治氏、木村毎夕社長外十数名。
●九月四日
林陸相辞任し後任は川島大将に決定せる旨の飛報あり、人類愛善新聞
●九月中旬号印刷出来、人類愛善新聞編輯局員及情報部員合同会議を開催、国際トーキー会社関係の問題解決の為総本部に於て深町氏中山氏富沢氏原氏及国際トーキー会社員二名会合協議を行ふ、映画部玉川研究所の事業を亀岡へ移したる為所員大場良典、児玉知二、成瀬徳男、秋田淑雄諸氏同所を引上げて亀岡へ赴任。来訪者、満洲国奉天省警務庁長三谷清氏外二十数名。
●九月五日
映画部玉川研究所に奉斉しありたる神霊を総本部に移し奉り早朝遷座祭を執行す、本日附を以て映画部新陣容発表せらる、映画部都制大国以都雄氏、同主事中山勇次郎氏、同主事補神本泰昭氏、同じく本日附を以て松山陸一氏上滝澄男氏及成見滝之進氏は総本部々員に任命せらる、稲生貴氏陸軍省訪問、同省新聞班発行のパンフレット「転換期の国際情勢と我が日本」を貰受く。細田正治氏芝協調会館に於ける青年懇談会主催の座談会に出席、速志英世氏亀岡へ。来訪者、南洋ポナペ島高橋覚氏外数氏。
●九月六日
午後二時廿五分東京駅着列車にて事変関係患者帰還につき在京会員多数出迎をなす、中山総本部次長玉川研究所を引き払ひ亀岡へ。来訪者、村雨退二郎氏外数氏。
●九月六日
中山勇次郎氏映画部玉川研究所を引払ひ亀岡へ、事変関係患者東京駅帰還につき在京会員多数出迎、来訪者、村雨退二郎氏、南洋高橋覚氏外十数氏。
●九月七日
航空本部本田農中佐を囲んで蘇国及支那の最近の事情並に防空に関する座談会開催、副統管以下十数名出席、葦原万象氏仙台の皇道講座を終へて帰来、直に亀岡へ出発、前日本新聞主幹若宮卯之助氏主催座談会に出口副統管及細田正治氏出席。来訪者、本田中佐外十数氏。
●九月八日
床次逓相の訃報に接し不取敢弔電を発信、細田東洋男氏仙台に於ける皇道講座を終へて帰来。来訪者、満洲国奉天省警務庁長三谷清氏外数氏。
●九月九日
出口副統管亀岡へ速志英春氏亀岡より帰来。来訪者、中野天黍利鮮人無料収容所理事木村寛氏、池田千秋氏外数氏。
●九月十日
細田正治氏青年懇談会に出席、樺太地方本部へ出口副統管、下位参謀長及細田東洋男氏の銅板作製送附す、奥谷宮照氏亀岡より帰来、細田東洋男氏亀岡へ。
●九月十一日
成見滝之進氏陸軍省訪問、同省新聞班発行のパンフレット「転換期の国際情勢と我が日本」「日満関係の再認識に就て」及「満洲国外観」各種共多数寄贈を受く、前逓相故床次竹二郎氏告別式に栗原広瀬両氏代表として参列、山形地方本部長多田理助氏予て病気療養中の処長逝の旨通知受けたるにつき直に弔電を発信、総本部に富沢効、遠藤平吉、岡本喜之助、栗山力諸氏会合、映画部関係問題中遠藤氏に関する件一切解決す。来訪者、愛国恤兵会茂手木一氏、栗原白嶺氏、高見範姓氏外十数氏。
●九月十二日
出口本部長名にて故多田理助氏遺族宛弔電発信、来訪者、小樽支部大倉常吉氏外数氏。
●九月十三日
新発田町大火の報に接し直に新発田支部宛見舞電報発信、新潟地方本部より「新発田大火会員無事」と入電、映画部玉川研究所本日を以て全部引上げ雑道具を総本部へ運搬す、井岡綸一郎氏愛善陸稲の用件にて米沢市へ出張、葦原万象氏亀岡より帰来、来訪者、ボロチコフ氏外数氏。
●九月十四日
出口副統管亀岡より帰来、松山陸一氏映画部玉川研究所より総本部へ転任、本日より出勤、人類愛善新聞編輯局員と情報部員との合同会議開催、人類愛善新聞九月中旬号印刷出来。来訪者、山田雲峰氏竹内てる子氏外数氏。
●九月十五日
通達第二十二号(九月十五日附)を各地方本部支部並に昭和青年会主会長及聯合金長宛発信、出口副統管は静岡県湯ケ島温泉に滞在中の統管を訪問の為出発、八王子支部(東京府)発会式挙行下位参謀長及菅谷英世氏参列並に講演、本年度愛善陸稲籾種一升二十五銭(総本部愛善陸稲部米沢出張所取扱ひの分)と決定。来訪者、三武錠史氏外数氏。
●九月十六日
出口副統管湯ケ島より帰来、広瀬氏陸軍省訪問、岡本霊祥氏亀岡へ。来訪者、栗原白嶺氏外数氏。
●九月十七日
事変関係患者東京駅に帰還につき在京会員多数出迎、奥谷宮照氏代表として参列、細田東洋男氏亀岡より帰来、岡部善教氏当総本部より昭和青年会本部事務局へ転任につき午後九時半東京駅発列車にて亀岡へ。来訪者、三武錠史氏、山田虎太郎氏外数氏。
●九月十八日
清洲事変勃発満四年の記念日なり、本日附を以て総本部事務分担決定発表せらる、一同神前に集合、出口副統管の訓示あり、後情報部会議開催。来訪者、南洋ポナペより帰来の鈴木新太郎氏外数氏。
●九月十九日
久振りの快晴なり、午前十時上野駅発列車にて出口副統管下位参謀長及細田東洋男氏外に案内の為上京せし宮内喜助氏一行四名樺太に於ける地方本部及支部発会式に参列の為出発、総本部に於てロシヤ研究の権威夏秋亀一氏を囲みて、ロシヤ問題に関し座談会を開催、岡本霊祥氏亀岡より帰来、成見滝之進氏亀岡へ。来訪者、夏秋亀一氏、土井靖都氏、村雨退二郎氏外十数氏。
●九月二十日
天津に愛善日語学校を経営する、北村隆光氏は先般中華民国人十名を引率して帰朝、亀岡、綾部を経て今朝東京駅着会員多数出迎をなす、松山隆一氏亀岡を経て郷里へ、奉天省警務庁長三谷清氏厳父葬儀に江口宏氏宇城照耀氏代表として会葬。来訪者、北村隆光氏、中華民国林明哲氏及令妹、美座時中氏外数氏、改刊発行の新聞「日本」五百部夜遅く届け来る。
●九月二十一日
彼岸の入り、関西地方風水害満一年記念日、副統管臨席の下に樺太地方本部及豊原支部発会式挙行、昭和神聖会総本部出口宇知麿氏名を以て本日改刊発行せられたる新聞「日本」(週刊新聞)の推薦状を地方本部及支部宛新聞見本と共に発送、上野精養軒に於けるエチオピア特使ダバ、ビルー氏歓迎会に広瀬、江口、細田正治三氏出席、滞在中の栗原白嶺氏亀岡を経て綾部へ、宇城照耀氏亀岡へ。来訪者、北村隆光氏、林明哲氏外数氏。
●九月二十二日
野田支部(樺太)発会式を出口副統管臨席の下に挙行、関東州大連、及旅順両支部発会式延期の旨入電、井岡綸一郎氏米沢市より帰来、山下智加子氏総本部係員を解かれ亀岡係員に転勤。来訪者、北村隆光氏外数氏。
●九月二十三日
珍内支部(樺太)発会式出口副統管参列の下に挙行、当総本部に滞在中の林明哲氏亀岡へ、日本精神研究の為出発、神聖十月号印刷出来。来訪者、土屋弥広氏外中華民国人十数名。
●九月二十四日
秋季皇霊祭日、泊居支部(樺太)発会式出口副統管参列の下に挙行、神助により入場者千名突破の旨入電、速志美春氏亀岡へ。
●九月廿五日
亀岡より角祥三郎氏上京、神聖十月号発送準備に多忙なり。来訪者、千代田通信社関根喜四郎氏、草野義男氏夫人及母堂外数氏。
●九月廿六日
楠田敏郎氏亀岡へ、雑誌「巨雲」十月号(皇道大本批判記事掲載)十部届け来る。来訪者、田美大次郎氏夫妻、高見沢豊氏外数氏。
●九月廿七日
事変関係患者帰還につき在京会員駅頭に出迎、総本部代表奥谷宮照氏出向、成見滝之進氏亀岡より上京。来訪者、ボロチコフ氏、山内通靖氏、千葉県稲生甲子太郎外数氏。
●九月廿八日
人類愛善新聞十月上旬号印刷出来、水害地茨城県三個所、千葉県一個所、北海道一個所へ夫々見舞電報発信、早速取手支部より電話、行方支部及静内支部より電報を以て情況報告し来る、会員の中被害を蒙りたるものあるも皆無事なり、楠田敏郎氏亀岡より帰来葦原万象氏亀岡へ、統管十月二日上京当総本部へ来着の通知あり、総本部員及在京関係機関へ通知を発す。来訪者、石丸順太郎氏、砂土原夫人、国本鮮明氏、外数氏。
●九月二十九日
出口副統管及細田東洋男氏樺太に於ける発会式参列を終へて帰来、細田氏直に亀岡へ出発、速志英春氏亀岡より帰来、出口副統管の代理として松岡晴祥氏茨城県水害地の会員を見舞ふ。来訪、ボロチコフ氏、山内通靖氏、三木亮孝氏、大屋定夫氏外数氏。
●九月三十日
下位参謀長樺太出張中の処帰来、統管部高木鉄男氏亀岡より上京、副統管、高木、御田村、米倉諸氏会合重要協議あり、横須賀支部にては昨二十九日同市五新聞社、聯合青年団、郷軍同市聯合分会、在郷将校横須賀分団等と合同主催にて国体明徴問題につき宣言決議を発表せり、新日本海員組合職長統一会(神戸市)より「日本海員組合が犯せる国体破壊の不逞行動を摘記し全国民の注意を喚起せんとす」なる宣伝ビラ到着、北海道小樽市所在全日本護国聯盟本部より光行検事総長談に関する声明書来る。
●十月一日
国勢調査に出口副統管以下十一名申告をなす、帰国中なりし松山隆一氏帰来。来訪者、三武錠史氏、木村東京毎夕新聞社長、小樽支部大倉常吉氏外十数氏。
●十月二日
統管昨朝亀岡より熱海に来着、一泊の上今朝入京、総本部に一泊せらる、来訪者約二百八十名、深水静氏亀岡より上京、高木鉄男氏、井岡綸一郎氏亀岡へ、本日附を以て木村瑞枝氏東京地方本部長に任命せらる、近時国体明徴、天皇機関説排撃の運動熾烈を加ふると共に他方国体の本義に適応せる憲法学研究に着手する者漸く増加せんとする風潮あり洵に慶賀すべきことなり、此の点に於て夙に熱心なる研究者として知られし板橋菊松氏の主宰する「憲法学再検討の会」より此度「帝国憲法学会」と改称せし旨挨拶状来る。
●十月三日
統管午前中滞在、午後三時速志英春氏宅に到りて洗髪一泊、夜出口副統管より総本部員一同に対し訓示並に挨拶あり、情報部員及人類愛善新聞社編輯局員合同会議開催、志田十三氏亀岡より上京、過日来来泊中の角祥三郎氏亀岡へ帰郷、伊軍とエチオピア土民軍との間に開戦せりとの飛報あり。来訪者パルイコフ氏外数十名。
●十月四日
統管速志氏宅を早朝出発自動車にて横浜市滝ノ上なる統管部に到りて一泊、パルイコフ氏統管に面会過日ハルピンに於て挙行せられし白露フアッショ党大会出席各地代表者一同より贈呈せる大会状況写真帳を伝献す、出口副統管亀岡へ、人類愛善新聞社より転任の山口明徳氏亀岡へ赴任の為退京。
●十月五日
横浜統管部滞在の統管には同邸内の歌碑除幕式並に神奈川県地方本部経営の愛善学園完成式及鎮座祭に参列、午後九時横浜駅出発、明六日神島参拝の為森良仁氏速志閑月氏の随行員と共に加古川に向はる、速志英春氏映画に統管一行の神島参拝実況を撮影の為め東京駅出発横浜にて一行に加はる、南洋ポナペ島より木田繁安氏横浜港に帰着の為め広瀬氏埠頭迄出迎ふ、総本部員岡本霊祥氏本日より東京毎夕新聞編輯局員を兼務することゝなる、葦原万象氏亀岡より帰来。来訪者、選挙粛正標語普及会本部西崎隣芳氏、明星倶楽部増田政次郎氏外数氏。
●十月六日
伊エ激戦、国際聯盟理事会制裁発動に関する号外飛び、市中には一昨四日東京湾に入港したる皇国海軍聯合艦隊乗組員の行進等ありて賑ふ、東京地方本部は総本部邸内より移転す。来訪者、小松崎幸一氏、外数氏、来泊中の木田繁安氏亀岡へ、滞京中の深水静氏外務省よりシャム行旅券の下附を受けて亀岡へ。
●十月七日
来泊中の志田十三氏亀岡へ出発。
●十月八日
暗雲低迷冷気肌に沁む、成見滝之進氏亀岡へ。来訪者、長安続雄氏外数氏。
●十月九日
奥谷宮照氏亀岡へ。来訪者、兼良俊氏外数氏。
●十月十日
東京地方本部に於て管下各支部の協議会あり、広瀬氏参列。来訪者、埼玉県五十嵐恒雄氏。
●十月十一日
埼玉県五十嵐恒雄氏同県下に愛善陸稲栽培奨励を映画によつて行ふ可く打合せの為来訪、十六ミリ映写機及フイルムを貸与す、同氏の談によれば同県下に於ける本年度愛善陸稲栽培状況は一般に好成績を挙げ居り、就中児玉郡に於ける某会員の如き農会技術員立会の下に収量調査したる所反当り三石二斗(農林省発表陸稲平均反当収且三石内外)ありたりと、統管主演映画「昭和の七福神」好評を博し既製品を売り尽して更に五組複製註文す。来訪者、北海道三松三五郎氏、小倉新報社畑野源一郎氏外数氏。
●十月十二日
葦原万象氏千葉県佐原町へ講演の為出張、帝大仏教会館に於ける日本主義学生講演に広瀬氏参聴、都下七大学より弁士出演、夫々熱弁を揮ふ、欧米文化の糟粕を甘受しつゝある現代大学生の間に日本精神に目醒めんとする学生の漸く多きを加えんとする傾向あるは寔に慶賀すべきことなるも、当日聴衆僅か百五十名(大部分大学生)を算するに止るのみならず、演説の内容に於て未だ真個日本精神に徹底せざる感多きは痛恨事なり、去る七月モスコ一に於て開催せられし第七回共産党大会に於ける日本及中国共産党代表のなしたる演説内容は皇国民として憤激に堪えざるものあり、日本精神宣揚会より此等に関し対ソビエツト問題声明書送附し来る、木田繁安氏亀岡より上京。
●十月十三日
南洋ポナペ在住会員高橋覚氏過般出京総本部に滞在中ボナぺ島に同氏の経営せる製糖事業並に広大の所有地を統管に呈上の申出をなしたるが、十数日前新に製糖機械を購入して横浜港出帆帰島の途につきたる処本日無事着島の旨電報し来る。来訪者、日本社会問題調査所下村進氏、明星倶楽部増田政次郎氏外数氏。
●十月十四日
速志英春氏亀岡より帰来、統管一行神島参拝其他のフイルムを総本部に於て編輯の為め井上莞、秋田淑雄両映画部員と共に大童なり、昭和坤生会東京聯合会幹事故増山よね子氏告別式に広瀬氏代表参拝す、上京中の木田繋安氏亀岡へ。
●十月十五日
国体明徴に関する政府の第二次声明発表せらる、当局は該声明の軍部、郷軍、愛国諸団体に及ぼす反響につき頗る神経過敏の模様なり、夜中官憲の来訪を受け声明に対する本会の態度所見を徹せらる。
●十月十六日
奥谷宮照氏亀岡より帰来、夜日比谷松本楼に於ける対ソ問題懇談会に広瀬氏出席、国体明徴とソビエツト膺懲とは不可分の重大問題なりとは主催者側の見解なり、皇道の世界宣布は日本の天職使命にして世界共産革命を陰謀するソビエツトとは、必然的に決戦をなさゞる可からざる運命にあり、而るに国民の大多数は対ソ関心薄く、中には日ソ親善を説く者さへ尠からず、速に対ソ問題に閲し啓蒙運動を起す可しとなす意見に於ては悉く一致せり、稲生貴氏帰省。来訪者、秋田県堀藤一郎氏、国体擁護聯合会、中村新八郎野々口宏、浜地の三氏外数氏。
●十月十七日
神嘗祭日なり、午後一時青年会館に於て天照会主催皇祖祭並に産業祭挙行、奥谷氏代表として参列、過日来亀岡滞在中の出口副統管には本日帰京の予定なりし処風気の為上京延期の旨入電あり、依つて広瀬総本部次長事務打合の為亀岡に赴く、井岡綸一郎氏亀岡より帰来。来訪者、川上肇氏、孟大剛氏、有明乗組員佐々木氏外数氏。
(「真如の光」昭和九年十二月十七日号~十年十一月十日号)