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文献名1
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3(二)顕幽出入自在よみ(新仮名遣い)
著者井上留五郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
ページ121 目次メモ
OBC B116500c082
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本文の文字数1451
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本文  前述霊眼だけでも非常に便利でありますが、さらに随時霊界に入って直接見聞することが出来れば、ますますそ能率が完全になるわけであります。聖師様精霊に自動的にこ現象が起こったは、大正十二年大本春季大祭前でありました。(高熊山ご修業ときもそうでありましたが、こ時は神様より否応なくさせられたであって、いわゆる他動的であります)そ状況をかいつまんで申し上げます。
 早朝でありましたが、聖師様危険状態と大本より急務に接し、周章て駆け付けたところ、聖師様はお床中で煙草を吹きながら十五、六人人々とお話をしておらるるで何が何だかサッパリ判らなかったでありましたが、聖師様より「今霊界へ行って来たところだ。様子が判らぬから皆が心配したとみえる。しかし参考ため一度診察をしておくがよかろう」と種々説明していただいて、始めて顕幽出入始まったことが判ったであります。そ後ほとんど毎晩霊界行きがあって、多い晩には二、三度もあったであります。そ際における聖師様自覚的状態としては、最初身体が非常に軽くなりちょっとした空気動揺にも空中に浮揚する感じがするで、ご自分でもシッカリと布団をお掴みになり、そしていつも宇知丸様にだけお手を握りしめさせておらるる間に、精霊は霊界へ上らるるであります。他覚的には先ず脈が次第に緩徐となり、呼吸もこれと伴い、後には脈拍呼吸共に暫時休止してしまうであるが、ここに矛盾せることは、お顔色は鮮花色となり何か面白い愉快なもを見ているというご容子であって、霊学上見地からでなくては全く信ぜられざる不思議な溶体であることは、私以外二、三医師も実験しているところであります。当時高熊山参拝後、亀岡において初めてこ現象を見た信者諸氏如きは、泣くやら叫ぶやら大騒ぎをしたほどでありました。
 初めはかなり長時間で十五分も二十分もかかりましたが、だんだん圧縮され熟達され、そ末頃には人と面談中にでも或いは途中でも霊界行きが自由となり、こ際よほど注意しておらねば他覚的には判らぬほどになったであります。
 こ顕幽出入について当面最もご便利であり、また私どもとしてお懐かしく感ずるは、随時開祖様と直接ご面談が出来るようにおなりになったことであります。
 だいたいこ顕幽出入(交通)は、生死真理、死後状態を会得し、生命執着心がなくなれば誰にでも出来得るであって、こ域に到達して初めて神様ため世界人類ためには身命を惜しまぬ底言行一致が出来るであると、説示さるるであります。現に信者ではないが東京後藤某氏如きも顕幽出入が出来るそうであって、心霊研究家好材料となっております。また場合によっては肉体も共に行くことが出来ますが、しかし精霊だけで充分でありまして、むしろ人としてはこれが本当であります。かく霊界行き際そ人自身には自分が精霊だけであることには無論気が付かないであります。
 未だ霊界存在に気付かぬ人々は、荒唐無稽憶説として一笑に付し去るでありましょうが、しかし人が失神仮死に陥りた際、種々なところを見聞したという実例は、よくあることでありまして、これはそ精霊が一時霊界行きをしていたためであって、そ真相は霊界物語に詳述してあるところであります。霊界消息が判れば顕幽出入は不可能でないことが、誰にでも気付かるるであります。太古黄金時代にはこれが極めて容易であり、普通事であったと承りております。
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