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文献名1霊界物語 第73巻 天祥地瑞 子の巻
文献名2第3篇 東雲神国よみ(新仮名遣い)しののめしんこく
文献名3第27章 神秘の扉〔1858〕よみ(新仮名遣い)しんぴのとびら
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ国生みの神業とは:荒れ果てた国土を開拓し、神々の安住すべき土地を開くこと。神生みとは:国魂神=国をつかさどる清く正しい神魂として、御子を生むということ。国魂神が国をつかさどらなければ、神々は強い者勝ちの気分を起こし、収拾がつかなくなってしまう。御子生みは、男神と女神の真言の言魂の水火(いき)同士を融合調和させ、それに応じて神霊が胎内に宿り、御子が生まれるのである。これは言霊による神示の神業であり、一夫多妻ではない。一切万有に対するのが愛であり、これに対してある一つのものに焦がれるのが恋である。現代においても、神人はかく言霊の接合によって御子生みの神業を為すことができる。ただ、言霊の影響は、一般の妊婦に対しても及ぶので、現代人も朝夕、善言美詞を奏上し、清く赤き真言の心を心がけるべきである。
主な人物 舞台 口述日1933(昭和8)年10月17日(旧08月28日) 口述場所水明閣 筆録者森良仁 校正日 校正場所 初版発行日1933(昭和8)年11月22日 愛善世界社版 八幡書店版第13輯 109頁 修補版 校定版284頁 普及版 初版 ページ備考
OBC rm7327
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本文  主の神より瑞の御霊太元顕津男の神に依さし給へる国生みの神業とは、荒果てたる国土を開拓し、神々の安住すべき土地を開かせ給ふの意にして、神生みの神業とは、国魂神を生み給ふの意なり。先づ国を生みて其国魂たる、正しき清き神魂を生まざれば、神々は優勝劣敗の気分を起して終に収拾すべからざるに至るを憂ひ、茲に国の司たるべき御子を生み給ふの意なり。而して主の神より八十比女神を与へ給ひたるは、現代人の如きホコとホトとの接合にあらずして、只両神の真言の言霊の水火と水火とが融合調和し給ふ神業に感じて、ここに神霊胎内に宿りて、終には日を足らし月を満たして呱々の声と共に生まれ出で給ふ神業なり。比女神と比古神の澄み切り澄みきらひたるスの言霊の水火を初めとし、男神のウ声と女神のア声とここに凝りて神示の神業は完成するものなり。故に現代の如くペニスとムツシエリーとの交接の如き醜猥の手続を取るにあらざるを知るべし。
 世は次々に変り行きて現代人の如き、御子生みの手段を取るに至りたれども、遠き神代の神々は斯かる手段を取るの要なく、清く正しき真言の生言霊を互に宣り交しつつ、女神は男神に、男神は女神に融合親和して、二神は茲に一神となり、水火と水火とを蒸し蒸して其神業を為し終へ給ふなりき。男神女神が其の豊円なる肌と肌とを抱き合せ給ふ時は、互に舎密電気の発生により温熱次第に加はりて、蒸しつ蒸されつ御子の霊宿るなり。斯くして生れたる男の御子をムス子と言ひ、女の御子をムス女といふは、今に至るまでその称へは同じ。遠き神代に於ける太元顕津男の神が八十比女神に対せる御子生みの神業を聞きて、現代人は一夫多妻の邪道と誤解するの惧れあるものなれば、ここに説示し置くものなり。
 故太元顕津男の神は、八十比女神を御樋代として百神の暗き心を照すべく、御子生みの神業に奉仕し給ひしこそ畏けれ。
 天界は愛と善との世界なれば、其愛は益々昂じて恋となり又恋愛となるは止むを得ざる自然の理と知るべし。愛は一切万有に対する情動の活用にして、恋は之に反し或一つのものに焦れて魂のこびりつく意なり。故に恋は親子の中にも、君臣の間にも、又朋友男女の間にも起る情動なり。恋愛に至りては然らず、恋ひ恋ひて焦れたる末は終に其肉体をも任せ任され、終には夫婦の道を造り又は破るの結果となる、之を恋愛の情動といふ。
 今の世に至るも主の神の神言を蒙りて世に生れ出でたる神人は、凡人の如き形式を取らず、古の天界に於ける夫婦の道の如く、水火と水火とを組み催合ひ、情動と情動の接合によりて御子生みの神業を為し得るものなれば、極めて清浄なる行為なれども、凡人は妬み嫉み心捻け曲りて、醜悪の行為を為せるものと見做すこそ是非なけれ。女男両神は互に顔と顔とを摺り合せ、胸と胸とを抱き合せ、互に手を握りて愛の情動を交接し、其水火の発動によりて貴の御子は生れ出づるものなり。
 有徳の神人は現代に生ると雖も、此の方法によりて御子は生れ出づべし。女男互に心に恨みなく、妬みなく、嫉みなく、其の清き赤き言霊を取り交す時は、別に男女の交接の手段を採らずとも貴の御子は生れ出づべし。これ言霊の天照国の幸ひなり。現代にても、想像妊娠といふことあり。ここに或る女ありて遥に恋ひ遠く慕ひつつ、手枕の夢結ばずと雖も、有徳の神人の御名を聞きて朝夕之に敬慕し、愛を籠め恋ふる時は、神人の霊魂忽ち親臨して水火を睦み合ひ、茲に胎児となりて現るるなり。故に賢明にして至粋至純なる女体には、一切の交接なくして御子生るる理由なり。
 又妊婦は常に聖賢の像を壁間に懸けて敬慕おかざる時は、容貌美しき賢児生れ、羅漢像の如き醜悪なる容貌を朝夕見る時は、醜悪なる男女の御子生れるものなり。善言美詞の言霊を朝夕拝誦し、神人の面影を心中に描くときは神の御子生れ出で、悪言暴語を常に口にする時は獰猛醜悪なる御子生れ出で、国を乱し家を破り、終に両親を泣かしむるものなり。故に現代人と雖も常に言葉を謹みて、朝な夕なに善言美詞の神言を奏上し、清き赤き真言の心以て神人を恋ひ慕ふ賢女は、真しく国家の柱石となるべき善良の御子を生み得るものなりと知るべし。嗚呼惟神霊幸倍坐世。
(昭和八・一〇・一七 旧八・二八 於水明閣 森良仁謹録)
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