文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3帝国と皇国よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考出典不明
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ページ213
目次メモ
OBC B123900c072
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本文
第六十五議会中貴衆両院においてなされたる議員の質問要旨並びにこれに対する当局の答弁を総合すれば、国難も非常時も既に解消されたかの観があり、来たるべき一九三六年に対してははなはだ楽観的である。現今の日本は欧米模倣の政治、教育を根本とし、本来の日本を没却してゐるが故に、現政体を以て国体の如く考へてゐる為政者さへあるのである。従って多数国民の皇道、国体等に対する認識が不足してゐるのは止むを得ない事ながらはなはだ遺憾である。
殊に皇道については、今日の教育を受けた者には全く閑学的に考へられて居り、文明学には何らの関係なきが如くにさへ見られてゐる。
過般華族の子弟に二十余名の赤化検挙者を出したが、彼らには日本の国体も、皇道も天皇に対し奉る認識も十分授けられてゐない、即ち根本において日本人たるの資格が欠けてゐる。これは教育の罪であり、為政者、指導階級者の重大なる責任と云はねばならぬ。また華族の家庭には国祖神を祭祀し朝夕礼拝するの赤誠が欠乏してゐる。これでは皇室の藩屏として、国民の模範たるの資格は全然ない。
一般もまた然りで、日本の天皇を他国の王と同じくらゐに考へてゐる者が多く、一国の主権者(帝国または立憲君主国)は等しく天皇であると考へてゐるのは不明もはなはだしい。日本の天皇は天立の皇であるから天皇と申し上げ、日本を皇国と称ふるのである。帝国と称すべきではない。他国の主権者は人立であるから人王と云ふのである。
現教育の欠陥はかくの如く重大なる国家的根本観念において既に曖昧であり認識不足であって、肇国の大精神並びに日本人本来の使命を失ってゐる。一方政治的に見て、我が国の現政体は国体の本来に徴して多くの錯誤を認めざるを得ない。即ち政党の対立、政権争奪の如き、その大なるものである。我が皇国の政治経済その他一切は天皇に帰一すべきものである。この皇国の真意義が明瞭となり、皇道に則して総てが行はるる時、はじめて非常時も国難も解消されるのである。