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文献名1
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3(四)合わせ鏡よみ(新仮名遣い)
著者井上留五郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-06-01 17:11:57
ページ170 目次メモ
OBC B116500c114
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本文  合わせ鏡は引掛戻しところでちょっと述べておきましたが、重要意義を有しておりますから、あらためてお取次するであります。
 これは神諭中によくある言葉であって、何事に拘らずそ相対的関係を明らかにし、これを正しく真釣り合わせ(祭)することであります。即ち正しき神人合一、祭政一致、霊肉一致、自他和合等はみなこ合わせ鏡完成であります。(三位一体完備は合わせ鏡正しき帰結なり)

一、個人における合わせ鏡

 人はそれ自身が霊魂と肉体と相対的和合より成り立っているから、これを正しく合わせ鏡(霊肉調和)することによって初めて肉体的には無病強健人となり、精神的には神心持ち主となるであります。即ち霊肉一致であって立派なる人格者(神格者)であります。それにはそ環境即ち霊界と現界と関係を会得し、これを正しく合わせ鏡することによって完成するであって、ここに初めて天地経綸司宰者として真生活を果たすことが出来るであります。
[#図 個人における合わせ鏡]
 図如く我々は、神界公的内護に対して捧ぐる感謝祈願赤誠を移し、もって社会奉仕たる公的交際を完うし、祖霊より来る私的内護に対する真情を移して、家庭並びに周囲における私的交際を勤めねばなりませぬ。即ちれもに説示してある内的生涯と外的生涯と合わせ鏡(和合)であります。公的内護とは仁慈無限大神ご神格中に安住し神真光り神善徳に浴し、国魂神、産土神そ他八百万神々順序的ご加護を云うであって、私的内護とは、遠津御祖神、代々祖等、家族親族祖霊より守護を云うであります。公的交際とは、いわゆる君恩、師恩、親恩、衆生恩に対する報恩的奉仕であり、私的交際とは、家庭はもちろん、親戚、知己、朋友、近隣に対する親和的行動であります。
 かく相応理により合わせ鏡を努むることが身魂みがきであって、そ完成が即ち地上天人であり、現界生神であります。こ域に到達せし人は、随時神々精霊とそれぞれ相連絡提携(神がかり)して、偉大なる能率を発揮することが出来るであります。これが真神人合一であるから、正しき神がかりが容易に在るもでないことが、明瞭に会得反省さるる次第であります。

一、信仰上合わせ鏡

 吾々信仰上意義、修養、責務、帰結については、すでに明確に教示を受けておるところであります。
 至仁至愛なる大神(上帝または主神)ご大命を奉戴し、天地八百万天使お取次として、また統治神として、厳御魂、瑞御魂両大神が顕現され、変性男子、変性女子宮に鎮まり玉うことは重ねて申すまでもありませぬが、ココに開祖様ご上天についてお取次しておかねばならぬことがあります。
 三界に亘る一切精霊調査、いわゆる霊魂立て分けが全部完結し、また御経綸が水も漏らさぬ底に隈なく布き施され、開祖様主要なる現界的お役目が終了しましたで御神業促進は第二御経綸に移らるることとなり、ついに八十三歳をもってご上天やむなきに至ったであります。
 第二御経綸とは全霊界統御及び大本天国樹立であって、即ち開祖様は大出口神としてここに初めて最奥天国を新設して、個々分立疎隔しているところ各天国団体を統一すべき御神業に奉仕さるる重職にお就きになったであります。これが「出口神と表れて艮を刺さねばならん時節が参りて来たぞよ」と御神諭実現であります(明治四十三年旧九月十日神諭、索引参照)開祖様ご昇天については明治四十三年旧四月十五日御神諭(索引参照)に、左如く予告してあってそれが的中したであります。
「……明治二十五年に天神様地へ降りて、世界御守護遊ばすぞよ。地神天へ上りて守護を致すぞよと申して、口と手とで知らしてありた事実地が近寄りて来たぞよ。地底に埋めてありた稚日女君命は天御守護をなさるなり、国常立尊は天も地も守護を致すなり、天御三体大神様は、地高天原竜宮館宮屋敷に御鎮まりなされて、結構な世立替立直し御守護遊ばすぞよと申した事は、後十年夢が覚めたら解りて来るぞよ。世界大戦争を一寸止めさして、次経綸に掛るから、地神は一旦は天で守護をいたすようになるが、これが天地へ覆へると申すであるぞよ。十年先になりたら、脚下から鳥がたちて、吃驚をいたさなならんから、そこになりた折りに狼狽ぬように、身魂を充分に研いて、腹帯を締めておりて下されよと、毎度筆先に知らしてあるぞよ。時節ほど恐いも結構なもはないぞよ。後は二代三代は申すに及ばず、海潮(聖師様)どがよほど骨が折れるから、今うちに十分覚悟を致しておりて下されよ。これからは何につけても海潮どが御苦労であれど、こ御用天晴勤め上げたなれば、三千世界にまたとない結構な御方と致して、末代名を残さして、御礼を申すであるぞよ……」
とありまして、今から考えるとご昇天も第二御経綸も明確に説示してあったでありまして、しかもご昇天日は欧洲大戦乱休戦当日大正七年十一月六日(旧十月三日)でありました。
 現界において比較的正しき生涯を送りたる人類は、各所主愛によりて死後それぞれ相応天人団体を造るであるから、平面的には非常に沢山団体があるであります。しかし個々独立であるみならず天人自身も自己団体以外に天国あるを知らず、真に徹底した鎖国状態であったであります。相応理により地世界もこ通りになっているであります。これを打って一丸となし、各天国団体をして高天原所属一団体となし、脈絡縱橫、機能整然、本末内外相融和しなくては神政は成就しないであります。
 霊界物語舎身活躍戌巻(四十七巻)間接内流章下に
「……天国組織は最高天国が上中下三段に区画され、中間天国がまた上中下三段に区画され、最下層天国また三段に区画されてある。各段天国は個々団体をもって構成され、愛善徳と智慧証覚度合如何によりて幾百ともなく個々分立し、とうていこれを明瞭に計算する事は出来ないである。また霊国も同様に区画され信と智善徳や智慧証覚度合によって霊国が三段に大別され、また個々分立して数え尽せないほど団体が作られている。云々」
 同上化相神
「……天国団体は大なるもに至っては十万も集まっており、少ないは五六十人団体もある。これは愛と信より来る想念情動如何によって相似相応理により団体を形成するからである」
と説示してあります。
 そこで開祖様は、最奥天国に上りまして大本霊界を直轄し、宣伝使を派遣して間接に各天国団体を教化し、もって統一を計らるる主宰神となり給うたであります(幽界救済ももちろんこと)。これが第二御経綸であります。教祖様現界における残務は聖師様が伊都能売御魂としてこれを兼ね行わるることは前にも述べておきましたが、独り現界みならず現界霊界に亘りて関与さるるでありまして、舎身活躍戌巻第九章に左如く説示してあります。これは聖師様ご神格について大切なるご神示であります。
「真神は月国(霊国)においては瑞御霊大神と現れ給い、日国(天国)においては厳御霊大神と現れ給う。そうして厳御霊大神みを認めて瑞御霊大神を否むが如き信条上に安心立命を得んとするもは、残らず高天原圏外に放り出されるもである。かく如き人間は高天原よりかつて何ら内流なき故に次第に思索力を失い、何事につけても正当なる思念を有し得ざるに立ち至り、ついには精神衰弱して唖如くなり、或いはそ云うところは痴呆如くになって歩々進まず、そ手は垂れてしきりに慄い戦き、四肢関節は全く力を失い、餓鬼幽霊如くなってしまうもである。また瑞御霊神格を無視し、そ人格みを認むるもも同様である。天地統御神たる日国にまします厳御霊に属する一切事物は残らず瑞御霊大神支配権に属しているである。故に瑞御霊大神は大国常立大神を初め、日大神、月大神そ外一切神権を一身にあつめて宇宙に神臨したまうである。こ大神は天上を統御したまうと共に、中有界、現界、地獄をも統御したまうは当然理である事を思わねばならぬ。そうして厳御霊大神は万物父であり、瑞御霊大神は万物母である。総て高天原はこ神々神格によって形成せられているもである。故に瑞御霊聖言にも『我を信ずるもは無窮生命を得、信ぜざるもはそ生命を見ず』と示されている。また『我は復活なり、生命なり、愛なり、道なり』と示されてある。しかるに不信仰輩は高天原における幸福とは、ただ自己幸福と威力にありとみ思うもである。瑞御霊大神は、総て神々御神格を一身に集注したまうが故に、そ神より起こり来るところ御神格によって高天原全体は成就し、また個々分体が成就しているである。人間霊体、肉体もこ神格によって成就しているは無論ことである。そうして瑞御霊大神より起こり来るところ神格とは即ち愛善と信真とである。高天原に住める天人は、総てこ善と真とを完全に摂受して生命を永遠に保存しているである。そうして高天原はこ神々によって完全に円満に構成せらるるである。云々」
 瑞とは御稜威であって、伊都能売御霊はたらきであります。即ち厳御霊と瑞御霊と御はたらき合同完美せる意義であると説示されておりますから、あたかも左右手が別々に働く時は厳御霊、瑞御霊御はたらきであり、そ人全体として働きは伊都能売御霊御はたらき即ち瑞御霊大神ご神格に相当するであります。神様ことは吾々人間に判るもではないが、こ辺までは覚らせていただくことが出来るであります。
 また前項に開祖様が……宣伝使を派遣して間接に各天国団体を教化し云々……と申しましたが、神的順序上からして開祖様は、聖師様から宣伝使を任命さるるをお待ちになっていたであります。大正十三年旧十二月から信教宣伝使が新任さるるようになった理由、また宣霊社を造りて贈宣伝使霊をお祭りになったも、みな意義深き神事であって、こ一事によりても聖師様ご神格一端が覗い知らるるであります。かかる次第であるから、綾部大本は神と人と世界大橋であって、全世界に先だちて霊界と現界とが最も完全に合わせ鏡されつつある中央霊府であります。そして開祖様は天鏡となりて霊界より、また聖師様は地鏡となりて現界より両々相照応して、直接我が大本聖団を指導開発されつつあるでありますから、吾々においては信仰上何迷うところはないであります。ヤガテこ両鏡を世界人々が是認する時が、即ち思想界統一(道義的世界統一)であります。吾々大本信者としては、開祖様神格に対しては、誰でも絶対服従信念が築かれていないもはないと信ずるであります。かく如くにして一方聖師様にも心服することが、即ち天地両鏡を正しく合わせ鏡したであります。「出来得れば絶対服従をして貰いたい」と聖師様ご希望が、当然であることがますます会得さるるわけであります。一家庭にしても、子として両親軽重を比較云為する道理はないであって、父親に対する愛と信はそまま、また母親に捧げ、合わせ鏡を完うせねばならないと同一理であります。従ってこ天地合わせ鏡に注意してさえおれば、たとえマダ衷心より服従が出来ぬ人であっても、それは黙って見ておれば無難であるから、これは先ず別として、近来つぎつぎに現れ来る、か大本向こうを張る方面より引掛戻しが、いかに巧妙に襲うて来ても、信仰上にすこし動ぎも来るはずはないであります。
[#図 信仰上合わせ鏡]
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