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文献名1王仁文庫
文献名2第6篇 玉よみ(新仮名遣い)
文献名31~15よみ(新仮名遣い)
著者
概要
備考2023/10/22校正。
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-10-22 12:01:23
ページ1 目次メモ
OBC B115006c03
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本文 たま
明治三十六年十月一日

   裏神諭

(一)大功は細瑾を顧みずとは、古諺教ふる所なり。然れどもいと些さき悪なりとも、之を軽視して改めざる時は、大なる善を行ふこと能はざるべし。蟻穴より千丈堤も崩るるとかや。世大立替なぞと唱ふる人が、日常些事にも心を砕くを見て、若し傍より之を嗤ふもあらば、其人は決して高天原に到ること能はざるべし。
(二)神に供物を為すに当りては、先づ心を清らかにするを要す。親子兄弟姉妹等睦じからずして供物を為すなかれ。不和なる家庭供物は、神之を受けんとはし給はず。神は最も人赤心を歓び給へばなり。
(三)姦淫は慎まざる可からず。万罪皆色を慎まざるより起る。肉体にては慎みて姦淫せざるもあれど、心に姦淫せざるは甚だ尠し。心に姦淫したる者は肉体にて姦淫したると其罪決して異ることなし。早く改めざれば、高天原に到ること能はざるみならず、根底国に落さるる也。
(四)人に見られむが為に善を為すことなかれ。貧民に衣類食物を施すに当りても、其事実が世に拡がりなば、そは既に世界より酬いられたるなり。故に真報酬を神より受くること能はざるなり。隠れたる徳は神之を酬い給ひ、現れたる徳は、人之を酬ゆるもなり。
(五)天は高きもみ思ふことなかれ。誠ある所、正しき神坐ます所は皆天なり。竜宮館下津岩根も亦天なり。
(六)二個眼を失ひたる人は、こ光明を見ること能はず。心眼を失ひたる者は、そ暗きこと一しほなるべし。心眼なき者は、神に見ゆる事能はざるべし。高天原を見る事能はざるべし。
(七)東君主に仕へ、同時に西君主に仕へ難きと同じく、人若し財宝に仕へんとする時は、同時に神に仕ふること能はざるべし。金銭を使ひて国為め道為めに尽すは良し。金銭に使はるるもは、神光を知らざるに至るべし。
(八)今日畑に在りて、明日は釜に煮らるるもなりとて、神は其刹那まで守護を与へ給ふ。神教を守る人、何ぞ神守護なかるべき。之に反して信仰なき者心は、恰かも薄氷を踏むが如く、到底安息遑なかるべし。
(九)日本神国人よ、一切を神に任せよ。食ふも、飲むも、着るもに心を煩はすことなかれ。今日事は今日に為すべし。明日事を今日より思ひ煩ふことなかれ。人欲するがままに、明日天候を雨となし、又晴れとなす事さへ許されざればなり。されば何事も其日み神に祈りて、其日罪を恕されんことを求むべし。
(十)罪深き者よ、爾眼には棒横はるを知らずして、人眼に在る針を見んとす。先づ自己棒を抜き取りて後、人眼に在る針を抜き取ることを努むべし。罪深き間は、自己履物を棚に直し置きて、人履物置所を罵るもなり。心せよ。神は何処にも坐まさぬといふことなし。
(十一)細き道を歩むべし。広き道を歩むもは、末必らず亡ぶることあらん。今人、大方は広き道を取りて行けり。長く栄ゆる道は旧くして且狭きが如し。
(十二)今教会教師は、表面姿は誠に優さしく、忠実に見えて、神取次らしく思はるれど、其心内は狼なり、山狗なり、蛇なり。こ罪といふ罪は、彼等心に山と積れり。人なるもよ、猛き獣に襲はるることなかれ。
(十三)今教会は桜花なり。一時は人歓びて其下に集まるといへども、其実を結ばざれば、須臾花なり。実結らざるは仇花にひとし。爾等早く桜を棄て、松下に集まれ。幾千代も変らぬ緑は生命証なり。
(十四)桜花を棄てて梅花を尊とめ。梅は万花に魁けて清香を放つもなれば、世人之を兄花と崇め居るにあらずや。積雪中を耐へ忍びて咲き匂ひ、後には珍しき実を結ぶを見るべし。
(十五)薊花を愛することなかれ。茨牡丹に近寄るを慎むべし。すべて外形麗はしきもは皆刺あり、針あり。近づくもは必ず其身を害ひ傷ることあるべし。
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