文献名1開祖伝
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名312 重なる災厄よみ(新仮名遣い)
著者愛善苑宣教部・編
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データ最終更新日2020-05-15 21:40:36
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政五郎さん帰幽後の開祖様の家計はいよいよ窮乏の極に達し、よその見る目も哀れな状態でした。
長女の米子さんは綾部西町の大槻鹿造という者に誘拐されて、一時親子絶縁状態になっておられましたが、明治二十四年の暮、神がかりというか、発狂の状態となりました。長男の竹蔵さんの傷は幸いに全治いたしましたけれども、大工の見習いに行くのはいやだというので伏見方面へいってしまう、次男の清吉さんは近衛師団へ入営、米子さんを誘拐した大槻鹿造は三男の伝吉さんを自分の養子にすると云って、暴力で連れ出してしまうと云ったようなことで、開祖様はたださえお忙しい中をあちらへ行きこちらへ行き、あるにあられぬ御苦労を重ねられ、「地獄の釜の焦げ落としと云うのは実にこの事か」と悲しまれました。