文献名1道之大本
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3第9章よみ(新仮名遣い)
著者出口瑞月
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ページ27
目次メモ
OBC B117100c09
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本文
一、晨ごとに天より地より厚き御恵みを人草の上に降し給ふことを有難く喜びてその恩を忘るることなかれ。一と朝なりとも神忘れ給ふことあらば、この世界は滅ぶべし。宇宙万有みな天帝の霊力体の働きによりて活けることを悟るべし。神の御前に平伏して一つ心に祈る時こそ神の心なり。その時こそ世の中のあらゆる苦しみと悩みは神の御手に預り給ふ時なり。神の御恵みはそれかくの如く速かなり。人々よ、家の業に勤しむ間も寝ねたる間も神を忘るることなかれ。神を忘れたる時はこれ苦みを心に覚ゆる時なりと知るべし。我身を助くる者も我を活かすものも、我深き罪を許し給ふものも、皆神の御稜威によるなり。如何なる悩み苦みに逢ふも信仰を落すことなかれ。神は幸を与へんがために種々の試みを与へ給ふものなればなり。何事ありとも正しき道によりて心を神に任せよ。一寸先の知れぬ儚なき人の身なれば。
二、口や舌の上のみの祈りと信仰は神を詐る慢神の罪なり。行ひの伴はざる信仰は偽の信仰なり。偽の信仰は神の仇にして、罪を重ね災禍を招く基となるべし。夢の如き人生は誉も宝も力とならざるなり。喜ぶ間もなくたちまち悲しみと変はるものなり。現世の喜びは草の葉におく露の如し。長に変らぬ喜びと幸ひは身魂の行くべき神の国に在り。ゆゑに人々の現世に於て喜びとし幸ひとする所のものはあたかも影の如きものなり。表面を飾る人の企みは川の水の流るるが如し。現世の栄華はあたかも浮雲の如し。神の国の栄えと喜びと誉は巌の如く、長に動く事なく朽つることなし